<■583行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <産経抄>ロシアに勝利を与えるな、トランプ氏の停戦交渉 2025/2/17 5:00 https://www.sankei.com/article/20250217-PGYBHDF3XVKXPMQZPZJT62PAVY/ 先の大戦後、ソ連がシベリアなどに連行した日本人は約57万5千人にも上る。 かつてソ連を構成したウクライナは、抑留地の1つである。 同国第2の都市ハリコフには大規模な収容所があり、多くの日本人が強制労働を課された。 ▼小紙『正論』執筆者でノンフィクション作家の早坂隆氏によれば、ハリコフの人々は日本人に同情的で、差し入れも多かった。 抑留者の死亡率は他の場所より低かったと言われる。 同市はしかし、ロシアが一方的に始めた侵略戦争の戦場となった。 ▼ロシア軍がミサイル攻撃などで破壊した建物や道路の一部は、日本人抑留者が築いたものだ。 国境線を腕ずくで書き換えようとする愚かな振る舞いは、北方領土の不法占拠と重なる。 同じ相手に国土を踏みにじられた痛みは、日本とウクライナを繋ぐ共通言語と言えるだろう。 ▼間もなく3年になる侵略の終結に向け、トランプ米大統領が停戦交渉に乗り出した。 何とも危ういのは、ウクライナが望むクリミア半島併合前の領土回復も北大西洋条約機構(NATO)への加盟も、 「現実的ではない」 とする米側の見解である。 ▼ウクライナに多大な譲歩を迫る恐れが拭えない。 力による現状変更を認めるような幕引きは、災いの種を将来に残すだけだろう。 解決への第一歩はロシア軍の撤退しかない。 トランプ氏が為すべき事は妥協ではなく、勝利は与えないとプーチン大統領に決然と語ることである。 ▼台湾併吞を狙う中国にも、誤ったメッセージを発信してはなるまい。 事は、日本の安全保障にも関わる。 同じ痛みを知る国として、今一度、声を大きくして主張する必要がある。 ロシアとの間に引かれた国境線を、書き換えるべき事実はどこにもない、と。欧州、ウクライナ「頭越し」のトランプ交渉に衝撃 焦るゼレンスキー氏も便乗して叱咤 2025/2/17 12:04 https://www.sankei.com/article/20250217-24ZLHL4ATVOGRHDHI6DHXL6E5E/ ドイツで2025年2月14〜16日に行われたミュンヘン安全保障会議では、トランプ米政権がウクライナ停戦交渉を 「欧州抜き」 で進める方針であることが明らかになった。 欧州に対する強い不信感も露わにし、会場を埋めた欧州の閣僚や要人たちは衝撃を隠せなかった。 米国ショックは2025年2月14日、バンス米副大統領が欧州の移民対策やSNS規制を例に挙げ、 「欧州について懸念されるのはロシアや中国よりも、『内なる脅威』だ」 と痛烈に批判したのが第一撃だった。 追い打ちをかけたのは、ウクライナ・ロシア担当のケロッグ米特使。 2025年2月15日の昼食会で停戦交渉の構想を話した時だ。 司会者に 「欧州は参加するのか」 と尋ねられると、 「答えはノーです」 と明言した。 問題の核心を話すには米露、ウクライナの3者に絞るべきだと主張。 「協議ばかりではだめだ」 と話した。 「ウクライナ支持」 「対露制裁の強化を」 と言いながら、欧州諸国が延々と会議を重ねることへの痛烈な皮肉だった。 司会者が 「欧州のウクライナ支援額は米国を上回った」 と反論すると、ケロッグ氏は 「正直に言う」 「あなたたちは実効力がなく、無残に失敗した」 「我々は同じ道は辿らない」 と言った。 2014年と15年、独仏が主導してウクライナ東部紛争解決を目指した 「ミンスク合意」 に触れ、欧州の失敗と位置付けた。 その後、ケロッグ氏は欧州やウクライナの閣僚との討論会に臨み、北大西洋条約機構(NATO)加盟の欧州諸国が過去10年、防衛費増額の努力を怠ったとなじった。 バルト海はロシアの主要な石油輸送ルートなのに、沿岸のNATO諸国が実効性のある封じ込め策をとっていないと不満を表明。 更に、2014年のロシアによるウクライナ領クリミア占領について 「我々に(責任を)押し付けるな」 「これはあなた方、欧州で起きたことでしょう」 と述べると、会場は静まり返った。 ウクライナのゼレンスキー大統領は、米露接近への焦りを露わにした。 「米国の支援なしにウクライナは生き残れない」 と訴え、つなぎ止めに懸命になった。 2025年2月15日の演説では、苛立ちの矛先を欧州に向けた。 バンス氏の欧州批判に乗る形で、 「欧州は変わらねばならない」 と訴えた。 ウクライナ軍と共に、 「欧州軍」 を組織すべきだという新構想まで披露した。 欧州側からは 「厳しい決断が必要」(バロ仏外相) など自省の言葉が出る一方、現状打開に向けた具体的な提案は皆無だった。 欧州軍構想には、応じる声すらない。 ポーランドのシコルスキ外相は 「欧州各国軍を統一するなど、あり得ない」 と一蹴した。 