<■1874行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 祖国にいながら外国人に怯えて暮らすのか 「受け入れろと」と他人の国で暴走する移民たち WiLL2024年7月号 イスラム思想研究家・麗澤大学客員教授 飯山陽 ■クルド人がまた犯罪 先の衆議院東京15区の補欠選挙は、たくさんの応援を頂きましたが力及ばず落選してしまいました。 皆さんのお陰で、最後までマイクを握ることが出来ました。 今回、選挙に出馬した理由の1つが、日本の移民国家への道にストップをかけるためです。 しかし現状は厳しく、またクルド人による犯罪が起きました。 しかも今度の被害者は何と女子中学生です。 産経新聞オンラインの記事(2024年4月5日付)です。 「女子中学生に性的暴行をしたとして埼玉県警川口署は2024年3月7日、不同意性交等の疑いで、トルコ国籍でさいたま市南区大谷口の自称解体工、ハスギュル・アッバス容疑者(20歳)を逮捕した」 「『日本人女性と遊んだが暴行はしていません』と容疑を否認しているという」 再度確認してみると、この記事は削除されており、追加の記事では容疑者は匿名にされていました。 実名は 「デイリー新潮」 やまとめサイトのみで閲覧できます。 容疑者の居住地はさいたま市ですが、川口署が逮捕したということは、川口市で活動するクルド人の居住地が近隣の市にも広がっているということでしょう。 トルコ国籍のクルド人の多くはイスラム教徒ですが、一般的にそれほど信仰に熱心ではありません。 しかし、クルド人文化は、イスラム教文化と共通する所が多く、その1つが女性や性に関する文化です。 イスラム教では、異教徒の女性は二重の意味で卑しい存在とされており、尊厳を持つ人間として扱われません。 更にイスラム教には、性行為や結婚をしても許される最低年齢という概念がありません。 イスラム教徒の男性の中には、本件のような 「異教徒の女子中学生」 というのは、性的に何をしてもいい存在だと思っている人がいる可能性があるのです。 イスラム教徒の移民による、現地の女性たちに対する性暴力事件がヨーロッパで多発している背景には、このようなイスラム教の女性観、異教徒観があります。 イスラム教徒の男性は、異教徒の女性には何をしても構わない、髪や肌を露出させているのは尊厳がないことの証であり、むしろレイプされたがっているのだと、そう理解してしまうことがあるのです。 私はイスラム教の研究者ですから、イスラム教が如何に土着文化を侵食する力を持っているかを知識としてだけでなく、実感としても知っています。 世界にはこうした文化や価値観を当然とする人々が多く存在するため、理想の多文化共生・異文化共生を現実のものにするのは困難です。 実現したいのならば、外国人に対し、 「あなたの常識は日本では受け入れられない」 「日本では日本のルールを守ってもらわねば困る」 と、ハッキリと徹底的に主張するしかありません。 更に、外国人の子供には出来るだけ早いうちから、日本のルール、文化に馴染んでもらう必要があります。 フランスでは、2019年から義務教育が始まる年齢を6歳から3歳に引き下げました。 その背景には、自国の文化や風俗を守るために移民を教育する意図もあります。 一方で日本には、こうした対策は一切なく、多文化共生・異文化共生は素晴らしい、日本人は外国人の文化を理解し、受け入れろと主張するだけです。 このまま何の対策もしなければ、先述のような事件は今後更に増えるでしょう。 ■何が、権力の監視役か にもかかわらず、政府や自治体、企業、そしてメディアも、日本社会に対して影響力(インフルエンシャル)な発言権を持つ”権力者の皆さん”はこぞって、 「活力維持に外国人が必要だ!」 と声高に言います。 読売新聞オンライン版でも 「外国人・高齢者 活力維持へ重要『育成就労』『特定技能』着実に・・・人口減抑制」 と題して、次のような記事が掲載されました。<人口が減って生産年齢人口(15〜64歳)が先細っていく中、社会の活力を維持するためには、労働力の確保が欠かせない> <政府は今年(2024年)、外国人技能実習制度に代わる新制度「育成就労」の創設を決めた> <掲げたのは「人材の確保と育成」> <帰国を前提としていた技能実習制度から大きな転換を図った> (中略) <外国人の受け入れは、主に出入国在留管理庁が担っているが、労働者を巡る政策は多くの省庁にまたがる> (中略) <業種ごとに必要な人数や求める人材を呼び込むには、一元的に誘致していく必要がある> <その司令塔として、政府に「誘致戦略本部」を創設すべきだ> <制度を着実に進めていくため、自治体や地域住民にも配慮しながら、外国人との共生に向けた戦略を策定する> (2024年4月26日付) 日本社会が人口減を抑制し、活力を維持するためには、外国人をどんどん日本に受け入れることが必須だとして、読売新聞がわざわざ提言しているわけです。 読売新聞だけでなく、既に国から企業まで皆揃って同じ事を言う有り様です。 外国人が必要だ、というのは、つまり”移民推進”です。 多様性の奨励はそのための地均しです。 多様性のある社会は 「活力を維持する」 と盛んに宣伝し、多様性を促進するために移民を受け入れる必要があるとして事を進める。 そもそも自民党は2016年3月15日の 「労働力の確保に関する特命委員会」 の初会合時に、政調会長の稲田朋美議員が 「日本は移民政策は採らない」 と明言した上で、議論を開始しています。 ところが、その8年後の2024年、岸田政権が在留資格 「特定技能」 について2024年度から5年間の受け入れ枠をこれまでの2倍を超える82万人とすると閣議決定しました。 8年前・2016年の方針を平気で変え、国民に嘘を付く、これが自民党政権です。 そしてこの嘘を嘘だと指摘せず、政府方針に同調しているのがメディアです。 何が 「権力の監視役」 でしょう。 「笑わせるな、愚か者!」 と言いたくもなります。 ■7つの大罪である理由 読売新聞が提言した、 「日本社会の人口減を抑制し活力を維持し、成長を続けるためには外国人移民が必要だ」 という主張は完全に間違っています。 理由は7つー。 第1に、人口減の埋め合わせをするために移民を受け入れるなら、考えられないほど多くの移民を受け入れなければならないため、この政策自体が非現実的であることは、国連の調査でも明らかになっています。 第2に、人口減を埋め合わせするために移民を受け入れても、日本人でない人が増えるだけなので、日本で外国人による人口の置き換え(人口が増加も減少もしない均衡した状態になる)が進むだけです。 これを 「人口減の抑制」 だと言う人は、日本が日本でなくなることを積極的に推進する人たちです。 第3に、不足する労働力を補うために移民を受け入れても、移民もいずれ年を取って働けなくなります。 日本は今、永住を認めるという条件で移民を受け入れようとしていますが、労働力だったはずの移民は遠からず、日本の福祉によってその生活を支えなければならなくなります。 ■移民と社会の暴走 第4に、不足する労働力を補うために移民を受け入れると言いながら、日本政府は彼らに家族の帯同を認めています。 5人、10人の家族を帯同すれば、移民の安い賃金では家族全員を養えなくなり、その分を補うのは、私たちの福祉、つまり税金です。 労働力が必要だと言って外国人を受け入れたのに、彼らの生活を我々の福祉で支えなければならないという事態が生じます。 労働力として受け入れた移民が、働く意欲を失ったり、病気になったり、失職すれば移民の家族の生活は、私たちの税金、私たちの福祉で支えなければならない。 これは移民を多く受け入れた欧米で実際に発生している問題です。 第5に、労働力として移民を受け入れれば、日本人の賃金が下がります。 政府が推進するインフレを上回る程度まで賃上げをする方針とは、正反対のベクトルに進みます。 サウジアラビアは移民を多く受け入れている国の1つですが、企業に一定数の自国民の雇用を義務付け、給与体系も外国人とは異なる水準を義務付けています。 しかし日本にはこうした規制はありません。 安い移民労働力を受け入れれば、企業と経営者が得をするだけで、日本人の労働者は専ら損をします。 これでは日本社会を弱体化させるばかりで、 「活力の維持」 どころではありません。 第6に、世界の文化の中には、日本の文化、伝統、常識、法律とは相容れない、矛盾するものが大量にあるため、全て受け入れれば、社会が混乱し、秩序が乱れます。 第7に、移民が増えれば間違いなく治安が悪化します。 現在、警察は外国人の犯罪を見逃し、仮に逮捕しても検察が不起訴にして犯罪者を無罪放免にします。 警察を恐れない”無敵の外国人”が、日本社会で暴走し、好き放題に犯罪に手を染めているのは、こうした背景があるからです。 外国人が増えれば、この状況は更に悪化するでしょう。 日本人は祖国にいながら、外国人に怯えて暮らさなければならなくなり、警察に守ってもらえなければ、自衛せざるを得なくなります。 犯罪の被害者となっても、誰も助けてくれない、そんな世の中にしたいですか? ■”聖域”という名の移民都市 2024年5月1日、バイデン大統領はワシントンでの集会で、日本経済が低迷している理由として 「外国人嫌いで移民を望んでいないからだ」 と述べました。 そんなアメリカでは現在、不法移民が急増しています。 米南西部の国境を越えて拘束・保護された不法移民は2023年度(2022年10月〜2023年9月)に247万人と3年連続で過去最多を更新。 かつてはメキシコや南米各国からの流入がほとんどでしたが、今は、中国などから中南米を経由してアメリカを目指す不法移民も増えています。 バイデンの 「外国人好きで移民を望む」 政策が、世界中から不法移民を引き寄せているのです。 アメリカ内で移民に寛容な都市、いわゆるサンクチュアリ・シティ(聖域地域)の代表がニューヨーク市です。 ニューヨーク市では移民を10万人ほど受け入れ、日々増え続ける移民の数に悲鳴を上げ、2022年10月に民主党のエリック・アダムス市長がとうとう非常事態を宣言しました。 「移民はニューヨークのストーリー(歴史)の一部で、アメリカの一部でもある」 「しかし移民政策は崩壊している」 「国家的危機だ」 「もう限界だ」 「市単位の予算には限りがあり、思いやりだけではどうにもならない所まで来ている」 アダムス市長は移民の受け入れの危機的状況を踏まえ、度々このように訴えてきました。 ニューヨーク市の移民関連の予算は2024年度が約42億ドル、2025年度が約49億ドルと巨額です。 その後、アダムス市長は法律違反の疑いのある移民を保護してきた政策を転換する考えを示しています。 つまり不法移民を矢継ぎ早に受け入れる政策を採った結果、市が財政破綻しかかっているのです。 ニューヨーク市に限らず、不法移民を受け入れた州や都市は軒並み財政や治安が悪化し、地元住民の不法移民に対する感情も悪化しています。 今や28%のアメリカ人が不法移民の問題は、アメリカにとって最大の問題だと認識しています。 ■”日本”であるために 一方、日本はどうか。 岸田政権は今まさに 「移民を望む」 政策を採りつつあります。 アメリカで不法移民に厳しい共和党が政権を取れば、アメリカに殺到している世界の不法移民が、今度は日本に殺到するでしょう。 今度は日本が不法移民の”サンクチュアリ(聖域)”になろうとしています。 日本が日本であり続けること、日本が国民にとって安心して暮らせる祖国であり続けること、日本人の暮らし、豊かさ、安全が守られることが何より大事です。 移民受け入れ推進は、こうした安心・安全を全て破壊します。 しかし今の日本の国会議員に、日本国民の安全を主張する人はほとんどいません。 彼らは皆、嘘を付き、移民を受け入れることによって起こる問題に言及する人はほとんどいません。 移民によって破壊された欧米社会や、先述のクルド人による性的暴行事件が彼らには見えていないのでしょうか。 文化や価値観の違いによって生じる事件、財政や治安の悪化などが起き得る移民政策を阻止する必要があります。 日本が移民問題で苦しむ欧米のようになるのは、時間の問題です。 私たちにとって大切な日本という国を、守り抜かなければなりません。 女子中学生に性暴行の容疑者、難民申請中のクルド人 トルコ生まれ川口育ちの「移民2世」 「移民」と日本人 2024/3/8 17:25 https://www.sankei.com/article/20240308-LUTLMINZTNOZNGADECZPNB3CGY/ 女子中学生に性的暴行をしたとして埼玉県警川口署に逮捕されたトルコ国籍で自称解体工の男(20)が、難民認定申請中で仮放免中だったことが2024年3月8日、同署の調べで分かった。 男はトルコ生まれ日本育ちの在日クルド人で、事実上の 「移民2世」 という。 調べによると、男は2024年1月13日午後10時半頃、川口市内のコンビニ駐車場に止めた乗用車内で、東京都内の10代の女子生徒に性的暴行をしたとして2024年3月7日、不同意性交などの容疑で逮捕された。 同署によると、男は先に来日していた父親を頼って幼少期に来日し、地元の小中学校に通っていた。 卒業後は家業の解体業を手伝っていたと供述している。 男は父親と共に難民認定申請中で、入管施設への収容を一時的に解かれた仮放免中だった。 自宅はさいたま市内だが、川口市北部の隣接地域だった。 男は自身の運転する車で、SNS(交流サイト)を通じて知り合った都内の女子中学生らや、日本人男性らとドライブに行くことになった。 女子生徒らは横浜方面に向かうと考えていたが、車は都内から川口市内へ直行。 女子生徒らは車内でスマホを使ってやり取りして逃げ出そうとしたが、犯行現場のコンビニ近くで降ろされ、被害にあった女子生徒だけが車に残されたという。 男は 「日本人女性と遊んだが暴行はしていません」 と容疑を否認。 同署はトルコ語の通訳を介しながら調べを進めている。 川口市内では近年、一部クルド人と地域住民との軋轢が表面化。 「2世」 とみられる若者らによる車の暴走行為や煽り運転も問題となっている。 中学生に性的暴行したクルド人は難民申請中だった 地元市議は「実態を正しく直視するべき」 2024年4月5日 https://www.dailyshincho.jp/article/2024/04050558/?all=1 埼玉・川口市でクルド人男性が不同意性交容疑で逮捕された。 女子中学生に性的暴行をした疑いである。 実はこの男性、難民申請中だった。 悲劇の主人公のはずの 「難民」 が他人を悲劇に追いやる、その実態とは。 *** 報道等によると、2024年3月7日に逮捕されたのはさいたま市に住むハスギュル・アッバス容疑者。 トルコ国籍の20歳、解体工だという。 事件があったのは2024年1月13日のことだ。 アッバスは都内の女子中学生とSNSで知り合い、複数人でドライブ。 2人きりになった後、川口市内のコンビニの駐車場に停車し、車内で犯行に及んだ。 行為の時間は約6分。 粗暴極まりない事件である。 川口市とその周辺でクルド系の住民と地元住民との間に軋轢が生じているのは周知の通り。 ■市議も「不安に思う市民が増えている」 2023年7月4日は男女の揉め事で怪我をしたクルド人男性が川口市立医療センターに運び込まれ、それを巡ってクルド人が100人ほど病院に集結。 一時、救急搬送の受け入れが停止されるという大騒動が起きた。 「不安に思う市民が増えていると感じます」 とは、川口市議の奥富精一氏。 「これまでも一部のクルド人が改造車で危険運転や違法駐車をしたり、あるいは喧嘩をしたりという事例が見られてきました」 2023年6月には市議会で 「一部外国人による犯罪の取り締まり強化を求める意見書」 が採択されている。 「そこにきて今回の事件ですから、市民の不安が益々増したとしても不思議ではありません」 ■クルド人増加の背景事情 クルド人とは、中東のトルコやイラン、イラク、シリアなどの国境地帯に住む「国を持たない民族」。 川口は彼らが集住する地域として知られ、現在、2000人以上が暮らしている。 「彼らは難民申請をしているケースが少なくない」 と言うのは、入管のさる関係者だ。 