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米国の戦略に従い、対中国戦の準備を「粛々と」進める日本政府
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2025.03.19 櫻井ジャーナル
共同通信は3月16日、日本政府が九州における陸上配備型長距離ミサイルの配備を検討していると報じた。緊急事態の際に敵の標的を攻撃する「反撃能力」を獲得する取り組みの一環だという。そのミサイルとは、射程距離が約1000kmの12式地対艦誘導弾能力向上型で、配備は2026年3月に始まるとされている。
21世紀に入ってからアメリカは世界制覇に向かい、本格的に動き始めた。日本ではすでに自衛隊が沖縄への配備を進めている。2016年に与那国島でミサイル発射施設を建設したのに続き、19年には奄美大島と宮古島、そして23年には石垣島でも施設を完成させた。これはアメリカの軍事戦略に基づくもので、中国や朝鮮を攻撃する準備にほかならない。今後、南西諸島の周辺へアメリカ軍とその装備を移動させる可能性がある。
その軍事戦略をアメリカ国防総省系シンクタンク「RANDコーポレーション」は2022年の4月に説明している。GBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲するという計画を公表したのだ。アメリカはヨーロッパでロシアとの国境近くにミサイルを配備してきたが、ウクライナ制圧にもそうした側面がある。いつでもミサイルで相手を破壊できる態勢を整えてきたのだ。こうした日本の軍事力強化を「専守防衛」の範囲で行なっていると言うことはできない。
アメリカの軍事や外交を支配してきたネオコンはソ連が消滅して間もない1992年2月にアメリカ国防総省のDPG(国防計画指針)草案として世界制覇プロジェクトを作成した。
このDPG草案はポール・ウォルフォウィッツが中心になって書き上げられたことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれるが、その目的は旧ソ連圏を制圧するだけでなく、ドイツや日本をアメリカ主導の集団安全保障体制(戦争マシーン)に組み入れ、新たなライバルの出現を防ぐことにある。この戦争マシーンは世界を軍事的に制圧することが目的であり、自衛隊をそうした攻撃的な軍隊にするということだ。
この世界制覇計画は2001年9月11日、ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)に対する攻撃で始動した。
2022年10月になると、「日本政府が、米国製の巡航ミサイル『トマホーク』の購入を米政府に打診している」とする報道があった。亜音速で飛行する巡航ミサイルを日本政府は購入する意向で、アメリカ政府も応じる姿勢を示しているというのだ。
旧式ではあるが、トマホークは核弾頭を搭載でる亜音速ミサイルで、地上を攻撃する場合の射程距離は1300キロメートルから2500キロメートルという。中国の内陸部にある軍事基地や生産拠点を先制攻撃できる。「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約は無視されていると言えるだろう。
そして2023年2月、浜田靖一防衛大臣は亜音速巡航ミサイル「トマホーク」を一括購入する契約を締結する方針だと語ったが、10月になると木原稔防衛相(当時)はアメリカ国防総省でロイド・オースチン国防長官と会談した際、「トマホーク」の購入時期を1年前倒しすることを決めたという。当初、2026年度から最新型を400機を購入するという計画だったが、25年度から旧来型を最大200機に変更するとされている。
南西諸島にミサイル発射基地が建設されつつあった2017年11月にアメリカはオーストラリア、インド、日本とクワドの復活を協議、18年5月にはアメリカ太平洋軍をインド太平洋軍へ名称変更した。
2020年6月になるとNATO(北大西洋条約機構)事務総長だったイェンス・ストルテンベルグはオーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本をメンバーにするプロジェクト「NATO2030」を開始すると宣言し、2021年9月にはアメリカ、イギリス、オーストラリアのアングロ・サクソン3カ国が太平洋でAUKUSなる軍事同盟を創設したとする発表があった。
パリでオーストラリア、アメリカ、イギリスが署名したAUKUS契約はオーストラリア海軍に5隻の新世代潜水艦、3隻のバージニア級潜水艦、および関連する通信、諜報、人工知能システムを供給することを目的としていた。
アメリカとイギリスがオーストラリアに原子力潜水艦の艦隊を建造させるために必要な技術を提供するということだが、そうした潜水艦を動かすためにはアメリカの軍人が乗り込む必要があり、事実上、アメリカ海軍の潜水艦になる。その原子力潜水艦を受け入れる可能性があると山上信吾オーストラリア駐在大使はキャンベラのナショナル・プレス・クラブで2022年11月14日に表明した。この件でも日本はアメリカの軍事戦略に組み込まれることになる。
与那国島にミサイル発射施設を建設する前年、2015年の6月、総理大臣だった故安倍晋三は赤坂の「赤坂飯店」で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で、「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と口にしたと報道されている。安倍首相は南シナ海における中国との軍事衝突を見通していたのだ。
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