トランプ政権が「4月20日までに停戦」伝達か 露と近く協議開始、根強い頭越し懸念 2025/2/17 9:57 https://www.sankei.com/article/20250217-KGNJIW2CSVNWTAE2R64AWAPGYE/ 米ブルームバーグ通信は2025年2月16日、消息筋の話として、トランプ政権が欧州側に2025年4月20日のイースター(復活祭)までにロシアとウクライナの停戦を実現したいとの考えを伝達したと報じた。 米メディアは、ルビオ国務長官やウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)がサウジアラビアで近く露側との協議を開始する意向だと伝えているが、ウクライナは米欧との合意形成を優先すべきだとしており、協議が前進するかは見通せない。 ブルームバーグによると、複数の関係筋は、露側との交渉で早期停戦を実現するとのトランプ政権の目標設定は 「非現実的」 だとしている。 トランプ大統領は2025年2月12日、プーチン露大統領と電話会談し、ウクライナでの戦争終結に向けた交渉を開始することで合意。 ウクライナや欧州諸国では、米露が関係国の頭越しにディール(取引)を結ぶことへの懸念が強まっている。 米国の対露交渉チームの一員であるウィットコフ中東担当特使は2025年2月16日、米FOXニュースで、協議を開始するために同日夜にウォルツ氏と共にサウジへ発つと表明。 ただ、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は2025年2月15日時点でサウジでの協議に参加する予定はないとしており、米側の性急な動きが混乱を生む恐れもある。 ゼレンスキー氏、米露会談「危険だ」と警戒 バンス氏と会談でレアアース合意は見送り 2025/2/15 20:48 https://www.sankei.com/article/20250215-54QACF5SRFPEBKS35LS2KQSBFM/ ウクライナのゼレンスキー大統領は2025年2月15日、ドイツで開幕中のミュンヘン安全保障会議で、トランプ米大統領が進めるロシアとの停戦案を巡って演説した。 トランプ氏がプーチン露大統領との会談意欲を示したことについて 「危険だ」 と警戒感を示した。 米国はまず、ウクライナと共通の立場を固めるべきだと訴えた。 ゼレンスキー氏はまた、トランプ政権がウクライナ支援の見返りに同国産レアアース(希土類)の供給を求める考えを示していることにも言及し、 「話し合いを続けている」 と認めた。 ゼレンスキー氏は会議にあわせて2025年2月14日、バンス米副大統領が率いる米代表団と会談した。 会談では、レアアース問題が取り上げられたとみられる。 米紙ワシントン・ポストの記者は2025年2月14日、X(旧ツイッター)への投稿で、複数の米代表団関係者の話として 「米国は、将来的なウクライナの鉱物資源権益の50%を米国に与えるとする文書への署名を求めたが、ゼレンスキー氏は丁重に拒否した」 と伝えた。 <主張>米露停戦交渉 ウクライナの立場尊重を 社説 2025/2/15 5:00 https://www.sankei.com/article/20250215-NK6COJEWMFMK7I34A4VFJ3TKKI/ 今月2025年2月24日で3年を迎えるロシアのウクライナ侵略を巡り、トランプ米大統領とプーチン露大統領が停戦交渉の開始で合意した。 両首脳は遠からずサウジアラビアでの直接会談に臨むという。 第二次大戦以来最大規模の欧州での戦争終結に向けて外交が動き出したが、トランプ氏の仲介には危うさがある。 ウクライナの頭越しにロシアと協議を進め、多大な譲歩を強いる恐れがあることだ。 国連憲章に反し、自らの野望と力によって隣国の領土を蹂躙しているのは、プーチン氏である。 まずは占領地からの露軍撤退を強く迫ることが、交渉の出発点でなければならない。 だがトランプ氏は、ロシアが一方的に併合した南部クリミア半島を含む2014年以前の領土をウクライナが回復する可能性は低いとの認識を示した。 侵略の起点は 「2014年」 だという意識でウクライナ国民は祖国防衛に結束してきた。 その立場を軽んじる発言だ。 トランプ氏は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は非現実的とも語った。 プーチン氏の罪は問わず、その利を汲む宥和的な態度が露骨だ。 プーチン氏はトランプ氏に、戦争の根本的な 「原因の除去」 が不可欠ともクギを刺した。 ウクライナに民主主義陣営の一員として平和と繁栄を希求する意思を放棄させ、露の属国とすることが、真意だ。 事実上の降伏を狙うプーチン氏との拙速な停戦合意は、次の侵略のゴーサインになりかねない。 トランプ氏が駆使すべきディール(取引)とは、ウクライナに軍事支援停止をちらつかせ、領土割譲を呑ませることではない。 プーチン氏の不当な要求をかわし、ウクライナの主権と領土の一体性を尊重することにある。 露軍が占領を続ける一部領土の主権まで放棄させるような妥協は許されない。 プーチン氏の再侵略を抑止する意味でも、ウクライナへの安全の保証は最重要の課題だ。 カギとなる平和維持部隊を派遣するのは欧州の責任である。 ロシアを支える中国や北朝鮮も交渉の帰趨を注視する。 