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※2024年10月29日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2024年10月29日 日刊ゲンダイ2面
のけぞるような会見だった(C)JMPA
世紀の腐敗堕落政党についに国民の怒りが爆発した総選挙。
自公過半数割れで、政権運営もままならない中、当然、下野かと思ったら、まさかの居直りに有権者の仰天。
いくら政権にしがみついても、八方塞がりの混迷政局で一体、何ができるのか。
◇ ◇ ◇
自民党が歴史的大惨敗を食らった10.27総選挙。有権者からの怒りの鉄槌で、ようやく、政治がマトモになるかと思ったら、翌日に繰り広げられたのは世にもおぞましい光景だった。
自民党は石破首相、菅副総裁、森山幹事長、小泉選対委員長ら党幹部が会談。自公連立維持、政権続投を確認すると、その後、石破は記者会見に臨み、「国政の停滞は許されない」などの屁理屈で、「居直り続投」を宣言したのである。
自民党の執行部の会合に出ていたのは、ヨタヨタの菅や、野党潰しの思惑から姑息な早期解散をけしかけた森山、惨敗の責任者で狂言回しだった小泉など、A級戦犯のメンメンだ。潔く、辞任するのかと思ったら、小泉以外はみ〜んな続投で、石破を支えることにした。
ノーを突きつけた有権者にしてみれば「エエッ」という話だが、驚くのはまだ早い。その後の会見で石破がしゃべったのは、のけぞるようなセリフばかりだ。
「選挙戦を通じて、切実な国民の声を頂戴した。いま政治に求められているのはこうした声に速やかに適切にこたえることだ」
「物価高に苦しんでいる方が大勢いる。所得の低い方への給付金、支援の手が届かない方には自治体のきめ細かい対応、交付金が必要だ」
「中堅・中小企業の皆さんが確かに儲かる環境、賃上げできる環境もつくらなければいけない」
「そのために省エネの設備投資の支援、配膳ロボット、自動レジへの支援をする」
挙げ句は「闇バイト対策も直ちに求められている」などと言い、これらを理由に「続投」を正当化したのである。
この選挙結果でもしがみつく権力亡者
断っておくが、国民が自民党を断罪したのは裏金、統一教会汚染だけが理由ではない。国民生活と経済を破壊したアベノミクスだって理由のひとつだ。
物価高の元凶であり、中央と地方、富裕層と貧困層の格差を拡大させ、庶民をこれでもかと踏みにじった。その当事者である自民党が有権者に退場を迫られた途端、猫なで声でバラマキを言う。その予算を確保するために「続投する」と叫ぶ。驚くべき我田引水、信じられないような鉄面皮ではないか。政治評論家の野上忠興氏はこう言った。
「政治記者を50年やっていますが、選挙でこれだけの惨敗を喫したのに首相も幹事長も居座るなんて聞いたことがありません。しかも、石破首相は会見の冒頭で、“自民党は生まれ変わらなければならない”などと言って、政策活動費の撤廃や旧文書交通費の公開に言及した。何をいまさら、と呆れました。とっくにやらなければいけないことなのに、この期に及んで、さも英断みたいに言う。今、政治改革の見直しを言うのであれば、企業・団体献金の廃止くらい踏み込まなければ、お話になりませんよ。この選挙期間中、石破さんは国民が何に怒っているかをてんでわかっていなかった。そのズレが大惨敗を招いたのに、まだわかっていない。有権者は改めて驚愕したと思います」
わかっていないといえば、有権者は自民党に「お灸をすえた」のではなく、「退陣」を求めたのである。それが「与党過半数割れ」という結果に対する正当な解釈だ。それなのに「国民を守る」などと言って、しがみつく石破。その卑しさが改めて鮮明になった記者会見だったのである。
ニッチもサッチも行かないくせに大風呂敷
この結果は国民からの退場勧告(C)JMPA
石破の会見の異様さはもうひとつある。カネのバラマキや経済対策、能登の復興など、あれこれ、やりたいことを並べていたが、少数与党に転落した今、何を根拠に「やります」と言えるのか。
