<■463行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> ウクライナ軍機が初のロシア国内攻撃 英メディア報道「直撃を確認」 2024/6/10 9:47 https://www.sankei.com/article/20240610-QL7GGYK3NZN3BNZ2YG2UITWJVM/ 英スカイニューズ・テレビ(電子版)は2024年6月9日、ウクライナの軍事消息筋の話として、ドローン(無人機)以外のウクライナ軍機がロシアによる侵略後初めて露国内の標的を攻撃したと伝えた。 欧米諸国は2024年6月上旬までにミサイルなどの供与兵器による露国内への攻撃をウクライナに容認したが、スカイニューズは 「攻撃に使われた兵器は欧米製かどうかも含めて明らかにならなかった」 とした。 スカイニューズが伝えた消息筋の話によると、攻撃は2024年6月9日、ウクライナ東部ハリコフ州に接する露西部ベルゴロド州の露軍司令施設を標的として実施。 消息筋は 「被害状況は確認中だが、直撃を確認した」 と述べた。 欧米諸国は従来、ロシアとの直接衝突に発展する事態を警戒し、自国領内で使用するとの条件でウクライナに兵器を供与。 このためウクライナは、露国内の目標を攻撃する際に自国製のドローンや地対地ミサイルなどを使用してきた。 しかし2024年5月上旬に露軍がハリコフ州への越境攻撃に着手したことを受け、欧米は供与兵器による露国内攻撃を容認。 米国はハリコフ州周辺など国境地域に限定して露国内攻撃を認めた。ロシア最新鋭ステルス機「スホイ57」、ウクライナ軍の攻撃で初めて損傷か 2024/6/9 20:00 https://www.sankei.com/article/20240609-VONVIBY4QRNCPEQ2S5UJNN6W3E/ 攻撃を受けたロシアの空軍基地とスホイ57を2024年6月7日(左側の半分)と2024年6月8日(右側)に撮影したとする衛星写真。2024年6月8日の写真では、スホイ57の周囲で爆発や火災が起きたことが示唆されている(ウクライナ国防省情報総局のサイトから) https://www.sankei.com/article/20240609-VONVIBY4QRNCPEQ2S5UJNN6W3E/photo/AIOA6LTCDVMZ3OOUVSHY644DYA/ ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ国防省情報総局は2024年6月9日、前線から約590キロ離れた露南西部アストラハン州のアフトゥビンスク空軍基地に駐機していた露軍の最新鋭ステルス戦闘機 「スホイ57」 が攻撃により損傷したことが確認されたと報告した。 証拠とする衛星写真も公開した。 情報総局は 「こうした形(攻撃)でのスホイ57の損傷は史上初だ」 とした。 情報総局によると、同空軍基地を撮影した2024年6月7日の衛星写真では、スホイ57は無傷だった。 しかし、2024年6月8日の衛星写真では、スホイ57の周辺に攻撃による複数の爆発と火災が起きた様子が撮影されていた。 情報総局は 「スホイ57は(ウクライナ国内を標的とした)ミサイルを発射できる露軍の最新鋭戦闘機だ」 とした。 情報総局はウクライナ軍が同空軍基地への攻撃を実施したかどうかには言及しなかった。 ただ、ウクライナメディアは2024年6月8日、ウクライナ軍が同日に 「特別作戦」 としてアストラハン州に近い露南西部・北オセチア共和国の空軍基地を標的としたドローン(無人機)攻撃を行ったと報道。 この作戦の一環としてアフトゥビンスク空軍基地への攻撃も行われた可能性がある。 スホイ57は米ステルス戦闘機 「F22」 や 「F35」 に対抗するためロシアが開発。 2010年に初飛行した。 シリア内戦に実験投入された後、2020年末に正式に実戦配備されたとされる。 英国防省は2023年1月、アフトゥビンスク空軍基地に5機のスホイ57が駐機していることが衛星写真で確認され、露軍がスホイ57をウクライナで実戦投入しているのは 「ほぼ確実だ」 と分析。 