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19世紀からロシアの破壊を目論んできた英国の支配層がウクライナの戦争で浮上
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202503150000/
2025.03.15 櫻井ジャーナル
ロイターによると、地上発射型小直径爆弾(GLSDB)のウクライナ向け輸送をアメリカ政府は再開する準備を進めているという。この爆弾はGPS補助慣性航法システムで誘導されるGBU-39(SDB)にM26 227 mmロケットモーターを組み合わせたものだ。ウクライナ軍はアメリカから供給されたATACMS(陸軍戦術ミサイル・システム)をほぼ使い果たしているので、その代用兵器なのだろう。すでに提供されたGLSDBはロシア軍のECM(電子対抗手段)で無力化されている。今回のタイプは対抗できるよう改良されたというが、性能は不明だ。
ドナルド・トランプ大統領がスティーブ・ウィトコフ特使をモスクワへ派遣したタイミングでこの記事は出た。ウィトコフはウラジミル・プーチン大統領に「即時暫定30日間停戦」に合意させることはできなかった。もしこの停戦案をロシア政府が認めた場合、その間にアメリカ政府はGLSDBをウクライナへ輸送する予定だったのかもしれないが、そうした時間的な余裕はなくなった。こうした兵器を供給するということは、軍事情報を提供するだけでなく、オペレーターを派遣する可能性がある。
ロシアのニコライ・パトルシェフ大統領補佐官はNATO諸国がそれ以上の攻撃を計画していると考えている。例えばロシアの海底パイプライン、タンカー、貨物船に対するテロ活動、ロシア船の航行装置に対するサイバー攻撃、さらにバルト海を航行するロシアの船舶への脅威も懸念している。ロシアとNATOの戦争がエスカレートしていく危険性があるということだろう。
ここにきて西側の対ロシア戦争でイギリスの果たしている役割が注目されている。第1次世界大戦では帝政ロシアをドイツと戦わせるためにイギリスの情報機関MI6が暗躍していたことは本ブログでも書いてきた通り。その当時、ロシアでは戦争に反対する大地主と戦争に賛成する資本家が対立、グレゴリー・ラスプーチンとフェリックス・ユスポフがそれぞれの象徴的な存在だった。
有力貴族のユスポフはふたりのMI6オフィサーと親しかった。ユスポフ家で生まれたというスティーブン・アリーとオックスフォード大学でユスポフと親しくなったオズワルド・レイナーだ。このふたりを含むMI6のグループが1916年にペトログラードへ派遣され、ユスポフと接触している。ラスプーチンに致命傷を負わせた弾丸を発射できる拳銃を所持していたのはレイナーだ。
ラスプーチン暗殺後、ロシアでは「二月革命」で資本家が実権を握る臨時革命政府が誕生、ドイツとの戦争を続けるが、それを嫌ったドイツは即時停戦を主張していたウラジミル・レーニンを含むボルシェビキの指導者を列車でロシアへ運んだ。そして「十月革命」が起こり、ボルシェビキの体制が成立。そうした経緯があるため、ソ連とドイツはナチスが台頭するまで友好的な関係を維持した。米英金融資本がナチスのスポンサーだということが今では明確になっている。
イギリスには反ロシア政策を推進した有力政治家がいる。19世紀前半に首相や外相として暗躍したヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)だ。彼はロシアをイギリスにとって最大のライバルとみなし、「ウクライナ人はわれわれが反ロシア蜂起のストーブに投げ込む薪だ」と語り、ポーランドをロシアとドイツの間の障壁として復活させる計画を立てていた。
またパーマストン子爵は中国におけるイギリスの権益を守るためにチャールズ・エリオットを1836年に広東へ派遣、東インド艦隊の軍事行動の規制を緩めて清(中国)への軍事的な圧力を強化、1840年にはアヘン戦争を始めた。彼の政策はセシル・ローズ、ナサニエル・ロスチャイルド、アルフレッド・ミルナーが引き継ぎ、それは今でもアメリカやイギリスの支配層に影響を及ぼしている。
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