<■1894行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <主張>日中外相会談 互恵関係の「基礎」がない 社説 2025/3/23 5:00 https://www.sankei.com/article/20250323-66GDVSXSOVI6RF3GMK3KDQB57Q/ 岩屋毅外相と中国の王毅共産党政治局員兼外相が2025年3月22日、都内で会談した。 岩屋氏は両国の共通利益を拡大する 「戦略的互恵関係」 の包括的推進を目指すと強調した。 両氏は両国の課題と懸案を減らし、協力と連携を増やすことで一致した。 会談後には閣僚級の日中ハイレベル経済対話が6年ぶりに開かれた。 日中韓外相会談も開かれ、首脳会談の年内実施へ調整を加速させることになった。 王氏は岩屋氏との会談で、日中の 「関係の改善と発展を積極的に推進することが重要だ」 と語った。 経済対話では米トランプ政権を念頭に 「一国主義、保護主義が横行している」 と述べ、日中協力の重要性を唱えた。 トランプ政権の対中圧力に直面する中国は、対日関係を改善し、近年減少している対中投資を増やしたいのだろう。 日米同盟に楔を打ち込む狙いもあるように思われる。 だが、中国側の実際の行動に大幅な改善がない限り、中国との関係強化はあり得ない。 外相会談では、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に伴って中国側が禁輸した日本産水産物の輸入再開の協議推進を確認した。 掛け声ばかりで再開時期は明らかにならなかった。 中国当局が複数の邦人を拘束している問題も進展はなかった。 この深刻な人権問題が解決しなければ日本人ビジネスマンは安心して赴任できない。 2025年3月22日朝までの24時間で中国軍は、沖縄のすぐ隣に位置する台湾の周辺で軍用機のべ47機、軍艦7隻などを展開した。 台湾への乱暴な示威行動は容認できない。尖閣諸島周辺での中国海警局船の領海侵入や、与那国島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内の中国ブイの問題も解決していない。 日中関係を改善し、協力を拡大する条件は整っていないということだ。 石破茂首相や岩屋氏は、戦略的互恵関係という、時代にも国益にもそぐわない概念を用いるのをいい加減やめるべきだ。 ハイレベル経済対話を開いても、経済界が訪中団を送っても邦人の安全が守られないようでは協力や連携を進めるのは危うい。 台湾有事の懸念もある。 首相や岩屋氏は、中国の行動を大幅に改めさせることを優先しなければならない。対話重ねるも懸案解決なく 厳しい世論と日米関係踏まえた対中外交の難しさ 日中外相会談 2025/3/22 22:06 https://www.sankei.com/article/20250322-Y7WE6AOZGJOVZDT443MU3BHKSU/ 2025年3月22日の日中外相会談でも中国に起因する日中間の懸案に具体的な進展はなく、中国の王毅共産党政治局員兼外相は逆に戦後80年の節目を捉え、歴史問題で日本を牽制する姿勢を示した。 中国側の思惑に流されずに関係を構築し、懸案を減らし、国益を確保できるかが岩屋毅外相にのしかかった課題だ。 「日中両国の協力と連携のポテンシャルを最大限発揮するためには、率直に議論できる関係の構築が重要だ」。 岩屋氏が日中外相会談の冒頭でこう呼びかけたのに対し、王氏は 「歴史を直視し、未来に向かって共通認識を固めるべきだ」 と述べ、日中韓外相会談に続き 「歴史」 に言及した。 その後、岩屋氏は中国で拘束された邦人の即時解放をはじめ、一連の懸案に懸念を伝え解決を迫ったが、王氏は 「それぞれの論点について中国側の立場に沿った発言」(外務省) に終始した。 昨年2024年12月の北京での日中外相会談で、岩屋氏は過去の侵略と植民地支配へのお詫びを表明した戦後50年の 「村山談話」 に言及。 中国側が 「村山談話の明確な立場を引き続き堅持し、深い反省と心からの謝罪を表明する」 と岩屋氏が述べたと発表し、日本側がその後、中国側の発表は 「正確ではない」 として中国側に申し入れた一幕があった。 中国が外交カードとして利用してきた村山談話に岩屋氏が敢えて触れ、中国側に利用されたことには、元外務省幹部も 「賢明でなかった」 と苦言を呈し、自民党の閣僚経験者も 「歴史問題を武器化しようとする中国の手に乗ってはいけない」 と岩屋氏の対中姿勢への懸念を不安視した。 2025年3月22日の日中外相会談でも今年2025年が戦後80年の節目に当たることから議論は歴史に及んだが、外務省の説明によると、岩屋氏は今回 「村山談話」 に言及せず 「日本は戦後平和国家として歩んできた」 と説明したという。 中国への譲歩や傾斜は世論や自民党内の反発を招くだけでなく、対中強硬姿勢を強めるトランプ米政権との間で亀裂が生じる恐れもあり、一筋縄でいかないのが対中外交だが、山積する懸案の進展は 「対話がないと始まらない」(外務省幹部)。 岩屋氏は会談で 「ハイレベル往来を重ねる中で懸案を解決していく」 考えを強調した。 「中国は人権抑圧、覇権主義の停止を」内モンゴル、チベットの出身者ら来日の王毅氏に抗議 2025/3/22 16:23 https://www.sankei.com/article/20250322-TQXOQX4Z3JHRTIXKTDHZT6GJBI/ 中国の王毅共産党政治局員兼外相の来日に抗議するため、2025年3月22日に日中韓外相会談が開かれた外務省飯倉公館(東京都港区)付近では中国政府に迫害される新疆ウイグル、内モンゴル、チベット各自治区や香港の出身者らがデモ活動を行った。 一行は王毅氏について 「現在の人権抑圧や覇権主義を停止しない限り、より厳しい批判が中国政府に突き付けられる」 と指摘する声明を読み上げた。 飯倉公館前は厳重に警備されており、デモは警察の誘導で数百メートル離れた場所で行われた。 王毅氏が飯倉公館に入る際、出る際に合わせて、一行は 「中国は民族弾圧をやめろ」 「強制収容所を閉鎖しろ」 「自由と民主の声を殺すな」 などと声を上げた。 中国で暮らす親族が当局に不当に弾圧されていると訴える名古屋市の中国人女性らも駆け付けた。 その後、一行は1キロ余り離れた中国大使館前に移動。 マイクを握った日本人支援者の古川郁絵氏は、外相会談で岩屋毅外相が掲げた 「未来志向の交流」 について 「現在進行形でチベット、ウイグル、南モンゴル、香港の自由を奪い、台湾を脅かす中国との未来思考とは何か」 と疑問視し、 「未来は隣国で起きている残酷な現実に目を背けたものではいけない」 「自由と民主を求めて戦っている人が弾圧される中、日中友好はあり得ない」 と訴えた。 王毅氏は2025年3月7日の記者会見で台湾について 「中国は最終的に台湾を統一する」 と強調しており、声明は 「台湾に対する侵略の意思を露わにした王毅氏の発言は、アジアにおける平和に脅威を与え、力による現状変更を求めるもので看過できない」 と指摘。 日本政府に対して 「明確に抗議の意思を表明することが平和外交のあるべき姿だ」 としている。 アステラス製薬の日本人男性社員が拘束された理由の 「キーワード」 は、違法な 「臓器狩りで得た臓器」 を用いた移植手術の拒絶反応を抑制するための免疫抑制剤 「プログラフ」 と 武漢で発生した 「新型コロナウイルスに関する情報収集」 である可能性が高い。 2025/3/20 10:40 https://www.sankei.com/article/20250320-KU5OCXC5ERIDTO3R4KQL6Q2XWA/ 中国当局がアステラス製薬の日本人男性社員をスパイ容疑で拘束して2025年3月20日で2年となった。 昨年2024年11月に初公判が開かれたが、今も容疑内容に関する説明はない。 日本側は反スパイ法の 「不透明な運用」 に懸念を示し、日本企業の対中ビジネスにも影を落としている。 「なぜ拘束されたのか今もはっきりとしたことは分からない」 「早く解放されることを願うばかりだ」 男性と付き合いのあった日本企業関係者は困惑した表情を見せる。 男性は2023年3月20日に北京市内で拘束された。 駐在期間を終えて帰国を控えていた男性は、自宅を引き払った後に滞在していたホテルから空港に向かったところで消息を絶った。 その後、中国側が日本政府に男性を拘束したことを通知した。 男性は、中国に進出する日系企業で作る中国日本商会の幹部も務めた経験を持つベテラン駐在員だったため、現地の日本人社会に衝撃を与えた。 男性は2023年10月に正式に逮捕され、昨年2024年11月に北京市第2中級人民法院(地裁)で初公判が行われたが内容は公開されていない。 2014年の反スパイ法の施行後に少なくとも17人の邦人が拘束され、現在も5人が帰国できていない。 事案の詳細は明らかにされておらず、日中関係筋は 「反スパイ法の不透明な運用について問題提起して対応を求めている」 と強調する。 日本側は、近く東京で開かれる岩屋毅外相と王毅共産党政治局員兼外相との会談で、拘束邦人の早期解放を求める方針だ。 邦人拘束は日本企業社員の対中心理に影響を与えている。 外務省の海外在留邦人数調査統計によると、昨年2024年10月時点で中国に住む日本人は前年比4・2%減の9万7538人だった。 国・地域別の在留邦人数でオーストラリアに次ぐ3位に後退し、20年ぶりに10万人の大台を割り込んだ。 中国の景気後退や現地企業との競争激化、生活コスト上昇といった要因もあるが、北京の日本企業幹部は 「反スパイ法など安全面の心配から中国駐在を拒む社員が増えている」 と吐露した。 中国で拘束のアステラス製薬日本人社員、11月下旬に初公判実施 北京の裁判所 2024/12/9 16:33 https://www.sankei.com/article/20241209-UKX5L7LDS5NSTAK73YJDLBSS6M/ 昨年2023年3月に北京市内で中国当局によりスパイ容疑で拘束されたアステラス製薬の日本人男性社員の初公判が北京の裁判所で行われていたことが2024年12月9日、分かった。 日中関係筋によると、2024年11月下旬に北京市第2中級人民法院(地裁)で行われたという。 男性は、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」の幹部を務めたこともあるベテラン駐在員。 昨年2023年3月に駐在を終えて北京から帰国予定だったが、直前に国家安全当局に拘束されたとみられる。 昨年2023年10月に正式に逮捕され、今年2024年8月に中国の検察当局が起訴していた。 日本政府は男性の早期解放を中国側に求めている。 金杉憲治駐中国大使らが男性と領事面会を行っており、これまでのところ男性の健康状態に大きな問題は確認されていない。 中国当局は男性の拘束の経緯や具体的な容疑事実を明らかにしていない。 中国当局は 「国家安全」 を重視する姿勢を鮮明にしており、2023年にはスパイ行為の定義を拡大した改正反スパイ法を施行した。 違法行為の対象行為が不透明なまま日本人など外国人が拘束されていることに懸念が増している。 金杉駐中国大使がアステラス製薬社員と面会、拘束から1年 1月に続き着任後2回目 2024/3/26 16:13 https://www.sankei.com/article/20240326-ZOXCXP6ACFLRNPQ4JTZWBLKIMA/ 金杉憲治駐中国大使は2024年3月26日、中国当局が昨年2023年3月にスパイ容疑で拘束したアステラス製薬の日本人男性社員と領事面会を行った。 日本政府関係者が明らかにした。 昨年2023年12月に着任した金杉氏が男性と面会するのは今年2024年1月に続き2回目。 今月2024年3月で拘束から1年となったタイミングで大使自ら再び面会に臨むことで、早期解放に向けて男性を支え続ける姿勢を改めて示した。 関係者によると、男性の健康状態に大きな問題は確認されなかった。 在中国日本大使館が男性と領事面会を行うのは12回目。 昨年2023年11月には垂秀夫(たるみ・ひでお)駐中国大使(当時)も領事面会を行った。 拘束は昨年2023年3月25日に判明した。 男性は駐在期間を終えて同2023年3月20日に北京市の空港から帰国予定だったが、空港に向かうため北京中心部のホテルを車で離れたのを最後に消息不明となった。 北京市国家安全局に拘束されたとみられている。 男性は昨年2023年10月に正式に逮捕され、中国当局は今月2024年3月18日に男性を起訴するかどうかの審査を始めたと日本政府に通知した。 中国では原則1カ月以内、最長でも6カ月半以内に起訴の可否を判断する。 起訴されて公判手続きに入れば、男性の解放は難しさを増すことになる。 <主張>中国の邦人起訴 解放へ政府は全力あげよ 社説 2024/8/23 5:00 https://www.sankei.com/article/20240823-NAUN4SASUJJ4HIKPRKTSNZTQFU/ 2023年3月、中国当局にスパイ容疑で拘束されたアステラス製薬の邦人男性社員が起訴された。 不当な拘束・起訴であり、中国政府は男性を早期に解放しなければならない。 このまま放置すれば、拘束は長期化する。 日本政府は、邦人の解放が日本にとって最大の課題だと強調し、解放を実現すべきである。 男性は駐在を終えて帰国する直前に北京市で国家安全当局に拘束され、2024年10月に正式に逮捕されていた。 この間、中国当局は 「刑法と反スパイ法に違反した疑い」 と述べるだけで拘束の経緯や具体的な容疑を明らかにせず、非人道的な対応に終始してきた。 断じて容認できない。 2014年の反スパイ法施行以降だけでも、男性を含め17人の邦人が拘束された。 現時点で5人が中国国内にとどめられている。 2023年秋には、湖南省で反スパイ法に違反した罪で懲役12年の判決を言い渡された邦人男性の上訴が退けられた。 上川陽子外相は2024年7月下旬、ラオスで中国の王毅・中国共産党政治局員兼外相と会談した際、拘束中の邦人の早期解放を改めて求めた。 王氏は会談で、日中関係について 「進まなければ後退するという重要な段階にある」 「日本が積極的かつ理性的な対中政策を実行するよう望む」 と述べたという。 関係が後退する原因を作っているのは中国側ではないのか。 「国家安全」 を最重視する習近平政権は2023年7月、スパイ行為の定義を拡大した 「改正反スパイ法」 を施行した。 改正法は従来の 「国家機密」 だけでなく、 「国家の安全と利益に関わる文書やデータ、資料、物品」 の提供なども取り締まりの対象になった。 「国家の安全と利益」 は何を指すのか不明確で、極めて恣意的な運用が可能だ。 その一方で、習政権は中国経済の長期低迷を背景に積極的な対中投資を呼び掛けている。 しかし、反スパイ法違反による不当な訴追で、日本を含む外資企業は不安を強めており、対中投資の意欲低下は明白だ。 中国は国益を自ら損ねている。 自国民の生命と身の安全を守ることは政府の最重要の責務だ。 上川氏と外務省は、中国側の説明を明かすと共に、解放交渉に全力で当たるべきだ。 アステラス社員を「スパイ罪」で起訴 中国外務省が表明、詳細は明らかにせず 2024/8/22 17:47 https://www.sankei.com/article/20240822-VWJ7QWE2MBL5BMGJZDHH53TUBU/ 中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道官は22日の記者会見で、アステラス製薬の日本人男性社員を 「スパイ罪」 で起訴したと明らかにした。 具体的な起訴内容など詳細については回答を避けた。 毛氏は、日本側に対し 「自国民が中国の法律や法規を順守し、中国で違法な犯罪活動に従事しないよう教育・指導することを望む」 と述べた。 日本政府関係者によると男性は今月中旬に起訴された。 昨年3月に駐在を終えて北京から帰国予定だったが、直前に国家安全当局に拘束されたとみられ、昨年10月に正式に逮捕されていた。 中国がアステラス社員を起訴、日本政府に通知 公判手続きに入り拘束長期化が避けられず 2024/8/21 18:18 https://www.sankei.com/article/20240821-2WDZ2FQQC5JD3GZXGAAOKGGS3U/ 昨年3月に北京市で中国当局にスパイ容疑で拘束されたアステラス製薬の日本人男性社員が起訴されたことが21日、分かった。 日本政府関係者が明らかにした。 日本政府は男性の早期解放を求めてきたが、起訴により公判手続きに入るため、拘束の長期化は避けられなくなった。 