英国防省はまた、露軍が撃墜や機密流出などを恐れ、スホイ57を露領空から長距離ミサイルを発射するために使用している模様だとも指摘していた。 ウクライナ軍、最前線で反撃か 東部2都市で露軍後退との分析 2024/6/8 9:10 https://www.sankei.com/article/20240608-ZFALATC2GNPJBK3LMSINKVLMIM/ ロシアによるウクライナ侵略で、ドイツ紙ビルトの軍事専門家は2024年6月7日、ウクライナ軍が東部ドネツク州の小都市チャソフヤルに隣接する集落カリニナの大部分を奪還したとする分析をX(旧ツイッター)で公表した。 この専門家はまた、ウクライナ軍が東部ハリコフ州の国境地帯の小都市ボフチャンスクでも露軍を後退させているとした。 ウクライナ軍は過去半年間以上、欧米の軍事支援の鈍化により劣勢を強いられてきたが、最近は支援が再び活発化したことなどを背景に、戦線の安定化に成功して一部で反撃しているとされる。 チャソフヤルは高台に位置する要衝で、過去数カ月間に渡って激戦が続いてきた。 露軍はチャソフヤルを制圧し、全域の掌握を目指すドネツク州の中心部方面への進軍ルートを確保する思惑だとみられている。 一方、ボフチャンスクは、2024年5月上旬に露軍が着手したハリコフ州への越境攻撃で攻防が焦点化。 一時は露軍が市内の約5割を制圧したが、最近はウクライナ軍が市内の8割近くの支配権を回復したと伝えられている。 バイデン氏、米兵器でウクライナのモスクワ攻撃は認めず プーチン氏は「まともでなく、独裁者」 2024/6/7 8:41 https://www.sankei.com/article/20240607-AHNDOIRIERM43FD5G4JIS7WCEQ/ バイデン米大統領は2024年6月6日、ABCテレビのインタビューで、米国が供与する兵器でウクライナがモスクワを攻撃することを容認しない考えを示した。 「モスクワやクレムリンへの攻撃は許可していない」 と述べた。 米国は侵攻を受けるウクライナに対し、国境付近に限定してロシア領内への兵器使用を認めている。 バイデン氏はプーチン大統領について 「40年間懸念している」 「まともな男ではなく、独裁者だ」 と批判した。 プーチン氏は、欧米が供与した兵器によるロシア領内への攻撃を容認したことに反発。 供与国への反撃を警告している。 オースティン国防長官はCNNテレビのインタビューで、欧米の兵器によるロシア領内への攻撃容認について 「ウクライナが前進するために非常に役に立つ」 と話した。(共同) ウクライナがロシアのタグボートを破壊 クリミア沖、水上ドローンで 2024/6/7 8:03 https://www.sankei.com/article/20240607-PXVZXHLB5FPS3MJRHIZFWUH2II/ ウクライナ国防省情報総局は2024年6月6日、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島沖で2024年6月6日、ロシアのタグボートを攻撃し、破壊したと発表した。 水上ドローンで攻撃したとみられる動画を公表した。 クリミア半島はロシア軍の侵攻拠点となっており、ウクライナ軍が攻撃を継続している。 ウクライナメディアによると、ゼレンスキー大統領は2024年6月6日、インドのモディ首相と電話会談し、2024年6月15〜16日にスイスで開かれる 「世界平和サミット」 について協議した。 ゼレンスキー氏は、モディ氏のサミット出席への期待を伝えた。 ウクライナは、ゼレンスキー氏が提唱する和平案への賛同を広げるため、多くの国の首脳がサミットに参加するよう働きかけを強めている。(共同) 空の守りは高コスト 反撃能力が不可欠 正論2024年7月号 元航空自衛官・作家 数多久遠 2024年4月13日、イラン・イスラム革命防衛隊が300発を超えるミサイル攻撃をイスラエルに対して行いました。 しかし、これはほぼ完璧に防がれています。 イスラエルの迎撃確率は99%以上だったと報じられています。 