「トルコと日本は現在、短期滞在ならビザは必要ではありません」 「で、ノービザで入国し、滞在期限が切れるまでの間に難民申請を行うんです」 「すると、その審査期間中は強制送還が止められる」 「川口に来るクルド人の多くは、ある特定の地域の出身です」 「こうした仕組みで入った人たちが地元の親類縁者を呼び寄せ、数が増えていったんです」 今回の事件を起こしたアッバスも、先に日本に来た父を頼って幼少期に来日し、難民申請をした“移民2世”だという。 「実際、彼らが難民認定されることはほとんどありません」 「クルド人が母国で差別されているのは事実でしょう」 「が、難民条約が規定するように、自由が奪われたり、生活が著しく損なわれ、生命の危機が生じているかと言えば、そこまでとは認められないことが多い」 「申請期間中に日本で稼いで帰国するか、或いは子供が小中学校に長期間通うなどすれば、在留特別許可を貰えるかもしれない」 「クルド人増加にはこうした背景事情があります」 しかし、そうした入国経緯の者の中から凶悪犯が出れば、住民との摩擦が生じるのは当然の事だろう。 ■グレる2世 この地域で長年、クルド人支援に携わってきた「在日クルド人と共に」理事の松澤秀延氏は、 「彼らも日本の社会に順応したいと思っていますが、日本側の拒否反応が強く、そこで絶望を感じてしまうことも多い」 と分析するが、 「今回の事件もそうですが、2世の中には学校に行かず、いわゆる“グレて”しまうケースも少なくない」 「この問題を指摘するとすぐ差別と言われますが、まずは実態を正しく直視することが重要だと思います」 (奥富市議) 多様性尊重――そんな建前だけでは語れない現実が、この川口には横たわっているのである。 週刊新潮 2024年4月4日号掲載 外国人・高齢者 活力維持へ重要 「育成就労」「特定技能」着実に…人口減抑制[読売新聞社提言<7>] 2024/4/26 5:01 https://www.yomiuri.co.jp/national/20240425-OYT1T50222/ ■労働者に「選ばれる国」 人口が減って生産年齢人口(15〜64歳)が先細っていく中、社会の活力を維持するためには、労働力の確保が欠かせない。 政府は今年、外国人技能実習制度に代わる新制度 「育成就労」 の創設を決めた。 掲げたのは 「人材の確保と育成」。 帰国を前提としていた技能実習制度から大きな転換を図った。 外国人労働者を中期的に受け入れる在留資格 「特定技能1号」 も、自動車運送業や鉄道などの4分野を追加して16分野に広げた。 日本で暮らす外国人は増えており、約340万人に上る。 労働者は2023年10月末時点で約204万人だ。 政府は、育成就労と特定技能を 「車の両輪」 として、労働力を補っていく。 他国も受け入れを進めており、獲得競争を勝ち抜くには 「選ばれる国」 にならなければならない。 外国人の受け入れは、主に出入国在留管理庁が担っているが、労働者を巡る政策は多くの省庁にまたがる。 農業や介護、建設など職種も幅広い。 業種ごとに必要な人数や求める人材を呼び込むには、一元的に誘致していく必要がある。 その司令塔として、政府に 「誘致戦略本部」 を創設すべきだ。 制度を着実に進めていくため、自治体や地域住民にも配慮しながら、外国人との共生に向けた戦略を策定する。 育成就労では3年間働いた後、在留期間が5年の特定技能1号、永住が事実上可能な2号を段階的に取得してもらうことを目指す。 外国人の受け入れ先は主に地方の中小企業で、自力での育成には限界がある。 自治体の支援が欠かせない。 広島県は2023年、2号取得を目指す外国人を雇う企業に、最大300万円を補助する事業を始めた。 尾道市の 「因島鉄工」 はこの事業を使い、造船・舶用工業分野で全国初の合格者を出した。 その一人、ベトナム人のファン・ヴァン・マインさん(35)は 「将来は奥さんを連れてきて、ここでずっと働きたい」 と語る。 同社では試験対策として日本語講師を雇い、技能向上のための模擬試験を実施。 外国人向けの寮も整備した。 人材を繋ぎ止めるには、異国の地で働く外国人が暮らしやすく、文化に馴染める工夫も求められる。 ■フレイル対策 国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、2020年に7000万人超だった生産年齢人口は、2100年に3200万人に減る。 人手不足を補うため高齢者の力も必要だ。 内閣府の調査では、仕事で収入を得ている60歳以上の9割が、「いつまでも」を含め、70歳以上になっても働きたいと回答している。 企業は、技術や経験を持つ高齢者を積極的に受け入れるべきだ。 2040年には医療・介護人材が100万人近く不足するとされ、介護が必要な高齢者を少しでも減らしたい。 要介護一歩手前の状態「フレイル」の高齢者が対策を取った場合、5年後に15%が改善し、35%が状態を維持したという調査もある。 予防には食事や運動、就労といった心身の充実がカギを握る。 郷に入って「郷に従わん」外国人 直球&曲球 宮嶋茂樹 2024/5/9 10:00 https://www.sankei.com/article/20240509-H4LOHB4JIROYBC6FPXFOHBKM7Y/ 日本経済が低調なのは 「外国人嫌いで、移民を望んでいないためだ」 やて? いやいや、バイデン米大統領、言葉は正確に伝えんとアカンわ。 多くの日本人が嫌いなんは、日本に来ても日本の文化や伝統、ルールを尊重せず、皇室を敬愛するどころか敵視するような外国人のことや。 日本人もどないかしとるで。 政・官・財・民、挙げて 「インバウンド」 景気やと歓迎して、いちびっとるけど、日本に来る観光客や定住外国人は、当たり前のことやけど、善意の人≠ホかりやないんやで。 最初から転売目的で爆買い≠オたり、白タクで荒稼ぎしたりしとる外国人も後を絶たん。 オーバーツーリズム (とある地域を訪れる人が急増したことにより様々な問題が発生し、その地に暮らす人々や自然環境、生態系、景観などに悪影響を及ぼしている状況のこと。日本では「観光公害」とも呼ばれており、県や市といった全体で起きるものではなく、「〇〇市の橋周辺」や「春の〇〇府の寺院」など、特定の場所や季節、時間に起きるものを指す言葉) の弊害も深刻や。 そこで暮らしとる日本人が多大な不便や迷惑を強いられとる。 東京や大阪じゃ日本人が泊まれるホテルを探すだけで一苦労や。 富士山もゴミだらけやんけ。 これほど外国人観光客が日本に押し寄せる理由は色々ある。 メシがうまいし、安い。 種類も豊富や。 治安もエエし、皆が皆とは言わんけど、まぁ日本人は外国人に親切や。 しかし、一番の原因は昨今の円安やろ。 円安=日本が安う見られとるというこっちゃ。 ハワイやヨーロッパは無理やけど 「円安」 の日本やったらいけるわ、とな。 それでも、ワシは何もやみくもに外国人の観光客や定住者を締め出せ、と言うとるわけやないんや。 困っとるんは、日本に来てまで犯罪まがいのことをやったり、日本の法令に反する自分らの風習を認めろ、と叫んだり、日本を理解しようともしたりせん、外国人なのである。 海外の日本人を見てみい。 皆から嫌われんようにちゃんと努力しとる。 その国の慣習、ルールを尊重して気、遣っとる。 イスラム圏に行ったら、お祈りの時間は静かにしとるし、豚肉は食べんし、公の場では酒も飲まんようにしとる。 「郷に入れば郷に従え」 という、諺を知っとるからや。 その国の交通ルールから公共マナーまで、いくら日本人には理解不能でも尊重するで。 そんな日本人を 「外国人嫌い」 やて? バイデン大統領、それはないで! バイデン米大統領が同盟国を「外国人嫌い」と切り捨てた失言の背景 ポトマック通信 2024/5/9 7:00 https://www.sankei.com/article/20240509-MFUGY3GBRVNUJJQMQJDL5YUPEA/ バイデン米大統領は2024年5月1日、アジアや太平洋諸島系の支持者集会でこう述べた。 「米国経済が成長を続けるのはなぜか」 「理由は我々が移民を歓迎するからだ」 「なぜ中国は経済的に行き詰まっているのか」 「なぜ日本は困難な状況なのか」 「ロシア、インドはなぜか」 「理由は彼らが外国人嫌い(xenophobic)で、移民を望まないからだ」 人は異なる人種、言語、宗教、生活習慣の人々の存在に拒否感や嫌悪感を抱くもので、どの国も受容と葛藤の歴史を続けている。 私が驚いたのは、大統領の失言に慣れっこのはずの米メディアの反応だった。 「同盟国に否定的用語を使った意図は?」 との疑問だ。 バイデン氏がなぜ日印中露を一括りに 「外国人嫌い」 としたのか報道官の釈明を聞いても判然としない。 米紙ウォールストリート・ジャーナルは社説で、米国の移民差別の事例を挙げて 「日本の友人たちがバイデン氏のコメントを受け流してくれることを願う」 と述べた。 流せなかったのか、日本政府は 「正確な理解に基づかず残念」 と申し入れをしたと聞く。 日印を軸に中露を牽制する政権のインド太平洋外交への影響を懸念する向きもあるというが、失言には本心や願望が表れることもある。 日本を権威主義陣営との橋渡し役とする新構想があるのかと想像した。 林官房長官、バイデン米大統領の「日本は外国人嫌い」 「正確な理解に基づかない発言」 2024/5/7 12:18 https://www.sankei.com/article/20240507-GHSI6VL6DRNXPNOBYGMUH7TUQU/ 林芳正官房長官は2024年5月7日の記者会見で、バイデン米大統領が、日本経済が低調なのは外国人嫌いなためだと発言したことに関し 「日本の政策に対する正確な理解に基づかない発言で残念だ」 「米国には日本の考えや政策を改めて説明した」 と述べた。 2024年4月の岸田文雄首相の国賓待遇での訪米を踏まえ、 「日米関係はかつてなく強固であり、引き続き日米関係の一層の強化に取り組んでいきたい」 とも強調した。 バイデン氏の発言は「残念」 日本政府が米側に伝達 2024/5/4 16:01 https://www.sankei.com/article/20240504-UYFMDSHLXZKMPNKFYEN72HZNLA/ バイデン米大統領が日本経済が低調なのは 「外国人嫌いで、移民を望んでいないためだ」 と発言したことについて、日本政府は2024年5月3日までに 「正確な理解に基づかない発言があったことは残念だ」 と米側に伝達した。 関係者が明らかにした。 ホワイトハウスが公表した発言録によると、バイデン氏は2024年5月1日、ワシントンでの選挙資金集めイベントで、好調な米経済を支えているのは移民だと称賛し 「中国が経済面で停滞し、日本が問題を抱えているのは、ロシアやインドも同じで、外国人嫌いだからだ」 と語った。 ジャンピエール大統領報道官は2024年5月2日、バイデン氏の発言について 「移民が如何に米国を強くしているかについて話した」 と記者団に釈明した。 記者から日本との関係を悪化させるのではないかと問われると 「日本とは力強い関係がある」 とだけ答えた。(共同) 日本や中国の経済不調は「外国人嫌いのせい」 バイデン米大統領が集会で発言、移民を称賛 2024/5/2 18:35 https://www.sankei.com/article/20240502-HXPLHHHEO5LJ5LECJI6HHSVFW4/ バイデン米大統領は2024年5月1日、好調な米経済を支えているのは移民だと称賛した上で、日本や中国などの経済が低調なのは 「彼らが外国人嫌いで、移民を望んでいないためだ」 と発言した。 ワシントンでの選挙資金集めイベントで述べたと、ロイター通信が報じた。 2024年11月の大統領選で対決するトランプ前大統領の移民受け入れに消極的な姿勢を念頭に、バイデン氏は集会で 「移民こそが私たちを強くしてくれている」 と強調。 一方で 「中国が経済面で停滞し、日本が問題を抱えているのは、ロシアやインドも同じで、外国人嫌いだからだ」 との見方を示した。 国際通貨基金(IMF)が2024年4月に発表した2024年の経済成長率の見通しでは、米国は2.7%で日本は0.9%。 一方、中国は4.6%、インドは6.8%となっている。(共同) 国貧しくする外国人政策 政策シンクタンク代表 原英史 2024/4/28 8:00 https://www.sankei.com/article/20240428-7IRYKFFZSFP2TFLRAJTQM47IVE/ 外国人の技能実習制度の見直しなどを内容とする出入国管理法等改正案の国会審議が始まった。 2024年4月26日、衆院法務委員会で参考人質疑が行われ、私も参考人の1人として陳述を行った。 私の述べた意見は、技能実習など個別制度の手直しの前に、まず 「外国人基本法」 を制定し、受け入れの戦略を明確にすべきだということだ。 政府は従来、なし崩しで外国人政策を進めてきた。 表向きは 「移民は受け入れない」 と言いつつ、実態は安価な外国人労働力の受け入れが拡大した。 日本人に十分な賃金を払って人材確保できない企業や業界が、安易に外国人労働者に頼り、入管行政も要望に応えた。 「国際協力」 が目的の技能実習制度などの悪用を政府が容認してきたのだ。 この結果、劣悪な労働環境や失踪などの問題が生じ、外国人による犯罪、社会的トラブルなども広がりつつある。 業界・企業が賃上げせず事業継続する道が用意され、賃金水準低迷の一因となった。 今回の改正案はこうした根本問題を解決するものではない。 「技能実習制度の廃止」 を掲げ、実態とかけ離れた国際協力の名目を人材育成などに改めてはいるが、実質大きく変わった点と言えば、転職を認めた程度だ。 看板の掛け替えに近い。 今後、人手不足が拡大する中で外国人受け入れの規模は拡大するから、これまでの戦略なき受け入れの負の側面は、更に大きく広がりかねない。 政府が今、行うべきことは戦略なき状態の解消だ。 国民的な議論も経て、 「外国人基本法」 を制定することが不可欠だ。 基本法ではまず、何のために外国人を受け入れるのかを明確にする必要がある。 「人手不足の解消」 を目的とするのは危うい。 業界要望に安易に応え続けることになり、日本人も含めた賃金引き上げを阻害し、日本をより貧しい国にしかねない。 安易な労働力の受け入れは社会的軋轢も生みやすい。 目的は 「日本を豊かにすること」 とすべきだ。 生産性を高めて経済社会を発展させるため、貢献できる質の高い外国人を戦略的に受け入れていく必要がある。 併せて、外交・安保政策の観点で人的交流を強化すべき国から重点的に受け入れるよう戦略性も求められる。 日本に限らず、移民を巡る議論は、賛否が大きく分かれ、イデオロギー・感情的対立にも陥りがちだ。 解決の道は、安易な受け入れでも全面的排除でもなく、日本国にとって有用な外国人材を選び抜いて受け入れることだと考える。 だが、今回の改正案はなし崩しの延長で、安易な外国人受け入れの道を広げ、社会の混乱を招き、日本をより貧しくしかねない。 必要なのは、なし崩し的な移民から戦略的政策への転換だ。 育成就労決定 永住資格を厳格化 税金滞納で取り消し 産経新聞2024年2月10日 政府の関係閣僚会議は2024年2月9日、外国人の永住許可制度を適正化する政府方針を決定した。 外国人永住者を巡っては、税金を滞納する事例などが確認されており、悪質な場合は在留資格を取り消せるよう要件を見直す。 政府は2024年2月9日、技能実習制度の代わりに新たに外国人を受け入れる 「育成就労」 制度の方針を決定。 即戦力の外国人労働者を受け入れる在留資格を 「特定技能」 のうち、事実上永住できる特定技能2号への移行を促す同制度下では永住者の更なる増加が見込まれることから、悪質な外国人を排除する仕組みを整備する。 入管難民法は、永住資格の許可要件として素行の善良さなどを規定。 政府のガイドラインでは他に、納税義務の履行などを要件に挙げている。 一方、入管難民法で在留資格を取り消せるのは虚偽の申請で資格を得た場合などに限られ、税金や社会保険料の滞納を重ねても取り消されない。 