中国の検察当局が今月中旬に男性を起訴し、中国政府がその情報を日本政府に伝えた。 男性は、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」の幹部を務めたこともあるベテラン駐在員だった。 昨年3月に駐在を終えて北京から帰国予定だったが、直前に国家安全当局に拘束されたとみられ、昨年10月に正式に逮捕された。 今年3月には中国当局が男性を起訴するかどうかの審査を始めたと日本政府に通知していた。 中国外務省報道官は男性の拘束理由を 「刑法と反スパイ法に違反した疑い」 などと述べるだけで、拘束の経緯や具体的な容疑事実を明らかにしていない。 日本政府は早期解放に向けて男性への支援を続けおり、金杉憲治駐中国大使らが男性と領事面会を行っている。 日本政府関係者によると、これまでのところ男性の健康状態に大きな問題は確認されていない。 中国当局は「国家安全」を重視する姿勢を鮮明にしており、昨年7月にはスパイ行為の定義を拡大した改正反スパイ法を施行した。 外資企業は警戒を強め、対中投資の意欲低下につながっていると指摘される。 中国で拘束の大手製薬会社の日本人社員 起訴 2024年8月21日 19時57分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240821/k10014555211000.html 中国でスパイ行為に関わったとして国家安全当局に逮捕され、1年5か月にわたって拘束状態にある大手製薬会社の日本人男性社員が中国の検察に起訴されたことがわかりました。 拘束はさらに長期化するおそれが出ています。 起訴されたのは、大手製薬会社、アステラス製薬の50代の日本人男性社員です。 この男性は去年3月、スパイ行為に関わったとして中国の首都・北京で国家安全当局に拘束されたあと逮捕され、これまで1年5か月にわたって拘束状態に置かれてきました。 中国の検察はことし3月、男性を起訴するかどうか決めるための審査に入っていましたが、北京にある日本大使館によりますと、今月中旬、男性を起訴したという連絡が入ったということです。 具体的にどういった行為がどのような罪に問われているのかや、今後の審理の予定などは明らかになっていません。 日本政府はこれまで男性の早期解放を繰り返し求めてきましたが、起訴されたことで、今後は裁判の手続きに入ることになり、拘束はさらに長期化するおそれが出ています。 北京の日本大使館は 「これまで本人や家族との面会などできる限りの支援を行ってきた」 「今後も引き続き早期解放を強く申し入れていく」 としています。 中国では、2014年に反スパイ法が施行されて以降、外国人がスパイ行為に関わったとして当局に拘束されるケースが相次いでいますが、法律の定義が曖昧でどういった行為が問題視されるのか明確ではないため、外国企業などの間では懸念が強まっています。 ■アステラス製薬「裁判係属中 コメントは控える」 拘束状態に置かれてきた日本人男性社員が中国の検察に起訴されたことについて、アステラス製薬は 「起訴されたことは事実です」 「それ以上については、裁判係属中なのでコメントは控えさせていただきます」 と話しています。 ■中国で日本人の拘束相次ぐ 少なくとも17人 中国では、2014年に 「反スパイ法」 が施行されて以降、日本人がスパイ行為に関わったなどとして当局に拘束されるケースが相次いでいて、これまでに少なくとも17人が拘束されました。 このうち10人に対しては裁判で実刑判決が確定しています。 ただ、裁判は非公開で、いずれのケースもどのような経緯で拘束され、どういった行為が問題視されたのかは一切明らかになっていません。 また、17人のうち、これまでに6人が刑期を終えて帰国、5人が途中で拘束を解かれて帰国していますが、1人は服役中に病気で亡くなっています。 一方、帰国できていないのは、現在、服役中の3人と、今回のアステラス製薬の男性社員を含む起訴された2人の、合わせて5人となっています。 2016年に北京で拘束され、おととし10月に刑期を終えて帰国した民間の日中交流団体の鈴木英司さんは、帰国後の会見で 「裁判は非公開で証人申請はすべて却下された」 などと述べ、中国の裁判所の判決は不当だったと訴えました。 なかには、中国政府系のシンクタンクの招きで中国を訪問していた大学教授が一時拘束されたケースもあります。 去年7月にはスパイ行為の定義が拡大された改正反スパイ法も施行され、中国に進出する日本企業や日本の研究者などの間では懸念が広がっています。 「改造車内で若い兵士の腎臓と眼球摘出」 元中国医師が「臓器狩り」証言、台湾で会見 2024/7/15 21:10 https://www.sankei.com/article/20240715-VOFN6V4IBNMPRI4O5IYN2YT4CM/ 台湾の立法委員(国会議員に相当)や民間団体が2024年7月15日記者会見し、中国でドナーの同意を得ない 「生体臓器の収奪」 と違法な臓器移植が横行しているとして、規制のための立法を各国に呼び掛けた。 会見では中国の元医師でカナダ在住の鄭治氏が、中国軍の病院で自ら目撃した臓器摘出の実態について生々しく証言した。 鄭氏によると、臨床実習生として遼寧省の瀋陽軍区総医院(現北部戦区総医院)に勤務していた1994年、上司に 「秘密軍事任務」 への参加を命じられた。 当時18歳に満たない兵士から臓器を摘出し、軍高官に移植する手術だったという。 手術は臓器摘出のために改造された車両の中で行われた。 手足を縛られた若い兵士が軍の監獄から車内に運ばれ、麻酔を使わないまま左右の腎臓が摘出された。 鄭氏は眼球を取り出すよう命じられたが、恐怖で何もできず、別の医師が行ったという。 鄭氏は 「兵士の目はまだ動いており、私をじっと見ていた」 と言葉を詰まらせながら振り返った。 中国当局の 「臓器狩り」 疑惑を巡っては、当局が邪教とみなす気功集団 「法輪功」 の信者が対象になっていると指摘されてきた。 鄭氏は2005年、家族と親しかった中国共産党政治局員の側近から 「湖北省武漢にある省公安局の地下には法輪功の信者がぎっしりと収容され、未成年者も含まれている」 と聞いたという。 こうした状況に衝撃を受けた鄭氏は同年出国し、カナダ政府に保護された。 カナダの元閣僚や弁護士らが2016年にまとめた報告書は、中国当局が年間6万〜10万件の臓器移植を実施していると推計し、臓器の供給源がウイグル人やチベット人、法輪功信者らだと指摘している。 また国連人権理事会の特別報告者は2021年、中国当局が囚人から同意を得ずに臓器を摘出している懸念があるとして、独立機関による調査を受け入れるよう中国政府に求めたが、中国側は否定し調査を拒否した。 記者会見を主催した台湾の与党・民主進歩党の許智傑立法委員は、中国の臓器収奪に歯止めをかけるための法整備を超党派で進める意向を示し、第二野党、台湾民衆党の陳昭姿立法委員も賛同した。 中国当局のアステラス邦人社員拘束、首脳会談後も進展なし スパイ防止法制定機運もなし 2024/3/24 17:18 https://www.sankei.com/article/20240324-6XCUW6UQ4VKOBIZPBLE7X7JJX4/ 日本政府は中国当局に拘束されているアステラス製薬の日本人男性の早期解放を中国側に求めているが、2023年11月の日中首脳会談の後も状況に前向きな変化はない。 むしろ中国政府は男性の起訴の可否を判断する段階にプロセスを進めており、解放に向けた決定打を見いだせていない。 中国は2014年に反スパイ法を制定したが、外務省によると2015年5月以降、 「国家安全に危害を与えた」 などとして、日本人17人が拘束された。 このうち起訴前に解放された5人と刑期を終えた6人の計11人が帰国したが、1人が病死し、帰国を果たせなかった。 残る5人が拘束中で、うち3人が服役中だ。 外務省幹部は2024年3月22日、中国での邦人拘束について 「政府として重大な関心を持って、中国に日本の立場を明確に申し入れている」 と説明した。 だが、早期解放に向けた交渉に関しては 「外に言うことで、何らかの影響を及ぼす可能性もある」 「具体的には申し上げるのは差し控えたい」 と述べるにとどめた。 2023年11月16日には、岸田文雄首相が米サンフランシスコで中国の習近平国家主席と会談し、アステラス社員を含め、拘束されている邦人の早期解放を改めて求めた。 アステラス社員には垂秀夫前駐中国大使が在任中の2023年11月28日、垂氏の後任の金杉憲治大使が2024年1月30日に領事面会し、健康状態などを確認している。 だが、解放に向けた動きは首脳会談を挟んでも 「残念ながら、進んでいない」(外務省幹部) のが実情だ。 与野党の一部には 「中国の反スパイ法に対抗するために、日本でも、スパイ交換のできるスパイ防止法の整備が絶対に必要だ」 (日本維新の会の松沢成文参院議員、令和5年11月30日の参院外交防衛委員会) との意見がある。 しかし、政府・与党内でそうした法律の制定を図る機運は今のところない。 アステラス社員拘束から1年、中国が起訴可否の判断審査 解放めどたたず、警戒強める外資 2024/3/24 16:05 https://www.sankei.com/article/20240324-J2HJVNKDWJMYVOGQC6BCKIQHDI/ 北京市でアステラス製薬の日本人男性社員がスパイ容疑で拘束されてから2024年3月で1年となった。 中国当局は起訴の可否を判断する審査に入っており、日本側が求める早期解放が更に難しくなる可能性が高まっている。 外資企業は警戒を強め、対中投資の意欲低下に繋がっているが、中国当局は 「国家安全」 を重視する姿勢を崩していない。 拘束は2023年3月25日に表面化した。 男性は駐在期間を終え、2023年3月20日に北京の空港から帰国予定だった。 同日、空港に向かうため北京中心部のホテルを車で離れたのを最後に消息不明となり、北京市国家安全局に拘束されたとみられている。 男性は取り調べのため当局が指定した場所に留め置く 「居住監視」 措置を経て、2023年10月に正式に逮捕された。 中国当局は2024年3月18日、男性を起訴するかどうかの審査を始めたと日本政府に通知した。 中国では原則1カ月以内、最長でも6カ月半以内に起訴の可否を判断する。 起訴されて公判手続きに入れば、男性の解放は難しさを増す。 在中国日本大使館は男性と11回の領事面会を実施。 2023年11月に垂秀夫(たるみ・ひでお)駐中国大使(当時)、2024年1月には金杉憲治(かなすぎ・けんじ)駐中国大使がそれぞれ男性と領事面会した。 男性の拘束は中国でビジネスを行う日系企業関係者らに衝撃を与えた。 男性は、中国に進出する日系企業の団体 「中国日本商会」 の幹部を務めたこともある現地ではよく知られたベテラン駐在員だったからだ。 中国側は拘束理由を 「刑法と反スパイ法に違反した疑い」 などとしたが、拘束の経緯や具体的な容疑事実を明らかにしておらず、日系企業の駐在員は 「何が問題で、何に気を付ければいいか分からない」 と懸念する。 安全面から中国出張を中止する日本企業幹部も出ている。 中国国家外貨管理局によると、2023年の外資企業の中国への直接投資は前年比8割減り、30年ぶりの低水準だった。 北京の日系企業関係者は 「中国市場の悪化と安全リスクの高まりが重なり、日本の本社が中国事業の優先度を下げるようになっている」 と指摘する。 学術面でも影響が出ている。 北京大国際関係学院の賈慶国(か・けいこく)教授は2024年3月上旬、改正反スパイ法が留学生減少の一因になっていると中国の交流サイト(SNS)に投稿した。 投稿によると、10年前の2014年ピーク時に約1万5000人だった米国からの留学生は2023年には約350人にまで落ち込んだという。 中国当局は、国内外からの懸念に正面から向き合おうとしていない。 2023年7月にスパイ行為の定義を拡大した改正反スパイ法を施行し、2024年2月には国家秘密の保護に関して中国共産党の指導堅持を明文化した国家秘密保護法の改正案を可決した。 中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は2024年3月20日の記者会見で、男性の拘束を巡り日本側に対して 「中国の法律を順守し、中国で違法犯罪活動に従事しないよう、自国民に教育や指導をするよう望む」 と主張した。 中国で拘束続く製薬会社の日本人男性社員 検察が起訴審査に 2024年3月19日 23時34分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240319/k10014396541000.html 中国の北京でスパイ行為に関わったとして現地の国家安全当局によって逮捕された大手製薬会社の日本人男性社員について、中国の検察が起訴するかどうか決めるための審査に入ったことがわかりました。 大手製薬会社、アステラス製薬の50代の日本人男性社員は、2023年3月にスパイ行為に関わったとして、中国の首都 北京で国家安全当局に拘束され、その後、逮捕されました。 日中関係筋によりますと中国の検察は2024年3月18日、この男性を起訴するかどうか決めるための審査に入ったということです。 審査の途中、追加の捜査が行われる可能性もあり、審査の期間は最長で6か月半となっています。 起訴されれば裁判に向けた手続きに入り、解放は更に困難になるため、日本大使館は 「早期解放を引き続き強く申し入れていく」 としています。 男性は拘束されてから2024年3月で1年となり、北京市内の収容施設で拘束状態が続いています。 現地の日本大使館の職員が定期的に面会していて、金杉憲治大使も着任直後の2024年1月に面会を行っています。 中国ではスパイ行為に関わったとして、日本人を含む外国人が拘束されるケースが相次いでいますが、法律の定義が曖昧で、どういった行為が問題視されるのか明確ではないため、外国企業などの間では懸念が強まっています。 平井宏治の経済安保最前線 日本人帰国急げ!反スパイ法改正、強まる中国の「密告監視」社会 企業が構築した商務部などとのパイプは力を失った 2023.11/1 06:30 https://www.zakzak.co.jp/article/20231101-3MQOILQKY5MNNIN2OEYDA54FDY/ 中国共産党の習近平総書記(国家主席)の3期目体制は先週、1年を迎えた。 習指導部はこの間、軍事的覇権拡大を進めたうえ、2023年7月に 「反スパイ法」 を改正して、スパイ行為の定義を大幅に拡大した。 中国に進出した外資系企業の間では、取り締まり強化への警戒感が強まっている。 経済安全保障アナリストの平井宏治氏は、日中関係の冷却化を受け、仕事熱心な日本人社員が標的になる危険性を指摘する。 「国家の安全」 が経済や外交よりも優先され、密告を奨励する 「相互監視社会・中国」 に迫った。 ◇ 中国当局が、北京市で2023年3月にスパイ容疑で拘束したアステラス製薬の日本人男性社員を正式に逮捕し、日本企業の間に衝撃が走った。 改正反スパイ法は、習主席が2014年に提唱した 「総体国家安全観」 に基づいている。 総体国家安全観とは、国家の安全という概念を幅広い分野に適用し、包括的・統一的・効果的に国家の安全を実現し、維持していくことを目指すものとされ、11項目が挙げられている。 中国外交部は 「中国は法治国家だ」 「法に基づき関連案件を処理し、当事者の合法的な権利を保護する」 と言うだけで、具体的なスパイ容疑を明らかにしない。 中国でスパイを取り締まる国家安全局としては、広汎で抽象的な概念を利用し、その裁量で拘束・逮捕できることに意味があるからだ。 アステラス製薬は、臓器移植後の拒絶反応を抑制する効果がある免疫抑制剤 「プログラフ」 を全世界で販売している。 逮捕された日本人社員は、中国でこの薬の販売に深く携わっていたため、薬の使用頻度を通じて臓器移植手術の実態を把握していたのではないか。 帰国後、中国の臓器移植の実態を明らかにされることを恐れた中国政府が拘束したと推理できる。 このように、中国とのビジネスに熱心に取り組み、仕事を通じて、中国の実態を知ってしまった在中日本人が、国家安全局の標的になるリスクが高い。 中国は、不動産大手「中国恒大集団」や、同「碧桂園」の債務不履行など不動産バブルが崩壊し、経済の失速を減速するため、外資による経済活動の継続を必要としている。 中国の王文濤商務相は2023年7月17日、日中投資促進機構と意見交換し、 「積極的に(改正反スパイ法の)誤解を解いていくよう動きたい」 と強調した。 