<■404行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 月曜コラム 父さんを人質にする中国 日本ウイグル協会会長 レテプ・アフメット 2023/11/20 9:45 https://www.sankei.com/article/20231120-HDKCFCZXANLALLB7SYY6R75NSI/ 中国共産党政権によるウイグル迫害は近年に始まったことではない。 1949年の 「中華人民共和国」 建国後、70年に渡りウイグル人の 「中華民族」 への同化を図ってきたと言っていい。 ただ、2017年以降、迫害が異常なレベルで行われるようになったため国際問題として注目されるようになった。 習近平政権は、同化が思うように進まないことに焦りを募らせ、ウイグル人を力で滅ぼす方向へ大きく舵を切ったのだろう。 300万人超と指摘される大規模な強制収容、強制労働、不妊手術の強制、親子の強制的引き離し。 AI(人工知能)による監視システム、ウイグル人宅に100万人規模で政府職員を寝泊まりさせるなど想像を絶する監視も常態化した。 著名な知識人や経済人らが一斉に収容され、行方不明となる悪夢の事態も起こっている。 外国に暮らすウイグル人らは故郷に残る家族との通信が遮断され、生き別れを強いられている。 私自身も2017年夏に、父や弟を含む親族12人が強制収容されたことを知ったが、その後、消息が確認できていない。 翌年2018年3月、地元警察から、収容所で撮影された父のビデオが送られてきて、 「中国共産党への忠誠心を示し当局に協力すればお父さんを出してあげる」 と告げられたが、断った。 それ以降、一切の通信は断ち切られたままだ。 私は日本のパスポートを持っているので、世界中ほとんどの場所に安心して行けるが、唯一怖くて行けない場所が実家だ。 2019年には、強制収容された家族を捜すために留学先の日本から帰国した20代のウイグル人女性ミギライ・エリキンさんが直後に強制収容され、収容所で死亡した。 今、欧州連合(EU)や英仏など10カ国・地域の議会と米国政府が、ウイグル問題をジェノサイド(民族大量虐殺)か、その深刻なリスクがあるものと認定しているが、日本ではどうだろうか。 国会でも2022年、決議を採択したが、中国へ配慮し過ぎた内容だった。 日本企業は無意識にこの問題に関与している。 日本ウイグル協会の調査では、複数の企業の技術が 「ウイグルジェノサイド」 を支える監視システムに悪用されていることが確認されている。 日本は太陽光パネルのほとんどを中国からの輸入に頼っているが、その多くはウイグル人の強制労働と繋がっていると指摘されている。 強制労働でもたらされた製品の供給先になっている可能性が高いのだ。 欧米では、強制労働防止法や外国の人権侵害に対し資産凍結などの制裁を科すマグニツキー法などの整備も進み、制裁の流れも強まっているが、日本は後れを取る。 日本が制裁逃れの穴場として利用されるリスクが高まっている。心削る証言も 変わらぬ中国圧力「それでも希望は‥」ウイグル女性 2023/11/2 12:42 https://www.sankei.com/article/20231102-366RO34XGJAZLPYFDP5T3UDNCQ/ 中国新疆ウイグル自治区の 「再教育収容所」 に収監され、体験記を出版したウイグル出身女性、グルバハール・ハイティワジさん(56)が2023年11月2日までに産経新聞のインタビューに応じた。 ハイティワジさんは2019年8月の釈放後、収容所の体験談を求めるメディアの取材に積極的に応じ、産経新聞も2021年4月に記事化した。 ただ、証言は収容所での凄惨な記憶のフラッシュバックを伴う作業となる。 中国政府にウイグル民族への圧力を緩める気配もないが、ハイティワジさんは 「希望は失わない」 と述べ、収容政策に終止符を打つ対応を国際社会に期待している。 ◇ ーー2019年8月に再教育収容所から解放され、フランスに戻った ★グルバハール・ハイティワジさん 釈放時、当局者から 『収容所の体験は公開するな』 『公開すれば中国に残した親戚が酷い目に遭うだろう』 と脅され、静かに暮らしていた。 だけど、(一緒に収監された)足枷を掛けられた女性収容者の可哀相な表情が頭から消えなかった」 ーー収容所の体験記を書き、日本でも2021年10月に 「ウイグル大虐殺からの生還 再教育収容所 地獄の2年間」 を出版した ★グルバハール・ハイティワジさん 体験を公開すれば、施設の実態が改善されるかもしれないと思ったからだ。 堂々と名前を名乗れば、ウイグルに残した親戚が当局者に虐められることもないだろうとも思った。 《話し終わると、ハイティワジさんは「はあ‥」と深い溜息ついた》 《記者の質問に答える際、表情を歪める場面も目立つ》 ーー証言は辛い作業 ★グルバハール・ハイティワジさん その通りだ。 改めて収容所に入れられた気持ちになる。 毎回、証言した後は2、3日寝られない。 音楽を聴いたりして、頭から(収容所での苦しい記憶を)追い出そうと努力している。 