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https://www.sankei.com/article/20231125-Y7NGCVGSAZK6HMWCHRASE7QL34/
「・・・懸案の処理水放出については専門家同士で科学的な議論を積み上げることを確認するにとどまり、日本側が求める日本産水産物の輸入規制撤廃に前進はなかった。・・・」
科学的な議論と言えば、
中国が「核汚染水」と呼ぶことは「非科学的」だと非難している日本政府は、相変わらず「処理水」と言う。
科学的には「核汚染水」なのか、はたまた「処理水」なのか。
この論争に決着を付けることが先決だ。
何故なら、このことは、この問題に対処対する両国の姿勢の違いを表す「核心」と言えるものだからだ。
どちらかが正しく、どちらかが間違っている。
「科学」を前面に押し出されたら、日本の形勢悪しだな。
問題の正しい認識があってこそ、その問題に対する対応策も正しいものになると期待できる。
問題に対しての認識が誤っていれば、その問題に対する対応策も誤ってしまうのは必然ではないか。
以下に記事の抜粋を記す。
【釜山=小沢慶太】上川陽子外相と中国の王毅共産党政治局員兼外相による初会談は、16日の日中首脳会談を受けて東京電力福島第1原発処理水の海洋放出などの懸案について外相レベルでも意思疎通を図る狙いがあった。・・・会談は1時間40分に及んだが、具体的な進展はなかった。・・・
・・・9月の上川氏の外相就任後、これまで電話を含め日中外相会談は行われなかった。・・・会談まで2カ月以上もかかったことは異例だ。
米サンフランシスコでの日中首脳会談では、2008年の日中共同声明で明記した両国の「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、「建設的かつ安定的な関係」を構築する方向性で一致した。
一方、懸案の処理水放出については専門家同士で科学的な議論を積み上げることを確認するにとどまり、日本側が求める日本産水産物の輸入規制撤廃に前進はなかった。
王氏は23日、公明党の山口那津男代表と北京で会談した際、「中国として独自にモニタリングができる機会をつくってほしい」と主張。だが、日本としては国際原子力機関(IAEA)を通じたモニタリングという大前提は崩せず、現状、着地点は見いだせていない。
上川氏は会談後、モニタリングについて「国家の主権、IAEAの権威や独立性といった原則が前提となることは言うまでもない」と強調した。・・・
・・・外務省関係者は「懸案が一気に是正されるわけではない。意見をぶつけ合うことが大事だ」とし、対話を模索する考えだ。
記事の抜粋はここまで。
「・・・懸案の処理水放出については専門家同士で科学的な議論を積み上げる。・・・」
その為には何が必要で、今欠けているものは何か。
その前に「科学的な議論」とはどういうものを指して言っているのか。
その事を明らかにしておくことは無駄にはならない。
「科学的な」とはどういうことか。
過去のスレでも書いたことがあるが、理解するには、二つの性格に着目すると分かり易い。
一つには「再現性」
「ある事柄について考えたり調べたりする時、その方法が同じならば、いつ・どこで・誰であったとしても、同じ答えや結果にたどり着くこと。」
もう一つは、「因果関係」
「原因と結果の関係がきちんとあるということ。」
つまり、科学的な議論とは、相互に主張することについて「再現性」を証明し、或いは「再現性」を確認しあうことが必要だ。
その事は、科学的であるために無くてはならない「科学的手続き」というものだ。
今のところ、「汚染水」に関するデータ、或いは、ALPSで除去出来ているという核種とその量は、東電と日本政府が独占し、その他第三者、第三国は知る方法が無い。
知るための情報源は、東電と日本政府だけとなっている。
これでは、中国を含め、その他第三者、第三国は、「科学的手続き」に従って日本の主張の「再現性」を確認することも、否定することも出来ない。
日本が他国に「科学的根拠」を要求するのであれば、「科学的手続きによる検証」の環境を提供することが求められることになる。
中国が、「中国として独自にモニタリングができる機会をつくってほしい」と言うのは、そのことと同義だ。
「・・・上川氏は会談後、モニタリングについて「国家の主権、IAEAの権威や独立性といった原則が前提となることは言うまでもない」と強調した。・・・」
と記事にある。
「汚染水」の実態や、ALPSの性能を検証することが、日本の主権を侵すことになるとは思えない。
