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大阪万博は災害対応もグダグダ…大雨で会場孤立化・水没の想定も「防災実施計画」策定されず
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/340850
2024/05/29 日刊ゲンダイ
安全は二の次で都合のよいことだけ喧伝(大阪の吉村洋文府知事)/(C)共同通信社
「どこか気の緩みがあるんじゃないかと」──。2025年大阪・関西万博の会場で発生したメタンガス爆発事故をめぐり、関西経済連合会の松本正義会長は27日の会見で、万博協会の対応に苦言を呈した。協会の副会長に名を連ねる自身の立場を棚に上げ、「爆発はいけませんな」などと言いたい放題。責任を負わされる現場はたまったもんじゃないだろう。
そもそもメタンガスが噴出している土地で開催を強行する“お偉方”の意思決定がオカシイのは言うまでもない。爆発事故の懸念は払拭されないどころか、災害対応もグダグダだ。
気象台は28日、大阪市内に大雨警報を発表。万博会場の夢洲は工事関係者から水はけの悪さが指摘されている。SNS上では〈夢洲の状態が気になってしまう〉〈土砂降りの大雨でどうなってるのか〉など懸念する声が続出した。
実際、大雨によって会場はどうなるのか。協会が策定した「防災基本計画(初版)」によると、1時間に約80ミリの大雨をもたらした2018年の台風21号に匹敵する台風が襲来した場合、ザッと次のような被害が想定されている。
〈道路が川のようになる〉〈静けさの森の池が溢れる〉〈水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる〉〈排水機能を超えた雨水が建物1階部分から浸水する可能性がある〉〈車の運転は危険〉
加えて、市内から夢洲へのアクセスルートである夢咲トンネルは〈冠水もしくは冠水のおそれがある場合に通行止めとなる〉という。実際、昨年6月には大雨に伴う冠水によってトンネルの一部が7時間以上にわたり通行止めとなった。
孤立化した“水没万博”になる恐れがあるというのに、避難経路などの具体策を盛り込んだ「防災実施計画」は、いまだ策定されていない。肝心の実施計画を話し合う安全対策協議会は、内容も資料も原則非公開だ。来場者の安全に大きくかかわる会議すら公開せずに、何が「いのち輝く未来社会のデザイン」か。
府内の小中高(特別支援学校含む)の児童・生徒を万博に無料招待する事業を進める府教育庁に、どう児童・生徒の安全を担保するのか聞くと、「『協会から具体的な避難計画などについては夏ごろに詳細を取りまとめると聞いている』と学校側に伝えています」(教育政策グループ)と回答した。
吉村知事は無料招待の対象校の約半数にあたる950校が「参加希望」だと胸を張ったが、残る半分のうち330校は「未定・検討中」、620校が未回答である。都合のよいことだけ喧伝する大人は信用ならない。
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