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米国にノーと言えるフランスの記者から見た日米首脳会談 西村カリン ニッポン見聞考
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/367667
2025/02/13 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
“ゴッド”の前でカチコチ…(C)ロイター
どの国の首脳にとっても、米国のトランプ大統領との会談は容易な経験ではない。トランプ氏の姿勢、発言などを予想できないからだ。
先週行ったトランプ氏と石破首相の会談は「うまくいった」と日本の外務省が言う。確かに、目立った問題はなかった。ただ、細かく分析したら、ちょっと違う。日本側は本音を言わなかったから、問題が発生しなかったのだ。
トランプ氏との初対面だから、本人に嫌なことをしないし、言わないように、ものすごく日本側が注意した。会談の前にガザ地域、カナダ、パナマやグリーンランドについてのトランプ氏のとんでもない発言を巡って、日本政府はコメントをしなかった。会談の直前だったとはいえ反論しないのは良くない。中国の首脳が他国に対してトランプ氏と同様な発言をすれば、日本政府は無言ではなかっただろう。
良い外交は同盟国に本音を言わないことではなく、礼儀正しい言葉で日本政府の意見を明確にすることだ。そうしないと自分の国の立場を弱めて、負ける。
トランプ大統領と石破首相の共同記者会見の際、トランプ氏の戦略は明らかだった。記者とカメラの前で相手国がこれからやること、あるいは合意したことを強調する。実際に相手国が何も合意していない場合もあるにもかかわらず、その場で「違う」と言いにくい状況だ。完全にトランプ氏の勝ちだ。
例えば、日本製鉄によるUSスチールの買収計画は「買収ではなく(USスチールに)多額の投資をすることで合意した」とトランプ氏が述べたが、実は誰も合意していない状況だった。また、何も決まっていないのに「日本がまもなく記録的な量の米国産LNGの輸入を開始することをうれしく思う」とトランプ氏が勝手に言ってしまった。
日本はその戦略への対抗策を考えないと、やりたくないことをトランプ氏にやらされてしまう。言うまでもなく日本の利益にはならない。
トランプ氏は同盟国に対しても厳しいから、同盟国を守る保証がない。何より、米国の金銭的な利益になる政策を最優先する。トランプ氏の姿勢に対して、日本は「お人よし」に堕ちてしまうリスクがある。対米外交はかつてない難しい4年が始まった。
西村カリン ジャーナリスト
仏の公共ラジオ「ラジオ・フランス」とリベラシオン紙の特派員。1970年、仏で生まれ、2004年末から20年までAFP通信東京支局特派員。近著に「Japon,la face cachée de la perfection(日本、完璧さの隠れた裏側)」、初の小説「L'affaire Midori(みどり事件)」。
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