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※補足 2024年5月9日 日刊ゲンダイ3面
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実質賃金24ヵ月連続減少と外貨準備
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-27a956.html
2024年5月 9日 植草一秀の『知られざる真実』
5月9日、二つの重要な統計が発表された。
厚労省発表の毎月勤労統計。
2024年3月の賃金の動きが発表された。
もう一つの統計は財務省の外貨準備統計。
4月末時点の外貨準備を3月末と比較することで4月中に実施された為替介入の輪郭を掴むことができる。
毎月勤労統計で注目されるのは実質賃金の動き。
労働者が受け取る賃金は三つに分類できる。
固定給、時間外、ボーナスの三つだ。
これらをすべて合算したものが「現金給与総額」。
これが労働者の受け取る賃金だ。
しかし、労働者にとって重要なのは、物価変動を差し引いた賃金が増えるのか減るのかという点。
実質賃金の伸びが重要になる。
2024年3月の実質賃金(現金給与総額)は前年同月比2.5%減少した。
実質賃金が前年同月比減少するのは24ヵ月連続。
丸2年間、労働者の実質賃金は減り続けている。
連続24ヵ月減少は比較可能な1991年以降で最長。
日本の労働者は悲惨な状況に置かれている。
労働者の実質賃金は1996年から2023年までの27年間に16.7%減少した。
日本は世界最悪の賃金減少国である。
アベノミクスが始動したのは2012年12月。
2012年から2023年までの11年間にも実質賃金は8.3%減った。
月次推移を見ると2021年5月には実質賃金が前年同月比で3.1%増加した。
前年比3%以上の賃金増加が観測された。
岸田文雄氏が首相に就任したのが2021年10月。
日本の実質賃金は2022年4月に前年比マイナスに沈み込んだ。
これ以来、24ヵ月連続で賃金減少が続いている。
岸田首相は「賃上げ」を叫んできた。
昨年も春闘で賃上げが実現したと騒いでいた。
今年も春闘で賃上げだと騒いできた。
しかし、論より証拠。
結果がすべて。
実質賃金は24ヵ月連続の減少なのだ。
最大の問題はインフレが進行してきたのに、政府・日銀がタイアップしてインフレ推進キャンペーンを展開してきたこと。
わずかな賃上げが実現しても、これをはるかに上回るインフレが日本を襲った。
インフレを抑止しない限り実質賃金増加を見込めない。
過去27年間に5回だけ、実質賃金が小幅に増加したことがある。
その背景は何か。
物価下落である。
物価下落のことをデフレと表現するが、デフレのときだけ実質賃金が小幅に増加した。
インフレは実質賃金を減らすから企業にとって利益になる。
逆に労働者の実質賃金はインフレで減少するからインフレは労働者にとって害悪でしかない。
政府・日銀がインフレを推進してきたのは大企業に利益を供与するためだった。
労働者を踏みつけにして大資本を潤わせる。
これが日本の経済政策運営の根幹に置かれてきた。
日銀総裁が交代して、ようやく金融政策運営の正常化が始動することになった。
もう一つの統計である外貨準備統計は、4月に日本政府保有外貨証券が169億ドル減少したことを示した。
1ドル=155円で換算すると2兆6195億円相当。
4月中に2.6兆円分のドル売り、円買い介入が行われたことを示唆している。
3月末の外貨証券残高は9949億ドル。
155円で換算して154兆円分ある。
この全額を日本政府は売却すべきだ。
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