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外国勢力に支援されたジハード集団に制圧されたシリアで少数派住民の虐殺が続く
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202503160000/
2025.03.16 櫻井ジャーナル
HTS(ハヤト・タハリール・アル・シャム)やRCA(革命コマンド軍)が昨年12月8日にダマスカスを制圧、アーメド・フセイン・アル-シャラー(アブ・モハメド・アル-ジュラニ)が暫定大統領を務める新政権が誕生したが、それ以来、アラウィー派やキリスト教徒を中心にして住民が虐殺された。アラフィー派だけでも3月に入ってから4000名以上が殺害されたと言われている。そのHTSをクウェートとバーレーンは支持すると表明した。HTSが実権を握って以来、身の危険を感じたアラウィー派やシーア派の人びとはレバノンへ逃げ、数千人の住民がロシア軍の基地へ避難したという。
アラウィー派はシリア人口の約1割を占め、北西部に集中。ダマスカス以外ではトルコ軍やイスラエル軍による攻撃にさらされ、ジハード戦闘員とアラフィ派民兵の軍事衝突も報告されている。地域によってはHTSの部隊が男性を一斉に拘束、路上で射殺し、家や商店で略奪、また放火しているとする報告もある。殺害された民間人の大半は成人男性とされているが、女性や子どもが処刑されたことも確認されている。こうした状況を「水晶の夜」と表現する人もいる。
民間人を虐殺している戦闘員のほとんどはHTSの外国人傭兵。その中心はウイグル人、チェチェン人、ウズベク人で、シリア人は少ないとされている。新疆ウイグルからシリアへ来ている戦闘員は殺害の際に首を切り落とすことで知られている。
HTSはアル・カイダ系戦闘グループのアル・ヌスラ戦線を改名した組織で、アル・ヌスラはシリアで活動を始める前、AQI(イラクのアル・カイダ)」と呼ばれていた。アル-シャラーもAQIに参加したが、2006年から11年にかけてアメリカ軍にイラクで拘束され、12年に釈放されている。
アル・カイダはCIAがアフガニスタンでソ連軍と戦わせるために訓練した戦闘員の登録リスト。イギリスの外務大臣を1997年5月から2001年6月まで務めたロビン・クックも05年7月、「アル・カイダ」についてCIAの訓練を受けた「ムジャヒディン」の登録リストだと説明している。なお、この指摘をした翌月、2005年8月6日にクックは休暇先のスコットランドで散歩中に心臓発作で急死した。HTSやRCAもこうしたジハード戦闘員で構成されている。
シリアでの戦闘は2011年3月に始まった。バラク・オバマ米大統領が2010年8月にPSD-11を承認、ムスリム同胞団を利用した体制転覆プロジェクトを地中海の南部や東部の沿岸で開始、シリアでの戦闘もその一環だった。
プロジェクトはアメリカ、イスラエル、サウジアラビアのほか、サイクス・ピコ協定コンビのイギリスやフランス、ムスリム同胞団と関係が深いカタールやトルコが加わり、戦場で戦うのはムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)のジハード傭兵を中心とするアル・カイダ系武装集団。
シリアより1カ月早く戦闘が始まったリビアでは2011年11月にムアンマル・アル・カダフィ体制を倒し、カダフィ自身を惨殺した。その際にNATO軍とアル・カイダ系武装集団LIFG(リビア・イスラム戦闘団)との連携が明白になっているが、その前、2011年5月に「アル・カイダ」のアイコン的な存在だったオサマ・ビン・ラディンの殺害をオバマ政権が発表している。
カダフィ体制を崩壊させた後、アメリカは軍事支援をシリアの反政府軍へ集中させるが、そうしたオバマ政権の方針を危険だとする報告書をアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)は2012年にホワイトハウスへ提出する。反シリア政府軍の主力はAQIであり、その集団の中心はサラフィ主義者やムスリム同胞団だと指摘、さらにオバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになると警告したのだ。その時にDIAを率いていた軍人がマイケル・フリン中将にほかならない。
この警告通り、2014年には新たな武装集団ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)が登場する。この武装集団はこの年の1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック、ハイラックスを連ねてパレードし、その後、残虐さをアピールする。
ダーイッシュの戦闘員はトルコ、ヨルダン、リビアの軍事基地でアメリカの特殊部隊やCIA、そしてイスラエルのモサドから訓練を受けたと中東では伝えられていた。2011年7月から14年7月までトルコ駐在アメリカ大使を務めていたフランシス・リチャールドーネがダーイッシュの軍事作戦を調整していたとされている。(F. William Engdahl, “Whom The Gods Would Destroy,” mine.Books, 2016)
2012年6月、シリアへ入って戦乱の実態を調査したメルキト・ギリシャ典礼カトリック教会のフィリップ・トゥルニョル・クロス大主教はローマ教皇庁のフィデス通信に対し、「誰もが真実を語ればシリアの平和は守られる。紛争の1年後、現地の現実は、西側メディアの偽情報が押し付けるイメージとはかけ離れている」と報告している。それ以降、現在に至るまで西側の有力メディアは真実を語ろうとしていない。
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