商務部は2023年7月21日、改正反スパイ法に関する説明会を開催し、事態の沈静化を試みた。 しかし、改正反スパイ法では、国家安全局が、商務部や外交部などを監督・監視・指導する立場にあることを見落としてはならない。 習近平体制が異例の3期目に突入し、独裁色が強まり、総体国家安全観順守が大前提となり、国家安全局が、何が国家の安全と利益を損なうかを最終判断する。 国家の安全が経済や外交よりも優先され、日本企業が構築してきた商務部などとのパイプは力を失った。 国家安全局の上部組織、国家安全部は2023年8月、商務部の努力をあざ笑うかのように、SNS「微信(ウィーチャット)」に、公式反スパイ活動アカウントを開設、通報を呼び掛けている。 中国は密告を奨励する相互監視社会になり、国家安全局の裁量1つで拘束される国になった。 事態の変化に対応し、日本企業は日本人の帰国に直ぐにでも取り組む必要がある。 ”臓器狩り”で中国高官寿命150歳の邪心 中国では毎年6〜10万人の若者が内臓を盗まれている WiLL2023年6月号 漫画家 孫向文 ■目指すは「150歳の寿命」 医療や科学技術の発達により、 「人生100年時代」 どころか、近い将来 「人生120年時代」 が到来すると言われています。 僕なんかは、 「そんなに長く生きてもなあ・・・」 と思ってしまうのですが、世の中には”人生150年時代”を夢見る人たちがいます。 中国共産党の高官です。 2019年、米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)は、中国共産党高官の御用達病院である北京301病院の広告映像を入手しました。 そこでは 「981高官健康プロジェクト」 なる怪しげな健康法が謳われ、癌や心血管疾患予防、アンチエイジング、慢性病の管理、健康的な生活スタイル、臓器機能再生に重点を置き、 「150歳の寿命」 という目標が掲げられています。 同広告によると、既にこのプロジェクトによって中共高官の平均寿命が著しく伸びていて、2000年の時点で中共高官の平均寿命はアメリカの政治家よりも2〜3年短かったのですが、2010年の時点でアメリカの政治家の平均寿命を10年以上も上回っているというのです。 中国の医療技術はアメリカよりも劣っているのに、どうして平均寿命が逆転したのでしょうか。 この広告映像が公開されると、ネット上では 「中共高官は”特別な治療法”を受けている」 という非難の声が上がり、公開の翌日に削除されています。 ■中国臓器狩りの恐怖 人間の限界寿命は、現代医学をもってしても120歳と言われています。 実際に世界で一番長生きした人は、122歳まで生きたフランス人女性のジャンヌ・カルマンさん(1997年没)、日本人では119歳で亡くなった田中カ子(かね)さん(2022年没)、150歳どころか130歳の壁も超えられていません。 では、中共高官たちはどうやって150歳まで生きようとしているのか。 1950年代から1960年代にかけては、若くて健康な人の血液を、老いた自分の血液と入れ替える長寿法が行われましたが、功を奏していません。 そこで白羽の矢が立ったのが、 「臓器移植」 です。 米共和党のクリス・スミス下院議員は、 「毎年、習近平と中国共産党の下で、6万人〜10万人の若者(平均年齢28歳)が冷酷に殺害され、内臓を盗まれている」 と述べています。 一般的に、人間の臓器は加齢とともに徐々に退化・老化していき、健康な人でも40歳になると臓器の機能は80%、50歳になると70%、70歳になると35%に低下します。 そういう意味で28歳の臓器は最も成熟し、健康的な臓器です。 中共高官たちは、その若い臓器を自らに移植し、命を長らえさせようとしているわけです。 とはいえ、28歳という若者が病や交通事故で亡くなり、ドナーとして臓器を提供してくれるケースは稀です。 臓器は刑務所の死刑囚人、あるいは法輪功の修行者やウイグル人への 「臓器狩り」 で集めています。 ウイグル人はイスラム教の教えから酒を飲まず、豚肉も食べないので、同じイスラム教の中東諸国の 「お客様」 にとって 「浄化の体」 で良質な臓器としてターゲットにされます。 そもそも中共高官たちは、彼らのことを”人間”だと思っておらず、臓器の強制摘出は生きたまま、麻酔ナシで行われることが多い。 何故なら、外科医の話によると、麻酔薬は細胞に悪影響を与えて、麻酔薬を打たずに取り出した臓器は 「商品価値」 がプラスになるからです。 今では、中国政府はマフィアや闇医者を雇用してまで臓器狩りをするなど、巨大な産業になっています。 臓器移植をする医師の給料を払うだけで、1人の人間から角膜、肝臓、腎臓、心臓・・・と、莫大な利益を生むことができるわけですから、中国のGDPの半分近くが臓器狩りによるものではないかと睨んでいます。 ■臓器の待機時間は僅か4時間 一般的に臓器移植の待機時間は1〜3年と言われていますが、中国の元軍医、汪志遠氏が制作したドキュメンタリー映画 『臓器狩り 十年の調査』(ユーチューブにて閲覧可能)によると、中国国内での臓器の待機時間は僅か4時間だというのです。 アステラス製薬の社員である50代の日本人男性が 「反スパイ法」 に違反した疑いがあるとして中国当局に拘束された事件が注目されましたが、ネット上ではこの事件の裏にも中国の 「臓器狩り」 があると囁かれています。 臓器移植をした場合、移植された臓器は体内で異物と認識されるので、免疫細胞が拒絶しようと働きます。 アステラス製薬は、その拒絶反応を抑制するための免疫抑制剤 「プログラフ」 を世界中で販売しており、中国でも使われていた。 中国政府は、欧米の人権団体が中国国内におけるプログラフの販売数・使用数から 「臓器狩り」 の件数を把握していていると睨み、アステラス製薬に脅しをかけたのではないでしょうか。 台湾メディアによると、拘束された男性は過去に中国人社員と 「プログラフは中共高官の”闇の臓器移植”に使われているんだろ?」 と会話していたとスクープしています。 こうした会話をするだけでも、中国では 「国家機密に触れる」 として反スパイ法で拘束されてしまうのです。 免疫抑制薬(内服薬) プログラフ https://medipress.jp/medicines/1 カルシニューリン阻害薬と呼ばれるタクロリムス(プログラフ、グラセプター)、シクロスポリン(ネオーラル)は免疫抑制の中心となる薬剤です。 Tリンパ球の働きを抑えてくれる薬剤です。 一般名 タクロリムス水和物 製薬会社 アステラス製薬株式会社 この薬の作用 主にヘルパーT細胞の活性化を抑え、サイトカイン産生など異常な免疫反応を抑えます。 この薬の効果 通常、移植後(腎・肝・心・肺・膵・小腸・骨髄)の拒絶反応や移植片対宿主病(骨髄移植のみ)を抑えるために用いられます。 『臓器狩り 十年の調査』(日語) https://www.youtube.com/watch?v=uD14M1gkrvs 米下院、中国共産党による臓器狩りを罰する法案を可決 https://jp.minghui.org/2023/04/02/90440.html 中国共産党指導者の超長寿計画 目指すは150歳 2019年9月26日2035 https://www.visiontimesjp.com/?p=3472 中国高官の健康プロジェクト「寿命150歳を目標」 若者から臓器移植か 2019/09/17 18:00大紀元 https://news.nicovideo.jp/watch/nw5935273 林芳正は外相失格 Hanada2023年6月号 ジャーナリスト 藤田慎太郎 中国・北京でアステラス製薬の現地法人幹部Aが、スパイの疑いで拘束されてから1カ月後、驚くべき情報が永田町を駆け巡った。 Aは、駐在歴20年を超える中国通。 製薬業界だけでなく、商社マンや新聞・テレビの北京特派員らとの付き合いも深い。 日系企業で作る 「中国日本商会」 副会長を務めたほどの顔役であり、中国政府や共産党幹部との付き合いを自慢する 「親中派」 でもあった。 そんな彼が、何故拘束されたのか。 永田町情報によると、中国側は、国際的スキャンダルになっている 「臓器移植」 や 「新型コロナウイルス」 に関する重要情報がAの口から漏れるのを恐れ、口封じのため拘束したというのだ。 欧米の人権団体の調査によると、中国では年間60,000〜100,000件もの臓器移植手術が行われているという。 日本では2022年、108人のドナーから死後、臓器の提供を受け、延べ455件の手術が実施されたのみ。 桁が1桁どころか2桁も違う。 一方、中国国内のドナー登録者は、累計で3,500,000人(2021年)で、このうち死亡後に臓器を提供した人は累計で僅か33,000人。 1年間の手術数さえ賄えない。 しかも、中国での臓器移植は待ち時間が短いのが特徴で、日本人も利用している。 永田町では、親中派で知られる自民党重鎮の秘書が重い肝臓病を患い、1カ月ほど見かけないと思っていたら、中国に渡って移植手術を受けていた、なんてこともあった。 では一体、公式発表でもアジア1位の件数を誇る移植手術に必要な臓器は、どこから供給されているのか。 欧米の人権団体は、 中国で迫害を受けている 「法輪功の信者」 や 「ウイグル族」 など 「少数民族の政治犯」 が、本人の意志と関係なく 「ドナー」 にされている可能性が高いと指摘しているが、決定的な証拠に乏しい。 その証拠となるデータをAが国外に持ち出そうとした、と中国側は疑っているという。 アステラス製薬は、30年近く前に中国に進出して以来、かの国の臓器移植と深く関わってきた。 主力製品である免疫抑制剤 「プログラフ」 は、臓器移植に欠かせない薬剤として着実に中国での売り上げを伸ばし、売り上げに比例するように移植手術も激増した。 その販路拡大の先頭に立ってきたのがAであり、納入先の病院や薬品供給量から推定される手術数など臓器移植に関する基本情報を得られる立場にあった。 もう1つ、中国側がAに疑いを掛けたのが、武漢で発生した新型コロナウイルスに関する情報収集である。 現地に駐在する製薬会社の社員として、感染症に関する情報収集は当然の行為なのだが、 「平凡なデータが国家機密に指定されている場合がある」(北京駐在員) から油断できない。 しかも中国は、霞が関と永田町に強固なスパイ網を敷いている。 同じく 「親中派」 なのにスパイの疑いで拘束され、6年を獄中で過ごした元日中青年交流協会理事長・鈴木英司は、旧知の中国人からこう忠告されたという。 「(日本政府)内部に相当なスパイがいます」 「大変なことです」 「日本に帰ったら必ず公表してください」 (『中央公論』令和5年1月号) 一時帰国中に公安調査庁や内閣情報調査室の職員と接触したら誰でも 「スパイ」 と見做す、という中国の理不尽な姿勢に、日本政府は対抗策を何1つ打ち出せていない。 「ポスト岸田」 を狙う林芳正が、おっとり刀で北京を訪ねてAの釈放を求めたのは外相として当たり前だが、全くのゼロ回答だった。 日中友好議員連盟の会長まで務めた 「親中派」 の実力なんて、ぜいぜいこの程度。 しかも談判している相手に笑顔を見せている写真を撮られ、中国の新聞やテレビに流されたのだから、子供の使いにもならなかった。 夕刊フジが1面で 「外相失格」 の大見出しを打っていたが(2023年4月11日付)、まさにその通り。 外相失格であるばかりでなく、総理候補としても失格だ。 同じ宏池会の首相もさぞ落胆しただろうと思っていると、さにあらず、平気の平左なのである。 そこで、ハタと気が付いた。 外相の談判失敗は、織り込み済みだったのだ。 衆院に鞍替えし、今や名実共に宏池会ナンバー2となった林芳正は、岸田首相にとって目の上のたん瘤。 しかも、自分が3度も落ちた東大法学部を卒業しているのも気に入らない。 ここで得点を稼がれるより、 「林はまだまだだね」 という世評が定着する方が、2024年に迫った総裁選を乗り切るのに好都合なのだ。 本邦初の女性宰相を狙う高市早苗も、奈良県知事選敗北で元気なく、関西での自民党沈没を阻止できなかった幹事長・茂木敏充も評価を落とし、ライバルたちは脱落しかかっている。 本当に恐るべきは、岸田文雄だった!? 中国ブイは明らかに違法だ。 中国側が撤去しなければ、日本側が強制的に撤去すべきだ。 沖縄・波照間沖の中国語記載ブイ「国に撤去要請したのか」 議員の質問に県はなぜか答えず 2025/2/19 19:16 https://www.sankei.com/article/20250219-VE72URSUDNMSZABSPJC54NDSIM/ 沖縄県・波照間島の南西約140キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国語の記載のある海上ブイの設置が確認されたことを巡り、2025年2月19日の県議会本会議で県執行部が議員の質問に答えず、議論が噛み合わない一幕があった。 自民党会派の新垣新(しんがき・あらた)議員が代表質問で、 「漁民が安心して操業できるように、県は国に『ブイを取ってくれ』と言ったのか」 と何度も質した。 これに、県農林水産部の前門尚美部長ははっきりとした口調で 「はい。お答えします」 と述べながらも、国に撤去を要請したかどうかについては言及せず、 「昨年2024年12月25日、水産庁より情報提供があった」 「ブイについて情報収集を行っている」 「安全操業の確保について引き続き求めていく」 「県下の漁船に注意喚起を実施している」 との答弁を繰り返した。 結局、県議の質問と執行部側の答弁は最後まで噛み合わなかった。 <主張>与那国の中国ブイ 日本政府は直ちに撤去を 社説 2025/2/16 5:00 https://www.sankei.com/article/20250216-C2IN4T425VMAZLTNWQVLESNQ5Y/ 中国政府が対日宥和のつもりで行ったのであれば、いかにも下手な策である。日本政府はいささかも評価してはならない。 中国が尖閣諸島(沖縄県)沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に設置していたブイを撤去したことが分かった。 尖閣沖のブイは海流や気象などを観測するものとみられ、令和5年7月に中国の海洋調査船が設置したが、日本政府は容認していない。 他国のEEZ内で無断で海洋調査を行うのは国連海洋法条約違反である。 日本政府は中国に繰り返し抗議し撤去を求めていた。 中国外務省の報道官はブイを移動させたことを認め、 「関係部門が自主的に技術的な調整を実施した」 と語った。 国際法に違反しているのに反省も日本への謝罪の言葉もない。 到底容認できない。 その上、中国の国際法違反のブイはまだある。 昨年12月に見つかった与那国島(同県)沖の日本のEEZ内の中国ブイは今もそのままだ。 日本の海を脅かし、台湾有事や南西諸島有事でも悪用される恐れがある。 同月に訪中した岩屋毅外相は撤去を求めたが、中国政府は無視している。 林芳正官房長官は2月12日の会見で、与那国島沖の中国ブイについて 「即時撤去を強く求める」 と述べた。 外交ルートで抗議を続けるのは当然だが、それだけではいけない。 国際法違反のブイは日本の手でできるだけ速やかに撤去すべきだ。 費用は中国に請求すればよかろう。 同様の問題ではフィリピン政府が一昨年、中国が南シナ海に設置した浮遊式障害物を撤去した。 フィリピンができたのになぜ日本はできないのか。 中国が今回、尖閣諸島沖のブイを撤去した背景には、トランプ米政権の発足により米中対立が強まる中、日本との関係改善を図る狙いがあるのかもしれない。 だが、不当なブイを 「技術的な調整」 を名目に撤去しても日本国民の対中不信は好転するはずもない。 尖閣周辺には中国海警局の武装船が連日出没し、領海侵入を繰り返している。 中国が非を認めない以上、今後も状況次第で国際法違反のブイを設置する恐れがある。 それを防ぐためにも、日本政府は与那国島沖のブイを撤去すべきだ。 林官房長官、尖閣沖の中国ブイ撤去について評価避ける EEZ外に新設を確認 2025/2/12 12:33 https://www.sankei.com/article/20250212-RNFKEUEERJNTRIBQ5B4R43FLJI/ 林芳正官房長官は2025年2月12日の記者会見で、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に設置したブイを撤去したことへの評価を避けた。 「背景や経緯について予断を持って答えることは差し控える」 と述べた。 東シナ海の日中中間線の中国側海域で新たなブイの設置を確認したとも明らかにした。 