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ホワイトハウスから追い出されたゼレンスキーのイメージ回復に努める英国王
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202503040000/
2025.03.04 櫻井ジャーナル
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキーは3月2日、ロンドンでイギリス国王チャールズ3世と会った。2月28日にホワイト・ハウスでドナルド・トランプ米大統領と口論したことを意識したのか、和やかな雰囲気を演出していた。3月1日にゼレンスキーはキール・スターマー首相と会談、首相から永続的な平和を実現するというイギリスの揺るぎない決意を伝えられたというが、イギリスはフランスなどと同様、戦争の継続を求めている。スターマーは「ロシアを殲滅する」つもりなのかもしれないが、現実的には不可能だ。
ウクライナ軍は降伏するか全滅するしかない状態。スターマーは3月2日に安全保障サミットを開催、ウクライナへの軍事援助を継続し、ロシアに対する経済的圧力を強め続けると主張、さらに西側諸国は地上部隊をウクライナへ派遣、イギリスは地上軍と空軍でその部隊を支援する用意があるとしているのだが、ヨーロッパ諸国の軍隊にはロシア軍と戦う能力はなく、その兵器庫は空だと言われている。アメリカ軍を引き込まなければロシアとの戦争を継続することはできない。それは世界大戦へ突き進むことを意味する。アメリカ軍とロシア軍を戦わせ、共倒れを狙っているのだろうか?
故ヘンリー・キッシンジャー元国務長官は2014年3月5日付けワシントンポスト紙で、ネオコンのウクライナ制圧計画を批判している。キッシンジャーはウクライナが複雑な歴史と多言語構成を持つ国であると指摘、西部は1939年にソ連へ編入され、人口の60パーセントがロシア人であるクリミアは54年にウクライナ生まれのニキータ・フルシチョフがロシアとコサックの協定300周年記念の一環としてウクライナへ与えたと説明する。ドンバスを含む東部もソ連時代にロシアからウクライナへ割譲されたのだ。
また文化面の問題にも彼は触れている。西部は主にカトリック教徒、東部は主にロシア正教徒、また西部ではウクライナ語が話され、東部では主にロシア語が話されるのだ。こうしたウクライナで一方が他方を支配しようとすれば内戦または分裂につながるだろうとキッシンジャーは指摘しているが、その予測通りになった。
ソ連が消滅する直前にウクライナ議会は独立を宣言するが、すぐ東部や南部ではウクライナからの独立が現実化しそうになった。その地域では7割以上の住民が自分たちをロシア人だと認識しているのだ。その動きを抑え込むために「中立」という方針が掲げられたのだが、それが気に入らないネオコンは2004年11月から05年1月にかけて「オレンジ革命」を仕掛け、新自由主義者のビクトル・ユシチェンコを大統領に据えた。
しかし、新自由主義は富を一部の特権集団に集中させ、貧富の差を拡大させる。そこで国民は離反、次の選挙では「オレンジ革命」で排除されたビクトル・ヤヌコビッチが当選した。バラク・オバマ政権はヤヌコビッチ政権を倒すだけでなく、二度と登場しないように別の工作を始めた。それがネオ・ナチを使ったクーデターである。
クーデターは2013年11月から14年2月にかけてキエフで実行され、ヤヌコビッチ政権は倒されたが、リビアとは違い、クーデター軍に拘束されることはなかった。ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部の人びとはクーデターを拒否、軍や治安機関の約7割もネオ・ナチ体制に加わることを嫌って離脱、その一部は反クーデター軍へ合流したと言われている。
そこで当初は反クーデター軍がクーデター軍より強く、オバマ政権はクーデター派を支援するためにCIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込んだ。また傭兵会社「アカデミ(旧社名:ブラックウォーター、Xe、r="red">2014年6月にトリプル・キャノピーと合併してコンステリス・グループ)」の戦闘員約400名がウクライナ東部での戦闘に参加、CIAは2015年からウクライナの特殊部隊員をアメリカ南部で訓練している。そのほか、イギリス、フランス、カナダ、リトアニアの特殊部隊員がウクライナ国内出活動しているとも伝えられていた。
その後、2022年までの8年間にクーデター体制の戦力を西側諸国は増強する。兵器など軍事物資を供給、兵士や子どもたちを訓練、反クーデター軍が支配するドンバスの周辺に地下要塞を建設するなどして戦争の準備を進めた。そのための時間を稼ぐために使われたのが停戦協定。つまり、2014年のミンスク1と15年のミンスク2だ。アンゲラ・メルケル元独首相やフランソワ・オランド元仏大統領は後に、この合意がキエフのクーデター体制の軍事力を強化するための時間稼ぎだったと証言している。
しかし、ネオコンをはじめとする西側の好戦派が描いた計画通りには進まなかった。すでにウクライナ軍が壊滅状態にあることをアメリカ軍は知っているだろう。トランプ大統領の主張にも無理がある。何度も煮湯を飲まされているロシア政府が話し合いに応じるとは思えない。ドナルド・トランプ政権が戦争の終結を望むなら、ロシア側の要求を呑まなければならない。イギリス国王が出てきても状況は変わらない。
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