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“黒い五輪招致”疑惑の馳浩知事に怪しい政治資金…衆院議員時代から有権者へのバラマキ常習か
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/332609
2023/11/29 日刊ゲンダイ
「お答えは控える」と、ダンマリを決め込む石川県の馳浩知事(C)日刊ゲンダイ
「五輪招致は必ず勝ち取れ」「カネはいくらでも出す。官房機密費もあるから」──。
2013年に開催が決まった東京五輪の招致を巡り、当時の安倍首相からこうはっぱをかけられたと暴露し、大炎上中の馳浩石川県知事。開催都市決定の投票権を持つIOC委員105人のために、1冊20万円のアルバムを作成。「それを持って世界中を歩き回った」とも語っていたが、本人は発言撤回後、ダンマリを決め込んだままだ。
20万円相当の「アルバム」だけじゃなかった
高価アルバムをバラまいたのが事実なら、IOC倫理規定違反の恐れがあるが、どうも本人は衆院議員時代から有権者へのバラマキが当たり前になっていたようだ。
日刊ゲンダイは、衆院議員だった馳氏(石川1区)がかつて代表を務めていた政党支部の政治資金収支報告書(18〜20年分)をチェック。すると、地元金沢市の有権者に「広報掲示板保守管理料」を支出していたことが分かった。3年で総額約215万円。1件当たり1万2500〜7万円である。
昨年10月に日刊ゲンダイは、当時の岡田直樹地方創生相(参院・石川選挙区)の政党支部が地元・金沢の有権者に「広報掲示板維持管理料」として、3年で計約202万円を支出していた公職選挙法違反疑惑を報じた。支出先の複数有権者が日刊ゲンダイに「ポスター掲示板の維持管理などしていない」と証言。維持管理していない有権者に金銭を渡せば、公選法違反の恐れがある。“買収”を疑われかねない支出だ。記者が昨年11月、金沢市で取材したところ、ある有権者はこう語っていた。
「岡田さんだけでなく、以前は馳さんのポスター掲示板の管理料ももらっていた。金額は掲示板1つにつき2500円。だけど、特段、維持や管理はしていません」
岡田同様、馳氏の政党支部も公選法違反の疑いがある。馳事務所に問い合わせたが、締め切りまでに回答はなかった。
政治資金問題に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏はこう言う。
「地元有権者の証言が事実なら、公選法違反の可能性があります。実際はやっていない『保守管理』名目の支出が不問になれば、他の議員も同じような寄付に手を染める恐れがあり、問題です。馳事務所は説明責任を果たすべきでしょう」
五輪招致に関しても「発言は一切いたしません」と口をつぐむ馳氏。沈黙していれば、そのうちほとぼりが冷めるとでも思っているのか。公人として完全にアウトだ。
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