関係者によると、永住資格取得後、納税などを拒むケースが複数、確認されている。 永住者は在留期限や活動に制限がない。 2023年6月末時点で約88万人で10年前から4割弱増加。 在留外国人の約3割を占める。 政府、外国人の「育成就労」新設方針 転籍1〜2年で可能 技能実習制度は廃止 2024/2/9 10:30 https://www.sankei.com/article/20240209-44RUQO4NEFNRPJT2WJRKPZ2X5Q/ 政府の関係閣僚会議は2024年2月9日、技能実習制度の代わりに新たに外国人を受け入れる 「育成就労」 制度創設を柱とする政府方針を決定した。 技能実習制度では原則認められていなかった転籍(転職)を原則1年で認める一方、最長で2年間、転籍を制限できるとした。 政府は2024年3月にも国会に関連法案を提出する。 技能実習制度を巡っては劣悪な労働環境の影響で人権侵害事案などが発覚。 政府の有識者会議が昨年、公表した最終報告書は技能実習制度を廃止し、育成就労制度を創設。 育成就労期間が1年を超えるなどの条件を満たせば原則、転籍を認めるとしていた。 その後、地方から都市部に人材が流出する可能性があるなどの懸念を払拭するため、転籍に一定の制限をかける必要があると自民党の部会が提言。 政府方針は、当面、業界ごとに最長で2年まで転籍を制限できるとした。 転籍時の日本語能力は、最も易しい日本語能力試験「N5」レベルや、基本的な日本語を理解することができる「N4」レベルを設定する。 転籍要件の緩和に伴い、悪質な転籍ブローカーの介入を防ぐため、転籍の仲介状況を透明化するための体制を整備をする他、資格のない外国人を雇うことを禁じる不法就労助長罪の法定刑を引き上げる。 受け入れの仲介を担う監理団体は 「監理支援機関」 とし、外部監査人の設置を義務付ける。 新制度は、人材の育成だけでなく確保も目的とし、受け入れる分野を特定技能制度と揃える。 育成就労期間を終えて日本語と技能の試験に合格すれば、特定技能1号に移行できる。 欧州、難民は「外国に送れ」の新潮流 メローニ伊首相「モデルになる」と意欲満々 緯度経度 三井美奈 2024/2/9 9:00 https://www.sankei.com/article/20240209-O2HOXT6SKVMYXM4VF7UMMMLY64/ 移民流入に悩む欧州で、 「難民を第3国に送る」 という奇策が浮上した。 イタリアと英国が先導している。 イタリアの計画は2023年11月、メローニ首相が発表した。 地中海を渡ってくる不法移民を隣国アルバニアに送るという。 2024年春にもスタートし、年間3万6000人を見込んでいる。 「欧州のモデルになる」 と誇った。 計画によると、アルバニアの沿岸に受け入れ施設を造ってもらい、イタリアに移民船が来たら、上陸させずに施設に直送する。 施設ではイタリアの職員が難民審査を行い、周辺の警備はアルバニアが担う。 難民資格が得られなかった人は、イタリアの責任で送り返すことになっている。 イタリアには2023年、北アフリカから移民船で15万人以上が押し寄せた。 イタリア政府は欧州連合(EU)加盟国に 「分担して受け入れを」 と求めたが、応じてもらえない。 そこで、アルバニアに 「EU加盟を支援する」 と約束し、合意を取り付けた。 地元紙によると、経費は5年間で推計6億5000万ユーロ(約1030億円)。 全てイタリアが負担する。 金と手間をかけて、わざわざ移民を外国に送るのには訳がある。 欧州人権法では、1度入国させると追放は極めて難しい。 難民資格がない人も申請を繰り返し、 「子供や病人がいる」 と法廷で訴えれば、強制退去にブレーキがかかる。 そこで 「とにかく入国させない」 ことが重要になった。 「我が国(イタリア)に来ても外国に送るからムダ」 と示し、密航を諦めさせる狙いもある。 メローニ氏は 「不法移民に危険な旅をさせずに済む」 と、抑止効果を強調した。 欧州研究機関 「国際移民政策開発センター」(ICMPD) のマルティン・ホフマン顧問は 「よく練られたアイデア」 「EU域外の受け入れ施設でも、イタリア法で運営すれば『人権軽視』の批判をかわせる」 「うまくいけば、追随国が増えるだろう」 と予測する。 英国では今、 「移民のルワンダ移送」 法案が国会で審議されている。 英仏海峡を渡ってくる不法移民を6500km南のルワンダに送り、難民申請から定住まで委任することを目指す。 イタリアと英国は、人権団体や左派野党から 「残酷」 「難民保護の責任逃れ」 と批判された。 英国では2023年、当初法案に最高裁が 「人権侵害の恐れあり」 として違憲判決を示し、政局は大揺れになった。 それでも、第3国移送案への関心は高い。 デンマークの他、ドイツ最大野党の中道右派 「キリスト教民主同盟(CDU)」 が、EUによる取り組みを訴えている。 フォンデアライエン欧州委員長は、イタリア案を 「画期的」 と讃えた。 EUはこれまで、リビアやチュニジアに支援金を出し、移民船の出航を止めてもらおうとした。 EU加盟国で受け入れ枠を作り、負担を分け合うことも定めた。 いずれもあまり成果がない。 どの国も 「何とかしろ」 という世論の圧力に直面している。 注目が集まるのは、欧州人を良心の呵責から救う効果もあるからだろう。 各国政府は本音では不法移民を追い払いたいのだが、 「瀕死で救いを求める人を見捨てるのか」 という人権団体の訴えを無下にできず、常に逡巡している。 苦難の末にやってきた移民を、また外国に送る。 そんな方策に飛びつくほど、事態は切迫している。 2023年、欧州で難民申請件数は100万件を超えた。 地中海を渡る途中で死亡、行方不明になった移民は約3000人に上る。 「移民」と日本人 今年起きること 運転手は「移民」か「無人」か 外国人労働者に日本語力はもう問わない 2024/1/5 11:00 https://www.sankei.com/article/20240105-AFKGKWESRRKK3HLSIBZXGQEGLI/ ★運転手は「移民」か「無人」か 東京都内の大手タクシー会社 「日の丸交通」 では平成29年から業界に先駆けて外国人運転手の採用を始め、現在では27カ国・地域の96人が在籍する。 全社員の5%を占める彼らは、タクシーやバスなど旅客を運ぶ車の運転に必要な 「第2種運転免許」 の合格者たちだ。 ■現状は狭き門だが… 同社採用部の古舘博幸部長(55)は 「タクシー運転手として働きたい外国人は多いが、言葉の壁が厚かった」。 トラックなどを運転する準中型以上は外国の免許を比較的簡単に日本の免許に切り替えられる 「外国免許切替」 が主流で外国語での受験機会も広がっているが、2種に切替制度はなく、試験も日本語に限られている。 イタリア出身の男性運転手(44)は滞日16年。 日本人と結婚して永住権を持ち、英会話講師をしていたが、新型コロナウイルスの拡大で休校が増え、令和3年に転職した。 会話に自信はあったが、日本語の試験は厳しく、マークシートの文章問題90問、イラスト問題5問を50分で解かねばならない。 100点満点で合格は90点以上。 パスしたのは8回目だった。 ■筆記試験を20言語に拡大 「一番大変だったのは漢字だった」 と男性は振り返る。 運転手を始めてからも方言や日本語独特の言い回しに苦労したという。 「国道246号を『にいよんろく』と言われてもわからなかった」 「バスタ新宿を『バスタ』と言われ、イタリア人だから『パスタ』とからかわれたのかと思った」 同社の外国人合格率は35〜40%。 西アフリカのガーナ人運転手は83回目で合格したが2024年4月以降、この合格率が飛躍的に高まる可能性がある。 警察庁は新年度から2種免許の外国語受験を認め、20言語に翻訳した例題を近く都道府県警へ配布するという。 背景には人手不足に悩む業界の強い要望がある。 法人タクシーの運転手数は2023年3月、23万2000人でコロナ前の平成31年3月に比べ20%減った。 厚生労働省によると、運転手の平均年齢は令和4年で58歳。 バスの53歳やトラックの49歳と比べ高齢化も著しいという。 ■採用は企業側の判断 タクシー業界は国によっても様々だ。 アジアの一部では 「白タク」 まがいの運転手が横行している国もあれば、フランスなどでは我が国の2種免許のような試験がある。 英ロンドンでは地名や施設名の暗記など厳しい試験を通った人しか合格せず、その分社会的地位も高いという。 将来的には国内で外国語しかできない運転手がハンドルを握る可能性もあるが、警察庁の担当者は 「採用するかはタクシー会社側の判断だろう」 「日本語が全く出来ないのなら、普通は雇わないのではないか」。 一方で国土交通省は、人手不足の業種で働く在留資格 「特定技能」 の対象にタクシー運転手などを加える方向で関係省庁と協議を始めている。 特定技能の2号になれば、家族の帯同や永住も可能になる。 「移民」と日本人 今年起きること 自動運転「レベル4」 外国人労働者に代われるか 2024/1/5 11:05 https://www.sankei.com/article/20240105-JK5CFHCOPVIJJMMR3676XKTW64/ ★運転手は「移民」か「無人」か 少子高齢化の進行で急速に減少している我が国の生産年齢人口(15〜64歳)。 令和22(2040)年には5000万人台に落ち込む見込みだ。 その解決策は 「外国人労働者」 以外にないのか。 ■ホンダが目指す完全無人化 栃木県芳賀町にある本田技研工業の研究施設から白い車が公道に出た。 運転席に人は乗っているが、ハンドルは握っていない。 信号が赤に変わると、ゆっくり停止、青で走り出し、車間距離を保ちながらカーブもスムーズに曲がった。 お手本のような安全運転を、すれ違う車の運転手たちが興味深く目で追っていた。 車はホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)が共同開発した自動運転の試験車両。 赤外線レーザー5個、カメラ16個、ミリ波レーダー21個を搭載し、一部のセンサーが故障しても運転は安全に継続されるという。 ホンダが目指すのは、現在の自動運転技術で最高の 「レベル4」 の実用化だ。 国内では2023年4月、改正道交法の施行で解禁されたばかりだが、中国や米国では既に完全無人タクシーが公道を走っている。 ■2年後にお台場で 我が国はまだ実証実験の段階で、事故責任など法的な側面でも越えるべきハードルがあるが、ホンダは2023年10月、国内の先陣を切って無人タクシーサービスを始めると発表した。 計画は2年後の令和8年1月、東京・お台場が舞台となる。 国内タクシー会社とも協業して配車から決済までスマートフォンで完結できる仕組みを目指すという。 「自動運転タクシーによる移動サービスは、これまでにない新たな選択肢となる」。 ホンダの三部敏宏社長(62)は記者会見でそう宣言した。 「移民」と日本人 今年起きること 「移民推進」リベラルは何をしている 治安、経済…真の弱者は誰か 2024/1/5 11:10 https://www.sankei.com/article/20240105-W3C7YZKGVZMDJNBRG2KUEG23XY/ ★運転手は「移民」か「無人」か 外国人留学生に労働力を頼るコンビニ業界も、人手不足の解消策としてセルフレジ導入などの技術革新が進んでいる。 ローソンでは店員が遠隔からモニター越しに接客する 「リモート接客」 の実証実験も始めた。 ■働く人がいなければ賃金は上がるはず 同社の竹増貞信社長(54)は 「技術の向上やデジタル化で効率化は図れるが、やはり人が働く部分とのバランスは必要だ」 「現状では外国人に頼らざるを得ない」。 労働力不足に端を発した 「移民推進論」は、 このまま我が国を覆い続けるのか。 文化や宗教、言葉の違いから、取り戻せないほどの治安悪化に苦しみ、ようやく移民政策の失敗を認めた欧米から学ぶことはないのか。 青山学院大学大学院の福井義高教授は、経済的視点から 「安易な移民推進は自国民の所得を下げるだけで、企業努力を妨げる」 と指摘する。 先進国で外国人労働者が従事するのは、自国民がやらないのではなく、現状の賃金ではやりたくない仕事だという。 仮に外国人という選択がなければ、自国民がやりたくなるまで賃金水準は上がり、企業はより一層の技術開発などで乗り切ろうとする、という考え方だ。 ■高度成長期とは何だったか 安価な外国人が人件費を下げれば、結果的に自国民の賃金も抑えられる。 賃金を上げずに人が集まれば企業は努力しなくなる。 これは、経営者や株主だけが利益を追求する考え方だ。 外国人に頼らず、多くの日本人労働者が生き生きと働いて国力を上げた高度経済成長期は、その正反対の時代だったのではないか。 「本来、弱者の味方であるはずのリベラル層が多様性の名の下に移民政策に積極的であるのも矛盾している」 「仮に我が国が大量の移民時代を迎えたとしたら、治安や経済も含め本当の弱者は結局誰になるのか、国民1人1人が考える時が来ている」。 福井教授はそう指摘した。=おわり 「移民」と日本人 今年起きること 国保から墓場まで 在日イスラム教、土葬の現場に立ち会う 2024/1/4 11:00 https://www.sankei.com/article/20240104-KUH2EZHOAZMS5ORR2F24W3GG4M/ ★国保から墓場まで ■絶対に移民と言ってはいけない国 「異国の地で召された彼にアラーのご加護を」。 昨年暮れの夕刻、荒涼とした関東平野に広がる埼玉県本庄市の霊園にスリランカ人男性ら約90人が集まった。 神奈川県藤沢市に住んでいた同胞の70代の男性が死亡、遺体を土葬するために運んできたのだ。 ■遺体は布に包まれ、土がかけられた イスラム教徒は、預言者ムハンマドが土葬されたことや、聖典コーランにそのような教えがあることから、死後は土葬を望む。 ただ、火葬率が99.9%を超える国内に土葬可能な墓地は極めて少なく、この霊園が首都圏では唯一だ。 「われわれは土葬された後に来世が始まると信じている。父も満足していると思う」。 男性の長男(46)は目を潤ませた。 父親は故国では腕のよい仕立職人だった。 高齢になり、親族の暮らす日本に身を寄せていたところ、心臓の病気で急死したという。 墓地に重機が入ってきた。 運転手もイスラム教徒のボランティアで、深さ1.5メートルほどの長方形の穴が掘られた。 遺体は棺には入れず白い布に包まれた状態でゆっくりと降ろされ、土がかけられる。 司祭と参列者の唱和の後、土まんじゅうの頭の辺りに、灰色のコンクリートブロックの墓石が立てられた。 ■全国で1000体が埋葬 「日本人の墓は、核家族化などで墓じまいが進み、ピーク時の4割に減った」 「入れ替わるようにイスラム教徒が増えた」 「日本人は墓参りにもあまり来ないが、彼らは熱心で、季節に関係なく夜中でも訪れる」 と霊園管理会社の男性社長(76)は言う。 霊園がイスラム教徒を受け入れ始めたのは令和元年。 東京都内のモスクから頼まれ、西アフリカのガーナ人を埋葬したのが最初だった。 以来、口コミで広がり現在はパキスタン、バングラデシュなど15カ国、100体余りが眠っているという。 イスラム教徒が土葬できる墓地は全国でも10カ所程度しかなく、現在の埋葬者は約1000人とみられる。 これまでは航空機で祖国に運んで土葬されることも多かった。 ■イスラム系外国人も高齢化 イスラム系の外国人は以前から国内に在留していたはずだが、今改めて 「墓地不足」 が注目されるのは、外国人労働者の増加に加え、彼らの中に経済的に航空機を利用できない層が拡大していることもある。 更に以前は年を重ねる前に帰国するケースが多かったが、最近では日本で生涯を終える人もいる。 在留外国人の 「高齢化」 である。 早稲田大学の店田広文名誉教授(社会学)の推計によると、令和2年末時点で国内にいるイスラム系外国人は約18万人。 