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高額療養費問題が参院選を直撃か…自民が噴出「立憲の凍結案のまざるを得ない」に透ける保身
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/368154
2025/02/25 日刊ゲンダイ
姑息な修正、本質は変わらない(福岡資麿厚労相)/(C)日刊ゲンダイ
年度内の予算成立に腐心する石破政権に「待った」だ。政府・与党が負担上限額の引き上げを計画している「高額療養費制度」の見直しについて、立憲民主党の野田佳彦代表が24日の党大会でほえた。見直し凍結に向け「覚悟を持って戦いたい」と強調、予算の年度内成立の「阻止」も辞さない構えを見せた。
当然である。療養費制度は、がん・難病患者のセーフティーネットだ。現状、年収700万円なら月額の負担上限は8万100円だが、引き上げによって最終的に13万8600円へ跳ね上がる。治療断念につながりかねない「命の選別」を看過できるわけがない。
患者団体の懸念の声に、政府は見直しを微修正。直近12カ月以内に療養費制度を3回利用した患者が4回目以降は負担軽減される「多数回該当」については引き上げをやめ、現行の4万4400円に据え置く方針を掲げた。石破首相は修正案について「(患者に)最大限配慮した結論」と繰り返すが、まったくもって不十分だ。
厚労省の推計によれば、療養費制度を年1回以上利用する患者は795万人。うち155万人が多数回に該当する。多数回該当の負担上限を据え置いたところで、残る640万人は石破の言う「配慮」に入っていないのだ。
月額13万円払い続けるケースも
問題は、多数回に該当しづらくなる“落とし穴”である。
全国保険医団体連合会(保団連)がまとめた「『高額療養費制度』上限額引き上げに伴う家計・子育てへの影響調査」(実施期間1月30日〜2月16日)には、次のような声が寄せられたという。
「40代乳がん患者。当初、月20万円の治療費を払っていたが、薬の副作用があるため量を減らさなければならなくなり、治療費は13万円に。年収650万〜770万円であるため、現状の自己負担額は8万100円だが、最終的に13万8600円に引き上げられた場合、月額13万円の治療費では上限額に達しない。ずっと13万円を払い続けることになる」
上限額ギリギリでは当然、多数回該当の恩恵も受けられない。こんな不安を残したまま、どこが「最大限の配慮」なのか。
さすがに自民党内からも「立憲の凍結案をのまざるを得ないのでは」との声が出ているという。「引き上げは今年8月から。このまま突っ走れば、夏の参院選で政権批判が吹き荒れる」(自民党関係者)との保身ゆえだ。
もし凍結しないなら、国民が鉄槌を下すしかあるまい。
◇ ◇ ◇
高額療養費制度の見直しは弱者切り捨て以外の何物でもない。家族に申し訳ない」と思いながら治療を続ける患者もいる。●関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。
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