力による現状変更を追認すれば、法の支配に基づく国際秩序は崩れ、中国は台湾併吞の野心を募らせるだろう。 日本は自国の安全保障と直結する課題として、停戦問題に関わるべきだ。 ウクライナ和平でトランプ政権の振り付け不発、バンス氏はゼレンスキー氏と会談 安保会議 2025/2/15 9:18 https://www.sankei.com/article/20250215-QBMX5WGNC5JY3KAXFJFFD3HWPY/ 米国のバンス副大統領は14日、ドイツで開かれたミュンヘン安全保障会議にあわせ、ウクライナのゼレンスキー大統領と会場近くで会談した。 トランプ米大統領は米露首脳会談に続き、今回の会議をウクライナ終戦への足がかりにしようとしたが、振り付け通りに事は進まなかった。欧州との溝の深さも露呈した。 ■「3者協議」実現せず ゼレンスキー氏との会談には米国からバンス氏のほか、ルビオ国務長官、ウクライナ・ロシア担当特使のケロッグ氏も参加。ゼレンスキー氏は会談後、 「よい会合だった」 と述べた。 「これが最後ではない」 として、協議継続の意欲を示した。 トランプ氏は安保会議を前に2025年2月13日、ミュンヘンで米国とロシアの代表団が2025年2月14日に会談し、ウクライナを招いて3者協議を行う構想を記者団に語っていた。だが、ロシア、ウクライナ双方が難色を示し、不発に終わった。 ロシアは、米露2国間の話し合いに持ち込みたい構え。 外務省報道官は、会議にロシアが招待されていないことを理由に、ミュンヘン行きの予定はないとした。 ゼレンスキー氏は2025年2月14日の安保会議で 「まず米国や欧州と共通の計画を固めるべきだ」 「ロシアと話すのは、それからだ」 と発言した。 「私はロシア側ではプーチン露大統領としか会わない」 とも述べた。 ■平和部隊も欧州沈黙 ウクライナの停戦後、同国の安全を保証する平和維持部隊構想についても、論議は不発だった。 平和維持部隊について、ヘグセス米国防長官は2025年2月12日、ブリュッセルでの会合で欧州を中心に組織すべきだと主張していた。 構想はマクロン仏大統領が昨年2024年提唱したものだが、フランスは反応しなかった。 マクロン氏は会議に合わせて英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに応じ、部隊派遣は 「適切で現実的な計画を交渉すべきだ」 と発言するにとどめた。 欧州では停戦後のウクライナの安全確保、部隊派遣やロシア占領地の扱いを、交渉のカギと位置付けている。 トランプ政権が、交渉開始前にロシア寄りの立場を示したことに不満は強い。 ピストリウス独国防相は会議で、ヘグセス氏がウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を排除したことに対し、 「本来は和平交渉で話し合うべきだ」 と怒りを示した。 ■異なるシグナル 米国側の発言も一貫性を欠く。 ヘグセス氏は2025年2月12日、ウクライナへの米軍派遣を正面から否定した。 だが、バンス氏はロシアが和平に応じない場合、軍事的圧力を加える可能性を示した。 米紙ウォールストリート・ジャーナルで、ウクライナへの米軍派遣という選択肢を 「検討中」 とし、 「経済面だけでなく、軍事的な手段もある」 と強調した。 こうした動きを睨み、リトアニアのナウセーダ大統領は、欧州は長期戦で臨むべきだとの構えを示した。 最初のトランプ政権時代にもNATOで米欧は対立したと振り返り、 「結局、我々は共に重要な決断をするに至った」 「反応は焦るべきでない」 と述べた。 バンス米副大統領、欧州に防衛負担増求める ゼレンスキー氏と会談へ ミュンヘン安保会議 2025/2/15 0:08 https://www.sankei.com/article/20250215-5SXY3L5YA5IMNHGNHJDZQFHMAY/ 米欧や日中韓など各国の首脳や閣僚が集うミュンヘン安全保障会議が2025年2月14日、ドイツで開幕した。 2025年2月14日に登壇した米国のバンス副大統領は北大西洋条約機構(NATO)の欧州諸国に向け、 「米国によらずに防衛を担うことが大事だ」 と訴えた。 バンス氏はミュンヘンで、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談する予定。 ゼレンスキー氏は2025年2月14日、バンス氏との会談を前に記者会見を開き、交渉は欧州と連携して取り組む構えを示した。 トランプ氏はロシアを交えた3者協議構想を示していたが、 「まず米国や同盟国と話し、共通の立場を固めるべきだ」 「ロシアと話すのはそれからだ」 と発言。 米露による頭越しの妥結を牽制した。 ウクライナや欧州では、トランプ政権が停戦交渉前からロシアに歩み寄ったことに対して動揺が広がる。 ヘグセス米国防長官が2025年2月12日、 @ウクライナはNATOに加盟させない Aロシアが併合したウクライナ領クリミア返還は求めない などの米国の立場を明示したためだ。 ゼレンスキー氏は記者会見で、ウクライナが越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州の情勢にも言及。 