「お祈りもせず、酒も飲んで世俗化していても彼らは最期は土葬を望む」 「外国人労働者の増大で今後更に増える可能性は高く、近いうちに墓地も足りなくなるだろう」 「移民」と日本人 今年起きること 「安価」な移民 人生を丸ごと引き受ける覚悟はあるか 2024/1/4 11:05 https://www.sankei.com/article/20240104-J5QGWXOU65PBJAUU4JXQAC34JI/ ★国保から墓場まで 外国人労働者を定住させることは、文化も風習も異なる彼らを丸ごと受け入れることに他ならない。 ■スウェーデンは5人に1人 それは医療や教育、福祉、老後、更には墓場まで、その人の人生に我が国が責任を持つことでもある。 産業界は外国人労働者の受け入れに 「安価な労働力」 を期待するが、トータルコストを考えれば本当に 「安価」 と言えるのか。 2015年からシリアなどの難民や移民の受け入れを急拡大したドイツでは2019年、生活保護受給者の40%を外国人が占め、彼らの住居、教育、医療などの費用として毎月40億ユーロ(当時約4800億円)の公金支出があると公表した。 かつて 「ゆりかごから墓場まで」 の福祉国家と呼ばれたスウェーデンは人口1000万人の5人に1人の200万人が外国出身者とその子供となり、2022年に社会福祉を受けた16万世帯の57%が外国人世帯だった。 ■荒川区は国保滞納30% 我が国でも、その兆候はある。 外国人が人口の1割の約2万1000人を占める東京都荒川区で2023年、国民健康保険の滞納状況を調べた結果、日本人世帯主の滞納率が14%に対し、外国人世帯主は30%と2倍以上の開きがあった。 国保は住民登録すれば外国人も加入義務があるが、保険料を支払わなくても病院では自己負担3割で最長2年間医療を受けられる。 滞納分は日本人が大半を占める国保加入者が負担している。 荒川区議(51)は 「国民皆保険でない国も多く、そもそも健康保険という概念が理解されていない」 「『病気でないのに、なぜ払うのか』という意識がある」。 区はネパールやミャンマーなど7カ国語のチラシ配布などで周知に努めるが、2024年からは家族も帯同しやすくなる在留制度も本格化する。 区議は 「子供や高齢者らが増える可能性もある」 「外国人と日本人で同一制度を維持しようという考え方は早急に見直すべきだ」。 「移民」と日本人 今年起きること 「異教徒と近い」 墓地でも宗教めぐる争い 2024/1/4 11:10 https://www.sankei.com/article/20240104-U4UZUNIFXVIJ3II7JFKK3WJNOY/ ★国保から墓場まで イスラム系の土葬墓地を巡っては地域住民との軋轢も生じている。 ■遺体に遺体を重ねる 大分県日出町では、九州で初となる計画に水質汚濁や風評被害を理由に反対運動が起きた。 計画地は名水で知られる湧き水の水源近くにあり、墓地の水が飲用水に流れ込む懸念があった。 町は世界保健機関(WHO)の報告書などを基に影響はないと説明したものの、計画地を近くの町有地に変更。 2023年5月にイスラム教徒側と住民の間で合意が成立したが、今度は隣接市の一部住民が地下水の汚染を理由に反対した。 町は 「手続き上は進めざるを得ない」 として2024年中にも全79区画が完成する見込みだが、全ての区画が埋まれば、遺体の上に重ねて土葬する可能性もあるという。 近くに住む町議(74)は 「日本人は土葬とは縁遠くなり、正しい埋葬の仕方もよく分からない」 「将来的には何百体になるか分からず、町の行方が不安だ」 と話す。 ■気の毒で引き受けたが… 埼玉県本庄市の墓地でイスラム教のスリランカ人男性の土葬が営まれた日、同じ敷地内で60代のペルー人男性の埋葬も行われた。 宗教はキリスト教だが故人の遺志で土葬を選んだ。 ただこれにイスラム教の遺族側からクレームが付き、ペルー人の墓は数十メートル離れた場所に急遽変更された。 「異教徒と近い」 と言い、敵対心を持った。 「他の墓地から排除されたイスラム教の人たちが気の毒で引き受けてきたが、今度は自分たちが排他的になっている」 「この墓地で宗教的な争いを起こしてほしくない」。 管理会社の社長は、そう懸念した。 「移民」と日本人 今年起きること 絶対に移民と言ってはいけない国 逃亡した技能実習生 2024/1/3 11:00 https://www.sankei.com/article/20240103-ZL4M2P7HQFJVBL3U43YAK7J7MM/ ★絶対に移民と言ってはいけない国 「逃亡先」 の群馬県内のアパートで、ベトナム人女性(40)は同胞向けの求人サイトを開いて恐ろしくなった。 仕事内容は判然としなかったが、感覚的には半分が犯罪ではないかと思った。 金銭の運搬などもあり、ブローカーのような人物の書き込みもあった。 ■留学生は学生か、労働者か バカとも言われた 女性は平成30年、外国人技能実習生として来日した。 この制度では外国人が最長5年間、日本で働きながら技能を学べるが、厳しい職場環境などが原因で実習生の失踪などが相次ぎ、政府の有識者会議は20231月、現行制度を廃止し、新制度を設ける最終報告書をまとめた。 ベトナムの貧しい農村出身の女性は千葉県内のクリーニング会社に採用された。 工場で大量の衣服を洗ったり、乾燥させたりする単純労働だ。 同胞もおり、月収も手取り20万円弱で悪くはなかったが、ほどなく後輩が姿を消し、自身も来日から1年弱で逃げ出した。 女性は 「日本人工場長から『何故こんなことも分からない』と毎日怒鳴られた」 「『バカ』とも言われた」 「凄く厳しく、凄くうるさかった」。 ■過半数占めるベトナム人 有識者会議では、こうした職場環境について 「人権侵害の疑い」 とも指摘したが、技能実習生そのものは年々増えている。 出入国在留管理庁によると令和5年は35万8000人で中規模都市の人口に匹敵する。 過去10年で2.3倍となった。 このうちベトナム人は18万5000人に上り1カ国で全体の過半数を占める。 必然的に失踪者も増え、令和4年の1年間で約6000人、失踪者全体の3分の2となった。 元警察官でNPO法人 「アジアの若者を守る会」 の沼田恵嗣代表(61)は 「人権侵害や暴力行為はあってはならない」 としつつも、一般的な指導や叱責を勘違いする外国人も少なくないという。 失踪者らと日常的に接している沼田代表にすれば 「中でもベトナム人は打たれ弱いと感じる」 「日本で働くモチベーションに疑問を抱くことも多いが、仕方のない面もある」。 ■裏金で「優秀」と推薦 ベトナムでは実習希望者の多くが渡航費などの通常経費に加えて別途100万円程度の 「裏金」 を現地の送り出し組織に託している。 裏金があれば、その人物を 「優秀」 として日本側に推薦してくれるという。 「日本語をよく勉強して成績上位でも、裏金がなければ選ばれない」 「用意できれば、素行が悪くても来日できる」 「人材が適正に選定されていないのです」。 ベトナム政府は、不正な組織の許可取り消しを進めているが、道半ばという。 女性は失踪後、同胞のネットワークを通じて群馬県内のパチンコ台工場などで働いたが、精神的に限界を感じて自ら入管当局へ出頭、2022年12月に母国へ戻った。 現在は身元引受人を頼って再び日本で生活している。 「移民」と日本人 今年起きること 移民と外国人労働者はどう違う 「軍隊」は「自衛隊」に言い換え 2024/1/3 11:05 https://www.sankei.com/article/20240103-PZS32WQT3ROJ3LOBU6NIXLXF7Q/ ★絶対に移民と言ってはいけない国 厚生労働省によると、令和4年の外国人労働者数は182万人で10年連続過去最多を更新中、10年前に比べ2.7倍に急増した。 ■ついに現状を追認 欧米が移民を拡大した1990年代から、我が国は 「移民を受け入れない」 ことを“国是”として堅持してきたが、 「移民」 と言わないだけで 「外国人労働者」 は積極的に受け入れてきた。 「軍隊」 を 「自衛隊」 と言い換え、その本質に踏み込まない議論とよく似ている。 約30年前に始まった技能実習制度は2024年以降、どう変わるのか。 最も大きいのは 「人材育成による国際貢献」 から 「人材確保と人材育成」 に目的を変更することだ。 「実習生」 「見習い」 とみなしていた外国人を、実際には 「労働力」 としてきた現状を事実上追認するのである。 また、5年前に新設された在留資格 「特定技能」 と技能実習で職種を統一して新たな選択肢を示すことにもなった。 技能実習生も 「実習」 が終われば、特定技能に移行しやすくなる。 更に、特定技能のうち熟練技能を要する2号の対象をビル清掃や農業、漁業、外食業などにも拡大、2号は家族の帯同も認められるため、語学などの一定の条件を満たせば一家で永住も可能となる。 ■まだ議論の余地がある もはや、それは 「移民」 とどう違うのか。 「移民」 とは、広辞苑によれば 《労働に従事する目的で海外に移住すること》 である。 間近に迫った有史以来の大きな政策転換について入管行政関係者は 「投網をかけるように無制限に労働者を入れれば、玉石混交になる」 「対して一定の人材を選抜して一人前に育て上げるのは養殖のようなものだ」 「それを『移民』と呼ぶかどうかは議論の余地がある」。 「移民」と日本人 今年起きること 会社を変えられる技能実習生 都会に近づくベトナム人の反社組織 2024/1/3 11:10 https://www.sankei.com/article/20240103-GYQV3BLK2RLUXOKSJGUBKNQMIM/ ★絶対に移民と言ってはいけない国 我が国では 「移民」 と 「外国人労働者」 の垣根が曖昧だ。 技能実習に替わる新たな制度では、一定の条件を満たせば、同じ分野で職場を変える 「転籍」 も容易になる。 これまでは最長5年間同じ職場に縛られていたため、労働者としての人権に配慮した格好だ。 ■部隊を意味する「ボドイ」 ただ、農業や水産業などで多数の実習生を受け入れてきた地方からは不安の声も上がる。 最低賃金が高く、生活面でも魅力的な都市部へ人材が流出しかねず、労働者確保が難しくなるためだ。 現行制度でも給与面の不満で地方から失踪する実習生も多く、都会の孤独に耐えきれず、同胞同士で反社会的なコミュニティーを形成することも珍しくないという。 ベトナム人らがよく見ている求人サイトも同胞の失踪者らが作ったネットワークだ。 彼らを巡っては、現地語で部隊を意味する 「ボドイ」 と呼ばれる組織の暗躍も指摘されている。 ■ベトナム人犯罪が最多 警察当局によると、その大半は元技能実習生でSNS(交流サイト)上には仕事や住居の斡旋に加え、預金通帳や偽造身分証の売買などの記録が公然と記されていた。 ベトナム人実習生らを支援しているNPO法人の沼田恵嗣代表は 「彼らだけがそうだとは言えないが、人が増えれば必然的に犯罪も増える」 「失踪者に加えて転籍者も都会を目指すようになれば犯罪の構図や地域性も変わってくる」。 警察庁によると、ベトナム人の犯罪は令和4年に摘発された来日外国人の中でも最多で、全体の3分の1以上の3432人。 10年前と比べ中国人が半減する一方、ベトナム人は5倍以上の増加だ。 犯罪別では中国人は 「詐欺」 が最多だが、 「侵入窃盗」 と 「万引」 はベトナム人が最も多かった。 「外国人に選ばれる国」という美名の下に… 政策シンクタンク代表・原英史 2023/12/10 8:00 https://www.sankei.com/article/20231210-K3VBLS7WBBPVZFO3Y4EMXZC6VA/ 外国人が働きながら技能を学ぶ技能実習制度の抜本見直しに向けて、政府の有識者会議の最終報告書がまとまった。 国内外から指摘されてきた劣悪な労働環境などの問題を解消し、日本が 「外国人に選ばれる国」 になって、人手不足への対応を目指そうという。 具体的には ▽技能実習制度は廃止して新たに「育成就労」制度を設ける ▽人権侵害を防ぐべく、働く企業を変える「転籍」を認める などの内容だ。 だが、欠落しているのは、 「外国人に選ばれる国」 になる前に 「日本国が外国人を選ぶ」 ことの重要性だ。 日本文化を愛し、地域に溶け込み、経済成長に大いに貢献する 「日本にいてほしい外国人」 もいれば、経済社会に貢献せず、犯罪を起こし、社会保障制度を悪用するなど 「いてほしくない外国人」 もいる。 後者が日本を選んでくれても害悪でしかない。 技能実習制度を巡る諸問題の根源は、この視点を欠いていたことだ。 「国際貢献」 という建前のもと、一部産業界の求める 「安価な労働力」 としての外国人受け入れに悪用されてきた。 欲しいのは 「安価な労働力」 だから、技能のない外国人を 「選ぶ」 ことなく受け入れ、余程の事がない限り在留し続けられる仕組みだった。 だから、劣悪な労働環境など人権侵害が生じ、一方、外国人犯罪なども起きがちになった。 本来必要な見直しは 「外国人を選ぶ」 制度への転換だ。 ところが、政府の有識者会議の最終報告書は小手先の見直しばかりで、問題の根源に手を付けていない。 新制度の目的は 「国際貢献」 から 「人材育成と人材確保」 に変えると言うが、 看板の掛け替えどころか、正面玄関から 「安価な労働力」 を受け入れることにも繋がりかねない。 一部産業界の要望に応え続けている限り、人権侵害の問題も解消しない。 結局、 「いてほしい外国人」 ほど日本を避け、選択肢の乏しい 「いてほしくない外国人」 ばかりが日本を選ぶ。 更に外国人受け入れの規模が拡大すれば、欧米諸国以上に深刻な移民問題に直面しかねなない。 これが 「外国人に選ばれる国」 という標語の行き着く先だ。 深刻な状況を前に主要新聞各紙の社説はおよそ的外れだ。 「(外国人に)選んでもらえる社会を作っていきたい」(朝日新聞) 「日本を『選ばれる国』に変えていくことが大切だ」(読売新聞) 「外国人にそっぽを向かれることになりかねない。政府は正念場」(日本経済新聞) などと声を揃える。 せいぜい産経新聞が 「社会に様々な問題を生みかねない移民に対し、この改革が安易に道を開くことがあってはならない」 と一言指摘しているだけだ。 これでは、外国人政策はおかしな方向に向かうばかりである。 正論2024年2月号 政策シンクタンク代表 原英史 ■人権左翼と一部産業界の結託? 政治とカネの騒動の陰で重要な政策転換も進んでいる。 その1つが技能実習制度の見直しだ。 技能実習を巡っては、劣悪な労働環境などの人権侵害、それに伴う失踪などが長らく国内外で指摘されてきた。 法務省の研究会でなされていた検討が2023年11月末にまとまり、2024年通常国会での法改正に向けて準備を進めることになった。 内容は、技能実習制度は廃止し、新たに 「育成就労」 制度を設けるという。 結論から言えば、看板の掛け替えどころか、むしろ更におかしな方向に向かっている。 そもそも技能実習制度の根本問題は、 「国際貢献」(途上国への支援) という建前の下、 「安価な労働力」 として外国人受け入れの道を開いてきたことだった。 もちろん制度を有効利用する好事例もあり、全てを否定するわけではない。 だが、生産性の低い一部産業界が、賃金引き上げや設備投資の代わりに 「安価な労働力」 を要望し、政府が応えて対象業種を追加してきた面があった。 そんな事業者が利用しているから外国人への人権侵害が起きがちになった。 「安価な労働力」 を求める事業者は外国人を選ばず受け入れるので、犯罪なども起きがちになった。 生産性を高めない事業者を温存し、経済成長の阻害要因にもなった。 今回の報告書は根本問題に全く踏み込んでいない。 それどころか、 「就労育成」 制度は 「人材育成と人材確保」 が目的だという。 つまり、これまでのように 「国際貢献」 と建前を述べるのはやめて、堂々と 「人材育成」 と称する。 つまり、これまで通り、 「安価な労働力を」、 しかも正面玄関から受け入れようということだ。 その上で、人権侵害を防ぐため、別の企業などに移る 「転籍」 を認めるなどと言うが、小手先の見直しでしかない。 今、本当に求められるのは、 「日本国としてこれから、どんな外国人を(高度人材、安価な労働力など)、どのような方式で(短期か長期かなど)、どの程度の規模で受け入れるのか」 という国民的議論だ。 