与那国島(沖縄県与那国町)南方の日本のEEZで、昨年12月に確認された中国ブイの状況に変化はないと説明。 「あらゆる機会を捉えて即時撤去を強く求める」 と強調した。 中谷元・防衛相は会見で 「引き続き警戒監視に万全を期し、毅然かつ冷静に対処する」 と述べた。 沖縄・波照間の中国設置の海上ブイは依然撤去されず 2025/2/11 21:31 https://www.sankei.com/article/20250211-ETWN45CI4RN4ZBSTZO6NYASMV4/ 沖縄県・波照間島の南西約140キロの排他的経済水域(EEZ)で昨年2024年12月に設置が確認された中国の海上ブイについて、依然として撤去されていないことが分かった。 政府関係者が11日、明らかにした。 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺のEEZに一昨年7月、中国が設置したブイについては、中国外務省の郭嘉昆(かく・かこん)報道官が2025年2月11日の記者会見で移動させたことを認めている。 政府は外交ルートを通じて中国に対して再三に渡り撤去要請を行ってきた。 沖縄・尖閣周辺のブイなくなる 海上保安庁が確認 中国が設置、政府は再三撤去要請 2025/2/11 19:29 https://www.sankei.com/article/20250211-NAF77Y6QQBK4FPYSJSA6E33374/ 海上保安庁は2025年2月11日、ホームページ上の航行警報で 「台湾北東にあるブイがなくなった」 と公表した。 海保によると、中国が2023年7月に尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の、日本の排他的経済水域(EEZ)に設置した海上ブイだという。 このブイを巡っては、海保が中国の海洋調査船によって設置されたことを確認。 尖閣周辺海域で管轄権を既成事実化する狙いがあったとみられている。 昨年2024年12月には、同県・波照間島の南西約140キロの日本のEEZでもブイが設置されていたことが判明した。 他国のEEZで無断で海洋調査を行うことは国連海洋法条約に違反する。 政府は外交ルートを通じて中国に対して再三に渡り撤去要請を行ってきた。 中国外務省が尖閣諸島周辺のブイ移動認める 「関係部門が自主的、技術的な調整」と説明 2025/2/11 19:14 https://www.sankei.com/article/20250211-WAB5XLXSERMKVDKVP76D4A2MY4/ 中国外務省の郭嘉昆(かく・かこん)報道官は2025年2月11日の記者会見で、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺に設置していたブイを移動させたことを認めた。 「科学観測の具体的な必要に基づき、中国の関係部門が自主的、技術的な調整を実施した」 と述べたが、詳細については明らかにしなかった。 郭氏は、ブイを移動させたことについて 「現在、関係するブイは元の場所での作業任務を既に終えた」 と説明した。 動画説明,フィリピン沿岸警備隊、中国の浮遊式障害物のロープを切断 2023年9月26日 https://www.bbc.com/japanese/video-66920844 フィリピン政府は2023年9月26日、中国と領有権を争う南シナ海の海域に設置していた浮遊式の障害物を撤去したと発表した。 この障害物によって、フィリピンの漁船が海域に入れなくなっていた。 フィリピンの沿岸警備隊は、フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領の命令で撤去したと説明。 また、スカボロー礁に置かれた全長300メートルの障害物で漁業権が侵害されたとした。 中国は南シナ海の9割以上について、領有を主張している。 スカボロー礁は2012年に占有した。 中国政府はこの海域における海警局(沿岸警備隊)の動きについて、 「必要な措置」 だと擁護している。 これに対しフィリピンの沿岸警備隊は、 「障害物は航行に危険をもたらし、明らかに国際法違反だ」 「また、フィリピンの漁業従事者の漁業や生計を立てる活動の妨げにもなっている」 と声明を発表。 スカボロー礁は 「フィリピンの国家領土の不可欠な一部」 だと説明した。 ブイは「気象観測目的」 中国外務省報道官が設置認める 「合理的で合法的」 2024/12/27 18:59 https://www.sankei.com/article/20241227-QSPF6UG2URP25PFWG574E67LWU/ 中国外務省の毛寧報道官は2024年12月27日の記者会見で、沖縄県・与那国島南方の日本の排他的経済水域(EEZ)内で新たに確認されたブイについて、 「中国側が中国の管轄海域に設置したブイは気象観測の目的で使うものだ」 と述べた。 中国側が設置したものであると認めた形だ。 毛氏は、ブイの設置について 「合理的であり合法的だ」 と主張した。 岩屋毅外相は2024年12月25日、訪問先の北京で中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談した際にブイの即時撤去を求めた。 岩屋氏によると、会談で 「こうした行為は受け入れられず、日中関係にマイナスな影響しかない」 と抗議した。 岩屋氏によると、ブイは外観から見ると設置から一定期間が経過している可能性があるという。 沖縄・玉城知事、波照間島沖の中国語ブイ設置問題に言及「政府間で平和的解決を」 2024/12/27 15:28 https://www.sankei.com/article/20241227-FBC7TRDTRVLFXD3OX4ZRQUOCVQ/ 沖縄県の玉城デニー知事は2024年12月27日の記者会見で、沖縄県・波照間島の南西約140キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国語の記載のある海上ブイの設置が確認されたことに関し、 「詳細な情報を持ち合わせていないが、ぜひ政府間で平和的、合理的に問題が解決されるよう取り組んでもらいたい」 と述べた。 海上保安庁関係者によると、ブイは日本のEEZの内側約14キロに設置されているのが今月2024年12月に入って確認された。 ブイは黄色で、 「中国気象局」 「福建海洋気象浮標」 と記載されていたという。 ブイが確認された海域は台湾の東海岸に面しており、台湾有事を視野に軍事目的で設置された可能性が指摘されている。 岩屋外相、日中外相会談で中国のブイ設置に抗議 「日中関係にマイナスな影響」 2024/12/25 18:47 https://www.sankei.com/article/20241225-5VZHV4XZ4NLJTBBWKLICP4FU5A/ 中国を訪問した岩屋毅外相は2024年12月25日、北京で記者団に対し、沖縄県・与那国島南方の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国が設置したとみられるブイを新たに確認したことを明らかにした。 岩屋氏は同日2024年12月25日、王毅共産党政治局員兼外相と会談し、ブイの即時撤去を求めた。 岩屋氏によると、ブイは外観から見ると設置から一定期間が経過している可能性があるという。 岩屋氏は会談で 「こうした行為は受け入れられず、日中関係にマイナスな影響しかない」 と抗議した。 岩屋氏は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海情勢や、中国軍の活動活発化にも深刻な懸念を伝えた。 会談では、王氏の早期来日を実現し、 「日中ハイレベル経済対話」 を開催する方針で一致した。 東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国が全面停止した日本産水産物輸入再開の合意を実施していく方針も確認した。 岩屋氏は同日2024年12月25日、2019年以来となる閣僚級の 「日中ハイレベル人的・文化交流対話」 に出席。 中国人が観光目的で日本を訪れる際に必要な査証(ビザ)の発給要件を緩和すると明らかにした。 岩屋氏は同日2024年12月25日、李強首相とも会談した。 岩屋氏は、日中双方で 「戦略的互恵関係」 を推進することを呼び掛けた。 李氏は 「当面、中日関係は改善と発展の肝心な時期にある」 と指摘。 今後の日中関係に関して、協力や対話が進むことに期待を示した。 岩屋氏の訪中は2024年12月10月の就任後初めて。 日本の外相の訪中は2023年4月の林芳正氏以来となった。 <独自>沖縄・波照間島沖の日本EEZ内に中国語ブイ 台湾有事視野の軍事目的か 2024/12/25 16:51 https://www.sankei.com/article/20241225-AM4CYBQB75PKRELCM6SQZNNACQ/ 波照間島沖に設置された中国のブイ https://www.sankei.com/article/20241225-AM4CYBQB75PKRELCM6SQZNNACQ/photo/OFRMHHIXAVG7NLBTH72D6JK5WY/ 沖縄県・波照間島の南西約140キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国語の記載のある海上ブイが設置されていたことが2024年12月25日、海上保安庁関係者への取材で分かった。 昨年2023年7月に尖閣諸島(同県石垣市)周辺のEEZ内で中国の海洋調査船による設置が確認されたブイは、尖閣周辺海域で管轄権を既成事実化する狙いがあるとみられる。 一方、今回新たに確認されたブイは台湾の東海岸に面しており、台湾有事を視野に軍事目的で設置された可能性が指摘されている。 海保関係者によると、ブイは黄色で、気象観測機器のようなものがあった。 日本のEEZの内側約14キロに設置されているのが今月2024年12月に入って確認されたという。 これまで確認されたブイには 「中華人民共和国国家海洋局」 などと記されていたが、新たに確認されたブイには 「中国気象局」 「福建海洋気象浮標」 と記載されていた。 他国のEEZで無断で海洋調査を行うのは国連海洋法条約に違反する。 昨年2023年7月に設置されたブイを巡っては、政府が外交ルートを通じて中国に撤去要請を行っているが、中国側に応じる気配はない。 今回は台湾本島の東の海域で確認された点がこれまでと異なっている。 日本最西端の与那国島から南に約170キロ、台湾南東部の台東県からは約175キロしか離れていない。 海上安全保障に詳しい東海大学の山田吉彦教授は 「台湾有事を視野に入れ、中国が海洋情報を収集する目的で設置された可能性がある」 と指摘。 「潜水艦を識別する固有のスクリュー音などを収集、分析しているのではないか」 と見ている。 中国「ブイ」の撤去 国際法は禁じているのか 日本政府の事なかれ主義 正論2024年12月号 東海大学教授 山田吉彦 中国の海洋放出は、留まるところを知らない。 南シナ海では、フィリピンが管理していたサビナ礁から警備船を駆逐し、実効支配体制に入った。 ベトナムでは、中国公船がベトナム魚船を攻撃した。 台湾海峡の施政下にある金門島を中国海警局の警備船(海警船)が包囲している。 日本には、長崎県五島市の男女群島沖上空への領空侵犯。 鹿児島県トカラ海峡での海軍艦艇による領海侵犯。 尖閣諸島海域では、武装した海警船が毎日のように出没している。 そして、尖閣諸島海域や沖ノ鳥島近海に、無断で海洋観測ブイを設置したのだ。 中国は、南シナ海及び東シナ海に渡る広い海域を同時に侵攻できる体制を築き始めている。 日本は、早急に中国に対抗する戦略を打ち立てなければならない。 中国の脅威は目前に迫っているのだ。 ■中国は通常の国ではない 日本の政治家や外交関係者は、国際関係、特に平和維持において 「法の支配」 を原則としている。 しかし、この法の支配の確立には、各国が条約や国際的に認知されている慣習法・国際法規を遵守することが前提となる。 そのために各国は、その国の憲法等において条約や国際法規を守ることを義務付けるのが通常だ。 それは、国際社会に参加しようとする国の必要条件である。 例えば、日本国憲法では、98条の2項において、日本が締結した条約及び国際慣習法などの国際法規を誠実に遵守することを規定している。 しかし、中国憲法には、国際法との関係性に言及する条文は無く、国内法を優先する姿勢で、条約や国際法規により自国の行動を制約することはない。 中国は、通常の国ではない。 中国の立法機関は、毎年1回開催される国会に当たる全国人民代表大会(全人代)である。 全人代閉会中は、全国人民代表大会常務委員会が代行し、立法を含む国家権力を代行している。 そして、憲法及び法の解釈は、実質、共産党指揮下にある全人代常務委員会により行われる。 全人代及び全人代常務委員会による国内法の制定は、共産党の意思によるもので国際法の影響を受けることはない。 本来、中国も批准している 「条約法に関するウィーン条約」 では、条約を結んだ当事国は、その条約に拘束され、条約を誠実に履行しなければならないことを規定している。 また、国連では、国内法の規定が条約規定に優先しないことが確認されているのだ。 ■ブイを利用する中国 国際社会において海洋における治安維持、海洋の利活用などは、国連海洋法条約の規定に基づき、それぞれの国が行動している。 しかし、中国は、国連海洋法条約を蔑ろにし、自国の国益重視の一方的な解釈による所が多い。 その顕著な例は他国の軍艦が領海内を航行する際の対応である。 中国の国内法では、 「外国の軍用船舶は、中華人民共和国の領海に入る場合には、中華人民共和国政府の許可を得なければならない」 と規定している。 しかし、国連海洋法条約では、軍艦を含む全ての船舶の領海における無害通航権を認めている。 沿岸国の平和・秩序・安全を害さなければ、沿岸国に通告することなしに、領海内であっても通行することが出来るのだ。 当然、日本は、中国をはじめとした外国軍艦の無害通航権を認めている。 中国政府は、昨年2023年7月初旬、東シナ海の尖閣諸島沖の日中中間線付近の日本の排他的経済水域内に海洋観測と思われる大型ブイを設置した。 このブイは、大きな重りを付け投下する係留型ブイである。 2013年、2018年にも、この海域にブイが係留されたことを海上保安庁は確認していた。 そのブイが2018年に漂流し、海保が回収し性能等が確認されている。 気象や波のデータをはじめとした海洋観測の基礎データを人工衛星を経由して中国本土に送信していたと考えられる。 中国の推進している地球環境のビッグデータ構築計画の一環であるとの見方もあるが、ブイが投下された位置は、尖閣諸島沖であり、かつ日中中間線から500メートルしか離れていない日本の排他的経済水域内である。 尖閣諸島周辺における存在感を示し、東シナ海における海洋権益拡大のために既成事実を積み重ねる意図があると考える方が適切だろう。 海洋データの取得だけが目的であれば、敢えて国境問題の火種となりかねない位置に設置する必要はないのだ。 最初にブイが設置された2013年は、尖閣諸島国有化の翌年である。 中国は、東シナ海の支配のために、長い時間をかけて海域の支配に向けた動きを続けてきたのである。 今迄対処せずに黙認してきた日本政府の罪は重い。 このブイが設置されている海域には、日本の魚船は、ほとんど出漁していない。 むしろ中国魚船が東シナ海で展開するために必要な気象、海象を提供するための情報収集のためのブイであると考えられる。 このブイは、そこから送られた情報に基づき、数千隻の中国魚船団が海上民兵として展開するためには重要な意味を持つ。 また、2013年は、日台漁業取り決めが結ばれ、台湾魚船が東シナ海に出漁を始めた年でもある。 日台漁業取り決め締結後、台湾は公に尖閣諸島の領有権を主張することは控えているようだ。 東シナ海で行われている台湾魚船の創業は、日本と台湾の協力の象徴である。 台湾を牽制すると共に、魚船の動きを監視するためにもブイは機能しているようだ。 また、中国の研究者は、この海域に設置したブイのデータを使い、2018年から2020年の間だけでも4本以上の学術論文を公表し、この論文は他の学術論文にも引用され、更に広まっている。 中国は、学術の世界において、ブイの設置を正当化し、尖閣諸島周辺海域の管理を中国が行っているという虚偽の情報を広めようとしているのだ。 日本にとっては、排除すべきブイなのである。 ■中国のキャベツ作戦 中国の東シナ海でのサラミ戦術は、1つのブイの設置から始められていた。 