最大3000人の北朝鮮兵がロシア側に追加投入される可能性があるとの見方を示した。 会議は3日間の日程で、日本から岩屋毅外相が出席する。 会議にあわせて2025年2月15日、先進7カ国(G7)外相会合が行われる。 日米韓3国の外相会合も予定されている。 トランプ大統領がロシア寄りの発言を連発 「G8」復活主張、ウクライナは交渉の「一部」 2025/2/14 11:35 https://www.sankei.com/article/20250214-PWCPDI4IQ5JAHJHPABGPLSP3WY/ トランプ米大統領が、自身が仲介に乗り出したロシアとウクライナの停戦交渉を巡り、ロシア側に肩入れしているとも受け取れる発言を連発している。 2025年2月13日には先進7カ国(G7)にロシアを加えた主要8カ国(G8)の枠組みを復活させるべきだと主張。 侵略した側のプーチン露大統領を 「平和を求めていると信じている」 とも称賛してみせた。 今後の交渉では、米露がウクライナのゼレンスキー政権の頭越しにディール(取引)を結ぶとの懸念が取り沙汰される。 この点についてトランプ氏は同日、ホワイトハウスで記者団に、ウクライナは交渉の 「一部」 だとし、一応は同国の関与を認める姿勢を強調した。 ■NATO加盟は初めから否定的 その一方で、有力な交渉材料ともなり得るウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟の可能性については初めから否定的だ。 「ロシアの立場にある国が(ウクライナの)NATO入りを容認できるはずがない」 と指摘。 ヘグセス国防長官が2025年2月12〜13日、ウクライナのNATO加盟や、ロシアがウクライナ南部クリミア半島の併合を一方的に宣言した2014年以前の領土を同国が回復するのは 「非現実的だ」 などと述べたのは 「とても正確だった」 とした。 またトランプ氏は 「G8(の枠組み)が残っていればウクライナの問題は起きなかっただろう」 「ロシアに(G8に)戻ってきてほしい」 とも主張した。 ■ロシアの政治宣伝に利用される恐れ だが、実際にはロシアが2014年3月にG8から除外されたのは、現在に続く同国によるウクライナの主権と領土への侵害の起点となったクリミア併合が理由だ。 西側諸国の盟主である米国の大統領がこうした経緯を無視することは、ロシアのプロパガンダ(政治宣伝)に利用されるなどの隙≠ニなる恐れがある。 更にトランプ氏は、2022年2月のロシアによる全面侵攻は 「バイデン(前大統領)がウクライナはNATOに加盟できると言ったからだ」 として前政権を批判した。 しかし、バイデン政権は2021年の発足当初からNATOの門戸開放政策を維持する一方、加盟を熱望するウクライナには言質を与えない方針を貫いた。 トランプ氏の主張は根拠がなく、侵略の正当化にも繋がりかねない。 ■ゼレンスキー氏よりプーチン氏優先 他にもトランプ氏は2025年2月12日のプーチン氏との電話会談について、周囲から 「プーチン氏の前にゼレンスキー大統領と話すべきだと助言された」 とした上で、 「私はそうは思わない」 とプーチン氏を優先したことを明らかにした。 2025年2月12日の交流サイト(SNS)への投稿でも 「ロシアとウクライナの人々に神の祝福を!」 と、ロシアを上位に置く配慮が際立つ。 交渉では、トランプ氏が掲げる 「力による平和」 が試されることになる。 ウクライナ、ミュンヘン安全保障会議で「ロシアと交渉しない」 米欧と合意形成を優先 2025/2/14 11:05 https://www.sankei.com/article/20250214-OTV4IN7PVZLT5PLRZ74F42Z5PM/ ウクライナのリトビン大統領広報顧問は2025年2月13日、ドイツ南部で2025年2月14日開幕するミュンヘン安全保障会議に合わせてウクライナとロシアの代表がウクライナ戦争の停戦に向けた協議を行う可能性を否定した。 地元メディアが伝えた。ロイター通信によると、これに先立ちトランプ米大統領は2025年2月13日、 「米露代表が2025年2月14日にミュンヘンで会談する」 「ウクライナも会談に招待されている」 と述べていた。 リトビン氏はウクライナの立場として 「まず米国や欧州各国と協議し、共通の合意を形成してからでなければロシアとの交渉には臨めない」 と説明。 現在はそうした合意がなく、 「ミュンヘンでロシアと交渉する見通しはない」 と述べた。 報道によると、トランプ氏は2025年2月13日、 「来週にはサウジアラビアでも米露が高官協議を開き、ウクライナも参加する」 と発言した。 ただ、実現するかは不透明だ。 米シンクタンク「プーチン氏に妥協の意思なし」 米露首脳会談巡り分析・評価相次ぐ 2025/2/14 9:32 https://www.sankei.com/article/20250214-R6PHRL2VJNOF5FFWVIIEEFXAWA/ 2025年2月12日に行われたトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領の電話会談について、欧米諸国のシンクタンクやメディアは、ウクライナ戦争を巡ってプーチン氏に譲歩や妥協の意思がないことが改めて示されたと評価した。 