その一方でウクライナは、同じような弾道ミサイル、巡航ミサイル、それにドローンによるロシアの攻撃に苦しめられています。 この差異の理由を、アローミサイルやアイアンドームなどのイスラエル製防空兵器の優秀さであると見る人もいます。 しかし、現実は札の強さで勝敗が決まるカードゲームのように単純ではありません。 本稿では、同じような攻撃を受けたイスラエルとウクライナの事例を分析しつつ、我が国の防衛をどう確実にしていくべきかを考えてみます。 ■ウクライナ苦戦の背景 ウクライナは、前線付近が滑空爆弾やFPV(操縦者視点)ドローンによる攻撃も受けていますが、それ以外はイスラエルに対する攻撃と同様に、弾道ミサイルや巡航ミサイル、そして自爆ドローンによる攻撃を受けています。 同じような攻撃態勢を受けながら、被害には大きな差異がある原因を分析します。 ▼弾道ミサイル イランがイスラエルに向けて発射した弾道ミサイルは、少数と見られていますが、種別としては中距離弾道ミサイルであり、ロシアがウクライナに撃ち込んでいるイスカンデルよりは射程が長く、迎撃は困難なものです。 それにも関わらず、ほぼ完璧に迎撃できた理由は、米軍艦艇などが支援したことなども関係しますが、最大の理由はイスラエルの国土が狭いためです。 中距離弾道ミサイルを迎撃可能なミサイルの開発、配備は技術的にもコスト的にも困難ですが、守るべき国土が狭ければ十分に可能です。 イスラエルの面積は2万2000平方キロ、関東平野よりも少し広い程度の面積しかありません。 この狭い国土であれば、イスラエルが保有するアローなどの迎撃ミサイルで十分に防衛できるのです。 それに対して、ウクライナの国土は、ロシアに占領されている地域を除いても約50万平方キロで、イスラエルの22倍もあります。 ウクライナが現在保有しているパトリオットよりも強力な弾道ミサイル迎撃能力を持つアローがあったとしても、到底防衛できるものではありません。 もちろん全域を守る必要はないとしても、主要都市を守るだけであっても、非現実的な数の迎撃ミサイルが必要となってしまいます。 ゼレンシキー大統領(表記はウクライナ語準拠)は、イスカンデルの迎撃が可能なパトリオットの追加を要望していますが、彼の発言で言及された28個ユニットは、26個高射砲隊を擁する自衛隊の総数よりも多い数です。 それだけあれば、確かにイスカンデルで狙われている主要都市は守れるかもしれません。 しかし、やはり非現実的な数だと言わざるを得ません。 ▼巡航ミサイル、自爆ドローン イランが発射したミサイル総数は300発以上と言われていますが、内訳については相反する情報があり、正確なところは分かりません。 しかしながら、弾道ミサイルや巡航ミサイルは高価であり、大半はウクライナでも多様されているシャヘドなどの自爆ドローンだったと見られています。 ドローンと巡航ミサイルの迎撃において困難な点は、これらが低高度を飛行していることです。 そのため、何よりも発見することが困難です。 レーダーは、基本的に地平線より下を見ることができません。 地表ゼロメートルから見た場合、上空1万メートルを飛ぶ飛行機が地平線の上に現れるのは、約400kmまで接近してきた場合です。 高度100メートルを飛行するドローンを発見できるのは、半径40kmの範囲だけです。 しかもこれはあくまで計算上の数値に過ぎません。 実際には山やビル、森などがあり、この40kmよりもかなり狭くなります。 AWACSなどの早期警戒能力のある航空機が常時監視を行えば発見も可能ですが、そんな事が出来るのは世界でも米軍だけです。 それにも関わらず、イスラエルがイランが発射した巡航ミサイルやドローンを迎撃できた理由は、イランとイスラエルの間に横たわる国や駐留軍が迎撃に協力したためです。 イランとイスラエルは、約1000km離れています。 この間に存在するヨルダンやサウジは、イスラエルに通報するのみならず、イランが発射した巡航ミサイルなどを自ら迎撃しています。 シリアやイラクを含めた中東各国に駐留する米軍部隊、ペルシャ湾や紅海の米軍艦艇部隊も迎撃を行っています。 