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※紙面抜粋
※2025年4月21日 日刊ゲンダイ2面
「世界のモデル」とは大笑いだ 亡国の日米交渉に世界が嘆息
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/370800
2025/04/21 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
位置関係で立場が明らか(内閣官房HPから)
石破首相は、最優先で始まった日米関税交渉を「世界のモデルにする」と力んでいたが、世界はトランプ米国離れを加速化している。世界秩序を破壊し、民主主義も否定する暴君といつまで“条件闘争”で付き合うのか。必要なのは隷属同盟の見直しで、「やっぱり石破じゃダメ」の声。
◇ ◇ ◇
石破首相が20日、日米関税交渉について「世界のモデルにする」と息まいていた。
「一方が得をして一方が損するみたいな交渉は決して世界のモデルにならない。日米の交渉がモデルになることを目指していく」
石破は意気揚々とこう語ったのだが、何を寝言みたいなことを言っているのか。世界は「フフン」と大笑いだろう。
バカげた関税をかけて、米国経済を破滅に導こうとしている貿易赤字被害妄想大統領。ところが、株、債券、ドルのトリプル安に見舞われ、慌てて、相互関税の90日間延期を発表した場当たり大統領。ドル高に怒り、円安を目の敵にするくせに、ドル基軸通貨の地位にはしがみつく支離滅裂大統領。挙げ句がFRBのパウエル議長を解任すると脅し、ロシアとウクライナの停戦交渉からは身を引くなどと言い出したトランプ。直感だけの猫の目で、大風呂敷を広げては撤回し、それを「ディールだ」などと粋がっているが、窮地に陥っているのは歴然だ。そこで、とりあえず、成果を急ぎ、それを世界に見せるために呼び出したのがポチの日本なのである。安全保障上、米国に依存する日本は無理難題を押し付けても逆らえない。それを見越しての指名である。それなのに、「世界のモデル」とはよくぞ、言ったものだ。「モデル」だとすれば、それは「反面教師のモデル」だろう。
バガげたトランプ関税の成果に協力
慶大名誉教授の金子勝氏(財政学)も首相のセリフにたまげた一人だ。
「トリプル安に見舞われている米国は自業自得ですが、追い詰められて、成果に焦っている。関税をまけてやる代わりに、大幅譲歩を引き出し、トランプ流を誇りたい。そこで、日本をカモにしようとしているだけです。しかも相手はマトモじゃない。中央銀行の独立を脅かし、大学の言論の自由を否定する、反民主主義的な独裁者です。そんな相手と条件闘争し、カモになる先例を見せようとしているのでしょうか」
トランプは赤沢経済再生相との会談後、2ショット写真をXにアップし、「大いなる前進」と書いた。何も決まっていないのに、なぜ、「前進」なのか。いきなり、交渉相手として自らが出て行き、赤沢を下座に座らせ、ビビらせた。赤いMAGA帽をかぶらせ、恭順の意を示させた。次の交渉も今月下旬と急がせた。世界はこうした光景に「ああっ」と嘆息したのではないか。
改めて言うまでもないが、自由貿易を否定するトランプ関税は愚の骨頂だ。
それを改めさせなければ、米国はスタグフレーションに陥り、世界経済に重大な影響が及ぶ。それなのに、トランプ関税の成果づくりに協力してどうするのか。
「相互関税の90日間延期やPC、スマホを対象外にする混乱などが象徴するように朝令暮改のトランプは、どう転ぶかわからない。じっくり時間をかければいいのに、真っ先に駆け付けても、いいことはひとつもない」(外交事情通)という声もある。日本は先頭に立ってはいけない国なのである。
世界は明確に米国と距離を取り始めている
世間が大きな溜息に陥った瞬間(C)ロイター/ZUMA Press Wire
世界に目を転じれば、狂乱大統領に対して、各国は明確に距離を置き始めている。
その象徴がドル離れだ。17日のニューヨーク為替市場ではドルの強さを示すドル指数が節目の100を割り込んだ。4月に入ってから、ドルは主要通貨に対して、4%以上下落、米国債も売られ、利回りは0.3ポイントも上昇した。英エコノミスト誌は1990年代の日本のトリプル安に引っ掛けて、「Triple Yasu」という記事を組んだほどだ。