トランプ氏が提唱する早期停戦の実現可能性を疑問視したり、欧米の結束の乱れを危惧したりする声も上がった。 一方、露国内では、会談は米国がロシアの立場を尊重し始めた証だとして歓迎された。 ■ロシア「自国の意思と利益を強要」 米シンクタンク「戦争研究所」は2025年2月12日、プーチン氏が会談で、和平には 「紛争の根本原因」 の除去が不可欠だと述べたことに着目。 これは北大西洋条約機構(NATO)へのウクライナの加盟問題などを指すとした上で、プーチン氏の発言は 「ロシアが米国と欧州に自国の意思と安全保障上の利益(の尊重)を強要しようとしており、そのために妥協する気がないことを示している」 と指摘した。 戦争研究所はまた、ウクライナのゼレンスキー大統領が最近、将来的な停戦交渉でウクライナ軍が占領している露西部クルスク州の一部とウクライナ国内の露占領地域を交換する構想に言及したことに対し、複数の露高官が占領地の交換を完全否定したと説明。 この事実も 「プーチン氏は如何なる妥協にも関心がなく、ロシアの全ての要求が満たされる和平合意にのみ応じる」 とする観測の正しさを裏付けているとした。 ■ロシアは高評価「高尚で礼儀正しい」 ウクライナメディアによると、英紙タイムズは2025年2月13日、プーチン氏はウクライナに和平の条件として南部クリミア半島と東・南部4州のロシアへの割譲やNATO加盟断念による 「中立化」 を求めていると指摘。 ロシアの要求は高く、 「トランプ氏がロシアの要求に完全に屈服することを避けつつ停戦を実現できるかは疑わしい」 と論じた。 他の欧米主要メディアも 「トランプ氏はプーチン氏に降伏した」 「米国はロシア孤立政策を放棄した」 「米露主導の交渉はウクライナや欧州にとって悪夢になる」 との見方を伝えた。 一方、ロシア側は会談を評価した。 タス通信によると、ラブロフ外相は会談が 「高尚で礼儀正しい2人」 により行われたと主張。 欧州の指導者らは見習うべきだとの考えを示した。 露下院外交問題委員会のニコノフ第1副委員長も 「会談は米国が現代世界でのロシアの重要性を理解していることを物語った」 と述べた。 トランプ政権のウクライナ和平交渉に「対露融和」「譲歩」と批判噴出 NATO国防相会合 2025/2/14 9:06 https://www.sankei.com/article/20250214-4GZL54HEPZLSTPAEST66C2SQRU/ ブリュッセルで13日開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は、米露首脳がウクライナ戦争の和平交渉の早期実施で合意したことに関し、欧州の加盟国からトランプ米政権の取り組みが拙速な和平に堕することを懸念する意見が相次いだ。 対ウクライナ軍事支援で積極的な役割を果たしてきた欧州の頭越しに交渉の流れが作られたことへの不満も強く、今後も禍根を残しそうだ。 ロシアに欲しいものを全て与えている 会合に出席した欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表はNATO本部で記者団に 「交渉開始の前から(米国が)ロシアに欲しいものを全て与えているのはなぜか」 と疑問を呈し、トランプ米政権の取り組みは 「(対露)宥和政策だ」と 強い調子で批判した。 「その場しのぎの行動は不正な取引に繋がる」 とも指摘した。 ドイツのピストリウス国防相は、ヘグセス米国防長官がウクライナの領土を2014年の状態に回復することを和平合意に盛り込むのは 「非現実的だ」 と述べたことに対し、 「今の段階で米国がロシアに譲歩する必要はなかった」 と批判し、 「和平合意ではプーチン露政権の挑発行動を止められない」 と懸念を示した。 ウクライナや欧州が交渉当事者から外されることへの懸念も強い。 欧州とカナダは昨年、対ウクライナ軍事支援の約60%を負担しており、スウェーデンのヨンソン国防相は 「欧州が交渉に関与するのは当然だ」 と指摘した。 ■NATO加盟「約束していない」 NATOのルッテ事務総長は閉幕後の記者会見で 「ウクライナは必ず和平交渉に参加する」 と強調しつつ、ウクライナが停戦後の安全を保証する策として切望するNATO加盟について 「和平合意の中にNATO加盟が盛り込まれるとは約束していない」 と述べ、同国のNATO加盟を否定したヘグセス氏に同調する立場を示した。 NATO高官は 「ヘグセス氏の発言は和平合意の内容に盛り込むかどうかを述べたもので、NATO加盟自体を否定するものではない」 との解釈を示した。 ■ヘグセス氏「NATOを再び偉大に」 一方、ヘグセス氏は国際舞台で初の記者会見となる閉幕後会見で、ウクライナが領土を2014年以前の状態に回復できないのは 「戦況からも明らかな現実だ」 などと反論。 「トランプ大統領は地球上で最高の交渉者だ」 と主張して交渉の行方に自信を示した。 ヘグセス氏はまた、トランプ氏のスローガン 「米国を再び偉大に」 になぞらえて 「NATOを再び偉大にしなくてはならない」 と語り、欧州の加盟国が国防費を最大で国内総生産(GDP)比5%まで引き上げるなど、欧州の防衛強化に向けて応分の負担を担うことを改めて要求した。 