日本政府や海保が公に問題とせず、国民が気付かない間に、中国は侵攻を進め、尖閣諸島奪取に向け動き続けていた。 サラミ戦術とは、敵対する戦力に対し、まるで1本のサラミを薄くスライスし少量ずつ食べながら、いずれは全部を胃袋に収めてしまうように、少しずつ侵攻しながら全てを殲滅させてしまう戦術である。 相手が気付かない程度に、少しずつ、領土を侵略し、権限を強めていき、時間を掛けて全てを奪う手法を中国は得意としている。 南シナ海では、効果的に機能し、スプラトリー諸島(南沙諸島)の実効支配に結び付けた。 この戦術は、じわりじわりと領土、領海を侵略していく。 その尖兵となるのは、南シナ海においても東シナ海においても漁民である。 漁民は、当局の指示により船団を組み、指定された海域、あるいは許可された海域に向かう。 そのため、漁民は海上民兵とも呼ばれる。 このサラミ戦術に合わせて、キャベツ戦略を展開している。 キャベツ戦略では、他国の領海、あるいは紛争状態にある海域に、まず数隻の魚船を送り込む。 そして、その魚船、人民の保護を名目に、魚船の前方に海軍艦船や武装警察である海警船を配備する。 更に、軍艦や海警船の前方に魚船を送り込み、再び、魚船の前方に軍艦や海警船を配備する。 このような行為を繰り返し、海域支配を拡大してきた。 幾重にも薄い葉が1枚ずつ重なり大きくなる様子がキャベツに似ていることから名付けられた戦略である。 ■撤去すると言わない政府 ブイの設置は、まさにサラミ戦術の一環である。 そして、魚船を使い尖閣諸島に忍び寄るキャベツ戦略の布石であろう。 ブイは、昨年2023年に海上保安庁が発見し、外交ルートを通じ抗議した上で撤去を求めて来たと言うが、ブイが設置されていることは、昨年2023年9月19日に松野博一官房長官(当時)の記者会見において公表された。 政府は中国の意図を読み切れず、手をこまねいていたようだ。 2023年10月には、参議院において参政党の神谷宗幣氏が質問をしたところ、ブイが設置されている事実は認めたものの、政府による撤去に関しては、明確な答弁がなかった。 また、2023年11月1日の参院予算委員会では、日本維新の会の東徹氏が、上川陽子外務大臣(当時)に対し、日本の撤去要求を 「中国に求めても撤去しないならば、日本独自で撤去すべき」 と質した。 しかし、上川大臣の答弁は、 「国連海洋法条約には明文規定がない」 「個別具体的な状況に応じた検討が必要で、可否を一概に答えるのは困難だ」 と述べ、対応を先送りにしている印象を受けた。 また、一連の国会での質問に対し、中国への具体的対応について、外交交渉に支障を来す恐れがあるとして公表していない。 ブイの撤去が全く進んでいない状況を考えると、効果的な交渉が出来ていないと考えられる。 この参議院での質疑応答から4カ月が経過した今年2024年3月、衆議院外務委員会で無所属の松原仁氏が 「ブイを撤去するかどうか明確にしないと国益は守れない」 「事実上放置する判断をしているとしか見えない」 と指摘し、政府がブイを発見してから8カ月も実質的に放置していることを指摘した。 上川大臣は 「回収に関する国際基準が不明確で、その中で政策的な判断となる」 と答え、更に、 「有効な対応を適切に実施していく」 「具体的な時期は明示できない」 と再び問題を先送りする答弁を行った。 松原氏と上川大臣の答弁の様子は、インターネット等で多くの国民の知るところとなった。 回収出来ない理由について上川氏は、7回にも渡る松原氏の追及に対し、何度も同じ紙に書かれた答えを読み上げたため、ネットでは 「大臣は、外務省の言いなりなのか」 といった声が上がっていた。 石垣市議会では、2024年3月18日に 「尖閣諸島周辺の我が国排他的経済水域内に中国により設置されたブイの即時撤去を求める意見書」 が可決されている。 地元の人々は、政府が抗議し、撤去を求めるだけで具体的な対応を採っていないことに危機感を募らせると共に、中には、怒りの感情を抱いている人もいる。 ■上川外相を直撃すると・・・ 政府の見解に反し、海洋法や海洋管理の専門家の多くは、 「中国により尖閣諸島沖に設置されたブイを日本が撤去することは可能である」 と見解を述べている。 国連海洋法条約に明文規定がない、国際基準が不明確と言うならば、国家の主権により判断を下す必要がある。 主権を守り、国益を考えるならば、当然、日本政府が撤去するべきである。 国連海洋法条約には、自国の主張する管轄海域内に、他国が勝手に設置したブイを撤去することを否定する規定も無いのだ。 また、2013年に中国が同じ海域にブイを設置した際、海上保安庁は、2013年2月19日に付近を通航する船舶に対して航行警報を発し、注意喚起を行っている。 通航する船舶に危険が及ぶ可能性を危惧していたのである。 当然、今回も危険であり、航行の妨げになる可能性がある。 日本のみならず、台湾を含む付近を通航する船舶や操業する魚船の安全を守るためにも、日本国政府は速やかに当該ブイを撤去する必要がある。 上川大臣本人に対し、当時、筆者はブイの撤去の方針について直接聞いてみた。 すると、 「国際法的に難しい所が、色々あるのよ」 と言葉を濁していた。 上川氏は、法務大臣の経験もあり、また、国連海洋法条約に関する知見も持っている。 本人は、ブイの撤去が可能なことは分かっているのだろう。 しかし、大臣を務める外務省の立場を考慮し、このような答弁になったと考える。 独立国家として主権と尖閣諸島の領土を守り、地元住民の安全と安心を考えるならば、ブイは速やかに撤去しなければならない。 しかし、現在の外務省は、国家の主権を守ることより、中国による恫喝外交への恐怖心の方が上回っているようだ。 かつて上川氏は、総理大臣の座に最も近い女性と言われていたが、松原氏との問答の後、急速に人気に陰りが見え始めた。 その結果が、自民党総裁選で、9人中7番目に甘んじることに繋がったとも考えられる。 ■尖閣以外にもブイが・・・ 日本政府の事なかれ主義的な対応は、中国政府の傲慢さに拍車をかけることになった。 尖閣諸島沖に設置されたブイを撤去できない日本政府に対し、更に挑発的な行動に出た。 四国と日本の最南端である沖ノ鳥島とを結んだ海域に海洋観測用ブイを設置したのである。 この海域は、四国海盆と呼ばれる。 日本は島国であり、日本で市販されている地図には、およそ12万もの島が記載されている。 この島々が基点となり、日本が主権的権利を行使できる 「領海」 及び、経済的な権益が認められる 「排他的経済水域」 が設置されている。 この管轄海域とも言える領海及び排他的経済水域を合わせた面積は、約447万㎢と広大である。 領海の幅は、沿岸から12海里(約22.2km)の範囲であり、排他的経済水域の幅は、最大で200海里(約370km)である。 この管轄海域の範囲を地図に落とすと、太平洋上に管轄海域に入らない海域が、出現している。 その一部が四国海盆付近の海域である。 2024年6月、中国は、日本が管轄権を持たないこの海域に、日本を試すように日本政府に無断でブイを設置したのである(地図参照)。 国連海洋法条約には、 「大陸棚」 という規定がある。 領土から一定の条件を満たす地殻が続いている場合、領海の基線から350海里までで、水深2500メートルの等深線から100海里沖合の線までの間であれば、国連機関である大陸棚限界委員会に科学的根拠を示し了承を得れば、海底とその地下資源の探査・開発について主権的権利が認められることになる。 日本は2012年、この四国海盆や沖ノ鳥島を基点とした海域など、合わせて約31万㎢を自国の大陸棚として認定されたのである。 ■海底は「日本」なのに・・・ 日本政府は、四国海盆に向け動いている中国の調査船を把握し、公海上であっても日本が持つ大陸棚に関わる権益を侵害することがないように警告すると共に、目的の説明を求めていた。 しかし、中国は、説明もないままにブイを設置したのである。 中国が無断でブイを設置したことに対し、林芳正官房長官は、今年2024年7月5日に行った記者会見において、 「目的や計画などの詳細を示さないまま設置したことは遺憾だ」 「様々な懸念や疑念があることも踏まえ、直ちに透明性ある説明や活動を行うように申し入れを行った」 と述べている。 中国側からは、ブイは津波観測用で、日本が大陸棚に有する主権的権利を侵害するものではないとし、公海上における中国の科学調査に日本が干渉する権利はないとしている。 中国がブイを設置した四国海盆の海域では、日本は漁業などの海洋権益は持たないが、海底管理の権限は持っている。 つまり、海は日本でなくても、海底は日本なのである。 中国が設置したブイは、重りを海底面に置き、チェーンなどで洋上のブイ係留している。 本来、このような海底を利用する係留型のブイを設置する場合は、海底の開発権を持つ国の了承を得なければならない。 中国は、日本に無断で、日本の海底を利用しながら、日本の権利を阻害していないとするならば、日本政府は、観測ブイの機能の確認を行うべきである。 もし、中国政府が、確認することを拒むのであれば、無人海底探査機を使いブイの重りの着地している海底面を確認し、状況によっては海底の無断利用を中止させる必要があるだろう。 つまり、ブイを係留している重りを撤去するか、海底と繋いでいるワイヤーを切断するのだ。 強硬策を取り得る可能性を示さない限り、中国は次々と増長した海洋進出を続けるだろう。 日本は、国際法に照らした厳格な対応が必要なのである。 また、中国は、南海トラフなどの日本の東方の太平洋における海底調査を行っている。 中国の海洋調査船が頻繁に姿を現しているのだ。 中国の海洋研究者は、東南海地震の可能性、津波に関する情報収集、中国本土への影響の予測などに興味を示している。 そのための調査である可能性が高い。 もし、東南海地震などが発生し、日本の国土が甚大な被害を受け、国内が大混乱に陥った場合、中国は台湾進攻や尖閣諸島奪取に動き出す準備とも考えられる。 もしもに備え、中国の動きは注視しておく必要があるだろう。 ■国連海洋法条約の現実 上川大臣が拘り、中国が独自の解釈で利用する国連海洋法条約とはどのようなものであるのだろうか。 国連海洋法条約は、 「海の憲法」 と呼ばれ、地球の表面積の71%を占める 「海」 の管理、活用に関わり各国が遵守すべき様々なルールが定められている。 2024年9月末現在、169カ国とEUが締約している普遍的な条約である。 国連海洋法条約は、海洋の秩序を形成するために、国際的な慣習として認知されてきた 「海の掟」 を法的に条文化したものである。 1982年に採択され、1994年に発効している。 日本は1996年に批准している。 第二次世界大戦後、国際連合において海洋法の法制化を求める動きがあった。 近代戦争を経て、船舶航行、海洋資源開発など海洋利用の分野に関わる技術が急速に高度化し、先進国を中心に無秩序な海洋利用が始まっていた。 そこで、1958年、第一次国連海洋法会議が開催され、海洋法の草案に関する審議が始められた。 しかし、各国の領海をはじめとした管轄海域の思惑が対立し、審議は遅々として進まなかった。 最終的に国際条約として合意するまでに24年、更に発効するまでに12年の歳月を要した。 また、米国は、国連海洋法条約の内容を国際慣習に合致したものと認識は持っているようだが、未だ、この条約を批准していない。 圧倒的な海洋開発力を持つ米国にとって、この条約に縛られることは産業界などの反対もあり、国益にそぐわないと考えているようだ。 多くの日本人、特に外務省をはじめとした政府関係者は、条約や国際法は、その条約を批准した各国が厳守する絶対なものであると考えている。 しかし、条約、国際法の解釈は、それぞれの国のイデオロギーや民族性で、異なることもしばしばある。 特に、中国のような国は、自国の国内法や国民感情を優先し、それに合致した解釈をしている。 中国は、南シナ海を核心的利益とし、海洋領土として歴史的に支配してきた海域だと主張している。 そして、南シナ海に人工島を建設し、既に軍事拠点として活用している。 このような中国の動きに対し、南シナ海の一部の管轄権を主張するフィリピンは、中国の不当な海域支配を常設仲裁裁判所に訴えた。 その判断が2016年に下され、中国の南シナ海支配は根拠のないものであるとされた。 しかし、中国は、この国際法廷による判断を、手続き的に不備があり 「紙屑だ」 として受け入れない。 中国は、国際法廷の判断など意にも介していないのである。 1度手に入れた権益は、国際的に違法と認定されても、手放すことを中国政府も中国国民も許さないのである。 本来であれば、国際法廷の判断に従わない中国は、国連安全保障理事会で非難され、制裁対象とされてもおかしくはない。 しかし、中国は国連安保理の常任理事国であり、理事会の議決に対する拒否権(5大国の拒否権)を持つ。 中国が国際ルールを無視しても、国連は従わせる術を持たないのだ。 同様にロシアも安保理常任理事国であり、ウクライナ侵攻においても国連は対応する術を持たない。 条約や国際機関には限界があり、領土、国民、主権を守るためには、安全保障に係る国内法を整備し、自国で対応する必要があるのだ。 更に、故安倍晋三氏は、総理大臣当時、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が国際社会の安定と繁栄の礎となると考えていた。 「海洋における法の支配原則」 として、国家は国際法に基づき主張すべきであり、主張を通すために力や威圧を用いない。 そして、紛争解決には平和的収拾を徹底すべきであるとし、米国、オーストラリア、インドの3国と共に 「自由で開かれたインド太平洋戦略」 を提唱した。 それは、国際法を守らず自国の利益を追求する国に対し、各国が連携し対処する戦略である。 我が国は、自国の体制を再構築すると共に、アジアの平和のために各国と連携し、法と秩序を維持する行動が必要であるのだ。 <独自>中国ブイ撤去へ関係閣僚会議立ち上げ 林官房長官単独インタビュー、首相就任の場合 2024/9/6 16:10 https://www.sankei.com/article/20240906-7EQTFU3ALRPJ7O2JREBSBRPBOM/ 自民党総裁選(2024年9月12日告示、2024年9月27日投開票)に出馬を表明している林芳正官房長官は2024年9月6日までに産経新聞の単独インタビューに応じ、総裁選に勝利して首相に就任した場合、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内に設置した海上ブイの対応策を検討する関係閣僚会議を立ち上げると明らかにした。 林氏は 「ブイの撤去を含めて検討する」 と強調した。 ブイは昨年2023年7月にEEZの基準となる地理的中間線の東側で確認された。 気象観測の他、軍事目的で海中のデータを収集している可能性が指摘されている。 岸田文雄首相が同年2023年11月の日中首脳会談で習近平国家主席に即時撤去を求めたが、中国側は応じていない。 外務省や海上保安庁などが参加する会議を想定。 林氏は 「(ブイの設置からは)だいぶ時間が経過している」 「これから1年かけて議論するという類のものではない」 と述べ、早期の立ち上げを目指す意向を示した。 その上で 「外交努力をやっていくのは当然だ」 とも語り、引き続き中国側の対応も求めるとした。 <主張>海の日 恵みに感謝し守る決意を 社説 2024/7/15 5:00 https://www.sankei.com/article/20240715-G2U6AF63MJNIPMWD7FW2IXGG3Q/ 1万4000余の島々で構成される我が国は、領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた海洋面積は国土面積の11倍以上、約447万平方キロメートルに及ぶ世界第6位の海洋大国だ。 その海がもたらす豊かな資源と美しい自然は、後世に引き継ぐべき大切な財産だ。 その恩恵に感謝すると共に、海洋国日本の一層の繁栄を願う日が、今日の 「海の日」 である。 明治9年、東北・北海道巡幸を終えた明治天皇が巡視船「明治丸」で横浜港に帰着された 「7月20日」 に由来する。 平成7年に制定され、その後の法改正で現在の7月第3月曜日となった。 だが、その広大な海域の安全は近年、脅かされ続けている。 四国南方の海底にある大陸棚 「四国海盆」 の海域では2024年6月、中国の海洋調査船が無断でブイを設置した。 この船は、2023年7月に尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖のEEZ内に無断でブイを設置したのと同じ海洋調査船だった。 