28日、自民党千葉県連会長の桜田義孝元五輪相は「石破首相ら党執行部は早期に退陣すべきだ」と迫った。少数与党の上に党内に火種を抱え、ニッチもサッチも行かないのが今の石破だ。もっと言えば、特別国会での首班指名だって、どうなるかわかったもんじゃない。てんで展望がないのに、「続投」を前提に大風呂敷を広げる。この厚かましさにも国民は目を白黒だ。
「おそらく、石破おろしはない、と踏んでいるのでしょうね」というのは政治ジャーナリストの角谷浩一氏の解説だ。
「ボロ負け石破執行部への不満はすさまじいものがありますが、本はといえば、裏金議員、統一教会汚染議員が悪いわけで、彼らを排除した国民の審判は当然です。そうなれば、必然的に自民党は大きく議席を減らさざるを得ない。そんな状況下で、萩生田さんが石破おろしに動けますか? 子分もいないのにできっこない。それにここまで負けて内輪モメをやっていたら、バカですよ。来夏の参院選も惨敗して、本当に下野になる。だから、石破おろしは具現化しない。石破さんはそう見ているのだと思います。一方、野党はどうかというと、こちらも政権交代の準備は何もしていないのが現状です。首班指名は国民民主党の玉木代表で一本化の動きもありますが、まだ見通せない。そういう意味で与野党ともに混乱の極みにあるわけで、そこが石破さんの強気につながっている。自分がやるしかないと信じ込ませているのだと思います」
前出の野上忠興氏は今の政局を「真空状態」と表現した。誰も主導権を握れず、にらみ合って動けない。物事はまったく前に進まない。そういう意味だ。それなのに口では「やるやる」という石破。裏付けのない“詐欺”みたいなものだ。
殊勝なことを言っても自民党は変わらない
石破は昨日の会見で「党内論理を優先したことが厳しい結果につながったと思っている」とも言った。この辺は殊勝だったが、これを改めるのは至難の業だ。カネまみれの利権政治が自民党の宿痾であって、だからこそ、政治改革はいつも「やっているふり」になる。石破がいくら反省しても、自民党の存在そのものを否定するような改革はできっこない。それは自民党の政治改革30年、欺瞞の歴史が雄弁に物語っていることだ。
それだけに、今後の政局は政治改革ひとつとっても、各党の思惑が入り乱れた牽制、騙し合いになるのだろう。権力にしがみつく石破自民、党内事情で揺れる野党。政局の流動化は避けられず、混沌の極みと化していく。
それもこれも、マトモな民主主義を機能させるためのステップなのか。それとも、また化かし合いが始まるのか。野党には国民の期待を裏切らないように踏ん張って欲しいものだ。
石破首相に課せられた歴史的使命
混沌とした政局の今後については、さまざまな識者がさまざまな見方をしている。評論家の佐高信氏も面白いことを言っていた。
「石破はしがみついた方がいい」と言うのである。
「ここで辞めたら、安倍元首相の流れを受け継ぐ高市一派などが取って代わるわけでしょう。それよりもしがみついていれば、いずれ自民党は分裂していく。それが健全な姿だと思います。もともと、自民党には岸信介の流れと石橋湛山の流れがあった。前者は清和会になり、統一教会とも付き合いを深めていく。後者は宏池会に引き継がれますが、宏池会出身の岸田前首相は清和会にすり寄って、変節した。もうひとり、権力欲しさに自民党とくっついたのが公明党です。自民党は公明党とくっついてから、権力維持だけが目的化した。歪んだ形になったのです。石破さんには自民党が分裂するまで居座れと言いたい」
だとすると、石破に課せられた歴史的使命は「今の自民党を終わらせること」なのかもしれない。今度の選挙結果がこうなったのも、石破の変節を見て国民が「誰がやっても自民は変わらない」と悟ったからだろう。
となれば、石破がやるべきは自民党の解体だ。そうすれば、権力維持だけが目的化した与党、ゆ党が整理淘汰され、マトモな政界再編につながるかもしれない。
いずれにしても、まだ誰も見通せないのが今の政局。「国民を守る」だの、猫なで声の首相の言説には騙されないようにしなければいけない。
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