そして、イランはミサイルをそうした国々の上空を飛行させるため、ミサイルの飛行経路、発射日程をサウジなどに通告していました。 その情報も、米軍やイスラエルに共有されています。 発見が困難という巡航ミサイルやドローンの利点を、イランはそもそも捨て去っていたのです。 このイスラエルの事例と、2年以上に渡りミサイルを撃ち込まれ、それによって防空システムの配備地をロシアに把握されているウクライナでは余りにも状況が違います。 ウクライナの場合、Tu-22Mなどの爆撃機が反射する空中発射巡航ミサイルは、爆撃機の離陸状況から、大まかな飛来経路が分かるのみで、陸上発射の巡航ミサイルやドローンは、いきなり国土上空に飛来します。 それらは、前線付近の防空システムの配備されていない場所から進入し、防空システムの配備された場所を避け、ウクライナの奥地まで進入します。 これを完璧に防ぐためには、前線に大量の監視・防空システムを配備し、黒海には対空ミサイルを搭載した艦艇を遊弋させなければなりません。 広大な国土を持つウクライナに可能なことではないのです。 ■ロシアでも防空は難しい イスラエルによる完璧とも言える防空は、周辺各国とそこに展開するアメリカをはじめとした各国軍の協力によって達成されたものでした。 それが、1000km以上にも渡るバッファーエリアで機能したことによって、初めて99%の迎撃率が達成されています。 それだけ、防空は困難なものなのです。 そして、これはウクライナに侵略を行っているロシアにも同じ事が言えます。 2022年の全面侵攻が始まった後、アメリカをはじめとした欧米各国は、ウクライナを支援する条件として、クリミアを含めたロシア領域内への攻撃に供与する兵器の使用を禁じました。 そのためウクライナによるロシア領域内攻撃は、ウクライナが開発したドローンに限られています。 この条件は徐々に緩和されています。 クリミアへの攻撃にイギリスが供与したストームシャドウが使われるようになった他、2024年4月に止まっていたアメリカによる武器供与再開と同時に、長距離ミサイル(ATACMS)でのロシア支配地域深部攻撃が行われました。 当然、供与したアメリカが条件を緩和したからです。 しかし、まだかなりの制限があるようで、ロシア国内への攻撃は、ウクライナが開発したドローンによるものがほんとです。 ロシアの巡洋艦「モスクワ」を撃沈した対艦ミサイルのネプチューンが、射程1000kmの巡航ミサイルに改造されているとの情報もあります。 今後はドローンに加え、この改造ネプチューンによる攻撃が増えるかもしれませんが、現状はドローンがほとんどです。 そうであっても、このドローン攻撃はかなりの戦果を上げています。 首都モスクワを含む、ウクライナ国境から数百km以上離れたロシア各地が、それらドローンによる攻撃を受けています。 当初は空港などの軍事目標だけでしたが、2023年から石油精製施設やガスパイプラインなど、ロシアの経済を支える主要産業であるエネルギー産業にも攻撃が行われるようになっています。 最近になって報じられた情報として、ロシアのエネルギー産業大手であるガスプロムの2023年の業績は、1999年以来の赤字に転落しています。 市況などが主たる原因であると言われていますが、設備投資額が大幅に増えたことも影響していたでしょう。 これには、被害を受けた設備の復旧費用が含まれていると見られています。 こうしたロシア領内の被害は、低空を飛行するドローンが、前線付近に配備されたロシアの防空網を突破しているためです。 前線の防空網さえ突破してしまえば、国土の広さは逆にデメリットともなります。 前線を突破するドローンの存在が確認されたとしても、見失ってしまえば、その後の進路の把握は極めて困難だからです。 ■航空作戦における攻撃と防御 このウクライナとロシア、双方が防空に苦慮している現実から導かれる結論は、完璧な防空はあり得ず、空の戦いにおいては攻撃しなければ、国家の防衛が成り立たないということです。 これには、ミサイルや自爆ドローンのようなスタンドオフ(敵の射程圏外から攻撃できる)兵器の発展が関係しています。 