中国は尖閣諸島周辺の日本領海への侵入も繰り返している。 一方的に海域開発を進めて権益を主張しようとする行為を、許してはならない。 我が国固有の領土にもかかわらず、韓国による不法占拠が続く竹島(島根県隠岐の島町)周辺の海域では2024年6月、韓国政府が海洋調査を3度も実施した。 本来、韓国には日本に事前に通報し、同意を得る義務がある。 日本政府は中止を求め、韓国外務省に抗議したが、韓国は独自の立場に基づき応答した。 政府は繰り返し 「遺憾の意」 を表明しているが、それだけでは海域の安全は守れない。 海洋権益拡大を狙い、敢えて無法を繰り返す蛮行に毅然と対応すべきだ。 海域を守るとは、国家主権と安全を守ることである。 宮城・気仙沼の歌人、熊谷龍子さんは 「森は海を海は森を恋いながら悠久よりの愛紡ぎゆく」 と詠んだ。 海と森の恵みは相互作用の上にあり、我が国の豊穣な海と自然豊かな国土は、それらを大切に守り、育ててきた先人たちが積み重ねてきた営みの上にある。 その美しい国を守る責務は政府と国民にある。 海の恩恵に感謝し、 「海を守る」 決意を改めて、国民1人1人が新たにする。 それが 「海の日」 だ。 <正論>未来を考え「海守る」体制強化を 東海大学教授・山田吉彦 2024/7/15 8:00 https://www.sankei.com/article/20240715-YWZGXQOE6BO55M72KCEWSEMXTE/ 「海の日」 に考える 「海の日」 は 「海の恩恵に感謝すると共に、海洋国日本の繁栄を願う日」 とされている。 我が国は 「海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)」 により広大な海を持つことを認められている。 国連海洋法条約は人類共通の財産と言われる海を分割し、沿岸国に対し12カイリ(約22.2キロ)までを領海として主権の行使を認め、200カイリ(約370キロ)までを排他的経済水域(EEZ)として、海洋から生まれる経済的な権益を独占することを認めたのだ。 我が国が管轄する領海とEEZの面積は合わせて約447万平方キロ。 世界で6番目の海の広さである。 更に管轄海域内の海水の体積は推定1580万立方キロで、世界4位の大きな海を持つ。 日本は広大な海洋国家なのである。 しかし、我が国は海の恩恵に感謝し、広大な海を守り活用することが出来ているのだろうか。 我が国の管轄海域の海底には、全国民が使うガスエネルギーの約100年分に相当するメタンハイドレート、金、銀、銅等の金属を埋蔵する海底熱水鉱床、コバルトやニッケルを含むマンガン団塊などが眠る。 しかし、海という神秘の世界の壁は高く厚く、国費を投入し研究開発を進めてきたが、実用化は遅々として進んでいない。 現在の日本社会は、目先の都合や利益にばかり捉われている。 政権は、海洋国家である日本の未来を想像し、国民に対し指針を示すと共に、海洋開発に向けた行動を起こすべきである。 そのような状況の中で、日本の海洋社会に対し具体的な提案を続けてきた日本財団は日本の海洋資源の実用化に向け一石を投じた。 日本の最東端である南鳥島近海で、商業開発を前提とした海底資源調査を行い、レアメタルを豊富に含むマンガン団塊の存在を確認したのだ。 調査報告によると、この海域で国内消費量の75年分以上のコバルトと、11年分以上のニッケルの存在が確認された。 日本財団は、揚鉱実証実験に向けた準備を進めると共に、早ければ2024年年内にも国内企業で共同事業体を発足させる計画だ。 ■対応遅れは中国を増長させ 海洋開発を進めるに当たり、海洋安全保障は重要な課題である。 国連海洋法条約は約170の国と地域が承認し、この条約に基づき各国は海洋権益の拡大に向けた動きを進めている。 特に中国の動きは激しい。 中国の目指す海洋権益は海底資源のみならず水産資源、世界の海を繋ぐシーレーンの掌握―とその欲望は果てしない。 海洋権益の獲得に向け、その基点となる離島や沿岸部の侵略を進めている。 南シナ海の掌握を進め、東シナ海、尖閣諸島への侵食も強化している。 2023年、尖閣諸島沖の我が国のEEZ内に、あたかも中国の管轄海域であるかのように海洋観測ブイを設置した。 このブイ設置は、日本の主権を脅かしている。 政府は中国に撤去を求めているが、黙殺され、放置したままである。 衆院外務委員会で無所属の松原仁議員が、上川陽子外相に政府の方針の説明を求めたが、 「回収する国際法上の基準が不明確で、その中で政策的な判断となる」 と無策を露呈してしまった。 ブイは放置されたまま、中国本国に海洋情報を送り続けている。 このような尖閣周辺における政府の遅々とした対応は、中国を増長させている。 更に2024年6月には四国の南、沖ノ鳥島周辺海域にも海洋観測ブイを設置した。 「津波の観測用」 と説明しているが、本来の目的は日本近海の海洋情報の常時取得であり、軍事的な意味合いも大きいと推察される。 しかし、このブイはEEZ外に置かれ、国際法では撤去することもできないのだ。 ■侵略許さぬ防衛・外交力を 上川外相は時折、海の国際法である国連海洋法条約に言及する。 2024年1月にハンブルクにある国際海洋法裁判所を訪れた際には、 「日本は、海における『法の支配』を一貫して重視しており、国家間の海洋紛争は、力や威圧ではなく、国連海洋法条約に基づき平和的に解決することが必要である」 と述べるなど、同条約を重視している。 しかし、国連海洋法条約は未完の条約である。 関係国の利害の調整のため、抽象的な表現が多く、解釈が多様化しているのだ。 また、条約に違反しても強制する力が弱い。 国連海洋法条約では、日本の領海内で違法行為を行う外国公船に対し、海上保安庁は退去を求める以上の行為はできない。 国際法に依存せず、侵略者に対処しなければならないのだ。 まず国際法の盲点を埋め、警備力、防衛力をもって外国公船の侵入を未然に防ぐ国内法整備と緊急時に対処できる国境離島の管理体制の強化が必要である。 日本は、これからも海の恩恵により発展する。 そのためには、海を守る体制強化と国民意識の高揚を実践しなければならない。 「海を守る日本」 を創設するためには、防衛力と合わせ外交力の強化も不可欠である。 自民「護る会」、上川陽子外相に「中国抑止には対抗措置不可欠」と提言 2024/7/10 16:54 https://www.sankei.com/article/20240710-BPJZ7KIBGFILLPDDWVJWY5HP64/ 自民党の保守系グループ 「日本の尊厳と国益を護る会」 の青山繁晴代表は2024年7月10日、外務省で上川陽子外相に中国への外交姿勢に関する提言書を手渡した。 提言は、中国船の領海侵入やブイ設置などについて 「中国の暴挙に真の抑止効果を持つ対抗措置を戦略的に取ることが不可欠だ」 と強調。 「遺憾の意」 の表明や 「厳重な抗議」 で済ませてはならないとも指摘した。 小池都知事は石原慎太郎氏の遺志を継ぎ沖ノ鳥島を守れ 中国ブイ設置で異変、かつてメディアは「小さな岩に固執」と印象操作 2024.7/9 06:30 https://www.zakzak.co.jp/article/20240709-OESJ7L7AFVJ6THPAOSMVHHUBIU/ また、7月8日が巡り来た。 2022年、参院選の応援演説中の暗殺という、許しがたい暴挙によって急逝した安倍晋三元首相の命日、仏式では三回忌となる。 日が経つごとに安倍氏の不在に慣れるどころか、むしろ喪失感は大きくなるばかり。 我が国にとって氏が如何に大きな存在であったかを日々、思い知らされている。 2022年には、東京都知事を2013年務めた石原慎太郎氏も他界した。 その石原氏の 「お別れの会」 で、安倍氏は 「石原慎太郎のいない日本は面白くなくなる」 という名スピーチをし、その翌月にこの世を去ったのだった。 折しも昨日2024年7月7日、都知事選が投開票された。 安倍氏がこの世を去った日と同じ、うだるような暑さの中での選挙戦だった。 結果はすでにご承知の通りだが、現職の小池百合子知事が圧勝した。 同日投開票の東京都議補選(9選挙区)で、自民党は擁立した8選挙区のうち、勝利は僅か2選挙区だった。 安倍政権時代、国政選挙では負け知らずだった自民党が、首都東京では、自民党を飛び出た小池氏に苦杯をなめさせられ続け、都議会も大幅に議席を減らしてきた。 今回はその恩讐を超え、自民党が小池氏にすり寄るかたちで戦ったが、都議補選も無残な結果となった。 「七夕決戦」 の結果をあえて単純化するなら、印象に残ったのは 「蓮舫氏の惨敗と、自民党の凋落」 である。 これが今後の日本政治への良き影響とならんことを望むばかりである。 前代未聞の騒がしい選挙戦が行われている間、東京都の一部である島の周辺で異変が起きていた。 日本最南端にあたる沖ノ鳥島、東京港から1800キロも離れている絶海の孤島だ。 面積こそ僅かだが、ここはれっきとした東京都に属する島である。 その北方に位置する日本の大陸棚 「四国海盆(しこくかいぼん)」 付近の海域に先月、中国の海洋調査船がブイを設置したことが分かったのである。 中国はこれまで沖縄県・尖閣諸島周辺などの東シナ海でブイを置いたことはあったが、太平洋の日本管轄海域では極めて異例だ。 沖ノ鳥島の周辺海域にブイ設置をしたのは、2023年7月、尖閣周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)にブイを無断設置した中国の海洋調査船 「向陽紅22」 である。 この船が、先月2024年6月5日に上海を出港し、東シナ海から大隅海峡(鹿児島県)を通過して太平洋に出た後、先月2024年6月中旬、四国海盆海域内でブイを設置した。 2023年7月のブイよりも小型で、近くを航行する船から夜間も見える発光器が付いていると報じられている。 沖ノ鳥島といえば、思い出されるのは石原氏である。 沖ノ鳥島について、中国はかねてから 「島ではなく岩であり、日本の大陸棚やEEZの基点にできない」 という主張を掲げてきた。 石原氏はその暴論を一刀両断し、2005年には自ら沖ノ鳥島を視察、72歳の身で島から海に飛び込み泳いで見せたりもした。 その時、 「沖ノ鳥島は島か」 と問う記者に向かって放った言葉が次の通りである。 「君はどっちの人間だ。あれは島だ。ちっちゃな島だ。文句あるか」 石原氏が沖ノ鳥島に殊更熱心だった理由を、残念ながら多くの日本国民が知らない。 メディアの悪質な印象操作に乗せられ、 「小さな岩に固執する石原慎太郎」 という誤解をした人も少なくないだろう。 だが、沖ノ鳥島が島ではないということになれば、周辺のEEZ約40万平方メートルが日本のものでなくなる。 日本の国土全体(約38万平方キロ)以上の海が日本のものではなくなるのだ。 沖ノ鳥島周辺は、魚の産卵場や回遊経路に当たると言われ、海底には貴重な鉱物資源が存在するとも言われている。 つくづく、石原氏が懐かしい。 圧勝で3期目を迎えた小池氏には、国の不甲斐なさを一喝して、 「東京の島を自ら守る」 気概を見せてほしいものである。 中国 沖ノ鳥島周辺の公海上にブイ設置 政府 情報収集など継続 2024年7月5日 18時33分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240705/k10014502551000.html 中国の海洋調査船が6月、沖ノ鳥島周辺の日本の大陸棚に位置する公海上の海域にブイを設置したことが確認されました。 政府は、目的や計画などを示さないまま設置され、遺憾だとしていて、情報収集や分析を続ける方針です。 これは林官房長官が2024年7月5日の記者会見で明らかにしました。 それによりますと、2024年6月、四国の南側、沖ノ鳥島周辺の日本の大陸棚に位置する公海上の海域に、中国の海洋調査船がブイを設置したことが確認されました。 日本側は事前の段階で調査船の動きを把握し、公海上であっても大陸棚に関わる日本の海洋権益を侵害しないよう働きかけると共に、目的などを示すよう求めていましたが、説明がないままブイが設置されたとしています。 林官房長官は 「目的や計画などの詳細を示さないまま設置したことは遺憾だ」 「中国側には海洋活動全般で、様々な懸念や疑念があることも踏まえ、直ちに透明性のある説明や活動を行うよう申し入れを行った」 と述べました。 そして 「中国側からは 『ブイは津波観測用で、日本が大陸棚に有する主権的権利を侵害するものではない』 との説明があった」 「政府として情報の収集や分析などを継続する」 と述べました。 ■林官房長官「直ちに問題行為と言えずも情報収集など継続」 林官房長官は、午後の記者会見で 「設置された海域は、いずれの国の管轄権も及ばない公海で、全ての国に航行や科学的調査を行う自由などが認められている」 「仮に、我が国の大陸棚に対する科学的調査であれば、国連海洋法条約により事前の通報が必要だが、中国側は 『海底ではなく、津波観測用だ』 としており、条約上の通報の義務はない」 と述べました。 その上で 「設置された海域での船舶交通の安全や、我が国の主権的権利に影響を及ぼさないのであれば、国際法上、直ちに問題のある行為とまでは言えず、政府としては、引き続き情報の収集や分析などを継続する」 と述べました。 ■中国外務省報道官「日本側に干渉する権利はない」 中国の海洋調査船が沖ノ鳥島周辺の日本の大陸棚に位置する公海上の海域に設置したブイについて中国外務省の毛寧報道官は2024年7月5日の記者会見で 「津波用のブイの設置は科学研究で公益性のある目的であり、国際的にも通用するやり方だ」 と述べました。 その上で 「各国は公海で科学研究に従事する自由があり、日本側に干渉する権利はない」 と述べ、 「遺憾だ」 とする日本側を牽制しました。 中国のブイは去年2023年7月にも沖縄県の尖閣諸島周辺の日本のEEZ=排他的経済水域内で確認され、日本側が撤去を要求していますが中国は応じていません。 中国が四国南方のブイ設置を正当化 「日本側に干渉する権利はない」と主張 2024/7/5 18:50 https://www.sankei.com/article/20240705-K2EAKTMNEJP6PNRK7OLQHTX5FY/?dicbo=v2-KjR4LrS 中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道官は2024年7月5日の記者会見で、中国の海洋調査船が四国南方の太平洋にブイを設置したことに日本政府が遺憾の意を表明したことに対し、 「日本側に干渉する権利はない」 と反発した。 「科学研究と公益目的に基づく国際的に通用したやり方だ」 と主張している。 毛氏は、中国船が 「西太平洋の公海」 にブイを置いたと説明した。 「国連海洋法条約に基づいて公海は全ての国に開放されている」 「各国は公海において科学研究に従事する自由を有している」 との見解を示した。 2023年7月には中国の海洋調査船が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島北西約80キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内にブイを設置したことが確認されている。 日本政府は中国側に即時撤去を求めた。 毛氏は、2023年7月にブイの設置が確認されたことに関し 「合理的で合法だ」 と正当化した。 中国、日本大陸棚にブイ 政府、海洋権益巡り申し入れ 2024/7/5 12:07 https://www.sankei.com/article/20240705-5B53P34K2NKEFPIZQJTAPVIMUQ/ 林芳正官房長官は2024年7月5日の記者会見で、中国の海洋調査船が四国南方の公海上にブイを設置したことを確認したと明らかにした。 日本の大陸棚に当たり、政府は日本の海洋権益を侵害することがないよう申し入れた。 中国側からは、ブイは津波観測用で、日本の大陸棚に対する主権的権利を侵害するものではないと説明を受けた。 政府関係者によると、中国の海洋調査船「向陽紅22」がブイを設置したのを2024年6月中旬に確認した。 同船が東シナ海の日本の排他的経済水域(EEZ)を航行している段階から動向を注視していたという。 