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田中宇の国際ニュース解説 無料版 2025年3月19日 https://tanakanews.com/
3月18日にトランプとプーチンの米露大統領が電話で首脳会談し、ロシアとウクライナが相互のエネルギー関連(などのインフラ)施設を攻撃しない30日間の停戦や捕虜交換などを決めた(エネルギー以外のインフラ施設も停戦対象とも読み取れる)。
ウクライナ開戦以来初めての停戦が始まったと騒がれているが、停戦は部分的で、軍事状況を大きく変えるものでない(政治状況は変える)。
https://www.rt.com/news/614434-white-house-trump-putin-call/
Trump, Putin agree on ‘energy and infrastructure ceasefire’
相互の軍事拠点などインフラ施設以外への攻撃は今後も続く。露軍はすでにウクライナの送電網のかなりの部分(大半?)を破壊しており、停戦はこの点であまり効果がない。今回の停戦は、ウクライナ側に露本土の施設を無人機やミサイルで攻撃させないことが中心のように見える。ロシアに有利だから、プーチンはこの停戦案を飲んだとか。
https://www.rt.com/news/614446-trump-putin-phone-call/
The Putin-Trump call was a resounding success - whatever was said
ウクライナ軍は疲弊し、戦闘能力が大幅に落ちている。頑固に露敵視する姿勢の欧州(英仏EU=英国系)は、ウクライナがロシアを潰すまで戦争させる姿勢を変えていない。欧州は、停戦中にウクライナ軍を立て直したい。だがトランプの米国側は、停戦中のウクライナ軍テコ入れをさせない。
https://www.rt.com/russia/614324-medvedev-nato-peacekeepers-ukraine-war/
NATO ‘peacekeepers’ in Ukraine mean war - Medvedev
ウクライナ軍の最精鋭部隊は昨年来、ロシア国境を越えてクルスクの占領にたずさわっていた。だが、2月後半からクルスクで露軍の反攻が加速し、ウクライナ軍は露軍に包囲されて逃げられない状態になっている。
トランプがプーチンにお願いし、ウクライナ軍が兵器を捨てて投降したらロシアが厚遇してウクライナに帰すことになった。
https://www.zerohedge.com/geopolitical/putin-rejects-us-temporary-cease-fire-plan-appears-military-fatigues
Putin Issues US List Of Demands To Achieve 30-Day Ceasefire
だがウクライナ政府は、クルスクで自国軍が包囲されて逃げられない状態になっていること自体を「ロシアのニセ情報だ」と言って否定している。その背後には、ウクライナに負けを認めさせたくない欧州・英国系がいる。
英欧ウクライナ(やマスコミ権威筋=英国系)は、現実を頑固に否定する自滅的な妄想状態に入っている。
否定しても、現実は変わらない。今後の停戦期間中、ウクライナ軍は最精鋭部隊の降伏と生還を優先せざるを得ず、軍の立て直しどころでない。
https://www.rt.com/russia/614312-kiev-vow-kursk-offensive/
Kiev rejects Putin’s offer of mercy for troops in Kursk
ウクライナ戦争の主な戦場は、ウクライナ領からロシア領に変わったドンバス地方とウクライナ本体との境界線であり、戦線は膠着している。ロシアは、ドンバスなど露系住民が多い地域を越えて占領を拡大していない。ウクライナ軍は、弱いのでドンバス内部に反攻していけない。だから膠着が続いてきた。
膠着しているので、ウクライナ軍は昨夏、主戦場から精鋭部隊を引き抜き、精鋭を集めてクルスクを越境占領し、クルスク占領が続く限りロシアが和平を拒否する構図を作った(プーチンもそれをこっそり歓迎した)。
クルスク以外のウクライナ軍は、前から戦闘能力がない。精鋭部隊はクルスクでロシアに投降して無力化される。ウクライナ軍は、もう戦える部隊がない。
英国系(欧米日)の人々や権威筋(専門家、エキスパート 笑)は、ウクライナがロシアと互角に近い戦いをしてきたと信じ込み、今回の「停戦」もこの妄想の延長上で見ている。だが現実は違う。
https://www.rt.com/news/614387-trump-putin-call-eu/
EU leaders ‘trembling’ over Putin-Trump call
少し前まで、英仏は、自国の精鋭特殊部隊を「停戦監視」のためにウクライナに派遣すると言っていた。停戦監視するふりをしてウクライナ軍に立て直し訓練を施すつもりだった。プーチンは、英仏が派兵したら対露宣戦布告とみなすと警告していた。
私は数日前に「トランプは軍産複合体をDOGEの会計監査で米国から追い出し、欧州に引き取らせようとしているのでないか(ジョージソロス系の組織も)」と感じ、そういう記事を書こうとした。だが、その可能性は数日で大幅低下した(ボツの山)。
https://responsiblestatecraft.org/russia-ukraine-ceasefire-2671335066/
Scoffing Over Russia-Ukraine Ceasefire Won't Last. Here's Why
英仏はその後、派兵について何も言っていないが、もし英仏がウクライナに派兵したら、英仏(NATO)軍は、ウクライナ軍の訓練でなく、クルスクで露軍に包囲されているウクライナ精鋭部隊を救出するために、ロシア領であるクルスクに侵攻してロシアと戦わねばならない。
トランプの米国は英仏の派兵に猛反対し、全ての軍事支援を断ち切る。英仏は、ロシア(クルスク)に侵攻する正当性もなければ、米国の賛同も支援もGPS誘導も得られない。政治軍事の両面で敗北必至だ。
英仏は、もうウクライナに派兵しない。派兵以外の軍事支援も、停戦期間中はやれない(多分その後も)。
https://www.rt.com/news/614460-eu-reacts-trump-putin-call/
EU countries react to Trump-Putin call
今後の1か月の停戦を経た後、ウクライナ軍は戦闘を再開できない可能性がある。今後、ウクライナがもう戦えない状態になっていることが明白になっていくのでないか。
ウクライナ政界は開戦以降、ゼレンスキーの一強状態だったが、これからの1か月で、それも変わっていき得る。ティモシェンコやポロシェンコといった、ゼレンスキーよりも親露な政治家たちが最近トランプ陣営と会合している。
