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(回答先: 遺族側代理人、中1両親インタビュー記事は「謝罪の始まり」 長崎新聞 投稿者 エンセン 日時 2003 年 10 月 07 日 09:15:47)
社説=長崎男児殺害 重い課題に挑むとき
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長崎市の男児誘拐殺人事件で補導された中学一年の男子生徒が、児童自立支援施設に送られた。長崎家裁の分析により、心の闇を解く一定の手掛かりが得られている。学校や家庭は多角的に教訓を導きたい。
刑事責任を問えない十四歳未満の事件である。少年審判も非公開で行われる。その原則、制約を踏まえるとき、家裁が比較的詳細な決定理由を公表した姿勢はうなずける。
男子生徒に対しては、施設送致とともに、行動の自由を制限する「強制的措置」を一年間取ることができる内容だ。
運用上の限度とされる百八十日間の二倍に当たる。しかも、その終了後に再審査すると明記している。現行法の下で取り得る最も厳しい処分と受け取れる。
生徒は補導当時に比べ、自分がしたことの重大さに思いが及んでいる様子がうかがえる。とはいえ、被害者と遺族にはっきりと謝罪する言葉をまだ表現し得ていない。
自立支援施設での生活、教育を通じて、心の落ち着き、社会的な善悪をわきまえる力、素直な感情の表し方を取り戻してもらいたい。
幾多の少年事件の中でも衝撃は突出している。遺族が審判での意見陳述で、涙ながらに無念の胸の内を訴えたのは理解できる。同じ年代の子供を持つ親も不安に駆られた。
家裁はこの生徒について、発達障害の一種があると判断している。ただし、それが非行行為に直接結び付くわけではない。
幼時からの障害に加え、両親の厳しい養育態度や不仲、環境変化、男性性器への強い関心などを、犯行に至る要因として挙げている。
学校と家庭の連携という点で、防ぐ余地はなかったか悔やまれる。特異な言動をしがちな児童生徒は決して珍しくない。個人差もあり容易でないものの、ストレス緩和策や対人関係の結び方といった面で、新たな課題への取り組みが迫られる。
思春期と関連させた家裁の分析からは心身のバランスの難しさも読み取れる。「心理的側面での性の発達に伴う関心が、強迫症状として発現した可能性が高い」との指摘である。一連の行動には粗暴さと同時に、幼稚さも見てとれる。
少年事件の一部が凶悪化しているのは否定しがたい。といって、厳罰化と直結させる論議には異論も少なくない。個別のケースを冷静に掘り下げつつ、再発防止の対策を組み合わせていくことが大事である。
http://www.shinmai.co.jp/news/2003/10/01/007.htm