外国人の中には、日本の経済社会の成長や活性化に大いに貢献する 「日本に居て欲しい外国人」 もいれば、経済社会に貢献せず、罪を犯し、社会保険を悪用するなど 「日本に居て欲しくない外国人」 もいる。 これをどう選び、どう受け入れていくかが肝心なのだ。 政府はいつもこうした本来の議論から逃げ、技能実習の見直しなどの各論に突如入り込む。 基本戦略を定めていないので、結局、一部産業界などに引きずられ、なし崩しの移民受け入れに向かってしまうのだ。 これに対し、主要新聞各紙は的外れだ。 いずれも 「安価な労働力」 路線の継続を批判しようとはしない。 朝日新聞も毎日新聞も日経新聞も揃って 「これで外国人に選ばれる国になれるか」 と憂え、 「転籍」 をもっと拡大せよなどと論じている。 メディアがこんな状況では、外国人政策はおかしな方向に向かうばかりだ。 安価な労働力路線を続け、多くの 「日本に居て欲しくない外国人」 から 「選ばれる国」 になったところで、社会にとって害悪でしかないのは明らかだろう。 こんな状況から想起されるのは、欧米諸国でも生じてきた、人権左翼と一部産業界の暗黙の結託だ。 難民申請者などの幅広い受け入れに対し、人権を重視する勢力と、安価な労働力を求める一部産業界は、一見すると水と油のようだが、実は利益が一致している。 暗黙の結託を背景に、過剰な難民受け入れなどがなされてきた面が否めない。 今後、日本でも同様の事態が起きかねない。 事態は深刻だ。 弱者を作る朝日新聞 移民を歓迎する産経新聞 正論2023年7月号 政策シンクタンク代表 原英史 物事を見る時は、個々の事象の表層だけでなく、全体像や背後の構造まで見極めることが肝要だ。 例えば重大事故が生じた時、まず悲惨な被害状況などに向き合うことは欠かせないが、それだけでは不十分だ。 更に踏み込み、事故が何故生じたのか、製品の欠陥がなかったか、法規制や監督体制に問題はなかったかといった検証を行ってこそ、再発防止に繋がる。 報道機関にはそうした姿勢が求められる。 ■入管法改正を巡る報道 しかるに2023年国会で焦点になっている入管難民法改正について、残念ながら新聞各紙の報道は実に底が浅い。 目立つのは、 「難民申請3回以降は送還可能」 について、在留外国人らの反対意見を紹介して批判的に報じるものだ。 毎日新聞(電子版)は 「ウィシュマさん妹『外国人の人権無視』入管法改正案の衆院委可決で」 (2023年4月29日) で、今回の改正は 「不法滞在中の外国人の強制送還を進める狙いがあるが、日本で暮らす外国人の『排除』に繋がりかねないとの懸念も示されている」 とし、2021年に死亡したウィシュマさんの遺族の 「外国人の人権を無視し、尊重していない」 との意見を紹介している。 東京新聞は 「『国を分断する法案を許すな』『国家によるいじめだ』 入管法改正案への抗議デモ、国会前に4千人超」 (2023年5月13日) で、仮放免中の外国籍の夫と暮らす女性のデモ参加者の声として 「夫は4回目の難民申請中」 「結婚したら収容はあり得ないと思っていたが、理由なく収容されて現実を受け止められず、弟に泣きながら電話したこともある」 「入管は厳正な判断をしているとは思えない」 「国を分断する法案を許してはいけない」 と報じる。 朝日新聞は社説 「入管法改正案 課題に背を向けた国会」(2023年4月28日) でこう主張している。 「非正規滞在の外国人に対する入管当局の適正な処遇をどう確保するか」 「議論は大きな世論のうねりを生んだ」 「国会が拙速に封じるのは許されない」 (中略) 「入管施設での長期収容を防ぐ対策が問われたにもかかわらず、政府提出の法案は、収容をめぐる手続きに裁判所など第三者のチェックを入れることを避け、入管当局の強い裁量下にとどめる」 「難民申請中でも強制送還できる例外も設けた」 「保護を求めてきた人を迫害のおそれのある国に帰すリスクは高まる」 気になる点は色々ある。 「外国人の人権」 はもちろん尊重しなければならないが、外国人であっても日本にいる時は日本の法令を守らないといけない。 法令に違反したら収容や送還の対象になり得るのは当たり前だ。 東京新聞記事で紹介される女性は 「理由なく収容された」 と言うが、在留資格が切れているのに滞在していたので収容されたはずだ。 収容で引き裂かれて辛いだろうが、決して 「理由なく」 ではない。 だが、そうしたこと以上に根本的な問題は、不法滞在外国人に関わる不幸な事象の表層しか見ていないことだ。 ■「弱者の味方」が弱者を作る なぜ不幸な事象が生じてきたのか。 問題の根源は、不明瞭でどっちつかずで曖昧な入管行政だ。 確かに、難民認定はなかなか受け入れられない。 だが、申請を繰り返して長年日本に居続けることができる。 2010年以降は申請中の就労も法的に認められた。 在留資格が切れれば、収容されることもあるが、収容されないこともあり、何年も経ってから突然収容されることもある。 基準は不明確で運次第のようなものだ。 更に、在留特別許可という制度があり、日本人との結婚や、日本社会に定着しているなどの理由で特別に在留が認められることもある。 特に2000年代半ばには随分と許可がなされた。 こうした曖昧な入管行政が、 「日本にいれば何とかなる」 との期待をもたらしてきた。 難民認定申請者は、2000年頃は200〜300人程度だったが、2010年代後半には年間1万人以上に激増した(2018年に就労が制限されて2000〜4000人程度に減少した)。 政治的迫害など難民要件にはおよそ当てはまらず、経済目的で在留を望む外国人も相当程度含まれていたはずだ。 だが、期待と言っても、不確かな期待に過ぎない。 結果として、首尾よく在留できた人もいれば、収容や家族分断などの不幸な事態に陥る外国人も数多く生じたわけだ。 こうしてみれば、解決策は明らかだ。 認定基準を明確にすることだ。 保護すべき外国人は、何度も申請しなくても、迅速に難民や準難民として受け入れる。 認められない場合は、早期に退去してもらう。 曖昧な行政による不確かな期待を断ち切ることこそ肝要だ。 ところが、これに対し朝日新聞などは、 「申請を何度も繰り返す外国人が在留し続けられるようにせよ」 と唱える。 あやふやな期待を持たせ続けろというのだ。 「弱者の味方」 のつもりなのかもしれないが、実際には不幸な事態を更に引き起こすことになってしまう。 報じている記者らの気持ちは分からないでもない。 在留外国人などを取材するうちについ 「期待を持たせてあげたい」 と思うのだろう。 だが、不確かな期待を持たせてあげることで問題が解決するわけではない。 これも善意でやっていたことだろうが、不確かな助言で曖昧な入管行政が増幅した一部の支援者たちも、結果的には不幸を作り上げた一端だ。 朝日新聞などは自らの報道・主張が結局、新たな弱者を作りかねないことを自覚すべきだ。 ■難民受け入れを進めた安倍内閣 外国人政策は全般に、建前と実態の乖離が深刻だ。 技能実習を巡る建前(国際貢献)の乖離はよく指摘されるが、もっと根本的な乖離もある。 まず 「移民は受け入れない」 という建前がある。 これについては、安倍晋三内閣の初期、経済財政諮問会議で 「年20万人の移民受け入れ」 が検討されたことがあった。 当時、諸方面から猛反発を受けて検討は中止され、その後は 「移民政策は採らない」 と言い続けることになった。 菅義偉内閣・岸田文雄内閣にも方針が引き継がれている。 だが、実態としてその間に何が起きたか。 「移民政策を採らない」 はずだった安倍内閣の間、外国人労働者総数は68万人(2012年末)から172万人(2020年末)と2.5倍に急拡大した。 その後コロナ禍で一旦鈍化したが、再び拡大しつつある。 「高度な外国人は受け入れるが、単純労働は受け入れない」 との建前もある。 だが、現実には100万人超の外国人労働者増のうち、半分は技能実習と留学生、即ち最も技能水準の低い労働者だ。 結局、実質的には 「単純労働を中心に毎年10万人以上の移民を受け入れてきた」 というのが現実なのだ。 何故こんなことになっているかというと、 「安価な労働力として外国人を利用したい」 という産業界の一部の要望に引きずられてきたためだ。 古くは1990年代から始まった日系移民の受け入れもそうだった。 その後は、技能実習や留学生アルバイトが広がった。 「移民は受け入れない」 「高度な外国人しか受け入れない」 との建前を守るため、名目上は 「日系だから」 「国際貢献(人材育成)のため」 といった理屈を付けてきたが、実態は 「安価な労働力としての外国人受け入れ」 そのものだった。 産業界の要望に引きずられるのは米国も欧州も同様だ。 メディアが 「日本と桁違いの認定率」 と称する難民受け入れも、実は 「安価な労働力を求める産業界」 と 「人権左派」 の意図せざる結託で過剰な受け入れがなされてきた面は否めない。 結果として過剰に 「安価な労働力としての外国人」 を受け入れ、移民に関わる深刻な社会問題をもたらした。 日本はこれまで受け入れ規模が小さかったが、今後、国内での人手不足の広がる中で 「安価な労働力受け入れ」 路線を拡大していけば、確実に欧米の轍を踏むのではないか。 ■各社とも全体像度外視 技能実習については本来、こうした外国人政策の全体像を踏まえた見直しが求められるはずだ。 ところがメディアの報道では、劣悪な労働環境、失踪トラブル、海外からの「人権侵害」との指摘、といったことばかりが注目されがちだ。 法務省の有識者会議で2023年5月に公表された中間報告では、技能実習の廃止(人材育成を制度目的とする現行制度は廃止し、人材確保と人材育成を目的とする新制度に)、転籍制限の緩和などを柱とする見直しの方向が示された。 これに対しても新聞各紙の報道は、 「外国人の人権を守れるか」 という視点での報道・主張ばかりだ。 朝日新聞は社説 「技能実習制度決別の意思を明確に」(2023年4月1日) で、 「立場の弱い外国人の労働搾取だと指摘されてきた制度と、本当に決別できるのだろうか」 と危惧を示す。 日経新聞の社説 「技能実習制度の看板掛け替えでは困る」(2023年4月12日) も、より抜本的な改革を求める内容だが、視点は 「日本が国際的な信用を取り戻すためには、技能実習制度の禍根を断ち、政策の転換を明確に示すことが欠かせない」 ということだ。 確かに 「外国人の人権」 は重要だが、課題はそれに止まらない。 「安価な労働力としての受け入れ」 を今後も維持・拡大するのか。 その場合に人材供給源はどう考えるのか(かつては中国、近年はベトナムだったが、経済水準が上がったので今後は難しい)。 諸外国で起きてきた移民問題にどう対処していくのか。 産経新聞くらいはまともな議論をしていないかと思って見てみたら、更にダメだった。 主張 「技能実習制度の廃止 人権を守る労働環境整えよ」(2023年4月25日) では、人権問題を解決する観点から以下のように主張している。 「中間報告のたたき台案は、制度の目的を人材育成としたまま実習生を労働者として受け入れるのは『望ましくない』として制度廃止を求めた」 「その上で、人材育成だけでなく人材確保も目的とする新制度創設を提言したのは理に適う」 「ただしこれは移民問題とは別である」 「社会を変質させる恐れのある移民受け入れへと安易に道を開かないようにすべきだ」 率直に言って、これを書いた人は中間報告の意味が分かっていないのだと思う。 精度目的を 「人材育成」 から 「人材確保と人材育成」 に切り替えるとはどういうことか。 これまで表向き 「安価な労働力としての受け入れ」 とは言わずにこそこそとやってきたが、これからは正面から堂々とそう言ってしまおうということだ。 「人材育成」 も目的に残すことで技能水準の低い人材を受け入れ続けられる。 産経新聞はこの方針を 「理に適う」 として歓迎しているわけだ。 一方で 「移民問題は別」 とも言っているが、私の理解では、 「安価な労働力としての受け入れ」 は 「移民の受け入れ」 に他ならない。 政府の言い分では、 「在留期間の制限などがあるので移民には当たらない」 らしいが、どこの国でも単純労働者に最初から永住資格を与えることはあまりない。 今回の中間報告は、外国人政策の根本の転換だ。 だが、産経新聞までこの体たらくでは、国民の多くが気付かないうちに大転換がなされることになりかねない。 ここまで、私は外国人受け入れに否定的な主張ばかりしているように見えたかもしれないが、実は外国人雇用協議会という推進側の民間団体の代表理事も務めている。 本稿で述べたことはあくまで私個人の見解だが、この協議会も私も、能力水準が高く日本の経済社会に貢献できる外国人はもっと受け入れるべきとの考えだ。 高度人材に占める外国人の割合は、日本は欧米諸国などに比べて圧倒的に低い。 ★高度人材に占める外国生まれの割合 OECDの資料を基に2010年11月経済産業省作成 ◆15歳以上の高度人材の人口に占める外国生まれの割合 ・英国 23% ・米国 16% ・フランス 13% ・ドイツ 13% ・日本 1% これでは、グローバルな国際競争で日本が取り残され、日本の競争力は下がる一方だ。 日本の相対的な給与水準は急速に低下している。 2022年経済産業省が公表した 「未来人材ビジョン」 では、タイと日本の企業を比較し 「タイの方が部長に昇進する年齢が平均的に10歳若く、しかも年収が高い」 という衝撃的なデータも示された。 それなら能力に自信のあるアジアの若者は日本よりタイに行った方が良いわけだ。 このまま推移すれば、日本にやって来る外国人の水準はどんどん低下する。 経済社会への貢献度合いは小さくなり、半面で犯罪やトラブルは増えかねない。 そうした中で、 「安価な労働力としての外国人受け入れ」 路線を本当に更に進めるのか。 それで日本の競争力は上がるのか。 日本社会はどうなるのか。 産経新聞は 「社会を変質させる恐れ」 を本当に危惧するなら、真面目に考え直してもらいたい。 ■「報道の能力」の欠如 毎年のことだが、 「国境なき記者団」 による 「報道の自由度ランキング」 が公表された。 朝日新聞ではこう報じられている。 朝日新聞 「報道の自由、日本は68位 主要7カ国で最下位」(2023年5月4日) 「国際NGO『国境なき記者団』(本部・パリ)は3日、2023年の『報道の自由度ランキング』を発表した」 「調査対象の180カ国・地域のうち日本は68位(昨年71位)で、昨年よりは順位を上げたものの、主要7カ国(G7)の中で依然、最下位だった」 「日本の状況について、『メディアの自由と多元主義の原則を支持している』としたものの、政治的圧力やジェンダー不平等などにより、『ジャーナリストは政府に説明責任を負わせるという役割を十分に発揮できていない』と批判した」 この記事は、重要な部分を報じていない。 本誌の読者ならば知っているだろうが、 「国境なき記者団」 のレポートでは例年、日本に関して 「記者クラブの問題」 「新聞・テレビのクロスオーナーシップ規制がないことにも起因する、メディアの極度の集中」 が指摘されている。 2023年も同様だ。 これらは 「政治的圧力」 などとは異なり、朝日新聞自らの問題だ。 少なくとも、このランキングを報じるならば、これらの点も報じないとおかしいだろう。 同時に、朝日新聞の報道の通り、 「政治的圧力」 などの指摘もある。 「2012年から右翼国家主義者(nationalist right)が政権について、ジャーナリストが敵視されている」 とか 「秘密保護法制で福島原発へのアクセスが制限された」 とか、私から見ると 「一体どこの国の話なのか?」 と思う内容だが、それこそ 「メディアの極度の集中」 の結果、朝日新聞など一部のメディアの特異な世界観や社会認識が世界にも広まっているのだろう。 私が思うに、日本のメディアに欠けているのは 「報道の自由」 ではなく 「報道の能力」 だ。 せっかく自由に報道できる環境があるのに、まともな報道ができていない。 今回取り上げた難民や技能講習に関しても、問題の本質に触れず、政府の方針に対する批判的検証もできていない。 決して政治的圧力で封じられているわけでなく、能力が欠けているからだ。 