ふつうは株が下がれば、債券は上がる。債券が下がり、利回りが上昇すれば、ドル高になる。それがトリプル安になるのはよほどのことだ。多くの投資家が基軸通貨国である米国の経済に不安を抱き、逃げ出しているわけで、エコノミスト誌は「ドルの崩壊が起こりうる」と書いている。日経新聞も19日の1面で「米同盟国もドル不信」という記事を掲載、中国のように米国と距離を置く国だけでなく、「同盟国の間でも基軸通貨ドルへの信認の揺らぎが広がりつつある」と書いた。経済評論家の斎藤満氏はこう解説する。
「相互関税のように世界を敵に回す政策を取り続ければ、やがて米国やドルの信認が崩れるのは必然です。基軸通貨国である米国はドルを世界に潤沢に供給するために、経常収支を赤字にする必要があるのに、トランプ大統領はこの根本がわかっていないのです。基軸通貨の地位は守りたいけど、貿易赤字は悪であるという考え方は大きな矛盾で、周囲がいさめるべきなのに、誰も止めない。かくて、基軸通貨国の尊厳も何もなく、各国を脅しまくっている。こんなことを続ければ、基軸通貨の維持ができなくなる。それを見越して、急速にドル離れが進んでいるのです」
カモになった上にババを掴まされる
中国は一時、1兆2000億ドル以上の米国債を保有していたが、昨年末で7590億ドルまで減らしている。ここにきて、さらに売りを加速化しているのは確実だ。ベッセント財務長官も危機感を強めているが、トランプには逆らえない。代わりに日本に100年債などの長期債を持たせようとしているとされ、ここでも日本はカモになる恐れがある。
「今や、こうして米国に協力してくれる友好国は日本と英国くらいでしょう。でも、米国債8兆5000億ドルのうち、日英が保有するのは1兆8000億ドル程度。とても2国で支え切れるものではありません。日本は米国に依存し、言われるままに従うのではなく、他国とも協調し、したたかに自立し、備えることが求められているのです」(斎藤満氏=前出)
それなのに、石破はトランプ関税に対して、他国とスクラムを組むでもない。中国の習近平国家主席がさっそく、東南アジアを歴訪し、「アジアの家族よ」と呼びかけたのとは大違いだ。多面的な外交戦略もなく、ただ米国との2国間協議を先行させ、「双方の得」みたいな言い方をしている石破を見ていると、関税を引き下げてもらう条件として、米国債の買い支えが「裏カード」になる懸念がもたげてくる。カモになったうえに、ババを掴まされることになってしまう。
■貧乏国同士が奪い合ったところで共倒れ
こうなると、本当に石破の交渉には国民の注視、監視が必要だ。日本は米国に安全保障を依存しているのだから、逆らえないのはしょうがない、と言う向きもあるが、これもおかしい。今こそ、この隷属関係を見直さなければ、共倒れだ。
「日本は戦後80年間、事実上、米国の占領下にあったも同然です。石破さんは当初、この関係を見直すためにアジア版NATOや日米地位協定の見直しに踏み込もうとしていたのではなかったか。それがいつの間にか立ち消えになり、いつもの隷属関係に逆戻りです。米国支配が終わった今、アジア、EU、中国も含めて、新たな安全保障のモデルを模索するべきだと思います」(斎藤満氏=前出)
さもないと、またぞろ、役にも立たないミサイルを爆買いさせられ、思いやり予算をふんだくられるだけだ。そうなれば、日本はさらに財政が逼迫し、トランプの暴走は止まらず、米国経済も破滅に向かって一直線ということになる。
「そもそも、日米関税交渉に未来はありません。1980年代だったら、日本も米国に譲歩するカードがあったが、今は何もないんです。米国も輸入関税を上げたからといって自国の製造業が復活するわけではない。貧乏になった国同士が分捕り合戦をしているだけで、生産性がない。行き着く先は共倒れです」(金子勝氏=前出)
「ウィンウィン」なんて寝言を言っている場合ではないのである。この交渉の本質を見誤ると、取り返しのつかないことになるが、トランプ、石破はその道を歩みつつある。
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