ヘグセス米国防長官、ウクライナNATO加盟「非現実的」 平和維持へ米軍を派遣しない 2025/2/13 21:42 https://www.sankei.com/article/20250213-7ACPHSDGF5LWBL6VDIXLBEQZAM/ 北大西洋条約機構(NATO)は2025年2月13日、ブリュッセルで国防相会合を開いた。 今回が初参加のヘグセス米国防長官は、ロシアに侵略されたウクライナのNATO加盟を否定する一方、ウクライナ支援でNATOの負担増を要求。 米国の戦略的資源を対中国に全面投入したい思惑からウクライナ戦争の幕引きと欧州安保からの離脱を急ぐトランプ米政権の下で、NATOの結束は早くも揺さぶられた。 NATOのルッテ事務総長は2025年2月13日、米露首脳がウクライナ戦争の終結交渉の早期開始で合意したことに関し 「交渉は恒久的な和平を実現させるものでなければならない」 とした上で、ウクライナがより 「強い立場」 で交渉に臨めるようNATOによる支援継続の重要性を強調した。 また、交渉の過程では 「ウクライナの密接な関与が不可欠だ」 と指摘した。 一方、ヘグセス氏は同日、 「ロシアの戦争機構に立ち向かうのは欧州の責任だ」 と述べ、欧州の加盟国に国防費の大幅な増額を求めた。 ヘグセス氏は2025年2月12日、ウクライナで停戦が実現した場合は同国への安全の保証が必要だと認めつつ、同国のNATO加盟は 「非現実的だ」 と一蹴。 ウクライナの平和維持活動をNATO任務とせず、欧州を中心とする有志国が軍を展開すべきだとし、米軍を派遣しないとも明言した。 ルッテ氏によると、NATO加盟国によるウクライナに対する2024年の軍事支援の総額が500億ユーロ(約7兆8千億円)を超えた。 支援額の半分以上は 「欧州の加盟国とカナダからの拠出だ」 としている。 ルッテ氏は 「ウクライナへの軍事支援を平等化すべきだとするトランプ米大統領の主張に同意する」 と強調しつつ、欧州の加盟国がウクライナ支援を既に実質的に牽引していることを訴えた。 NATOは昨年2024年7月の首脳会議で、2024年に400億ユーロ規模の軍事支援を供与すると表明。 ルッテ氏は支援の規模を維持したい考えだが、ヘグセス氏は 「米国の最優先課題は中国をインド太平洋地域で抑止することだ」 とし、米国が欧州の安全保障への関与を減らす立場を明確に打ち出した。 トランプ氏「まず停戦」 プーチン氏「降伏」による戦勝 ウクライナ和平、行方は不透明 2025/2/13 19:54 https://www.sankei.com/article/20250213-2FJAOA56DZNVNFT2XSN2IABW2Q/ 2025年2月12日に行われたトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領の電話会談は、ウクライナ戦争の早期停戦を訴えたトランプ氏と、停戦よりロシアの安全確保が先決だとするプーチン氏の立場の隔たりを鮮明にした。 ウクライナに割く資源を中国抑止や国内政策に振り分けるためにも和平プロセスを急ぎたいトランプ氏の仲介が今後、どう進展するかはなお見通せない。 会談でプーチン氏は、早期停戦を訴えたトランプ氏に 「紛争の根本原因を除去することが不可欠だ」 とクギを刺した。 ■譲歩否定のプーチン氏 プーチン氏が強調した 「紛争の根本原因」 の除去とは、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を断念して 「中立化」 することや、最低限の防衛力しか保持せずに 「非軍事化」 すること、親欧米路線を放棄して 「非ナチス化」 することを指す。 プーチン氏はこれまでも 「単なる停戦では不十分で、永続的な平和を確立する必要がある」 「ロシアは目標の達成後にのみ停戦する」 とし、あくまでもウクライナの 「降伏」 による戦勝を達成する考えを示してきた。 今回のトランプ氏との会談は、安易な譲歩を否定するプーチン氏の姿勢を改めて浮かび上がらせた。 ■米政権は停戦へ「圧力」 ただ、トランプ米政権は、ウクライナでの大統領選の実施などロシアの主張に一定の理解を示しつつ、追加対露制裁の発動やウクライナ支援の強化などの 「圧力カード」 もちらつかせてロシアを停戦交渉の席に着かせようとしていくとの観測が強い。 ロシアも戦闘の更なる長期化が死傷者の増加や国民不満の増大、経済への悪影響に繋がることを懸念しており、そうした弱みにトランプ氏が付け込んでロシアの譲歩を引き出せるかが今後の焦点となる。 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領にとって最大の懸念は、米露両国がウクライナの頭越しに和平プロセスを進め、米国の支援が削減・停止されることだ。 このためゼレンスキー氏は 「ウクライナ支援は米国の利益にもなる」 と訴え、ロシアの主張を安易に聞き入れないようトランプ政権の説得を続ける構えだ。 ■国際規範揺らぐ懸念も トランプ氏が停戦実現を急ぐ背景には、ウクライナ支援に伴う米国の負担を軽減しつつ、覇権的行動を続ける中国の抑制や不法移民対策など国内問題に財政的・人的資源を振り分けたい思惑がある。 「ディール(取引)の天才」 とのイメージが政権の求心力にも直結するだけに交渉失敗は何としても避けたい考えだ。 ただ、ウクライナの利益を度外視した合意を結べば、武力や威嚇による一方的な現状変更を認めないとしてきた国際規範を更に揺るがす。 ウクライナや欧州諸国がトランプ氏の意思決定にどの程度関与できるかが交渉の行方を左右しそうだ。 停戦条件「100%以上の安全の保障」が必要、日本の支援継続望む 駐日ウクライナ大使 2025/2/13 16:22 https://www.sankei.com/article/20250213-HTW4MCBH2NMEZDFNGVXXBFKASI/ ロシアの侵略を受けるウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使が東京都内で産経新聞とのインタビューに応じ、停戦条件について 「二度とロシアから侵略されないため、確実な安全の保障が必要だ」 と強調した。 詳細は以下の通り。 ーーウクライナ戦争の現状を変え得るトランプ米政権が始動した プーチン(露大統領)は、米国が露経済を崩壊させる能力を持っていることを十分認識している。 トランプ氏が就任演説で述べた言葉 『我々は(化石燃料を)掘って、掘って、掘りまくる』 との言葉は、プーチンにとって死刑をも意味する。 米国が大量に採掘した石油を市場に出せば、露経済は瓦礫と化す。 ーートランプ氏は、プーチン氏が「ばかげた戦争」をやめなければ高関税を課すと迫った トランプ政権1期目の時もそうだったが、政治的な目標を達成するためにまず経済的な手段を優先的に使うということだろう。 ■プーチン氏は妥協しない ーープーチン氏はトランプ氏と対話を進める方針だ トランプ氏はプーチンが普通じゃないとすぐ分かるはずだ。 トランプ氏は4年前、プーチンとコミュニケーションを取れただろうが、今は違う人物だ。 1つ例を挙げよう。 ゼレンスキー大統領は、2019年のウクライナ大統領選に出馬した際、 『プーチンと会い、2014年からの戦争(ロシアによる南部クリミア半島併合)を終結させる』 というスローガンを掲げた。 当選後、プーチンと実際に会って分かったことは、プーチンが交渉や妥協を一切しない人間だということだ。 ーーゼレンスキー氏は昨年2024年、トランプ氏と直接会談した ウクライナ側の停戦条件は、2度とロシアから侵略されないよう、100%ではなく200%の安全の保障を得るということだ。 理想は北大西洋条約機構(NATO)加盟だ。 しかし、 ▽停戦 ▽安全保障の確保 ▽被占領地域の長期的な解決 からなる総括的な形で話し合う用意はある。 ■「私たちは諦めない」 ーーロシアはウクライナ側の疲弊や、西側諸国の支援疲れを待っているようにみえる プーチンは全面戦争の3年間、危険の度合いを上げてきた。 彼はロシア兵が何人殺されようが全く、平気だ。 しかし私たちは諦めない。 西側諸国も彼の期待とは逆に、対決姿勢を強めている。 英国は2025年1月、ウクライナとの新安保協定に署名した。 フィンランド、イスラエル、ドイツからも新しい軍事支援の話が来ている。 ーー日本の石破茂政権に何を期待する 「これまでに外相、防衛相、経済産業相、国土交通相、農林水産相、法相、会レベルでも多くの政治家と会ってきた。 彼らはウクライナ支持を明言している。 今後も日本政府が支援を継続してくれることを望む。 頼れるのは自力と同盟だけ ウクライナ侵略戦争3年の教訓 巻き返すゼレンスキー政権 緯度経度 遠藤良介 2025/2/14 9:00 https://www.sankei.com/article/20250214-A5IQ6PCOC5MELDNG6ZT7GUNPGI/ 今月2025年2月24日で丸3年を迎えるウクライナ侵略戦争の教訓は何か。 口にするのが憚られるようなことを敢えて記せば、頼れるのは自らの国力・武力と軍事同盟だけだということではないか。 ウクライナには3年前、ロシアの侵略を抑止し、撃退するだけの武力も同盟もなかった。 米欧日が懸命にウクライナを支え、ウクライナも世界を驚かせる抗戦を見せてきたが、十分な結果は出せていない。 ウクライナは国土の約2割をロシアに占領され、ゼレンスキー大統領によれば、ウクライナ軍の死者は約4万5100人、負傷者は約39万人に上る。 ロシアが拒否権を持つ国連の安全保障理事会は、侵略を止める術を何ら持たない。 そうした中で 「米国第一」 を掲げるトランプ氏が米大統領に就任した。 口にするのが憚られることをまた記せば、ウクライナが見捨てられるとの悪い予感が少なからぬ人にあろう。 トランプ氏はバイデン前政権によるウクライナ支援の在り方を批判し、 「戦争を24時間以内に終わらせる」 と豪語していた。 プーチン露大統領とディール(取引)を結び、ロシアに有利な停戦を急ぐとの観測が出たのは無理もない。 しかし、ここにきて事はそう単純でないとトランプ氏自身が認識した。 停戦には24時間でなく 「半年くらいほしい」 と発言を後退させた。 