中国、日本EEZ内の尖閣沖観測ブイ使い複数の論文発表 活動を既成事実化、軍事利用も 2024/3/11 12:00 https://www.sankei.com/article/20240311-KIPO7RFEZNF3XJPMKNCM6GMHAI/ 中国の研究者による尖閣沖の観測ブイ「QF209」のデータを使った論文の図 https://www.sankei.com/article/20240311-KIPO7RFEZNF3XJPMKNCM6GMHAI/photo/Z6GVY7TSG5GQPJBKVW2XD47A6Q/ 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内に中国が大型の観測ブイを設置している問題で、中国の研究者が、ブイの観測データを基に少なくとも4本の学術論文を発表していることが2024年3月11日、分かった。 ブイのデータを活用することで、尖閣周辺海域の管轄権の既成事実化も狙っているとみられる。 また、ブイのデータは軍事利用されている可能性がある。 ■識別番号「QF209」 海上保安庁などによると、観測ブイは2013年に尖閣諸島の魚釣島の北西約80キロ、EEZの境界線である日中中間線付近で初めて確認された。 その後、ブイが流される度に新しいブイが設置されたとみられ、2016年以降は日中中間線より日本側に入った位置で確認されている。 政府は外交ルートを通じて中国側に抗議しており、岸田文雄首相は昨年2023年11月の日中首脳会談で即時撤去を求めていた。 産経新聞が論文検索サイトを使って調べたところ、尖閣諸島沖に設置されたブイに関連する英語の学術論文が2018年から2020年にかけて4本発表されていた。 ブイは識別番号 「QF209」 とされ、中国の研究者がブイの観測データを使って気象予測などを論じている。 ブイが日本のEEZ内にある時期に収集されたデータも含まれているとみられる。 2019年に中国国家海洋環境予報センターの研究者が発表した論文では、QF209は24基のブイで構成された中国の観測ネットワークの一部として登場。 QF209の観測期間は2013年2月以降としている。 またQF209を巡る4本の論文は、他の論文に引用されており、中には26本の論文に引用されたケースもあった。 東京大学大気海洋研究所の柳本大吾助教(海洋物理学)は 「日本の研究者も掲載を目指す米国の科学雑誌も含まれている」 「東シナ海は台風や線状降水帯の予測において重要な海域で、貴重なデータが取れている」 「係留型のブイは、気象庁の漂流型のものと違い、時間変化するデータを同じ場所で細かく取得することができるという利点がある」 と指摘する。 ■天気予報で領有権アピール 中国国家海洋局の2014年の文書によれば、QF209は直径約10メートルで、風速、風向き、気圧、気温、水温、波浪のデータを収集し、送信する能力がある。 中国の軍事ニュースサイト 「新浪軍事」 の2013年の記事では、高精度な地図の軍事転用を引き合いに出し、観測ブイも軍事と民生の両面で大きな意義があるとしている。 また香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの2021年1月の記事は、国家海洋局当局者の発言として、係争海域にある新型のブイが装備しているカメラやセンサーを使い、他国による侵入とみなされる行為を察知した場合、中国海軍と法執行機関に通報すると伝えている。 この記事では、潜水艦の安全な航行にブイのデータが役立つとも書かれている。 2021年には海上自衛隊が奄美大島沖で中国の潜水艦を確認しており、こうした活動にブイの観測データが活用されている可能性がある。 元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は 「海中のデータは重要だ」 「水温が変わると、海中での音の伸びも変化する」 「地球温暖化で海水温が1度上がるだけでも、潜水艦の探知のために蓄積した過去のデータが無駄になることさえ懸念されている」 と話す。 中国は、日本が2012年9月に尖閣諸島を国有化すると同時に、中国国営中央テレビ(CCTV)で尖閣諸島の天気予報を始めており、気象を巡る情報が領有権を示す道具として使われている。 ■新型ブイは大型化、能力向上か QF209と同じ場所へ2023年に設置されたブイは、識別番号 「QF212」 とされ、更なる能力向上が図られているとみられる。 中国メディアの報道や、衛星画像を使った分析を総合すると、新しいブイは直径が約15mと大型化している可能性がある。 昨年2023年、中央軍事委員会の指揮下にある海警局の船舶は過去最多の352日に渡って尖閣諸島周辺の接続水域に入域し、うち42日は日本の領海に侵入した。 ブイは海警局の船が出航する浙江省台州市と尖閣諸島周辺の接続水域を結ぶ航路上に位置している。 中国のブイを巡っては、フィリピンやベトナムも同様の問題を抱えている。 フィリピンは同じ海域にブイを設置して応酬したり、漁師や沿岸警備隊が浮遊障壁を撤去するなどして対抗してきた。 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)の報告によると、ベトナムも1988年に中国のブイの設置を阻止するなど長年、中国と沿岸の領有権を争ってきた。 ■「政府は初動を誤った」 ブイが海洋警備や軍事に用いられる例は、中国以外でもみられる。 米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)は 「Oceans of Things」 と称し、数千の小型フロートからなるセンサーネットワークを自国の沿岸に展開しており、搭載された高感度のマイクで水中の様子を監視している。 国連海洋法条約はEEZを管轄する国にしか構造物設置を認めておらず、科学調査には事前の許可が必要としている。 同条約は、EEZの境界が未画定の海域についても、最終的な合意に向けて当事国同士があらゆる努力を講じることとしており、中国の一連の行動はこれと相容れない。 一方、撤去に関して明文化された規定がないこともあり、日本政府は10年以上に渡って対応出来ずにいる。 香田氏は 「政府は明らかに初動を誤った」 「論文は米国の雑誌にも掲載され、国際法上の既成事実を与えてしまっている」 と指摘。 「(侵攻に)徹底抗戦するウクライナと違い、国際社会から我が国の国際法上の権利であるEEZにおける管轄権を諦めているとみなされる」 「今頃撤去すれば中国は、対応策として自国の管轄権を守るためと称して軍艦を派遣する可能性もある」 と厳しい認識を示した。 満州事変 世界恐慌の少し前の昭和3年(1928)、満州を実効支配していた張作霖が列車ごと爆殺されるという事件が起きたのです。 元は馬賊だった張作霖は権謀術数に長けた人物で、日露戦争後に日本陸軍の関東軍と手を結び、軍閥を組織して満州を実効支配し、徴収した金を全て自分の物としていました。 当初、張作霖と関東軍の関係は良好でしたが、大正の終わり頃から、物資の買い占め、紙幣の乱発、増税などを行い、関東軍と利害が対立するようになっていきます。 更に欧米の資本を入れて、日本の南満州鉄道(満鉄)と並行する鉄道を敷設したことで、両者の衝突は避けられなくなりました。 満鉄は鉄道事業が中心として満州全域に広範な事業を展開する会社で、日本軍による満州経営の中核たる存在であっただけに、関東軍としても見過ごすわけにはいかなかったのです。 張作霖爆殺事件はそんな状況下で起こりました。 事件の首謀者は関東軍参謀と言われてきましたが、ソ連の関与があったとする説もあり、現在も論争が続いています。 ただ、この時、 「張作霖爆殺」 に関しての陸軍の調査と、彼らを庇うかのように二転三転する内閣の報告に関して、昭和天皇は不快感を顕にし、田中義一首相(元陸軍大臣)の内閣は総辞職しました。 天皇は自分の言葉(それを首相に伝えたのは鈴木貫太郎侍従長)が内閣に影響を与えてしまったことを反省し、以後は内閣の決定には拒否権を発動するなどの 「親裁」 は行わないようになりました。 それをやれば日本は専制君主国家になってしまうという思いからです。 張作霖の跡を継いだ息子の張学良はこの後、満州に入植してきた日本人と朝鮮人の権利を侵害する様々な法律を作ります。 また父の張作霖が満鉄に並行して敷いた鉄道の運賃を異常に安くすることで満鉄を経営難に陥れました。 そのため満鉄は昭和5年(1930)後半から深刻な赤字が続き、社員2000人の解雇を余儀なくされたのです。 日露戦争でロシア軍を追い出して以降、日本は満鉄をはじめとする投資により、満州のインフラを整え、産業を興してきました。 そのお陰で満州は大発展したのです。 この頃、清では戦乱が相次ぎ、日本は満州の治安を守るためにを置いていました。 そのため清から大量の難民が押し寄せることとなります。 そうしたこともあって日露戦争が始まった明治37年(1904)頃には約1000万人だった満州の人口は、20数年の間に3000万人にも増えていました。 同じ頃、蒋介石率いる中国国民党政権と中国共産党による反日宣伝工作が進められ、排日運動や日本人への脅迫やイジメが日常的に行われるようになりました。 日本人に対する暴力事件も多数発生しました。 代表的な事件は 「南京事件」 と呼ばれるもので、これは昭和2年(1927)3月に、蒋介石率いる中国国民党が南京を占領した際、中華民国の軍人と民衆の一部が、日本を含む外国領事館と居留民に対して行った襲撃事件です。 暴徒は外国人に対して、暴行・略奪・破壊などを行い、日本人、イギリス人、アメリカ人、イタリア人、デンマーク人、フランス人が殺害されました(この時、多くの女性が凌辱された)。 この暴挙に対して、列強は怒り、イギリスとアメリカの艦艇は直ちに南京を砲撃しましたが、中華民国への協調路線(及び内政不干渉政策)を取る幣原喜重郎外務大臣(「日英同盟」を破棄して「4カ国条約」を結んだ全権大使)は、中華民国への報復措置を取らないばかりか、逆に列強への説得に努めました。 更に日本政府は国内の世論を刺激しないように、 「我が在留婦女にして凌辱を受けたる者1名もなし」 と嘘の発表をしたため、現状を知る南京の日本人居留民を憤慨させたのです(政府は居留民たちが事実を知らせようとする集会さえも禁じている)。 この時、報復攻撃をしなかった日本に対し、中国民衆は感謝するどころか、逆に 「日本の軍艦は弾丸がない」 「張子の虎だ」 と嘲笑したと言われています。 事実、これ以降、中国全域で、日本人に対するテロ事件や殺人事件が急増します。 満州でも、中国共産党に通じたテロ組織が、日本人居留民や入植者を標的にしたテロ事件を起こすようにもなりました。 しかし被害を受けた日本人居留民が領事館に訴えても、前述の通り、時の日本政府は、第2次幣原喜重郎外交の 「善隣の誼(よしみ)を淳(あつ)くするは刻下の一大急務に属す」(中国人と仲良くするのが何より大事) という対支外交方針を取っていたため、訴えを黙殺しました。 それどころか幣原喜重郎外務大臣は、 「日本警官増強は日支対立を深め、ひいては日本の満蒙権益を損なう」 という理由で、応援警官引き揚げを決定します。 そのため入植者たちは、満州の治安維持をしている関東軍を頼り、直接、被害を訴えるようになっていきます。 それでもテロ事件は収まらず、昭和5年(1930)後半だけで、81件、死者44人を数える事態となりました(負傷者は数えきれない)。 この時、中国人による嫌がらせの一番の標的になっていたのが朝鮮人入植者でした。 これは多分に両者の長年の確執と性格による所もあったと考えられます。 韓国併合により当時は 「日本人」 だった朝鮮人は、何かにつけて中国人を見下す横柄な態度を取っていたと言われ、中国人にしてみれば、長い間、自分たちの属国の民のような存在と思っていた朝鮮人にそのように扱われのが我慢ならなかったものと考えられます。 中国人から執拗な嫌がらせを受けた朝鮮人入植者は、日本政府に対して 「日本名を名乗らせてほしい」 と訴えます。 最初は日本名を名乗ることを許さなかった統監府も、やがて黙認する形で認めることとなります。 日本政府の無為無策では南満州鉄道や入植者を守れないという意見が強まる中、関東軍は昭和6年(1931)9月、奉天(現在の瀋陽)郊外の柳条湖で、南満州鉄道の線路を爆破し、これを中国軍の仕業であるとして、満州の治安を守るという名目で軍事行動を起こしました。 政府は不拡大方針を取りましたが、関東軍は昭和7年(1932)7月までに満州をほぼ制圧し、張学良を追放しました。 いわゆる 「満州事変」 です。 「事変」 とは、大規模な騒乱状態ではあるが、宣戦布告がなされていない国家間の軍事的衝突を意味します。 以後、日本は中国大陸での泥沼の戦いに突入していくこととなります。 盧溝橋事件から支那事変 昭和12年(1937)7月7日夜、北京郊外の盧溝橋で演習していた日本軍が、中華民国軍が占領している後方の陣地から射撃を受けたことがきっかけで、日本軍と中華民国軍が戦闘状態となります。 ただこれは小競り合いで、4日後の昭和12年(1937)7月11日には現地で停戦協定が結ばれました。 しかし東京の陸軍本部は派兵を望んでいて、最初は不拡大方針だった近衛文麿首相はそれに押し切られるように、昭和12年(1937)7月11日の臨時閣議で派兵を決めます。 盧溝橋の発砲事件に関しては、中国共産党が引き起こしたという説もありますが、真相は不明です。 異常な緊張状態の中、その月昭和12年(1937)7月の29日、北京東方で、 「通州事件」 通州事件(2) Sさんの体験談 https://nezu3344.com/blog-entry-6033.html が起きます。 この事件は、 「冀東防共自治政府(きとうぼうきょうじちせいふ)」(昭和10年【1935】から昭和13年【1938】まで河北省に存在した自治政府であるが、その実体は日本の傀儡政権であるとされる) の中国人部隊が反乱を起こし(中国国民党や中国共産党が使嗾【しそう:そそのかすこと】したとも言われる)、通州にある日本人居留地を襲い、女性や子供、老人や乳児を含む民間人233人を虐殺した事件です。 その殺害方法は猟奇的とも言うべき残虐なもので、遺体のほとんどが生前に激しく傷付けられた跡があり、女性は子供から老人までほぼ全員強姦された上、性器を著しく損壊されていました。 これらの記録や写真は大量に残っていますが、まともな人間なら正視に耐えないものです。 この事件を知らされた日本国民と軍部は激しく怒り、日本国内に反中感情が高まりました。 また昭和12年(1937)8月に上海の租界で2人の日本の軍人が射殺された(大山事件)こともあり、日本人居留地を守っていた日本軍と中華民国軍が戦闘状態に入りました(第2次上海事変)。 この時、ドイツの指導と武器援助を受けていた中華民国軍は屈強で、日本軍は思わぬ苦戦を強いられます。 当時、上海の租界には約2万8000人の日本人が住んでいましたが、実は大山事件前にも、日本人を標的にした中国人によるテロ事件や挑発的行為が頻発していました。 昭和6年(1931)、商社や商店、個人が受けた暴行や略奪は200件以上。 通学児童に対する暴行や嫌がらせは約700件。 殺害事件だけでも、昭和7年(1932)から昭和12年(1937)までの間に何件も起きています。 犠牲者も軍人だけでなく、托鉢僧や商社員、新聞社の記者など民間人が多数含まれていました。 第2次上海事変は中華民国の各地に飛び火し、やがて全国的な戦闘となりました。 ただ、日本がこの戦闘を行ったのは、そもそもは自国民に対する暴挙への対抗のためでした。 「暴支膺懲」(ぼうしようちょう) というスローガンが示すように 「暴れる支那を懲らしめる(膺懲)」 という形で行った戦闘がいつの間にか全面戦争に発展したというのが実情です。 当時、日本は中華民国との戦闘状態を総称して 「支那事変」(あるいは「日華事変」) と呼んでいました。 支那事変は大東亜戦争が始まるまでの4年間、両国とも宣戦布告を行わずに戦い続けた奇妙な戦争でした。 その理由は、 「戦争」 となれば、第3国に中立義務が生じ、交戦国との交易が中立義務に反する敵対行為となるからです。 従って両国が共に 「事変」 扱いとして戦い続けたため、国際的にも 「戦争」 とは見做されませんでした(実質は戦争)。 装備に優る日本軍は僅か3カ月で上海戦線を突破し、その年昭和12年(1937)の12月には首都南京を占領しました。 日本軍は、首都さえ落とせば、中華民国は講和に応じるだろうと見ていたのですが、蒋介石は首都を奥地の重慶に移して抵抗します。 中華民国には、ソ連とアメリカが積極的な軍事援助を行っていて、最早戦争の早期終結は望めないこととなっていました。 全面戦争へ 「支那事変」 は確固たる目的がないままに行われた戦争でした。 乱暴な言い方をすれば、中国人の度重なるテロ行為に、お灸をすえてやるという世論に押される形で戦闘行為に入ったものの、気が付けば全面的な戦いになっていたという計画性も戦略もない愚かなものでした。 名称だけは 「事変」 となっていましたが、最早完全な戦争でした。 