かつて、ミサイルが歴史に登場するまでは、防空が効果的であれば、高価な航空戦力を効率的に撃墜することで、防空側が敵の航空戦力を破壊することが可能でした。 これは、防勢対航空(DCA:defensive counter air)作戦と呼ばれます。 防御によって敵の航空作戦能力を破壊する作戦です。 このDCAの逆は攻勢対航空(OCA:offensive counter air)作戦になります。 分かり易い例は、航空機による敵基地空爆です。 攻撃により敵の航空作戦能力を破壊します。 第二次世界大戦におけるバトル・オブ・ブリテンは、このDCAとOCAの分かり易いぶつかり合いでした。 バトル・オブ・ブリテンは、ドイツがイギリス上空の制空権を獲得するために行われた戦いです。 この時、ドイツがOCA、警戒管制レーダーを発達させたイギリスがDCAを行っています。 当時は、DCAとOCAの有効性が拮抗していたと言えるでしょう。 しかし、バトル・オブ・ブリテンに勝利したイギリスでも、ドイツのV1、V2ミサイルへの対応に苦慮したように、スタンドオフ兵器の発達で、徐々にOCAの有効性がDCAの有効性を上回っていきます。 対地ミサイルの長射程化により、例えそれが100%迎撃されてしまったとしても、攻撃側の損失は発射した対地ミサイルのコストだけになりました。 一般に迎撃用ミサイルが高価なこともあり、対する防御側はその場合でも攻撃側と大差ないどころかそれ以上の損失(コスト)がかかることになりました。 その上、既に述べたように完璧な防空は不可能です。 スタンドオフ兵器が多用される現代の航空戦では、軍事面では攻撃側が圧倒的に有利なのです。 このことが、アメリカをはじめとしたウクライナを支援する各国が、ロシア支配地域内への攻撃を緩和してきた背景でもあります。 攻撃には防御側の3倍の兵力が必要であるとする 「攻撃3倍の法則」 が言われることがありますが、あれは陣地によって防御側が有利になる陸戦での話です。 航空では、そして海戦でも、既に攻撃側が有利になっています。 しかし、攻撃側が有利であっても、防御力整備を攻撃能力に全て振ってしまうことは不適切です。 先制攻撃してしまえば政治的な非難を浴びますし、軍事面だけを考えても、逆に先制された場合に壊滅的な被害を被ります。 攻撃と防御、ベストミックスが必要なのです。 ■F-16到着で戦況は 原理原則的な事を書きましたが、翻って現実を見てみます。 攻撃側が有利だとしたら、間もなくウクライナに到着すると言われるF-16は、大丈夫でしょうか。 活躍する前に破壊されてしまわないでしょうか。 F-16が地上で破壊されてしまう可能性はゼロではありませんが、心配は無用です。 供与の話が具体化してから1年以上が経過しています。 その間に、配備予定の基地には堅固な航空機用掩体(航空機などを敵の攻撃から護るための大型の覆い状施設や横穴などについては「掩体壕」とも言う)が構築されていると思われます。 もしかすると、地下格納庫が建設されているかもしれません。 これが、余りに前線に近い場合は、滑空爆弾の直撃で破壊される可能性はありますが当然、前線からある程度下がった基地が選択されているでしょう。 シャヘドのようなドローンでは、炸薬量が足りず、たとえ直撃しても堅固な掩体なら内部の航空機を防護できます。 弾道ミサイルや大型の巡航ミサイルの場合、直撃すれば掩体ごと破壊される可能性がありますが、全面侵攻の始まった2年前と比較すると、調達される部品の精度が低下しているのか、ウクライナの最近の巡航ミサイル被害報告を見ると命中精度が低下しているようです。 掩体への直撃を狙うことは困難でしょう。 また、当然ながらF-16を配備する基地近傍には迎撃システムを配備するはずです。 それによって迎撃できますし、ウクライナは現在も防空警報を出せるだけのミサイル監視体制は構築できているため、警報を受けて迎撃システムを起動すると同時に、暴露した状態の機体があれば、離陸させてしまうなり、掩体に入れるなりが可能です。 むしろ、F-16が活躍できるかどうか否かを考える上で重要なのは、F-16に搭載すべき弾薬、特にスタンドオフ能力のあるミサイル、滑空爆弾が十分に供与されるのかどうかということです。 