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大阪万博パビリオン建設は“24時間体制”に…元請けの「3月中には完成させろ!」で危惧される突貫工事の過酷労働
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/368278
2025/02/27 日刊ゲンダイ
急ピッチで建設が進められる万博会場(C)共同通信社
チケットの売れ行きが怪しければ、会場建設も遅れている。
大阪・関西万博の開幕まで、27日で45日となったが、前売り券の販売枚数は約787万枚(19日時点)と、目標の1400万枚の半分程度にとどまる。また、日本国際博覧会協会によると、47カ国が独自に建設する海外パビリオン(タイプA)のうち、あくまで外観の完成を意味する「完了証明」が交付されたのは、21日時点でたったの6カ国に過ぎない。
「万博の華」のパビリオン完成が開幕に間に合わない事態も現実味を帯びる中、今月初めから、会場の建設作業が「24時間フル稼働体制」に変更された。これまでは夜間や休日の作業は行われておらず、方針を大きく転換した格好だ。
4月5、6両日には、大阪府在住の4万人を集める万博の「テストラン」が予定されている。実質的な工期のデッドラインは3月末。現場では元請けなどが「3月中には完成させろ」と業者にハッパをかけているという。昼夜を問わず、突貫工事が強行されているのだ。
全国建設労働組合総連合の関西地方協議会は、万博会場の建設現場の実態調査を行っている。事務局の村瀬宏典氏は24時間体制について、こう懸念する。
「これまでより作業が行われる時間帯が延びたわけですから、きちんと法律やルールが現場で守られているのか、注視する必要があります。また、会場の夢洲へは、主要道路が1ルート、ようやく地下鉄が1路線通っただけで、アクセスが非常に悪い。夜間の救急体制が適切に整備されているのかという懸念もあります」
開幕が迫り、現場の作業は厳しさを増している。
「会場全体の話ではありませんが、一部の建設現場が相当過酷になっているのは間違いありません。特に、海外パビリオンの建物は国ごとのこだわりが強い。作業が複雑だったり、各国産の建材の確保に苦戦したり、大使館との意思疎通がスムーズに行えないこともあります。早く完成させなければならない状況ですが、現場では『命を削ってまでやるべき作業ではない』という思いが共有されているようです」(村瀬宏典氏)
無理な作業で労災が発生しないか。万博協会に何度も問い合わせたが、回答は得られなかった。開幕を目前に控え、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマを身をもって実践できるかが問われている。
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