しかもこの戦いは現地の軍の主導で行われ、政府がそれを止めることが出来ないでいるという異常なものでもありました。 そこには5・15事件や2・26事件の影響があるのは明らかです。 支那事変が始まった翌年の昭和13年(1938)には、 「国家総動員法」(昭和13年(1938)4月1日に公布、5月5日に施行) が成立しました。 これは 「戦時に際して、労働力や物資割り当てなどの統制・運用を、議会の審議を経ずに勅令で行うことが出来るようにした法律」 です。 具体的には、国家は国民を自由に徴用でき、あらゆる物資や価格を統制し、言論を制限し得るといった恐るべき法律でした。 ちなみにこの法案の審議中、趣旨説明をした佐藤賢了陸軍中佐の余りに長い答弁に、衆議院議員たちから抗議の声が上がったところで、佐藤が 「黙れ!」 と一喝したことがありました。 この時、議員たちの脳裏に2年前1936年の2・26事件が浮かんだことは容易に想像できます。 佐藤の恫喝後、誰も異議を挟まなくなり、狂気の法案は僅か1カ月で成立しました。 国力の全てを中国との戦争に注ぎ込もうと考えていた日本は、この年昭和13年(1938)、2年後に東京で開催予定であった 「オリンピック」 と 「万国博覧会」(万博) を返上します。 これは、最早世界の国々と仲良く手を結んでいこうという意思がないことを内外に宣言したに等しい決断でした。 このオリンピックと万博の返上は陸軍の強い希望であったと言われています。 昭和12年(1937)12月、日本軍による南京占領の後、 「30万人の大虐殺」 が起きたという話がありますが、これはフィクションです。 この件は日本と日本人の名誉に関わることですから、やや紙幅を割いて書きます。 「南京大虐殺」 は、日本軍の占領直後から、蒋介石が国民党中央宣伝部を使って盛んに宣伝した事件です。 例えば、南京大虐殺を世界に最初に伝えたとされる英紙マンチェスター・ガーディアンの中国特派員であったオーストラリア人記者のハロルド・ティンパリは、実は月1000ドルで雇われていた国民党中央宣伝部顧問であったことが後に判明しています。 その著作 ”What War Means:The Japanese Terror in China"(邦訳『外国人の見た日本軍の愚行ー実録・南京大虐殺ー』) の出版に際しては、国民党からの偽情報の提供や資金援助が行われていたことが近年の研究で明らかになっています。 また『南京大虐殺』を世界に先駆けて報じたアメリカ人記者ティルマン・ダーディンも『シカゴ・デイリー・ニューズ』記者のアーチボルド・スティールも南京陥落直後に南京から離れています(つまり伝聞)。 当時、南京には欧米諸国の外交機関も赤十字も存在しており、各国の特派員も大勢いたにもかかわらず、大虐殺があったと世界に報じられてはいません。 30万人の大虐殺となれば、世界中でニュースになったはずです(捕虜の処刑は別)。 また、同じ頃の南京安全区国際委員会の人口調査によれば、占領される直前の南京市民は約20万人です。 もう1つおかしいことは、日本軍が占領した1カ月後に南京市民が25万人に増えていることです。 いずれも公的な記録として残っている数字です。 仮に日本軍が1万人も殺していたら、住民は蜘蛛の子を散らすように町から逃げ出していたでしょう。 南京市民が増えたのは、街の治安が回復されたからに他なりません。 当時の報道カメラマンが撮った写真には、南京市民が日本軍兵士と和気藹々と写っている日常風景が大量にあります。 占領後に捕虜の殺害があったことは事実ですが、民間人を大量虐殺した証拠は一切ありません。 20万人という数字は安全区だけのもので、それ以外の地区は含まれていないという主張もありますが、安全区以外の地域にはほとんど人がいなかったという外国人の証言が多数残っています。 もちろん一部で日本兵による殺人事件や強姦事件はありました。 ただ、それをもって大虐殺の証拠とは言えません。 今日、日本は世界で最も治安の良い国と言われていますが、それでも殺人事件や強姦事件は年間に何千件も起きています(近年の統計によれば、殺人は900〜1000件、強制性交等はそれ以上)。 ちなみにアメリカでは毎年、殺人と強姦を合わせると数十万件も起きています。 ましてや当時は警察も法律も機能していなかったことを考えると、平時の南京では起こらないような痛ましい事件もあったとは思われます。 また南京においては 「便意兵」 の存在もありました。 便意兵とは分かり易く言えばゲリラです。 軍人が民間人のふりをして日本兵を殺すケースが多々あったため、日本軍は便意兵を見つけると処刑したのですが、中には便意兵と間違われて殺された民間人もいたかもしれません。 こうした混乱が起きるのが戦争だとも言えます。 例えば戦後の占領下で、アメリカ軍兵士が日本人を殺害したり、日本人女性を強姦したりした事件は何万件もあったと言われます。 これらは許されることではありませんが、占領下という特殊な状況において、平時よりも犯罪が増えるのは常です。 要するに、南京において個々の犯罪例が100例、200例あろうと、それをもって大虐殺があったという証拠にはならないのです。 30万人の大虐殺と言うからには、それなりの物的証拠が必要です。 ドイツが行ったユダヤ人虐殺は夥しい物的証拠(遺体、遺品、ガス室、殺害記録、命令書、写真その他)が多数残っており、今日でも尚、検証が続けられています。 しかし 「南京大虐殺」 は伝聞証拠以外に物的証拠が出てきません。 証拠写真の大半は、別事件の写真の盗用ないし合成による捏造であることが証明されています。 そもそも日中戦争は8年も行われていたのに、南京市以外での大虐殺の話はありません。 8年間の戦争で、僅か2カ月間だけ、日本人が狂ったように中国人を虐殺したというのは余りにも不自然です。 とりわけ日本軍は列強の軍隊の中でも極めて規律正しい軍隊で、それは世界も認めていました。 「南京大虐殺」 とは、支那事変以降、アメリカで蒋介石政権が盛んに行った反日宣伝活動のフェイクニュースでした。 日本軍による 「残虐行為」 があったとアメリカのキリスト教団体とコミンテルンの工作員が盛んに宣伝し、 「残虐な日本軍と犠牲者・中国」 というイメージを全米に広めたのです。 このイメージに基づいて、後年、第二次世界大戦後に開かれた 「極東国際軍事裁判」(東京裁判) では、日本軍の悪行を糾弾する材料として 「南京大虐殺」 が取り上げられることになります。 実は東京裁判でもおかしな事がありました。 この裁判では、上官の命令によって1人の捕虜を殺害しただけで絞首刑にされたBC級戦犯が1000人もいたのに、30万人も殺したはずの南京大虐殺では、南京司令官の松井石根大将1人しか罪に問われていないのです。 規模の大きさからすれば、本来は虐殺命令を下した大隊長以下、中隊長、小隊長、更に直接手を下した下士官や兵などが徹底的に調べ上げられ、何千人も処刑されているはずです。 しかし現実には、処刑されたのは松井大将1人だけでした。 東京裁判で亡霊の如く浮かび上がった 「南京大虐殺」 は、それ以降、再び歴史の中に消えてしまいます。 「南京大虐殺」 が再び姿を現すのは、東京裁判の4半世紀後のことでした。 昭和46年(1971)、朝日新聞のスター記者だった本多勝一が 「中国の旅」 という連載を開始しました。 その中で本多は、 「南京大虐殺」 を取り上げ、日本人が如何に残虐な事をしてきたかを、嘘とデタラメを交えて書いたのです。 これが再燃のきっかけとなりました。 この時の取材、本多の南京滞在は僅か1泊2日、 「南京大虐殺」 を語った証言者は中国共産党が用意した僅か4人でした。 後に本多自身が 「『中国の視点』を紹介することが目的の『旅』であり、その意味では『取材』でさえもない」 と語っています。 本多の連載が始まった途端、朝日新聞をはじめとする日本の多くのジャーナリズムが 「南京大虐殺」 をテーマにして 「日本人の罪」 を縦断する記事や特集を組み始めました。 そうした日本国内での動きを見た中国政府は、これは外交カードに使えると判断したのでしょう。 以降、執拗に日本政府を非難するようになったというわけです。 本田勝一の記事が出るまで、毛沢東も周恩来も中国政府も、1度たりとも公式の場で言及したことはなく、日本を非難しなかったにもかかわらずです。 それ以前は、中国の歴史教科書にも 「南京大虐殺」 は書かれていませんでした。 「無かった事」 を証明するのは、俗に 「悪魔の証明」 と言われ、私がここで書いた事も、 「無かった事」 の証明にはなりません。 ただ、客観的に見れば、組織的及び計画的な住民虐殺という意味での 「『南京大虐殺』は無かった」 と考えるのが極めて自然です。
朝日新聞が生み出した国際問題 「WGIP洗脳世代」 が社会に進出するようになると、日本の言論空間が急速に歪み始めます。 そして後に大きな国際問題となって日本と国民を苦しめることになる3つの種が播かれました。 それは 「南京大虐殺の嘘」 「朝鮮人従軍慰安婦の嘘」 「首相の國神社参拝への非難」 です。 これらはいずれも朝日新聞による報道がきっかけとなったものでした。 まず 「南京大虐殺」 ですが、これは前述したように、昭和46年(1971)、朝日新聞で始まった 「中国の旅」 という連載がきっかけとなりました。 全く事実に基づかない内容だったにもかかわらず、戦後、GHQによって 「日本軍は悪逆非道であった」 という洗脳を徹底して受けていた日本人の多くは、この捏造とも言える記事をあっさりと信じてしまったのです。 当時、朝日新聞が 「日本の良心」 を標榜し、売上部数が圧倒的に多かったことも、読者を信用させる元となりました。 まさか大新聞が堂々と嘘を書くとは誰も思わなかったのです。 更に当時、マスメディアや言論界を支配していた知識人の多くがこの話を肯定したことが裏書きとなり、本田勝一の記事が真実であるかのように罷り通ってしまったのでした。 日本側のこうした反応を見た中華人民共和国は、これはに使えると判断し、以降、執拗に日本を非難するカードとして 「南京大虐殺」 を持ち出すようになります。 そして50年以上経った現在まで、大きな国際問題となって残っています。 情けないことに、未だに、 「南京大虐殺」 が本当にあったと思い込んでいる人が少なくありません。 今更ながらGHQの 「WGIP:ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」(英語:War Guilt Information Program) の洗脳の怖ろしさが分かろうというものです。 朝日新聞が生み出したもう1つの嘘は、いわゆる 「朝鮮人従軍慰安婦」 問題です。 昭和57年(1982)、朝日新聞は吉田清治という男の衝撃的な証言記事を載せました。 その内容は、吉田清治が軍の命令で済州島に渡り、泣き叫ぶ朝鮮人女性を木刀で脅し、かつてのアフリカの奴隷狩りのようにトラックに無理矢理乗せて慰安婦にしたという告白でした。 この記事は日本中を驚愕させました。 以降、朝日新聞は日本軍が朝鮮人女性を強制的に慰安婦にしたという記事を執拗に書き続けます。 朝日新聞は吉田清治証言だけでも18回も記事にしています。 ちなみに 「従軍慰安婦」 という言葉は、戦後、元毎日新聞社の千田夏光(本名、貞晴)らによって広められた全く新しい造語です。 吉田清治証言が虚偽であることは早い段階から一部の言論人らから指摘されていました。 吉田清治自身も平成8年(1996)の 「週刊新潮」 のインタビューで、 「本に真実を書いても何の益も無い」 「事実を隠し、自分の主張を混ぜて書くなんていうのは、新聞だってやっている」 と捏造を認めていたのです。 ところが、朝日新聞がこの吉田清治証言に基づく自社の記事を誤りだったとする訂正記事を書いたのは、最初の記事から32年も経った平成26年(2014)のことでした。 実に32年もの間、朝日新聞の大キャンペーンに、左翼系ジャーナリストや文化人たちが相乗りし、日本軍の 「旧悪」 を糾弾するという体で、慰安婦のことを何度も取り上げました。 これに積極的に関わった面々の中には旧日本社会党や日本共産党の議員もいました。 多くの国民は朝日新聞が嘘を書くわけがないと思い、またGHQの洗脳によって 「日本軍ならそれくらいの事はしただろう」 と思い込まされてきたため、 「従軍慰安婦の嘘」 を信じてしまったのです。 「南京大虐殺」 と同様でした。 こうした日本の状況を見た韓国も、中華人民共和国と同様、 「これは外交カードに使える」 として、日本政府に抗議を始めました。 朝日新聞が吉田清治証言を記事にしてキャンペーンを始めるまで、40年もの間、1度も日本政府に慰安婦のことで抗議などしてこなかったにもかかわらず、です。 韓国の抗議に対する日本政府の対応が最悪とも言える拙劣なものでした。 平成5年(1993)、韓国側からの 「日本政府が従軍慰安婦の強制連行を認めれば、今後は問題を蒸し返さない」 という言葉を信じて、日韓両政府の事実上の談合による 「慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話」 (いわゆる「河野談話」) を出し、慰安婦の強制連行を認めるような発信をしてしまったのです。 途端に、韓国は前言を翻し、これ以降、 「日本は強制を認めたのだから」 と、執拗に賠償と補償を要求するようになります。 これは80年前、大正4年(1915)の 「21ヵ条要求」 のいきさつを彷彿とさせる悪手でした。 もう1つ、朝日新聞がこしらえたと言える深刻な国際問題が、 「首相の國神社参拝に対する非難」 でした。 今も、首相の國神社参拝を 「世界の国々が非難している」 という報道を繰り返す新聞がありますが、これは正しくありません。 我が国の首相や閣僚の國神社参拝を感情的に非難しているのは、中華人民共和国と韓国のみと言っていいでしょう。 アメリカや中韓以外のアジア諸国のメディアが今も批判的トーンで國神社参拝を報じるのは、日本と隣国との争いの種になっているから、という理由が大きいのです。 もちろん英米メディアの中には國神社を 「戦争神社」 と言い、ここに参る者は 「戦争賛美」 の極右で 「歴史修正主義者」 だという論調もありますが、そのほとんどが、1980年代の朝日新聞の報道論調を下敷きにしています。 そもそも中国・韓国の2国は、戦後40年間、日本の首相の國神社参拝に1度も抗議などしてきませんでした。 それまでに歴代首相が59回も参拝したにもかかわらずです。 これが国際問題となったきっかけは、昭和60年(1985)8月15日に中曽根康弘首相が國神社を参拝した時に、これを非難する記事を朝日新聞が大きく載せたことでした。 直後、中華人民共和国が初めて日本政府に抗議し、これ以降、首相の國神社参拝は国際問題となったのです。 この時、中国の抗議に追随するように韓国も非難するようになりました。 以上、現在、日本と中国・韓国の間で大きな国際問題となっている3つの問題は、全て朝日新聞が作り上げたものと言っても過言ではありません。 3つの報道に共通するのは、 「日本人は悪い事をしてきた民族だから、糾弾されなければならない」 という思想です。 そのためなら、たとえ捏造報道でもかまわないという考えが根底にあると思われても仕方がないような経緯です。 朝日新聞のこうした考え方は政治的な記事に限りませんでした。 平成元年(1989)4月20日の 「珊瑚記事捏造事件」 などは同根と言える一例です。 これは、朝日新聞のカメラマンが、ギネスブックにも載った世界最大の沖縄のアザニサンゴに、自らナイフで 「K・Y」 という傷を付けて、 「サンゴ汚したK・Yってだれだ」 という悪質な捏造記事を書いたという事件です。 記事は日本人のモラルの低下を嘆き、 「日本人の精神の貧しさと荒んだ心」 とまで書かれています。 これは単にスクープ欲しさの自作自演だったとは思われません。 その書きぶりには、前記の3記事と同じ 「WGIPによる歪んだ自虐思想」 が見て取れます。 GHQの推し進めた洗脳政策は、戦後、多くの日本人の精神をすっかり捻じ曲げてしまったと言えますが、驚くべきことに、占領後は朝日新聞を代表とするマスメディアが、GHQの洗脳政策の後継者的存在となり、捏造までして日本と日本人を不当に叩いていたのです。 更に不思議なことはこの新聞が、戦後長らく 「クオリティー・ペーパー」 と言われてきたことです。 「クオリティー・ペーパー」 とは 「エリート階層を読者とする質の高い新聞」 という意味ですが、果たしてこの称号を与えたのは誰だったのでしょうか。 それは戦後の公職追放の後に、言論界を支配した者たちでした。
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