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(回答先: 検証・長崎幼児誘拐殺人/3 なぜ教室を飛び出したのか 投稿者 エンセン 日時 2003 年 10 月 08 日 06:43:00)
[12歳のシグナル]検証・長崎幼児誘拐殺人/4 医師頼り、隔離で「解決」
◇「危ない子」選別に危ぐ
この夏、13歳の少年が長崎県内の病院を退院した。
中学校の校長から病院に「生徒を緊急入院させてほしい」と電話があったのは春。少年は近所の女児の下着を脱がせるいたずらを繰り返していた。校長は「(本人の承諾がいらない)強制入院がいい」と頼んだが、理由もなく受け入れられない。病院は両親が連れてきた本人の同意を得て入院を許可した。
「性衝動を抑える治療」。少年の両親によると、最初にかかわった医院で、男性ホルモンを抑制するため、女性ホルモンを注射された可能性が高い。だが、診察の結果、目立った異状はない。第2次性徴で女児への興味が一気に噴き出したとみられる。「行為障害」と診断した。
病院は両親に「確立された治療法はない」と説明し、自宅への外泊も許した。ところが、それを知った学校側は両親に「病院にいるはずではないのか」と伝えた。結局、入院は4カ月に及んだ。その間、校長や担任が病院を訪ねてくることは一度もなかった。医師は「自分たちの前から問題のある子の姿をとりあえず消してしまう。そんな姿勢を露骨に感じた」と言う。
幼児誘拐殺人事件以降、性非行を起こした少年への周囲の目はひときわ厳しい。この医師によると、患者の親たちは、地域で「あのお子さん、大丈夫?」と心配する声をよく耳にするようになったという。ある自立支援施設の幹部は「性非行の場合、地域でうわさになるから地元の施設にも入れなくなることが多い」と明かす。
少年の父親は「もう地元には戻れません」と医師に告げ、引っ越しを決めた。
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「偏見が広がってほしくない」。注意欠陥多動性障害(ADHD)と学習障害(LD)の息子(13)を持つ長崎県内の母親(42)は、事件の影響を気遣う。
息子は小学2年の時、授業中にじっとしていられなくて教室を飛び出した。教育相談所や大学病院を回った末、今は専門家の療育プログラムを受けている。はさみを取り出して遊び半分で友達に向けることもある。
テレビのコメンテーターがそれぞれ少年の「診断」をする。母親は「簡単に口にしてもらったら困る。親は子供のことを学校に十分に相談して力を合わせてフォローしなければいけない。偏見が強まれば説明もできなくなる」と語る。
「うちの子が加害者になった可能性はあると思う。でもはがゆいじゃないですか、少年に周りがしっかり対応していれば、駿ちゃんも少年も救えたはずなのに」
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長崎県教職員組合には事件後、大学の教員を名乗る人たちから、問題のある子供たちへの「対策」を申し出る手紙が相次いで届いた。「特殊な脳のスキャンを使えば診断できる」「幼稚園のころからの投薬治療が有効」……。教組幹部は「心の問題が分かる教師はほとんどいない。といって何でも医者に見せればいいのか」と迷う。
県内のある精神科医は心配する。「地域や学校で危ない子のあぶり出しが始まらなければいいが」=つづく
(2003年9月30日毎日新聞朝刊から)
http://www.mainichi.co.jp/news/article/200309/30m/029.html