ましてや、東電と日本政府の発表を鵜呑みにするだけで、自らは何も検証しないIAEAの権威も、独立性も、棄損しているのは、「そう言う」日本政府自身ではないか。
日本が、IAEAの権威や独立性を原則と言うならば、「放射能汚染」の定義も、IAEAの定義に従うべきだろう。
IAEAによる汚染(放射能汚染)の定義:(ウィキペディアから抜粋)
1. 表面上、または固体、液体、気体(人体を含む)内の放射性物質、または、それを生むプロセスで、その放射性物質の存在が意図しないか望ましくない場合。
2. ベータおよびガンマ線と低毒性(low toxicity)アルファ線の場合は0.4 Bq/cm2を超える量、または他のすべてのアルファ線の場合は0.04 Bq/cm2を超える量の放射性物質が表面に存在する場合。・・・
2. については、この定義は国際輸送規則上の定義であって、その数値以下であっても、1の科学的定義が考慮されなければならないとしている。
また特に、汚染の語には意図しないということを含意している場合があり、汚染の語は単に放射能の存在を示すにすぎず、関連する危険有害性の大きさを示すものではないとしている。
以上はウィキペディアから抜粋引用。
IAEAによる汚染(放射能汚染)の定義、特に1の「科学的定義」に従えば、「汚染水」をALPS等によって一定量の放射性物質を除去したとしても、意図ぜずして混入した放射性物質が残っている以上は、”その危険有害性の大きさに関らず”「汚染」水と言うことになろうか。
中国に日本産水産物の輸入規制の即時撤廃を求めるならば、「汚染水」の海洋放出を即時中止すればよいだけだ。
そうすれば、中国は日本産水産物の輸入規制に「科学的根拠」を失う。
そして、日本は「処理水」との呼称を即時撤廃すべきだ。
「処理水」の呼称は「科学的根拠」の欠片もないからだ。
「汚染水の海洋放出、絶対反対!」
以下参考まで、中国の李松IAEA常駐代表の発言。(少し長いが、以下に全文転載)
【新華社ウィーン11月25日】中国の李松(り・しょう)国際原子力機関(IAEA)常駐代表は24日、IAEAの定例理事会で、福島第1原発の放射能汚染水の海洋放出に対する中国の断固とした反対を改めて表明し、厳格な国際監督を全面的に受け入れ、協力するよう日本に求めた。李氏の発言要旨は次の通り。
日本は国際社会の疑念と関係国の強い反対を顧みず、福島放射能汚染水の海洋放出を強行し、継続的に推進している。福島放射能汚染水の海洋放出は決して日本一国だけの問題ではなく、原子力の安全な管理に関する重大な問題であり、全人類の健康、世界の海洋環境、国際公共利益に関わる。中国は日本の海洋放出に断固として反対し、日本に海洋放出をやめるよう促す。日本は国内外の合理的な懸念に真摯(しんし)に向き合い、責任ある建設的な態度で福島放射能汚染水問題を適切に処理しなくてはならない。
原発事故で生じた汚染水を人為的に海に放出した前例はなく、大量の放射性核種の放出によって海洋に生じる累積的影響には、極めて大きな不確実性が存在する。海洋放出される福島放射能汚染水の量が増えるほど、国際社会は日本の浄化装置が長期的に有効で信頼できると考えられなくなり、日本の排出管理が30年間、失敗や間違いを起こさないと考えることもできなくなる。中国は常に、海洋放出を独断専行で推進する日本への国際監督を強化し、福島放射能汚染水の海洋放出に対する長期的な国際モニタリング(監視)体制を継続的に整備するよう断固として主張し、積極的に推進してきた。中国はIAEA事務局に対し、客観的で公正かつ科学的な態度を堅持し、加盟国との意思疎通を強化して、日本に対する国際監視体制を継続的に強化するよう求める。加盟国と理事会は日本に対する国際監視体制を整備する過程で役割を果たし、日本の海洋放出問題と国際監視体制について定期的に審議しなければならない。
日本が福島放射能汚染水の処分問題に真に責任を負い、処分の安全性に自信があるのであれば、公開性と透明性を高め、より協力的になり、利害関係国と十分かつ有意義な協議を行い、各方面の懸念と意見を重く受け止め、IAEAによる国際監視体制の継続的な整備と強化を積極的に支持すべきである。中国は日本に対し、真摯で責任ある建設的な態度でIAEA事務局、加盟国と協議を続け、厳格な国際監督の受け入れに全面的に協力するよう求める。中国は利害関係者と共に努力し、IAEAが主導的な役割を果たすことを支持するとともに、科学的かつ責任ある態度で、日本に対する独立した長期的かつ効果的な国際監視体制の強化に向けた努力に積極的に参画し、日本の海洋放出が海洋環境と人類の健康に長期的な危害を及ぼさないよう確実に防ぎたい。
以上参考まで。
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