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東京港で先月12日、フリーライターの染谷悟さん(38)が刺殺体で発見された事件は、染谷さんが借金トラブルを抱え、40代の自営業の男に拉致・監禁されるなどしていたことが新たに分かり、警視庁東京水上署捜査本部も関心を示している。裏社会の取材を得意とした染谷さん。その周辺で何が起きていたのか。
【本名も隠す】
染谷さんは先月5日、週刊誌『SPA!』の編集者と交わした電話を最後に消息を絶った。
「中国人犯罪の原稿を依頼し、午後5時ごろの連絡後、携帯がつながらなくなった。用心深く、自宅を決して明かさず、本名も事件で初めて知った」(同誌編集部)
東京都豊島区出身の染谷さんはフリーカメラマンとして活動後、十数年前、ライターに転向。3人兄弟の長男、家族とは約10年間も音信不通で、今年3月、同区内のアパートを家賃滞納で引き払い、事件直前まで文京区の短期滞在型マンションにいた。
6月には、歌舞伎町の闇を描いた『歌舞伎町アンダーグラウンド』をペンネームの「柏原蔵書(くらがき)」で出版。当初は取材でのトラブルも指摘されたが、「殺されるほどの問題を抱えていたとは思えない」(捜査関係者)。
【借金と自営業の男】
捜査本部が注目するのは借金をめぐる金銭トラブルだ。出版関係者は「『歌舞伎町−』の出版前、『多重債務者のヤミ金ルポを書くための取材』と、消費者金融から数百万円借りた。だが、その金はほとんど本の出版費用に消えたようだ」と明かす。
また、引き払ったアパートでは、「2人組の男が押しかけ、『金を返せ』と騒いだことがあった」(近所の住人)。
3月には、窓やベランダを壊される被害にあっていたが、染谷さんは「自営業の男がやった」と話していたといい、捜査本部はこの男が事件に関与した疑いが強いとみて捜査している。
【フリーの厳しい現実】
なぜ、染谷さんは借金生活を余儀なくされたのか。出版関係者はフリーの厳しい現状を「不況で原稿料も下がり、メディアも減る一方。彼も例外ではなかった」と指摘。知人は「数年前、雑誌の創刊に失敗、負債を抱え、激しい取り立てに遭っていた。友人にも借金を重ね、生活費に困ると友人宅を転々とした」と話す。
【中国マフィア】
一方で、染谷さんは新たな“金脈”ができたと漏らしていた。
「5月ごろ、『取材で知り合った中国マフィアと仲良くなり、お金をまわしてもらえるようになった』と話していた。借金苦から、危ない金にまで手を出してしまったのか」(雑誌関係者)
【小6女児監禁事件で脚光】
ライターとしては脂が乗ってきた矢先だった。7月、東京・赤坂であった小6女児監禁事件では、自殺した容疑者の買春グループを取材、スポットライトを浴びた。
『SPA!』で東京都立大助教授の宮台真司氏と対談した際は、「メディアが赤坂事件から“渋谷は少女管理売春の街”というイメージを植えつけた。今、小中学生が遊びに行くなら、新宿や池袋より渋谷のほうが断然安全」と主張した。
宮台氏は自身のホームページで「非常にショックな事件」「アングラ世界の取材やフィールドワークで殺されるというのは他人事ではありません」などと記している。
事件が業界に与えた衝撃は大きい。
ZAKZAK 2003/10/07