F-16があっても、搭載する弾薬が通常爆弾のみであれば、撃墜されるだけで終わります。 F-16と併せ、2023年夏から供与されている対レーダーミサイルのHARMや滑空爆弾のJDAMがどの程度追加供与されるかによって、F-16が活躍できるかどうかが決まると思われます。 ■我が国防衛の決定打 最後に、このイスラエルとウクライナの実例から我が国が何を学ぶべきなのか考えてみます。 我が国は、長らく専守防衛を標榜してきました。 その看板こそ外してはおりませんが、安保3文書に敵基地攻撃能力(反撃能力)を明記し、トマホークを含む長射程のスタンドオフ兵器導入に踏み出しています。 しかしながら、まだ緒に就いたと言えるレベルであり、長年掲げ続けてきた看板の弊害により、我が国の能力は防空に偏重しています。 攻勢対航空(OCA:offensive counter air)の能力は乏しく、防勢対航空(DCA:defensive counter air)に偏っているのです。 この状態が続けば、中国や北朝鮮は高価な防空システムを整備することなく、能力を攻勢対航空(OCA:offensive counter air)用の攻撃兵器に全て投じることができます。 我が国が相応の敵基地攻撃能力を整備すれば、敵はそれに応じた防空兵器を整備せざるを得ません。 敵基地攻撃能力を保持するだけで、それを1発も発射しなくとも、敵の攻撃能力を削ぎ、我が国の防衛に寄与できるのです。 だからこそ、これらの国や影響を受ける勢力が必死に我が国の敵基地攻撃能力に反対しています。 これは、極超音速滑空弾のような高度な敵基地攻撃能力において、特に顕著に言えることです。 その整備が極少数に留まったとしても、敵の中枢を攻撃できる能力を保持することで、敵にそれに対する高度な備えを強要できます。 敵が権威主義的な独裁国家であれば尚更です。 独裁者は、遥か彼方から殺害されるかもしれないとなれば、それに備えなければなりませんし、攻撃を躊躇します。 つまり高度な敵基地攻撃能力は、彼らに対する抑止力が高いのです。 加えて、できれば、技術的にはもう少し多く製造・配備が容易な弾道ミサイルも保有しておくべきです。 イージスSM-3やパトリオットPAC-3で迎撃できるとは言え、北朝鮮が保有するノドンが200発もあることは、我が国にとって非常な脅威です。 アメリカが、我が国への弾道ミサイル配備を見送ったと伝えられていますが、性質の違う敵基地攻撃能力を保有しておくことで、敵に対処能力の保有を強要できるため、安価な弾道ミサイルの保持も、非常に有効な手段なのです。 いずれにしても、敵にとって、我が国の専守防衛は、非常に有り難いものです。 十分な敵基地攻撃能力を保持するだけでなく、それを政治的にも有効に機能させるため、もう専守防衛の看板は下ろすべきでしょう。 ウクライナはF16で露領攻撃可能 オランダ国防相が表明 今年後半に24機を順次供与 2024/6/4 19:45 https://www.sankei.com/article/20240604-T4O5ETXHS5JEJBM4H3MIHRWQXI/ オランダのオロングレン国防相は2024年6月4日までに、ウクライナに供与予定のF166戦闘機を使ったロシア領内への攻撃は可能との考えを示した。 ニュースサイト、ポリティコのインタビューに答えた。 オランダは2024年後半以降、計24機を順次供与する見通し。 報道によると、デンマークのラスムセン外相もウクライナに供与予定の計19機のF16でロシア領内の軍事施設を攻撃可能との考えを表明している。 米国もウクライナに対し、米国供与の兵器を使った限定的なロシア領攻撃を容認したばかり。 ウクライナ軍がロシア軍の攻勢に直面する中、欧米はウクライナ支援のレベルを上げている。 アジア安全保障会議を開催したシンガポールでインタビューに応じたオロングレン氏は 「我々はウクライナに国際法を守ることだけを求める」 「つまり自衛のための使用だ」 と述べた。