今月2025年2月3日には、支援の見返りとして、ウクライナが希少地下資源を供給するよう望むと語った。 地下資源に関する発言は唐突に出てきたものではない。 ゼレンスキー政権が昨年2024年秋、米欧に提示した5項目の文書 「勝利計画」 に含まれていたことであり、ウクライナによる必死の訴えをトランプ政権が聞き始めたということなのだ。 「勝利計画」 はウクライナの戦争出口戦略と言えるものだ。 北大西洋条約機構(NATO)加盟交渉への招待や軍事支援継続といった要請事項が柱なのだが、注目されるのは支援の見返りを記した第4〜5項だ。 第4項には 「ウクライナの戦略地下資源を共同開発・利用」、 第5項には 「欧州各国に駐留する米軍の一部をウクライナ軍が代替」 との提案が入っている。 ロシアを自力で撃退できず、同盟も持たないウクライナは今、 「自らは欧米にとって替えのきかない存在だ」(外交筋) ということを強くアピールしているのだ。 ウクライナには航空機製造や防衛産業に欠かせないチタン、スマートフォンや電気自動車(EV)のバッテリー製造に使われるリチウムといった希少金属(レアメタル)が豊富にあり、特にリチウムは欧州屈指の埋蔵量とされる。 レアメタルなど重要鉱物の分野では中国が高いシェアを握り、中国が輸出規制をかければ影響は世界に及ぶ。 民主主義諸国がウクライナの鉱物開発に参入すればサプライチェーン(供給網)を強靱にできるというのがウクライナの提案だ。 第5項はやや突飛にも聞こえるが、ウクライナ外交筋は 「露軍との戦いを熟知し、米欧製兵器の扱いにも慣れている80万人の部隊がウクライナにはある」 「ウクライナは是非ともNATOに必要だ」 と話す。 これも、欧州への米軍関与を減らしたいトランプ政権には響くかもしれない。 ウクライナはこれまでも、露黒海艦隊をドローンとミサイルだけで主要海域から撃退し、穀物輸出を回復させるなど数々の暗い予測を覆してきた。 国と民族の存続をかけた彼らの戦いは決して終わっていない。 (外信部長兼論説委員) トランプ停戦案は実現困難 ロシアがウクライナ完全征服ならジェノサイドが起きる 国際政治学者 グレンコ・アンドリー 2025/1/27 8:00 https://www.sankei.com/article/20250127-U6M56ZTV7ZM45KQJ6ATXGZHWYQ/ トランプ米政権はロシアによるウクライナ侵略戦争の早期終結を目指し、双方に交渉するよう促すとみられている。 これまでに出てきた情報をまとめると、トランプ政権の停戦案は、 ▽現状の占領ラインで戦争を凍結する ▽ロシアに譲歩し、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を認めない▽ロシアの再侵攻を防ぐためにウクライナへの武器支援を続ける との内容だ。 筆者はこの停戦案を、屈辱的で理不尽、国際法に反していると考える。 ただ、ウクライナにとって最も重要なのは、仮に一部領土でロシアの実効支配を当分容認しても、国の主権と独立が維持されることだ。 トランプ氏から圧力を掛けられた場合、ウクライナはこの停戦案を呑まざるを得まい。 他方、ロシアの目的はウクライナの完全支配である。 現状のトランプ氏の停戦案では、ウクライナの独立が維持され、ロシアが再侵攻して征服することは難しくなる。 従い、ロシアはトランプ案をまず受け入れないだろう。 ロシアは、次こそ確実にウクライナを征服できる形での停戦を要求する。 具体的には、ウクライナの大幅な軍縮や、西側からの武器支援停止といったことだ。 トランプ氏は、軍事支援の増減という形でウクライナには圧力をかけられるものの、ロシアに圧力をかける手段はさほど持っていない。 そこで、トランプ氏はロシアの要求をウクライナにのませようとする可能性があるが、ウクライナはそれを受け入れられない。 西側から安全保障を得られず、武器支援も止まれば、ロシアの再侵攻と国家壊滅は時間の問題だからだ。 トランプ氏がロシアに激怒し、ウクライナへの武器支援を継続するというのが良いシナリオだ。 その逆に、停戦実現という手柄を得られないと判断し、トランプ氏がこの問題への関心を失うというシナリオはもっと可能性が高い。 もしトランプ氏が交渉不調の責任をウクライナに負わせ、武器支援を停止するようなことになれば、ウクライナは欧州や日本の支援で踏ん張るしかなくなる。 ウクライナを支援すべき理由は多くあるが、その1つは人道問題だ。 プーチン氏はロシア人とウクライナ人を 「同じ民族」 だと考えているため、仮にウクライナを完全支配すれば、ウクライナ民族を消し去る政策をとる。 抵抗する者は殺害、投獄、追放されるし、そうでない者は意識をロシア人に改造される。 これは特定の民族を抹殺するジェノサイドである。 ウクライナはそうしたことが起きないようトランプ政権に懸命の訴えをしている。 日欧にも、共に米国に働きかけ、ウクライナ支援を継続・拡大することをお願いしたい。 ◇ グレンコ・アンドリー 1987年、ウクライナ生まれ。 キーウ国立大卒。 京大院指導認定退学。
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