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子ども家庭庁「解体論」の必然…25年度予算は農水省の約3倍も、AIシステム導入断念で血税10億円がパー
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/368496
2025/03/03 日刊ゲンダイ
何のために存在?(C)日刊ゲンダイ
これでは「解体論」が浮上するのも無理はないだろう。
子ども家庭庁が児童相談所(児相)の職員を補助する目的で検討してきたAI(人工知能)を利用したシステムの導入を見送ると読売新聞が報じた。
虐待が疑われる児童を児相に一時保護する際、最終判断を下す職員を補助する役割を期待したものの、AIは虐待の判断になじまず、実用化が難しいと判断したという。
近年、注目されている生成AIを巡っても、利用者が適切かつ正確な回答を得るためにはプロンプト(質問や指示)が重要だ。その意味では、家族関係や家庭環境など背景が多岐にわたる虐待などの複雑な課題に関する利用については慎重さが求められるのは言うまでもない。
現場や職員の誤った判断を避けるためにも導入見送りはやむを得ないとはいえ、2021年度から進めてきた開発費は約10億円。多額の血税支出の観点から言えば、もう少し早い時点で判断できなかったのだろうか。
血税をズルズルと無駄遣いするのは止めてほしいというのが庶民の願い
子ども家庭庁は設立当初から、文部科学省と厚生労働省のどちらにも所管が関係するのではないか——として、「無駄な省庁」という声が少なくない。衆院予算委分科会でも野党議員から同庁に対する「解体論」が浮上していることが指摘されていたが無理もないだろう。
「令和のコメ騒動」に揺れる農林水産省の2025年度の予算が約2.3兆円に対し、子ども家庭庁は約3倍の同約7.3兆円だ。莫大な税金が計上されても「何をやっているのか分からない」「新規事業に着手したけれど失敗でした。苦笑」では済まされないのは言うまでもない。
三原じゅん子大臣(60)は2月下旬の会見で、「こども家庭庁に対し、厳しいご指摘があることも重々承知をしている」としつつも、「少子化対策は、その効果が現れるまでに一定の時間を要するものであり、1、2年で効果が出るものではない」と説明。「来年度から本格実施する加速化プランを着実に実施しつつ、政府全体で粘り強く取り組んでいくことが必要不可欠。こども家庭庁が今後も司令塔となって取り組んでいきたい」と言っていたが、少なくとも、この10年以上を振り返れば、自民党が政権与党の座についていたのではないか。
とにかく血税をズルズルと無駄遣いするのは止めてほしいというのが庶民の願いだ。
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