(共同) ウクライナ前国防相、露領内攻撃「許可を得た」と歓迎 敗北は「独裁国連合の支配構造を生む」と警告 2024/6/1 9:41 https://www.sankei.com/article/20240601-NSLKXCNEWBN5JD56BH3WTMKJR4/ ロシアの侵略が続くウクライナのレズニコフ前国防相が2024年5月31日、ワシントンで講演し、米国や欧州が供与した兵器でウクライナの露占領地だけでなく露領内の軍事的標的を攻撃する重要性を指摘した上で、 「我々はその許可を得た」 と述べ、ウクライナ支援を巡る一大転換となる米欧諸国の判断を歓迎した。 米メディアは米国が供与兵器による露領土の軍事拠点への限定的攻撃を容認したと伝え、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国もウクライナの越境攻撃容認に続々と支持を表明した。 レズニコフ氏は、露軍が北方から国境を越えてウクライナ東部主要都市ハリコフ方面へ攻勢を強めていると指摘。 露側の軍事拠点を攻撃対象にできれば、民間人の犠牲を減らす有効な手段になると強調した。 同氏は2023年9月に辞任するまで米欧と軍事支援を巡る交渉に従事した。 ロシアの軍事行動のエスカレートを警戒し米国の供与する兵器は歩兵携行式ミサイルから155ミリ榴弾砲、高機動ロケット砲システム、戦車と段階的に進化したが、同氏は 「我々は常に戦果を示した」 「今日不可能なことが明日には可能になるとの信念がある」 と強調した。 露軍が制空権を握る中で民間人を守るため防空態勢強化が急務とし、 「F166戦闘機は防空システムの主要部分をなす」 と早急な配備を求めた。 米欧の支援意思喪失を狙うロシアの 「認知戦」 にも警戒を促した。 レズニコフ氏は、イランや北朝鮮と結託するロシアの勝利を許せば 「独裁国家連合の新たな(支配)構造が世界中で形成される」 と予測。 別の紛争に発展し米国の軍事・経済負担が増える事態を抑止する意味でもウクライナ支援は 「現実的だ」 と強調し 「我々は疑いなくこの戦争に勝つ」 と結束に自信を示した。 米独、ウクライナによるロシアへの越境攻撃を容認 露国境地帯での苦戦受けて方針転換 2024/5/31 22:24 https://www.sankei.com/article/20240531-EWUSCA7EBBLBFNWPLIISE7HPJE/ ブリンケン米国務長官は2024年5月31日、チェコのプラハで記者会見し、バイデン政権がロシアに侵略されたウクライナが米国から供与された兵器を使いロシア領内に越境攻撃することを認めたと明らかにした。 ドイツ政府報道官も同日、ウクライナがドイツから供与された兵器による露領内への攻撃を許可したと発表した。 米メディアによると米国は、越境攻撃の目標をウクライナ東部の都市ハリコフ周辺に限定するよう要請。 また、米国が供与した地対地ミサイル「ATACMS」などを使い国境地帯より遠方にある露国内の施設や拠点を攻撃することは従来通り認めないとしている。 米独はこれまで、戦術核の使用に言及するプーチン露政権との対立激化を避けるため、ウクライナに越境攻撃をしないよう制約を課してきたが、戦局が同国に決定的に不利になる恐れが出始めた他、英仏などが攻撃を認める姿勢を相次ぎ打ち出したのを受けて攻撃容認に転換した。 NATO非公式外相会合、ウクライナの越境攻撃を大多数が支持 ハリコフの戦局転換に期待 2024/5/31 18:21 https://www.sankei.com/article/20240531-JPP2MY4EPRKR3CIWT2FYY23JNY/ チェコのプラハで開かれていた北大西洋条約機構(NATO)非公式外相会合は最終日の2024年5月31日、ウクライナが欧米から供与された兵器でロシア領内を攻撃することに大多数の加盟国が支持を表明し、ウクライナの勝利に向けた後押しを一層強めることを確認した。 ウクライナによる越境攻撃を巡っては、これまで米独など加盟国の多くが自国製の兵器でロシア領内を攻撃しないようウクライナに制約を課してきた。 