「政治的圧力」 云々と言うが、もし的確な取材に基づき自信を持って記事を出しているなら、圧力がかかっても、覚悟を持って抗したら良い。 実際には、能力不足で筋違いの記事を出しているためにしばしば抗議を受け、それに対し 「圧力だ」 と逆切れしているだけではないのか。 私自身、以前安倍政権で国家戦略特区ワーキンググループの座長代理を務めていた際、獣医学部の件をはじめ、いくつもの虚偽報道がなされ、その度に抗議していた。 朝日新聞本社に出向いて、そう間違っているのか詳細に説明したこともある。 担当の部長が何の反論もなく 「なるほど、なるほど」 と聞いているが、訂正記事が出ることはなかった。 毎日新聞にはデタラメな誹謗中傷記事まで掲載され、提訴して係争中だが、毎日新聞の言い分は 「そんなことは書いていない」 だった。 ひょっとすると朝日新聞や毎日新聞は、こうした抗議や提訴も 「政権の手先が圧力をかけてきた」 などと思い違いをしているのかもしれないが、まず自らの報道を省み、責任を持てる報道をしてほしい。 「ジェンダー不平等」 も同様だ。 取材対象に差別的な人物がいて、不当な扱いやセクハラを受けたなら、それを記事にして追い詰めれば良い。 能力不足でそれもできず、政治や社会のせいにしている様は、実に見苦しい。 「移民」と日本人 今年起きること トラック運転手に外国人が増えた理由 「外国免許切替」は母国語で合格 2024/1/1 11:00 https://www.sankei.com/article/20240101-BX5DIWIDPNPPVIKUMF6T4SEMIM/ ■トラック運転手に外国人が増えた理由 トラック運転手の残業規制が強化され、物流業界の労働力不足が懸念される 「2024年問題」 が2024年4月、いよいよ本格化する。 家族帯同の永住が可能になる外国人の在留資格 「特定技能2号」 も拡大され技能実習生は 「人材確保・育成」 が目的の新制度に移行する。 後に振り返れば、2024年は日本が外国人政策を根本的に転換した 「移民元年」 となる可能性がある。 今年何が起きるのか。 それも静かに−。 元日の本日2024年1月1日から5日連続で掲載します。 ■○×式、7割正解で合格 上越新幹線高架近くの田園地帯に広がる埼玉県運転免許センター(鴻巣市)。 数カ月前に来日した埼玉内に住む40代のベトナム人女性は2023年暮れ、祖国の運転免許を日本の免許に切り替える 「外国免許切替」 のテストに合格した。 実技は2度目だが、筆記は一発合格。 さぞ勉強したのかと思うと、 「問題がベトナム語だったから」。 しかも常識的な○×式の10問のうち7問正解で合格する。 女性は日常会話も含め日本語はほとんどできなかった。 出入国在留管理庁によると、我が国在留の外国人は300万人を超え過去最多を更新中。 「技能実習」 や 「特定技能」 などが伸び、就労目的の中長期滞在者が増えた。 ■東京では19カ国語 警察庁によると、運転免許保有者も10年前の1.5倍の約108万人に増加。 在留外国人の免許は日本人と同様、教習所へ通ったり国際免許を取ったりするなどの方法もあるが、近年は 「切り替え」 が主流だ。 2022(令和4)年は新たに全国で約5万人がこの制度を使って日本の公道でハンドルを握れるようになった。 背景には在留外国人の増加に伴い、テストの多言語化が急速に進んだことがある。 警視庁によると、東京都で現行の外国免許切替の制度が始まったのは1994(平成6)年。 当初は英語、中国語など7カ国語だったが、現在はタイ、トルコ、ミャンマーなど19カ国語に増えた。 埼玉でも9カ国語での受験が可能だ。 これは、トラックなどを運転するための大型、中型、準中型免許もほぼ同様だ。 祖国で類似の免許を取得していれば比較的簡単に日本での運送業務などが可能になる。 準中型以上の切り替えは2022(令和4)年で約1500人、過去20年間で約1万2000人に上る。 ■住民票の移し替えも タクシーやバスなど客を乗せる運転に必要な 「2種免許」 でも多言語化の流れは進んでおり、警察庁は今春から外国語での試験を可能にする。 近く各都道府県警に20言語に翻訳した問題例を配布するという。 先のベトナム人女性の交付手続きなどを代行していた日本人支援者の男性によると、地方では受験可能な言語がまだ少なく、埼玉に住民票を移して免許を切り替えるベトナム人もいるという。 男性は 「日本の車が右側か左側通行か分からない外国人もおり、最近は教習所で一時的に練習して実技に臨む人もいる」 「埼玉の教習所は今、ベトナム人が凄く多い」。 「移民」と日本人 今年起きること 信用度高い日本の免許がロンダリング 教習所は独特の制度 2024/1/1 11:05 https://www.sankei.com/article/20240101-H3MS7F6NKZIJBFX7YCFDCH7Y6I/ 高速道路を走る過積載のトラック。運転手は中東系だったという=2023年、埼玉県内(読者提供、画像の一部を処理しています) ■トラック運転手に外国人が増えた理由 少子高齢化の進行で、我が国の生産年齢人口(15〜64歳)は急速に減少しつつある。 総務省によると平成7(1995)年の8716万人をピークに2023年は7400万人、令和22(2040)年には5000万人台に落ち込む見込みだ。 ■諸外国は自己流 日本人だけで労働力を維持するのは難しく、物流業界の2024年問題では外国人労働者で穴埋めすべきとの議論がある。 個人が自家用車を使って有料で客を運ぶライドシェアも2024年4月から一部解禁される一方、中国国籍者による 「白タク問題」 も表面化している。 「そもそも教習所という制度は日本を参考にした韓国以外では重きが置かれていない」 「体系的に運転を教えるシステムは日本独特なのです」。 千葉市の教習所経営者(67)は指摘する。 欧米なども含め諸外国では、車の運転は知人に教わるなどして自己流で覚えたり、トレーニングコースで練習したりして 「一発試験」 に合格すれば取得できるという。 ■外国人に「親切な国」 「外国免許切替」 は各国間の相互主義に基づき海外でも同様にある制度だが、我が国のように十数カ国以上の翻訳を用意するほど外国人に 「親切な国」 はほとんどない。 その上、身分証としても使える日本の運転免許証の信用度は途上国などとは比較にならないほど重みがあるという。 アジアの一部では偽造も横行しており、 「免許は買うもの」 という悪習すらある。 2019(令和元)年には、偽造したネパールの運転免許で約500人分の外国免許切替をしていたとして千葉県のネパール人グループ16人が警視庁に摘発されている。 ■「止まれ」国際基準は八角形 経営者は 「まさに免許ロンダリングです」 「信用度が高い日本の免許に簡単に切り替えられる制度が悪用されている」 と言い、業界団体などを通じて警察当局に制度の見直しを訴えているという。 外国人の運転を巡っては標識の違いもある。 「止まれ」 は国際標準の八角形に対して日本は逆三角形。 筆記テストは親切なのに、路上に出れば日本語だけの表記も多い。 東京五輪を機に英語を加えた標識に交換を始めたが、 「止まれ」 だけでも全国に170万本あり、交換には10年以上かかるという。 「移民」と日本人 今年起きること おばあさんは外国人のダンプにひかれ死んだ 事故率は本当に高いのか 2024/1/1 11:10 https://www.sankei.com/article/20240101-ULEWUGVLSJL4LFOJ66WA7N745U/ 女性がダンプにひかれ死亡した現場。花が手向けられていた=2023年12月、横浜市戸塚区 ■トラック運転手に外国人が増えた理由 母国語でも受験可能な 「外国免許切替」 のテストに埼玉県のベトナム人女性が合格した日の3日前、横浜市戸塚区の市道交差点で、横断歩道を渡っていた自転車の女性(73)が左折のダンプカーにひかれて亡くなる事故があった。 ■着物姿が印象的 神奈川県警戸塚署は運転手の埼玉県川口市に住むトルコ国籍の男(57)を自動車運転処罰法違反の現行犯で逮捕。 男は現場近くの解体資材置き場に空のダンプで向かう途中だった。 日本語があまり話せず、取り調べは通訳を介したが、容疑を認めたため釈放されたという。 被害女性は日本舞踊の教室に通っており近所の人は 「着物姿が印象的だった」 「身近な場所で外国人がダンプを運転していたと聞いて驚いた」 「手荒な運転をしていたとは思いたくないが…」 と話した。 むろん外国人だけが、外国人だから、事故を起こすわけではない。 ただ、こんなデータもある。 公益財団法人交通事故総合分析センターの西田泰・元特別研究員(72)らが、運転者が最も過失の重い 「第1当事者」 となる事故リスクを示した 「相対事故率」 を調査した結果だ。 2014(平成26)年からの5年間にレンタカーを運転した日本人4520人と在日外国人341人を比べたところ、外国人の事故率は日本人の約4倍に上る高リスクだった。 ■交通安全の意識に差 西田氏は 「外国で運転した経験のある人なら分かると思うが、現地語が出来ないからといって必ずしも事故に繋がるわけではない」 とした上で、日本と外国の交通安全に対する 「意識の差」 を指摘する。 戦後、我が国の交通事故死者数は昭和40年代の16000人台をピークに減少、近年では2000人台で推移している。 むろん道路整備や技術革新などが進んだ側面はあるが、地道な交通安全運動や啓発活動が寄与したことも否めない。 更に日本では、どんなに交通量が少ない交差点でも、あからさまに信号無視をする車は少ないし、対向車同士が互いに譲り合う光景は決して珍しくない。 西田氏は 「コロナ禍のマスクがそうだったように、日本人は法律があってもなくても周囲の行動に合わせる」 「一方で海外ではクラクションは鳴らすのが当たり前、遅い車は追い抜いて構わないと考える国もある」 「自動車運転とは、その国の文化や習慣が非常に表れる行為だと思うのです」。 ■不法滞在者もそのまま運転 コロナ禍も終わり2024年は外国人運転手が更に増える可能性もある。 入管関係者によると、約8万人に上る不法滞在者や難民認定申請中の仮放免者でも、正規滞在中に取得した免許は免許停止とはならない。 そのまま運転免許を所持してトラックを運転し続けている事案は散見されるという。 ただ、その免許を使って働けば入管から不法就労と認定され、スピード違反すれば警察に摘発されることに変わりはない。 所有者不明、無保険など危険な車に乗っていても個別に取り締まるしかないのが実情だ。 入管関係者は 「交通警察と入管行政は制度的に紐付けられておらず、縦割り行政と言われても仕方がない」 「我々としては不法就労は警察とも連携して取り締まっている」。 都道府県公安委員会も、不法滞在の外国人が窓口に来た場合は警戒するよう努めているが、限界はあるという。 ライドシェア、どんだけ危険か 人手不足に賃下げ、おまけに外国企業参入・・・良い事なんて1つもない WiLL2024年1月号 京都大学大学院教授 藤井聡 ■天下の愚策 俄かには信じられないような政策が次々と実施されようとしており、驚きを通り越して憤りさえ覚えます。 岸田文雄首相は2023年10月30日の衆院予算委員会で、一般ドライバーが自家用車を使い有料で顧客を送迎する 「ライドシェア」 の導入について自治体の首長から意見を聞く考えを示し、 「(ドライバーの)担い手不足や移動の足の不足という深刻な社会課題に直面しているのが、全国の自治体だ」 「地方、都市部、観光地で関心やニーズは様々である」 と指摘しました。 規制改革を担当する河野太郎デジタル担当大臣は、既に複数の自治体から意見を聞いたことを明らかにした上で、2023年11月6日に開かれた規制改革推進会議のワーキンググループに自治体の長を招く考えを示し、 「日本にあった制度を早急に検討してもらいたい」 と述べました。 揃いも揃って政府はライドシェアの導入に乗り気です。 私は交通計画の研究室の出身で、中心的な研究の1つとして運輸・交通の研究を続け、 『交通シミュレーション・交通行動変容・社会的都市交通施策研究』 等についての様々な論文を出してきました。 そうした運輸・交通の専門家としてタクシーやライドシェアの問題には何十年も関わってきましたが、岸田総理はライドシェアがどういったものなのか、全く理解出来ていないと言わざるを得ません。 岸田総理は、ライドシェアという聞き慣れないカタカナの新鮮さに踊らされているだけです。 ライドシェアの本質とは、 「タクシー事業の規制を緩和する」 というだけの話なのです。 つまり、 「お金を貰って他者(乗客)を輸送する」 車(いわゆる、広義の「タクシー」)についてのルールを緩めて誰でもタクシーが出来るようにするという話です。 つまり、タクシー運転手として働くためには、2種免許の取得や一部地域では地理試験などが必要ですが、ライドシェアが導入されれば、そうした資格を緩めるというわけです。 一見すると、岸田総理が所信表明で宣言された 「担い手不足」(つまり、ドライバー不足) の解消が、ライドシェアの導入により可能になると感じてしまいます。 しかし、それはタクシーの特殊なマーケット状況を知らないズブの素人の考え。 岸田総理の 「ライドシェア導入宣言」 は、全く持って愚かしい 「不合理」 なものであることが明らかです。 ライドシェアを単なるウーバーイーツの配達員(登録すれば誰でもなれるフードデリバリーの配達員)の延長線上にあると思われるかもしれませんが、所詮、それで運んでいるのは食べ物。 でも、ライドシェアで運ぶのは乗客、つまり”人間の命”なのです。 そもそも、タクシー運転手への2種免許取得の義務やタクシー会社に課せられた様々な規制は 「乗客の安全」 を守るために導入されたものです。 ライドシェアの導入で、この 「安全性の確保」 というものが確立されていないことが第1の問題です。 乗客の安全を守るため、タクシー会社は運行管理を行います。 具体的には、過剰運転(例えば、何十時間も連続で運転する等)や、飲酒運転のチェック、ドライバーの健康管理などです。 ライドシェアが解禁されれば、ドライバーが過剰運転をしているのか、また飲酒していないか、などのチェックが事実上出来なくなります。 加えて、現在のタクシー運転手は会社の看板を背負って運行しているため、極めて透明性が高いと言えます。 もし、タクシー運転手が失礼な行為や危険な運転(スピード違反や信号無視等)、まして犯罪行為を行った場合、タクシー会社という乗客側がクレームを言える先が存在します。 だからタクシー運転手はそうした 「監視」 を常に意識し、それが犯罪行為等への巨大な抑止となっています。 ライドシェアの場合でも、利用したドライバーをアプリで評価するシステムがあれば、信頼できるドライバーは確保できると考えるかもしれませんが、それは無理。 初期時点ではそんな評価がなく、全く抑止にはなりません。 あるいはわざと最初は親切なドライバーを装い評価を高めた上で、乗客を裏切ること等(窃盗や暴力、レイプなどの犯罪行為)も可能。 つまり、タクシー業界に備わっているディテクション・アンド・サンクショニングシステム(監視と処罰)がライドシェアには全く無いのです。 これは極めて危ない。 個人タクシーでも同様です。 個人タクシー協会などが完備されており、秩序を守る上で極めて重要な役割を担っています。 ライドシェアの解禁によって、 「乗客の安心・安全」 と 「交通事故」 の2つの危険に我々が晒されることは明らかなのです。 ■”賃上げ”に逆行 岸田総理は2023年9月の再改造内閣の発足後の記者会見で、 「物価高に負けない構造的な賃上げと投資拡大の流れを強化する」 との考えを強調。 「物価高上昇プラス数%」 の継続的な賃上げを目指す姿勢も掲げています。 2023年10月に行われた、臨時国会の所信表明演説でも、今後3年程度を 「変革期間」 と位置付け、持続的な賃上げや設備投資の拡大を実現するための支援を集中すると述べています。 賃上げが岸田総理にとって1丁目1地番地の最重要課題だとしているにもかかわらず、ライドシェアの導入は、明らかにタクシー運転手の”賃下げ”に繋がるものであり、岸田総理の行いたい政策に逆行しているのです。 