http://www.asyura2.com/25/senkyo297/msg/153.html
Tweet |
※2025年4月16日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2025年4月16日 日刊ゲンダイ2面
政権は安泰…(代表撮影)
初日からトラブル、失望、怒りが爆発している万博だが、首相だけはミャクミャクとバカ騒ぎ。折しも、国難に見舞われ、庶民は生活苦で青色吐息なのに、いい気なものだ。トランプのおかげで、石破降ろしも収まり、安堵の首相に国民の凄まじい怒りが渦巻いている。
◇ ◇ ◇
トランプ関税に日本はどう立ち向かうのか。はたしてディールはうまくいくのか。
アメリカとの貿易交渉が、いよいよ、あす(日本時間17日)からスタートする。日本側の交渉担当者・赤沢亮正経済再生担当相が、ベッセント米財務長官と協議をはじめる。
トランプ大統領が発動した「相互関税」は、とりあえず90日間停止されたが、もともと日本には24%の関税がかけられていた。さらに「相互関税」とは別に、すでに日本は自動車や鉄鋼・アルミなどに25%の追加関税をかけられている。
赤沢のミッションは、これらの関税の引き下げや、日本を「相互関税」の対象から除外させることだ。もし、交渉が失敗に終わったら、日本経済が壊滅的な打撃を受けるのは間違いない。
財務省の貿易統計(2024年)によると、日本の対米輸出は21兆2947億円に達するという。「相互関税」24%をかけられ、輸出がストップしたら日本経済への打撃は計り知れない。
自動車への「追加関税」25%だけでも、倒産ラッシュが起きかねない状況だ。
乗用車の関税は現行の2.5%から27.5%に、トラックは25%から50%に引き上げられる。高い関税をかけられた日本車は、アメリカではほとんど売れなくなる可能性が高い。日本円で1台400万円前後のクルマは、100万円以上高くなるからだ。昨年、日本からアメリカに輸出された自動車は計137万台、金額は6兆円を超えている。6兆円を失う恐れがあるということだ。自民党の小野寺政調会長も「恐らく各企業ほとんど赤字になる」と危機感を強めていた。
「基幹産業である自動車産業は、裾野が広く、日本の全就業人口の1割にあたる約530万人が携わっています。鉄鋼、ガラス、電子部品、小売業……と多くの産業が関わっている。自動車メーカーの業績が悪化したら、影響は日本経済全体に及ぶでしょう。景気は冷え込み、不況に突入する恐れが強い。賃上げどころではなくなります」(民間シンクタンク研究員)
「タリフマン(関税男)」を自称するトランプは、「アメリカは貿易相手国にぼったくられてきた」と怒りをあらわにしている。はたして、日本の国益を守るディールが成立するのかどうか。
日本経済は、戦後最大の危機に直面している。
国難が追い風というアベコベ
野党も政権延命を後押し(C)日刊ゲンダイ
ところが、この「国難」を前にして、石破首相は上機嫌だという。
先週末、大阪・関西万博の開会式に出席した時も、「総理〜!」と呼びかけられると満面の笑みで応じ、公式キャラクター「ミャクミャク」を見つけると、「おー」と近づき、両手で握手。記念撮影にも笑顔で応じている。
石破内閣の支持率は「危険水域」とされる20%台に落ち込んだままだ。少数与党という状況も変わらない。本来なら大ハシャギなどできないはずである。
なのに上機嫌なのは、「石破降ろし」がピタリと止まったからだ。つい最近まで、本年度予算案が成立したら、自民党内から「石破首相ではこの夏の参院選を戦えない」の声が噴き出し、「石破降ろし」が強まるとみられていた。
ところが、トランプ関税が発動されたのを契機に「石破降ろし」は封印されてしまった。
ジャーナリストの山田惠資氏はこう言う。
「石破首相がトランプ関税を『国難』と口にしたことで、“反石破勢力”も『国難に直面している時に政局はしかけられない』というムードになっています。もともと『ポスト石破』をうかがう議員たちには、いま自分が総理になっても参院選は厳しい、参院選は石破首相にやらせて大敗した後、総理になった方が得策、という計算もあった。加えて、自民党は衆院では過半数を割っているので、たとえ自民党総裁に就いても、首相指名で総理に選ばれないリスクも……。そうした状況のなかでトランプ関税という『国難』が勃発し、さらに『石破降ろし』は勢いを失っている状況です」
自民党内の状況を見た石破は、周囲に「首相をやりたいやつがいればいいが、誰かいるのか」と漏らしているという。
しかも、トランプ関税が発動されたことで、野党までが「撃ち方やめ」となってしまった。
立憲民主党の野田代表は、衆院予算委で「国難を突破するためには、野党第1党としても政府を後押しする用意がある」と明言している。
「野党には、参院選は石破首相と戦った方が得策という思惑があります。もし、不信任案を突きつけて衆院を解散されたら困るという計算もある。『国難』によって政局を控えざるを得なくなり、ますます石破政権を追い込むという機運は薄れています」(山田惠資氏=前出)
本来、政権を直撃しておかしくない「国難」が、なぜか政権の追い風になっている格好なのだ。
物価高に苦しむ庶民も救えない
しかし、「国難」を人質に取るような形で、無能無策の不人気政権が安泰だなんて、どう考えてもおかしいのではないか。
15日の朝日新聞は、「低支持率 それでも首相は笑顔」「消えた“石破降ろし”」と報じていた。
3年続くインフレに庶民生活は限界に近づいている。コメの値段は、昨年の2倍である。読売新聞の世論調査によると、物価高による家計の負担を「感じている」は、92%に達している。
なのに、石破は、足元の経済について「明るい兆しがあらわれ始めている」と口にしているのだから、ふざけるにも程があるというものだ。なぜ、庶民が「物価高」に苦しんでいることを理解しようとしないのか。
青息吐息の庶民は、「ミャクミャク」を相手にはしゃぐ石破の姿を見て絶望したのではないか。
トランプ関税についても、石破は「(首相が)誰であっても、どうこうできるわけではないだろうよ」と、開き直っているそうだ。
どう考えても、この男では、庶民生活を救うことも、「国難」を乗り切ることもムリだ。
なのに、自民党も野党も、夏の参院選まで、あと90日間も石破政権を延命させるつもりなのだから、いくらなんでも無責任すぎるのではないか。このままでは、アメリカとの90日間の貿易交渉も、「(首相が)誰であっても、どうこうできるわけではないだろうよ」と、やる気のない男が担うことになってしまう。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「トランプ大統領は、戦後80年間続いた国際ルールをすべてぶっ壊そうとしている。ある意味、革命です。いま、自分たちは歴史の転換点にいるのかも知れない。少なくても、いままでのアメリカとは違います。アメリカの庇護下にいれば安心という時代は終わりを告げつつあるのだと思う。時代が大きく動く時、誰がトップなのかは、非常に大事です。見方を変えれば、アメリカ追随から脱却するチャンスとも考えられます。しかし、石破首相に、その覚悟と、胆力、能力があるのでしょうか。答えはハッキリしているでしょう」
石破茂という存在こそが、最大の「国難」ということなのではないか。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ

すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。