ところがロシアが最近になって露国境に近い東部に新たな戦線を開いてウクライナ領内に越境攻撃を仕掛けているのに対し、ウクライナは有効な反撃ができずに守勢に立たされ、欧米諸国に兵器使用の制約を解除するよう要請していた。 NATOのストルテンベルグ事務総長は会合後の記者会見で 「私たちは新たな戦局に対応する必要がある」 と述べ、この日の協議で多数の加盟国が制約の緩和に踏み切ったことに 「歓迎の意」 を表明した。 ストルテンベルグ氏はまた 「ウクライナには自衛権がある」 と指摘。 プーチン露政権がNATO加盟国によるウクライナの越境攻撃容認を非難していることに関しては 「侵略戦争を始めたのはロシアだ」 「私たちは屈しない」 と強調した。 NATOは組織としてはウクライナに兵器を供与しておらず、越境攻撃の容認の是非は供与した各国の判断となる。 イタリアのタヤーニ外相は2024年5月31日、 「伊製兵器を越境攻撃に使わせることは憲法の制約上できない」 としたものの、加盟国の大勢が容認を打ち出したことで、ウクライナがロシアの攻勢を押し戻す転機となることが期待される。 また、スウェーデンは会合に合わせ、ウクライナ空軍によるF16戦闘機の将来的な運用を視野に、効果的な戦闘を可能にする早期警戒機サーブ340の供与を表明。 チェコも弾薬50万発分に相当する16億ユーロ(約2710億円)の拠出を明らかにした。 ロイター通信によると、ストルテンベルグ氏は現状の軍事支援の水準を維持するため、加盟国全体で毎年少なくとも計400億ユーロ(約6兆8000億円)を拠出するよう求めた。 ロシア領攻撃「国際法に従っていれば問題ない」 フィンランド大統領 2024/5/31 10:56 https://www.sankei.com/article/20240531-Q6ZR7GJHRROHJDJX6YH576SVR4/ フィンランドのストゥブ大統領は2024年5月30日、首都ヘルシンキで共同通信などの取材に応じ、ウクライナが欧米から供与された兵器でロシア領内を攻撃することは 「国際法に従っていれば問題ない」 と語った。 ウクライナへの兵器の供与国が相次いでロシア領への攻撃に前向きな発言をしている。 ストゥブ氏は供与した兵器は 「ウクライナが自分たちを守るためにある」 「(用途を)制限する考えは支持できない」 と話した。 ロシアと国境を接するフィンランドは、ウクライナに侵攻したロシアに強硬な姿勢を取っている。 侵攻について 「あらゆる国際法に反する」 「女性や子供を殺害し、病院や学校を攻撃している」 と非難。 「ウクライナが勝利するように支援するのは私たちの責務だ」 と強調した。 フィンランドはウクライナ侵攻を背景に、2023年4月に北大西洋条約機構(NATO)に加盟した。(共同) 米、供与兵器の露攻撃容認か ウクライナ守勢で姿勢転換 2024/5/31 9:13 https://www.sankei.com/article/20240531-RVJHNWPENVMSPLPV4YYVSJ3PKU/ 米主要メディアは2024年5月30日、バイデン政権がウクライナに対し、米国が供与した兵器をロシア領内の軍事拠点への攻撃に使うことを非公式に承認したと報じた。 ウクライナ軍が東部ハリコフ州で守勢に立っており、従来の方針を転換した。 米政府当局者の話としている。 英国やフランスの首脳らが最近、欧米供与の兵器をロシア領内への攻撃に使うことに前向きな発言をしており、バイデン政権の対応が焦点となっていた。 米メディアによると、バイデン大統領が最近、反撃のために米国供与の兵器を使ってもいいとウクライナ側に伝達するよう部下に指示した。 標的はハリコフ州の周辺地域に限定し、ロシア領内でウクライナへの攻撃やその準備を進める部隊を想定している。 ロシア領内の民間施設を狙うことや、米国供与の地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」などで国境から遠く離れた軍事拠点を攻撃することは承認されていないという。(共同)
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