そもそもライドシェアが導入されれば、その導入時点ではタクシー台数が一時的に増えますが、それが1台当たりの売り上げを減らし、結果、タクシー運転手の賃下げは確実に生じます。 しかもタクシー会社は、安心・安全な運行管理(ドライバーの健康状態の把握や勤務時間の管理等)や車両の整備等を行うために、それなりのコストをかけて運営しています。 そのコストが運賃に加わるため、我々もそれ相応の金額を支払っているわけです。 つまり安心・安全料を支払ってタクシーに乗っているわけです。 しかし、ライドシェアはそんな安心・安全の仕組みがないため、必然的に運賃が安い。 だから、ライドシェアの導入はタクシー市場に強烈な価格引き下げ圧力をかけるのです。 結果、必然的にタクシー運転手の収入が減り、賃金が下落するのです。 つまり岸田総理のライドシェア導入宣言は意図的に賃下げ状況を作りましょうと宣言している等しいのです。 更に言うなら、岸田総理は所信表明で 「担い手不足(タクシー運転手不足)」 の解消を目指すため、ライドシェアを導入すると言っているわけですが、ライドシェアはタクシー運転手の賃金を下落させますから、若い人を中心にタクシーの担い手(運転手)になりたいと思う人を益々減らすことになります。 つまりライドシェアは、岸田総理がやろうとしている 「賃上げ」 や 「人手不足解消」 を改善するどころか、それらを正反対に悪化させるのです。 言わば彼が 「薬」 と思って国民に飲ませようとしているものが、実は単なる 「毒」 なわけで、その愚かしさには辟易する他ありません。 ライドシェア導入の問題点はまだあります。 仮に、ライドシェアを導入したとすれば、タクシー市場の担い手がタクシー会社からライドシェアに転換していくことになります。 つまり、ライドシェアが増えていくと同時に、タクシー会社が全国で潰れていくことになります。 マーケット環境が変わるのですからそうなるのは必然であり、その流れは避けられません。 結果、タクシーの空白地域は確実に全国に広がることになるのです。 そもそも全国のタクシー会社は、地域住民の足として、自分たちの地域で生き残り、頑張ってタクシーサービスを提供しようとしています。 どんな田舎に行ってもタクシーが存在するのは、それぞれの地域のタクシー会社が、その地域で公共交通機関としての役割を果たす意識、言わば 「使命感」 があるからです。 しかしライドシェアにはそんな使命感はありません。 ただ、金儲けの手段としてライドシェアをやっているだけですから、人口が少ない地域では儲からず、ライドシェアをやろうとする人が当然いなくなってしまいます。 その結果、タクシー空白地域がライドシェアで一気に拡大することになるわけです。 言わば地域におけるモビリティ(人や物を空間的に移動させる能力)を守るためにも、ライドシェアの導入回避は強く求められているのです。 その他にも、メディア等では、しばしば京都駅のタクシー乗り場に長蛇の列ができていると紹介され 「タクシー不足が深刻だ」 と報道され、これがライドシェア導入論の根拠とされていますが、こうした論調はフェイクの類です。 何故ならこういった現象はごく一部に限られるからです。 もちろん京都駅に長蛇の列があることは事実ですが、それは大量の外国人観光客が押し寄せているからというだけの話。 別にタクシー乗り場だけでなく、あらゆるサービスが激しく混雑し 「観光公害」 状況が生じているのです。 しかも、何より京都駅等の一部を除けばタクシーがいくらでも 「余っている」 状況で、京都の人たちはタクシー不足で悩んでなどいないのです。 だから、いつ突然来なくなるかもしれないような大量の外国人観光客のために、京都の人たちが望んでもいないライドシェアを入れましょうなどという話は、筋違いも甚だしいのです。 もちろん、最近、賃下げに伴って運転手のなり手が減少し、全国的に、タクシー営業台数が減ってきていることもまた事実です。 ですが、それは タクシー 「運賃」、 ひいては、 運転手の 「賃金」 を引き上げるチャンスでもあったのです。 というかそもそも、規制緩和でタクシー台数が増えてしまった過去数十年間、タクシー業界の最大の懸案は(サービスレベルを維持しながら) 「賃上げ」 を図るための 「減車」(タクシー台数を減らすこと) だったのであり、それが最近の人手不足で皮肉にも実現しつつあったのです。 従って、賃上げを目指す岸田総理は、この状況を継続させれば良かったのです。 にもかかわらず、ライドシェア導入論をぶち上げるなど、このタクシーにおける賃上げの 「好機」 をぶち壊す行為なのです。 いずれにしても、岸田総理はこうした 「タクシー」 の現場で何が起こってきたのかご存じないのでしょう。 全くもって愚かとしか言いようがありません。 ■外国企業に駆逐される 更に問題となっているのが、中国人観光客による 「白タク」 問題です。 中国から日本に来た観光客が、日本のタクシーを利用せず、日本にいる無許可の中国人ドライバーの運転する自家用車を利用しているのです。 (特別の自由を除けば)「白タク」 はもちろん違法です。 道路運送法は自家用車が有償で客を乗せる 「白タク」 を禁じており、運転手は 「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」 などが科せられます。 タクシー事業の営業認可と共に、運転手は2種免許の取得が義務付けられています。 利用を申し込む中国語の大手配車アプリには、日本国内の運転手数千人が登録され、顔写真や利用客の評価といった情報が掲載されています。 訪日客向けの白タクは、アプリなどで 「(運転手は)母国語が堪能で、日本国内での長年の運転経験もある」 「現地のタクシーを使うよりも安い」 などと宣伝しているといいます。 アプリ内での決済のため、日本国内では支払いが行われず、利用客のクレジットカード情報などを調べない限り証拠もない。 金銭のやり取りがなく、 「知人を無償で送っているだけ」 と説明されればそれまでで、捜査の難しさも問題となっています。 当然ですが、タクシーを利用するはずの客が白タクに流れれば、売り上げが減少します。 中国客は大抵自国で予約決済を済ませるので、日本にお金が流れない。 これは日本のマーケットが外資に取られている状況。 たとえ、中国人観光客(利用客)と中国人ドライバー(サービス提供者)の閉じられた関係であったとしても、日本に来た中国人のタクシー需要は、日本国内の需要であるにもかかわらず、それを中国人に取られているわけです。 つまり、マネーの流出を意味しますから、経済政策として極めてまずい。 こうした中国人による白タク問題に根本的な対処が出来ないまま、ライドシェアを徒に導入すれば、海外の巨大マーケットで凄まじいノウハウを蓄積したアメリカや中国の企業が日本に参入することとなり、日本1国で頑張る小さなライドシェアの会社なんて太刀打ちが出来ません。 つまり経験値やこれまで集めたデータから得られるノウハウ、資本力の点でも劣る日本のライドシェア企業は、外資企業に駆逐されるわけです。 そもそも資本家は常に外国のマーケットを狙っていますから、結局、ライドシェアを導入すれば、外国の大資本にマーケットを侵略されることは必至。 ライドシェアは外資の日本経済侵略の窓口になるのです。 タクシー需要というのは、国民にとって必要不可欠かつ安定的な需要ですから、通常どの国もタクシー産業を多かれ少なかれ保護しているのですが、岸田総理はそんな常識を全く持ち合わせていないようです。 ライドシェアに外国企業が参入すれば、徹底的なコストカットの下で、利益の出ない地方ではビジネス展開をしない、という傾向が益々加速するでしょう。 純然たる日本資本で、日本企業が日本人のために提供していたタクシーサービスが、多くの地域であらかた消えることになる。 それで得をするのは、外国企業だけであり、日本人が被るのは大きな不利益だけとなるのです。 ■志なき総理の”あだ名” ライドシェア1つ取っても、如何に岸田総理が国民のために考えていないかが、お分かりだと思います。 では、岸田総理の行動原理はどういったものなのかー。 岸田総理のこれまでの、そして、これからの言動や政策は、経済学などで多用される 「ゲーム理論」 で100%完璧に証明することが出来ます。 ゲーム理論とは、 「自分の事だけ考える」(利己的で自己中な) 人々が互いに関わった時、彼らがどう振る舞うかを数学的に考える理論体系です。 実を言うと、岸田総理の報道されている言動は全て、このゲーム理論で綺麗に説明出来てしまうのです。 普通の人は 「自分の事だけ」 考えているわけではなく、倫理観や公共心、他人への思いやりや渡世の筋や生きる拘り等にも配慮しますから、ゲーム理論が予想する振る舞いから多かれ少なかれ乖離するのですが、岸田総理の場合はその乖離が全く観測されません。 これはつまり、岸田総理には政治的信念や倫理、道徳がなく損得勘定で動くような、利己的な意識しか持っていない、ということをゲーム理論が理論的に実証しているわけです。 では、彼はどういう利己的な意図を持っているのかというと、それは 「総理としての地位の確保と、その延命」 です。 出来るだけ総理大臣という地位に留まり続け、自らの政治権力の最大化を目指しているとしか考えられない。 彼がそう考えていると想定すれば、彼の言動は全て一貫して説明出来るのです。 「政治権力の最大化」 だけを考えた場合、財務省やアメリカ政府、経団連などの財界やグローバル企業などの 「強者」 の指図や意図に従い続けることが最善の策となります。 強者の言いなりになる限り、彼らに潰されずに自らの地位を守り続けることが出来るからです。 防衛増税が良い例で、増税したい財務省と自国の極東での負担を減らして防衛装備を日本に売り付けたいアメリカの両者の意向を汲むことが出来たから、岸田総理はその実施に前向きなのです。 しかし、本来、政治家は 「自らの政治権力」 ではなく 「国民の利益」 の最大化を図るべき存在。 ところが、そんな 「強者」 達は日本国民の利益の最大化等には何の興味もない。 彼らは自分たちの利益だけに興味関心があり、日本国民の利益などは眼中にない。 そんな連中の指図や意図に従っていれば、国民国家は滅茶苦茶になる他ないのですが、そんな連中の指図や意図に従い続けているのです。 総理として最低の愚行です。 ライドシェアも、岸田総理が発案したものではなく、菅義偉前総理が導入を目指すと宣言したもの。 岸田総理は、ここで菅氏のライドシェア導入論を自らも主張すれば、岸田降ろしの中心人物の1人である菅氏に媚びを売ることが出来、かつ、菅氏が世論で 「目立つ」 存在となることを回避出来ることから、結果的に自身の政治権力をより安定したものに繋げることが出来ると考えたわけです。 だから結局、 「政策論」 ではなく単なる 「政局論」 でライドシェアの導入を実現しようとしているに過ぎないのです。 ライドシェアの様々な問題点を考えれば、その導入に躊躇しそうなものですが、ゲーム理論で考えれば、岸田総理がライドシェア導入に前向きなのも当然だということになるのです。 繰り返しますが何らかの信念や思想を持つような文学的人物というのは、ゲーム理論では全く説明が出来ません。 急に人助けに走ったり、急に戦いだしたりと理論から外れた行動をするからです。 ある意味、そこに 「人間らしさ」 があるわけですが、岸田総理にはそうした人間らしさがない。 人間性がない=面白味がない。 国民もそれを理解し、 「増税メガネ」 と呼んでいるのでしょう。 安倍元総理は 「安倍ちゃん」、 菅前総理も 「ガースー」、 等、愛嬌のあるあだ名で呼ばれましたが、無機物である”メガネ”と呼ばれるのは、岸田総理に人間らしさがないことを象徴しています。 悪魔は神が堕落した有機的、精神的存在ですが、無機物であるメガネは腐ることすら出来ません。 彼は決して悪意があるのではない。 ただひたすらに権力だけを欲しがる虫のようなちっぽけな存在なのです。 だからこのあだ名は彼の人間性を上手く表現していると思います。 ■消費税減税はムリ 岸田総理が国民の事を全く考えていないことが、最近、俄かに浮上した減税政策からも証明することが出来ます。 岸田総理が本当に国民の利益の最大化を考えて、所得税減税を実施するのであれば、2024年6月ではなく、今すぐ実施するはずですし、4万円の1度のみではなく、国民の賃金が上がるまで継続的に実施するでしょう。 かつ、 「所得税減税」 だけではなく、国民の暮らしが抜本的に良くなる 「消費税減税」 を考えるはずです。 参議院での予算委員会にて、消費税減税について問われた岸田総理がは、 「そもそも(消費税を)引き下げるということは、考えていない」 と突っぱね、 「引き下げの効果ということについても考えていない」 と答弁しました。 SNS上では岸田総理への失望や非難の声が溢れましたが、彼がどういった人物なのかは、これまでお話ししてきた通りです。 であれば、財務省が嫌がる消費税減税を岸田総理が実施することなど毛頭ありませんし、岸田総理が総理の地位に居続ける限り、消費税減税が実施されることは決してない。 ポイントなのは、こうした減税政策が見せかけであり、何ら効果を発揮しないことを、国民は見抜いているということです。 岸田政権の支持率が遂に自民党支持率を下回りました。 ANNが2023年10月28〜29日に行った調査での内閣支持率は、前回2023年9月の調査から3.8ポイント低い、26.9%でした。 一方で、自民党の支持率が38.3%でしたから、内閣の支持率は既に大幅に下回っています。 つまり、自民党の岩盤支持層も、遂に岸田政権を見放したということを意味します。 そもそも自民党支持者が内閣を支持する理由は、支持する政党のトップだからという、シンプルなもの。 だからその総理総裁が誰であろうが本来、彼らは支持するのであり、内閣支持率は通常、政党支持率を下回る筈はないのです。 にもかかわらず下回ったということは、結局、岸田氏が 「岩盤支持層からも見放された」 ということを意味しているのです。 日本経済新聞社が2023年10月27〜29日に行った調査での内閣支持率は、2023年9月の調査から9ポイント低下して、33%でした。 これは2021年10月の岸田政権発足以来最低で、2012年に自民党が政権復帰してから、最も低い。 今、国民的な岸田総理に対する嫌悪感は凄まじいものがあります。 しかしここまでの状況に陥っても尚、岸田総理は、国民ではなく、財務省を取るでしょう。 何もしなくても、2024年の9月までは総理総裁としての地位に留まれるわけですから、思い切った政策が出てくることはない。 それがゲーム理論が予測する悲しい未来です。 ついては当方は岸田総理には是非とも 「ゲーム理論の予測」 を激しく裏切るような国民のための大胆な政策を実施されますことを、心から祈念したいと思います。 トルコからテロ支援者と名指しされた「川口クルド」 トルコ国内の事情を川口市に持ち込まれても困る WiLL2024年2月号 ジャーナリスト 佐々木類 ■「クルド」で川口に激震走る ”多文化共生”を掲げる川口市(埼玉県)に激震が走った。 トルコ政府が2023年11月29日、川口市を中心に活動するトルコの少数民族クルド人の団体 「日本クルド文化協会」 と 「クルド赤新月社」 の2団体、そして同協会に関係する個人の計6人を 「テロ組織支援者」 に認定し、トルコ国内の資産凍結を発表したのだ。 トルコの非合法組織 「クルド労働者党(PKK)」 へ資金提供を行っていた、というのが理由だ。 東京都に隣接するベッドタウン川口市では2023年夏、クルド人による100人規模の乱闘騒ぎがあったばかり。 2023年11月には、クルド人側と市や県警が連携して合同パトロールを実施するなど、防犯対策に乗り出した矢先のテロ支援認定だった。 本来なら、テロ組織やその支援者らを取り締まるべき警察が、よりにもよって、トルコ政府の言う 「テロ組織支援者」 と防犯パトロールをしていたことになる。 県警はトルコ国内の情勢を知らなかったのだろうが、市民の安全を守る治安機関として、トルコ政府の決定に、さぞかしバツが悪い思いをしたことだろう。 