ゼレンスキーも、トランプの言いなりになって延命しようとする。「トランプの言いなり」とは「プーチンの言いなり」である。対照的に、これからの動きで最も外されるのは英仏EUといった英国系である。
https://www.rt.com/russia/613969-ex-ukrainian-pm-outraged-by-german-intel-head-comments/
Ex-Ukrainian PM outraged by German intel chief’s warning
トランプは、クリミアがロシア領であると認めること検討している。クリミアは住民のほとんどがロシア系で、歴史的にロシアの一部で最重要な軍港もあるのに、フルシチョフの茶目っ気でウクライナに移管された。
トランプは、ロシアのクリミア併合に起因する米国の対露制裁も解除し、国連(や非米諸国)にもクリミアを露領と認めろと要請する計画だ。ウクライナ政府は、猛反対しているがトランプ追従をやめられない。
https://korybko.substack.com/p/trump-would-lead-the-world-by-example
Trump Would Lead The World By Example If He Recognized Crimea As Russian
これが実現すると、これまで米国に気兼ねしてクリミア(やドンバス)を露領と認めることに二の足を踏んでいた非米側が、いっせいに解放されて動き出す。
勢いがつくと、クリミアやドンバスだけでなく、アブハジアや南オセチアなども、正式なロシア領になれるかもしれない。ロシアの愛国者たちは、トランプを好きになる(表向き、トランプは信用できないぞと言いつつ)。
多極型世界のいい感じだが、うっかり英傀儡の人々には伝わらない。
https://www.rt.com/russia/614445-putin-and-trump-new-era/
Putin and Trump usher in an era of new diplomacy
根本的に間違っているのは、ロシアを敵視せねばならないという思い込みだ。ロシアは悪くない。ウクライナの露系住民が殺されているので助けに行っただけだ。悪いのは、ゼレンスキーらの勢力に露系住民を殺させた英国系だ。
それなのに、うっかり英傀儡たち(欧米日のリベラル派とか)は、この構図の全体に気づかず、構図を指摘する者たちを誹謗攻撃し、妄想を軽信し続けている(左翼リベラルはもともと親ソ連だったのに。親ソ反米も、冷戦維持するために英国系が植え付けたとか)。
https://www.rt.com/news/614311-west-russia-simulation-reality/
The West lives in a simulation while Russia is shaping the real world
最近のトランプの動きによって英国系の自滅が加速し、英傀儡たちも精神的に苦しい日々になっている。苦しくなっても、自分たちの妄想に気づかない。温暖化人為説とかコロナワクチンのインチキにも気づかず、まだマスコミを信じてる。もうやめなよ。言っても無駄か。間抜け。
https://www.zerohedge.com/geopolitical/lithuania-says-russian-intelligence-behind-ikea-arson-attack
Lithuania Says Russian Intelligence Behind IKEA Arson Attack
バルト三国とポーランドは、トランプが欧州から離れた後も米国抜きでロシアと敵対し続けるため、自前で安く用意できる兵器として地雷に注目し、地雷禁止条約から脱退することにした。
脱退すべきは条約でなく、ロシアを敵視せねばならないという(英国系から植え込まれた)非現実的な観念の方なのに、そういう話にはなっていない。
https://www.rt.com/news/614390-nato-landmines-ban-russia/
European NATO members could lift ban on landmines
昨年9月に「ロシアの冤罪」という記事を書いた。あの冤罪の件(プーチンがウクライナの子どもたちを拉致したというICCによる断罪)でバイデンの米政府がロシアを捜査していたが、トランプ政権は先日、捜査を打ち切った。冤罪の可能性が高いからだ。
https://tanakanews.com/240906icc.htm
ロシアの冤罪
https://www.rt.com/news/614310-us-project-ukrainian-children/
US shuts down probe into alleged Russian ‘kidnapping’ of Ukrainian children
「ブチャ虐殺」がウクライナ当局のでっち上げだったことも、しだいに露呈している。しかし欧米日のマスコミ権威筋やリベラル派やジャーナリズムは、自分たちが軽信(もしくはでっち上げに加担)したこれらの件の真相究明に全く関心がない。
https://tanakanews.com/220408bucha.htm
市民虐殺の濡れ衣をかけられるロシア
https://www.moonofalabama.org/2024/06/putins-full-speech-brics-nato-expansion-and-ukraine-peace-talk-conditions.html
Putin's Full Speech: BRICS, NATO Expansion and Ukraine Peace Talk Conditions
これらの冤罪を意図的に放置して米国側と非米側の対立を激化して、多極化と英国系覇権自滅を推進するのがプーチンの偽悪戦略だった。真相究明されないことは、プーチン戦略のさらなる成功を意味する。最初(ウクライナ開戦時)から、英国系がプーチンを敵視するほど最終的にプーチンが勝って英国系が滅びる構図になっている。
この構造を作った隠れ多極派(ロックフェラーとか)はすごい。米民主党に選挙不正やらせてトランプを4年間待たせ、その間にウクライナ開戦してロシアを勝たせた後でトランプを返り咲かせたこと、イスラエルに中東覇権をとらせる替わりに米諜報界でどこを突けば英国系を潰せるかをトランプに伝授させたことも含めて、すごい。
https://tanakanews.com/220624russia.htm
プーチンの偽悪戦略に乗せられた人類
この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/250319ukrain.htm
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