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衆院議員・吉田晴美氏「わたしはがんサバイバー」「高額療養費制度は苦しむ人の命綱です」 注目の人 直撃インタビュー
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/368006
2025/02/24 日刊ゲンダイ
吉田晴美(立憲民主党衆院議員)
立憲民主党衆院議員の吉田晴美氏(C)日刊ゲンダイ
医療費が高額になった場合、窓口負担を抑える「高額療養費制度」。多くのがん患者、難病に苦しむ人らが経済的に助かってきたが、ここに無慈悲なメスを入れようとしているのが石破政権だ。8月から負担の上限を引き上げる今年度予算案を出してきて、患者団体が猛反発すると、形だけの修正でゴリ押ししようとしている。立憲民主党は凍結を主張しているが、当たり前の話だ。政治家になったキッカケは「高額療養費制度だった」という衆院議員に話を聞いた。
母親が51歳で脳梗塞に
──吉田さんは大学卒業後、客室乗務員や外資系の金融機関で働かれていたと聞きました。政治とは無縁の世界だったんですよね?
そうですね。恥ずかしながら投票にも行かない、無党派層っていうか、政治に関心がありませんでした。
──それが政治の道を目指すようになったのは?
母が51歳のときに脳梗塞で倒れたんです。わたしも若くてお金がなくて、どうしようと思いました。高額療養費制度があるのを知らなかったんですね。
──そんなに家計は大変だった?
父は八百屋の2代目で中卒。15歳で家業を継ぎました。7人きょうだいの長兄で家族を支えなければならなかったんです。父の代のときに八百屋はスーパーに衣替えしましたが、経営は苦しく、元日以外は働きづめ。当然、母も一緒に働きながら、わたしたち4人の子どもを育てたうえに、姑の介護もあった。それでも店はうまくいかずに結局、手放しました。借金だけ残って、母はパートを3つも4つも掛け持ちしていました。そうしたら倒れて、一命をとりとめても介護が必要になりました。本当に女の一生って何なんだろうと思いましたね。絶望的になっていたときに高額療養費制度を知って、ピンチの人を支えるのが政治の役割なのだと痛感しました。
──その後、ご自身もがんに?
わたしは甲状腺のがんサバイバーです。34歳のときに甲状腺を全摘しました。当時、子どもは小さくて、発達障がいがあった。この先、この子を誰が助けてくれるのか、と絶望しました。手術後は甲状腺がないので毎日チラーヂンを飲み補っています。わたしのようながんサバイバーや、今、がんと闘っている方、そして難病を患っている方は、高額療養費制度は生きるためのセーフティーネット、命綱です。がんを克服し生き延びられた、この先の人生は人のために尽くそうと決意し、政治を志しました。
呪いたくなる理不尽さ
全国がん患者団体連合会は福岡厚労相(右2)に制度改悪の撤回を陳情した(C)共同通信社
──内側から政治家への志が熟してきたという感じですね。
ですから、政府が高額療養費制度の限度額を引き上げると聞いたときは本当に驚いたし、ショックでした。
──患者団体から一斉に非難の声が上がったのも当然です。皆さん、好きで病気になったわけじゃありませんからね。あわてて政府も修正しましたが、長期治療を受ける人に限って据え置きという中途半端なものです。弱者を切り捨てるような政治に舵切りした石破政権の姿勢そのものが問われていると思います。
そうなんです。うちの母もそうでしたが、こんなに頑張っているのになぜ、と理不尽さを呪いたくなりました。治療費がかかる、働かないと払えない。なのに働けない、収入が途絶える。絶望的になる。そうした声に応えるのが政治の根本姿勢なのに、今度の修正は全然応えていない。4回目以降の負担上限は据え置くけど、最初の3回は上げるわけです。それによって月々の負担が約8万円から約13万8000円になる中間層の人もいる。6万円弱の負担増ですから乱暴すぎます。
──なぜ、こんな冷酷な仕打ちをするのか。表向きは現役世代の負担軽減とか少子化対策の財源にするなどと言っていますが、加入者1人当たりの負担軽減額は労使折半後は月46〜208円とわずかです。政府の真意はどこにあるのでしょう?
重い病気で苦しんでいても、治療費がかかるので診察を受けることを控える、あるいは断念する。それによって、全体の医療費が削減されることを見込んでいるのだと思います。そこが悪質です。
──治療を断念すれば命にかかわる人も出てきてしまう。
厚労省が、社会保障審議会医療保険部会に提出した財政検証資料には約2270億円の減額を見込んでいると書かれています。これは、医療費の患者負担が増えると、受診日数がどれだけ減るかという厚労省の経験則からはじいた数字で「長瀬効果」と呼ばれるものです。
患者本位の医療DXを
──恐ろしい試算ですが、その一方で、無駄な診療もたくさんあるといわれています。高額療養費制度にメスを入れるのではなく、別の切り口があるのではないでしょうか?
わたしは一時、外資系のコンサルタント会社にいて、病院を担当していたことがあります。確かに、高額の検査をやる診療科は儲かるので鼻高々で、そうした検査がない小児科や産科は小さくなっているところがある。儲かるから高い検査をやりたがる。セカンドオピニオンを求めると、別の病院でも同じ検査をやる。大いなる無駄です。カルテは患者のものであるという前提に立ち、患者本位の医療DXを推し進めることが必要ですが、健康保険証と一体化するマイナンバーカードひとつとっても、上からの押し付けで患者の視点に立ってない。コロナのときに注目された台湾の初代デジタル発展相のオードリー・タン氏は、徹底して利用者の利便性にこだわったので成功しました。そこが日本との大きな違いだと思います。
──ところで、吉田さんは昨年、立憲民主党の代表選に出られました。大きな挑戦だったと思いますが、何か変わりましたか?
本当にさまざまな経験をさせていただきました。出馬に必要な推薦人は20人。一人一人、積み上げていくものだと思っていたら、20人が見えてきたらストーンと抜け落ちたりするんですよ。わたしが挑戦して結果、責任を負うのは当然ですが、推薦人の方もわたし以上のリスクを背負い、決断が必要なのだということが初めてわかりました。ですから、投票の際にも20人を割るんじゃないかとドキドキしました。28人の国会議員の方が投票してくださり、大きな財産になりました。
──今夏の参院選では野党共闘が課題となりますが、全然、進んでいないように見えますね。
代表選でも訴えましたが、野党がまとまれるイシューを掲げて、これを実現するために集まりましょうよ、という旗が必要だと思います。わたしはそれは教育の無償化、教育の立て直しだと思っています。衆院選で盛り上がってきた政権交代の機運、政治が変わる期待に応えなければいけないと思っています。
▽吉田晴美(よしだ・はるみ)1972年生まれ。立教大文学部卒。英バーミンガム大学に留学し、MBA取得。経営コンサルタントを経て県議、参院選に立候補したものの落選。2021年衆院選の東京8区で自民党の石原伸晃元幹事長を破り、初当選。2期目。昨年9月、立憲民主党の代表選に挑戦した。
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