ただ、川口市は2023年1月1日現在、外国人が約3万9000人、総人口の約6.5%を占め、全国で最も外国人住民の多い自治体として 「第2次多文化共生指針」(2023〜2027年) を打ち出している日本随一の 「国際都市」 でもある。 県警にあれこれ言うのも酷かと思うが、警察庁と緊密に連絡を取るなど、もっと国際情勢にアンテナを張っておくべきではなかったか。 今後も合同パトロールを続けるのか、県警本部に問い合わせたが、 「報道機関には広報するが、フリーの記者は一般市民と同じなのでお答え出来ません」 という回答だった。 ただ、取材結果を発表する媒体(本誌)を伝えている以上、もう少し取材要請への対応に工夫があっても良かったのではないか。 目の前にある事実を報じない 「報道機関」 が少なくないので、残念である。 旧知の公安関係者は、トルコ政府の認定について、 「日本のクルド人組織がPKKに資金援助をしていると睨んでのことだろうが、政治的な認定ではないか」 「日本政府はトルコ政府とクルド人の両方に保険をかけているのだろう」 と語る。 一方、川口市の担当者は電話取材に対し、トルコ政府が日本クルド文化協会などをテロ組織支援者と認定したことについて、 「トルコ国内の事情は知らなかったので、トルコ政府が日本クルド文化協会をテロ組織支援者に認定したことに驚いている」 「それ以上のことは答えられない」 「合同パトロールは、出入国在留管理庁から県警を通じて話が合ったので協力することになった」 と語った。 今後の対応については、 「合同パトロールへの参加は考えさせてもらう」 「市としては、警察のように取り締まることは出来ないので、防犯の啓発活動を粛々とやっていくしかない」 「テロ組織に関することは、国が責任を持って対応してほしい」 と話した。 ■クルド側「冤罪だ」 トルコ財務省の公式サイトによると、PKKへ資金提供するなどしたテロ組織支援者と認定したのは、欧州やオーストラリア、日本に拠点を置く62の個人と20の組織である。 これらについて、2023年11月27日付でトルコ国内の資産を凍結する決定を発表した。 実際、2023年10月には、トルコの首都アンカラの内務省庁舎前で自爆テロが行われ、犯人と見られる2人が死亡し、警察官2人が負傷する事件があった。 PKKに近いメディアは、 「我々に繋がる組織の一員」 が攻撃を実行したとするPKKの事実上の犯行声明を伝えた。 さて、今回トルコ政府にテロ組織支援者と認定されたのは、日本国内では、日本クルド文化協会とクルド赤新月社、同協会事務局長で東京外語大講師のワッカス・チョーラク氏(42)ら計6人だ。 同協会は、 「クルド人、日本人、その他の国民との友好関係の構築」 などを設立目的とした一般社団法人で、2015年に活動を始めた。 市民との文化交流の他、街の清掃などを行ってきた。 5万6000人以上が死亡した2023年2月のトルコ・シリア大地震では、川口市内を中心に募金活動を実施し、4000万円を集めた。 産経新聞によると、募金活動の際、協会事務所の壁にPKK創設者と見られる男性が描かれた旗が飾られていると指摘された(2023年12月5日付電子版)という。 トルコ政府の決定について、ワッカス・チョーラク氏は筆者の取材に対し2023年12月8日、電子メールで回答し、 「テロ支援の事実はなく、冤罪であり困惑している」 「トルコ法務省に自分の犯罪経歴の調査を求め、『犯罪歴がない』という結果の正式な文書を受け取っている」 と語った。 何故、テロ組織支援者に認定されたのかについては、 「誤認であるか、政治的迫害の可能性がある」 とした。 ■地元住民の懸念 日本国民や在日クルド人らから集めた4000万円の使い道については、 「トルコの国会議員を通じて被災地で赤十字のような活動をしている団体に渡され、テント村が作られた」 「その国会議員から届いた感謝の動画を当協会のホームページに掲載している」 「議員と政党からの感謝状が日本政府にも届けられた」 「日本の皆様にもう1度感謝申し上げたい」 と説明した。 実際、トルコ日本友好議員連盟の国会議員、ガジアンテッブ氏が避難民が暮らすテント前から、日本への支援に感謝するメッセージを送っていた。 できれば、使途に関する細目一覧を公表すれば、日本人の理解は更に得やすいだろう。 ただ、ワッカス氏の言い分が何であれ、トルコ政府が日本クルド文化協会やワッカス氏らをテロ組織支援者と認定したことで、市民の見る目は厳しくなるに違いない。 ただでさえ、暴走車の騒音や強姦事件、女性への声掛けなど、治安悪化への地元住民の懸念の声は強い。 認定問題について、ワッカス氏は 「日本の皆様に説明を尽くしていきたい」 「事実関係やトルコ共和国とクルド民族の複雑な対立の歴史、近年の共存に向けた和平プロセスの開始と中断など理解頂き疑惑を払拭出来るように努める」 とも語る。 一方、クルド人を巡る問題の改善に取り組んできた川口市の奥富精一市議は2023年12月7日、顔を見ながらのリモートで取材に応じた。 奥富氏は、 「クルド人を差別する意図もなければ、排斥を唱えているわけでもない」 「しかし、守るべきルールは守り、市民の平穏な暮らしを脅かすべきではない」 という至極真っ当な考えの持ち主だ。 そんな奥富氏だが、トルコ政府の決定について、 「驚きは隠せない」 「日本クルド文化協会の人たちも知っているし、悪い人ではないということも分かっている」 「でも、トルコ政府がテロ組織支援者と認定したことは、一般の市民にすれば、暴力団事務所があるのと一緒で潜在的に恐怖でしかない」 「全くもって迷惑だ」 奥富氏はまた、 「当然市議会で取り上げるが、地域の不安を取り除くためにも、国に対応をお願いするしかない」 「川口どころか日本国内に国際テロ組織があるということ自体が驚きだ」 と言い、クルド側の反論については、 「トルコ国内の事情が分からないから、トルコ国内の事情を川口に持ち込まれても困る」 と語った。 トルコのエルドアン大統領が、日本がPKKをテロ認定から除外したことについて、国際会議の際に岸田文雄首相に不快感を示したとトルコメディアが報じていることに関しては、 「川口市という地域の治安問題が国際問題となってしまったので、戸惑っている」 と述べた。 ■公安調査庁の右往左往 情けないのは、PKKを巡る公安調査庁の対応だ。 2023年11月24日にインターネット上に公開された2023年版の 「国際テロリズム要覧」 で、テロ組織のリストからPKKなどを除外していたことが判明したため、トルコ国内で反発が拡大した。 すると、公安調査庁は該当箇所のホームページの該当箇所を閲覧不能とする一方、PKKをテロ組織と認定した2022年版を参照するようホームページ上に掲載したのだ。 公安調査庁は、 「『国際テロリズム要覧2023』から抜粋し、公安調査庁ウェブサイトに掲載していた『主な国際テロ組織等、世界の国際テロ組織等の概要及び最近の動向』と題するウェブページについては、政府の立場について誤解を一部招いたことから、当該ページは削除しましたので、お知らせします」 として。 その上で、 「『主な国際テロ組織等』については『国際テロリズム要覧2022』の掲載内容をご参照ください」 とし、下線部をクリックすれば要覧のPDF(電子ファイルデータ)に飛ぶよう誘導していた。 最新版の要覧は、PKKの他、イスラエルとの戦闘が続くイスラム原理主義組織「ハマス」も削除していた。 これについては、小泉龍司法相が2023年12月7日の参院法務委員会で、鈴木宗男氏の質問に答える形で、 「明らかにおかしい」 「正しい道に戻る方策を取る」 と答弁し、最新版の要覧を修正する考えを示した。 ■出入国在留管理庁の大チョンボ 入管当局もトップの責任で、不法滞在者の扱いについて、過去の誤りを国民の前に明らかにすべきだ。 過去の誤りとは、本来なら不法滞在で収容し、母国に強制送還すべき対象者を必要以上に仮放免を認めてしまったことだ。 理由はコロナ禍で収容先の入管施設で小規模集団による感染(クラスター)が起きる懸念があったためだ。 入管関係者は匿名を条件に 「仮放免という形で、必要以上に釈放してしまった」 「これは完全にウチ(入管当局)の落ち度だ」 と証言した。 これは筆者が2023年初め、入管関係者に対面取材して直接確認した事実である。 仮放免者には逃亡する者も少なくなく、中には犯罪に走る者や犯罪を繰り返す不届き者が続出しているのだ。 もう1つの理由は、かねてからの課題であった長期収容を是正する必要があったためだ。 収容者にかかる医療費は1人1月当たり、約2万4000円。 食糧費は全体で3億円かかり、ある大規模の収容施設では、食糧費や宗教上の理由などから、約90人の収容者に対して50種類を超える特別食を提供している、という。 送還費用も馬鹿にならない。 コロナ禍で送還者が大幅減少した2020年を除き、1億円から2億円台で推移している。 だからといって、放免すべきでない人物を放免して良い理由にはならない。 出入国在留管理庁によると、退去強制となる理由は、不法滞在(2023年7月現在、約7万9101人)、不法就労、重大犯罪で有罪となったケースなどだ。 退去強制に応じたり、自発的に帰国したケースが大半だが、送還忌避者は2021年12月現在、計3224人に上る。 このうち、前科を有する者は1133人で3分の1強を占める。 前年同時期の国籍別の内訳は、トルコ426人、イラン330人、スリランカ311人など。 トルコ籍の大半はクルド人と見られる。 送還忌避者3224人のうち、病気等のために一時的に収容を解く 「仮放免」 は2546人もいる。 仮放免中に逃亡した者は599人と4分の1弱に上る。 逃亡した仮放免者の中には、覚醒剤取締法違反で実刑判決を受け、刑務所を出所後の入管施設収容中に難民認定申請をし、その後、仮放免許可が出たケースなど、悪質なものは枚挙に暇がない。 難民申請の回数を制限した2023年6月の入管難民認定法の改正前までは、難民認定を申請中であれば、強制送還されないで済んだ。 難民に該当しない刑法犯までが、難民申請を繰り返していた。 2010年に1202件だった難民認定申請数が、2017年には16倍の1万9629件にまで膨れ上がっていた。 刑法犯らによる難民申請の濫用である。 ■入れ知恵する悪徳専門家 背後に、人権団体と連携した弁護士や行政書士など法律の専門家がいることはあまり知られていない。 入管実務に携わる専門家のほとんどが真面目な法律家らであるのは言うまでもない。 だが、中には、 「送還忌避者に入れ知恵をして、難民申請を繰り返させる悪徳専門家もいる」(法務省関係者) という。 筆者が独自に入手した手元の入管関係資料によると、仮放免の際に身元保証人となった一部の弁護士は、多数の逃亡者を発生させていた。 ある弁護士が保証人となった仮放免者約280人中、約80人が逃亡した。 別の弁護士に至っては、50人中20人と4割が逃亡していた(2014年1月から2021年3月末の間)。 一時的に収容を解除する改正前の仮放免制度は、確信的に逃亡させていると見られても仕方がないような弁護士ら身元保証人が法的義務を負わないなど、逃亡防止が不十分だった。 2023年6月の改正入管法が本人と監理人に届け出義務を課すことにしたのは当然である。 クルド人の仮放免者の中にも逃亡者が含まれている可能性がある。 この点について、先のワッカス氏は、 「ご指摘の通り、政治的な迫害を受けて難民申請をしている者と、出稼ぎのような形で申請している者とがいる」 「後者については、日本の法の下で厳正に対処して頂きたい」 「ただ、在日クルド人の人数と難民申請の数から考えると、トルコ国籍者がクルド人を騙って申請するケースも一定数あると見受けられる」 としている。 不法滞在者であっても人権に配慮すべきなのは当然だが、その一部が治安を脅かしている現実からも、目を逸らすべきではない。 ”親日国で知られるトルコ”と長い歴史の中で敵対してきたクルド民族の問題が日本国内に持ち込まれている現状を軽く見てはいけない。 国際都市・川口市が抱える問題は、日本国中どこでも起こり得るし、それは外交問題化する危険を孕む。 それどころか、日本を潜在敵国と見る中国のような国が、日本政府が大幅に緩和した就労ビザを利用して移民を大量に送り込んできたら、日本の存在そのものが危うくなる。 実際、2015年に入管法が改正され、在留資格がそれまでの 「投資・管理」 ビザから、 「経営・管理」 ビザに緩和されたことで住民登録と印鑑証明書の取得が簡単になり、外国人による日本での会社の登記も格段に容易となった。 中国では、国内の経済失速に伴う政情不安や将来への見通しの暗さから日本への移民を希望する人々が増えており、日本の法律事務所の助言で作ったと思われる移民を勧めるチラシがSNSで飛び交っている。 国会は与野党とも、将来の日本の国を形作る移民や在留外国人の問題を正面から議論し、政府は自治体に問題を丸投げせずに、行政の責任でしっかりこの問題に取り組んでもらいたい。 「移民」と日本人 <独自>川口のクルド団体「テロ支援」トルコが資産凍結 地震で「4千万円」、団体側「冤罪だ」 2023/12/5 13:54 https://www.sankei.com/article/20231205-W3N7I2CLMNFQVPSWX6M47KAFO4/ 埼玉県川口市に在留するトルコの少数民族クルド人の団体 「日本クルド文化協会」 と同協会の代表者らについて、トルコ政府が 「テロ組織支援者」 に認定、トルコ国内の資産凍結を決定したことが2023年12月5日、分かった。 同国の非合法武装組織 「クルド労働者党(PKK)」 への資金提供が理由。 同協会は2023年2月のトルコ地震の際、日本国内で募金活動を行い、約4000万円を集めたという。 トルコ政府が2023年11月29日、公式サイトに掲載した官報によると、欧州や豪州、日本に拠点を置く62人の個人と20の組織についてPKKへ資金提供するなどしたテロ組織支援者と認定。 2023年11月27日付で同国内の資産を凍結する決定をした。 このうち日本国内で対象となったのは同協会などと、同協会事務局長で東京外国語大講師のワッカス・チョーラク氏(42)や代表理事(32)らクルド人数人。 同協会は2015(平成27)年から活動している一般社団法人で、 「クルド人、日本人、その他の国民との友好関係の構築」 などを設立目的に掲げている。 文化交流活動の他、地域の清掃やパトロールなどを実施。 2023年11月4日には埼玉県警や川口市役所などとの合同パトロールにも参加していた。 2023年2月に起きたトルコ地震では、川口市内やクルド人経営の飲食店などで募金活動を実施。 その際、協会事務所の壁にPKK創設者と見られる男性が描かれた旗が飾られていると指摘された。 取材に対し、チョーラク事務局長は 「私達はテロ支援もテロ活動もしていない」 「在外選挙で私達が支持した政党が、真偽は不明だが、その後PKKを支援したと政府は言う」 「投票と駐日トルコ大使館内で選挙立会人を務めた以外の接点はない」 「以前も米閣僚の資産凍結をしたように現在のトルコは政権に批判的な者へ報復行動を取る」 「冤罪であり恣意的な資産凍結だと考えている」 とメールで回答。 募金については 「日本の皆様にもご支援いただき約4000万円が集まった」 「トルコの国会議員を通じて被災地で赤十字のような活動をしている団体に渡されてテント村が作られた」 「その国会議員から贈られた感謝の動画を当協会のホームページに掲載している」 「議員と政党からの感謝状が日本政府にも届けられた」 「日本の皆様に再度感謝申し上げたい」 と回答した。 【クルド労働者党(PKK)】 トルコの少数民族クルド人の非合法武装組織。 「国際テロリズム要覧」 2022年版によると、 「クルド人国家の樹立」 を掲げて1984年に武装闘争を開始、1990年以降、国内各地でテロを引き起こしてきた。 2023年10月にも首都アンカラの内務省前で自爆テロを起こし、警察官2人が負傷した。
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