ーー証言の結果、ウイグル収容政策に変化はあったか ★グルバハール・ハイティワジさん 全く改善が見られない。 それが終わった後に真相が世界に知れ渡ったナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)と違って、今のウイグルの問題は、人工衛星といったテクノロジーで新たな収容所の建設などが明らかになっている。 なのに‥失望する。 《2022年5月、収容所などの実態を示す写真や2万3000人超の収容者名簿など当局の内部資料「新疆公安ファイル」が公開された》 《ハイティワジさんら生還者の証言を裏付ける内容と言える》 《約2900人の収容者の顔写真からは絶望や悲しみといった感情が読み取れる》 ーー新疆公安ファイルも自治区の公安サーバーへのハッキングというテクノロジーを通じて流出した ★グルバハール・ハイティワジさん 収容者の顔写真を見た。 女性たちは泣いてはいないが、目から涙が零れそうだ。 私がいた収容所でも泣くことを禁じられていた。 収容所の生活を思い出した。 《日本の国会ではウイグルの人権状況の改善に取り組む海外の政治家や研究者ら約200人が対応策を話し合う「国際ウイグルフォーラム」が2023年10月30、31両日に開かれた》 《初来日というハイティワジさんもパネルディスカッションに登壇》 《2023年11月1日には東京都内で収容所の実態を告発する証言集会に参加した》 ★グルバハール・ハイティワジさん フォーラムは色々な研究者や政治家が来ていた。 ロシアのウクライナ侵攻、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ侵攻など人道上の問題も起きて、相対的にウイグル問題への関心も下がりそうだったが、フォーラムの開催により、そうした事態がある程度、避けられるのではないか。 ーー日本や世界に期待することとは ★グルバハール・ハイティワジさん 決定的なアクションを取って、このジェノサイド(集団殺害)を止めてほしい。 (決議の発表などに終わらず)行動しないと意味がない。 釈放されて4年以上が経つが、当時期待した世界の対応はこのようなものではなかった。 でも、希望は失わない。 中国に対しては、経済的な取引、お金のやり取りの上位に、自分の良心と人間性を置いて対応してほしい。 ーー現在も収容されるウイグル人に伝えたいこととは ★グルバハール・ハイティワジさん 我慢して頑張ってほしい。 それ以外は言えない。 ーー今、幸せに感じる瞬間はありますか ★グルバハール・ハイティワジさん 収監前は、家中を片付けた後、1杯のコーヒーを飲むことで、世界で1番幸せだと思った。 今は孫や子供と一緒にいる時に、短いけれども幸せを感じられる。 ウイグル族学者判決を非難 米「中国は文化を根絶」 2023/9/30 8:25 https://www.sankei.com/article/20230930-NX4HBWYQVFLE3FMB2QESWF35ME/ 米国務省は2023年9月29日、中国の裁判所が国家安全を脅かした罪でウイグル族学者ラヒラ・ダウト氏に無期懲役判決を言い渡したことを 「非難」 し、 「ウイグル族のアイデンティティーや文化を根絶しようとする中国政府の取り組みの一環だ」 と批判した。 ダウト氏はウイグル族の民間伝承などを研究していた。 声明は、国家分裂罪に問われ服役中のウイグル族学者イリハム・トフティ氏にも言及し、不当に拘束されているあらゆる人の即時釈放を中国へ求めた。(共同) 加速する中国の「同化政策」 ウイグル人女性が実態を告白 2022/9/30 8:00 https://www.sankei.com/article/20220930-KIBGLSSFDJPWTHFFLKM2HEFNLI/ 中国の新疆ウイグル自治区でウイグル人に対する人権侵害が行われているとして、日本在住のムカイダイスさんが愛媛県西条市で講演し、植民地となった国に訪れる悲惨な実情を具体例を挙げて述べ、 「民主主義の日本がアジアを守る力を持ってほしい」 と訴えた。 ■深刻な人権侵害 この問題では、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が2022年8月、 「深刻な人権侵害が行われている」 とする報告書を発表。 報告書は、 ▽差別的で恣意的な身柄拘束は人道に対する罪に相当する可能性がある ▽職業訓練施設は自由に退所できず、収容は自由の剝奪 とし、中国に対し、恣意的な拘束を受けている全ての人の解放を勧告し、ウイグル族らに対する差別的な政策、法律の撤廃を要求する内容となっている。 講演会は 「美しいふるさと西条実行委員会」 の主催で、新型コロナウイルス対策として参加数を制限して2022年9月11日に開かれた。 ムカイダイスさんは 「ウイグル人女性が語る『祖国』への想い」 のテーマで壇上に立ち、 「私の故郷で何があったのかを話したい」 と語りかけた。 ■冬季五輪外交ボイコット ジェノサイド(集団殺害)を巡っては、1948年に国連総会でジェノサイド条約が採択され、1951年に発効した。 ▽集団の構成員を殺す ▽重大な肉体的、精神的危害を加える など5項目の定義があり、いずれかに該当するとジェノサイドとされる。 ムカイダイスさんは 「ウイグルは定義に全部当てはまる」 と指摘し、中国の人権問題が国際社会に認知された背景に、中国国外の亡命ウイグル人らの活動があったと説明した。 米国は2021年、ジェノサイド及び人権に対する罪を認定。 批判の声の盛り上がり、各国の2022年2月の北京冬季五輪の外交ボイコットにも繋がった。 中国は人権侵害を全面的に否定しているが、日本でも2022年2月1日、衆院で 「新疆ウイグル等における深刻な人権状況に対する決議」 がなされた。 「不十分な内容だった」 との指摘もあったが、ムカイダイスさんは 「民主主義の力が発揮された」 「対中非難決議はアジアでは日本が初めて」 「私は日本に感謝したい」 と評価した。 ■誰が助けてくれるのか ムカイダイスさんは、講演で故郷について紹介。 東トルキスタンはトルコの東という意味で、日本では西域、シルクロードの国として知られる。 広さは日本の約4.6倍で、中国の約5分の1を占め、美しい自然と豊かな文化を持つ、と語った。 「植民地となって以降、トルコ民族のウイグル人は出ていけと言われた」 「今は中国の植民地で、中国共産党により様々な人権侵害に苦しめられている」 「支配者は魂が怖い、文化が怖いのです」 「言語を失わせ、思想を改造しようとする」 「私たちを中華民族にしようとしている」 と人権侵害が続く実情を、強制される不妊手術、漢民族の男性兵士との結婚など事例を示しながら説明した。 「私たちは国を守れなかった」 「世界がジェノサイドを認定しても、誰が誰を助けてくれるのか」 「自分の国を渡したら悲惨なことになる」 「ホームステイといって漢民族が一緒に住みます」 「『親戚』となって家に入ってくるわけです」 「娘を持つ親は抵抗することはできない」 「これは合法化されたレイプ政策です」 「収容所では女性は髪を切られ、中国製のかつら、つけまつげとして日本でも売られています」 時折、涙ぐみ、言葉に詰まりながらもムカイダイスさんは語り続けた。 ■日本はアジアを救う力を 「収容所は人間の尊厳を踏みにじる」 「ダメです」 「犯罪です」 とムカイダイスさんは強調する。 「でも、そこで殴られた人は知っていても、証拠を示すのは難しい」 「助けてくれたのは、心ある漢民族の方々でした」 「14億人の漢民族の中に心ある人はたくさんいる」 「そのような人々は、真の意味で日本と仲良くなりたいと思っています」 「それを日本の皆さんも知るべきです」 と述べた。 ムカイダイスさんは東京の多磨霊園にウイグル人の墓があることも紹介し、 「大事にしてくれた日本に感謝しています」 と話した。 そして 「日本はダメなものはダメと言える民主国家」 「アジアを救う力を持つことが必要です」 「中国の暴挙から守ってほしい」 「日本は世界の平和をリードする国となってほしい」 と訴えた。 ウイグル族学者に無期懲役 中国、国家安全で判決 2023/9/22 23:11 https://www.sankei.com/article/20230922-DJULJ4ZHBZNXVFOC6Z6TW5V4MI/ 米政府系メディアのボイス・オブ・アメリカ(VOA)は2023年9月22日までに、中国の裁判所がウイグル族学者ラヒラ・ダウトさんに国家安全を脅かした罪で無期懲役の判決を言い渡したと報じた。 米国の人権団体によると、ダウトさんは中国新疆ウイグル自治区の大学で教授としてウイグル族の民間伝承などを研究していた。 中国外務省の毛寧副報道局長は2023年9月22日の記者会見で 「中国は法治国家で、法律に基づいて事件は処理される」 と述べた。(共同) 新疆人権行事に「行くな」 中国、国連で各国に 2023/9/20 19:58 https://www.sankei.com/article/20230920-VKQ5HOBHQFLSVMPBY6JZTYZDME/ 中国国連代表部が、国連総会に合わせて米シンクタンクがニューヨークで開いた新疆ウイグル自治区の人権問題に関するイベントに参加しないよう各国代表部に要求していたことが分かった。 米メディアが2023年9月20日までに伝えた。 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は2022年夏、自治区に関する報告書を発表し、少数民族ウイグル族に対する中国政府の政策は 「人道に対する罪に相当する可能性がある」 と指摘した。 報告書発表の際も中国は、公表をやめさせようと国連での外交工作に動いたと報じられていた。 米メディアによると、米シンクタンク、大西洋評議会や国際人権団体が2023年9月19日、自治区の人権状況を議論するイベントを開催。 中国代表部は2023年9月14日付の書簡で他国代表部に対し、この 「反中イベント」 に参加すべきでないと警告したという。(共同) 習氏指示に日本ウイグル協会長「非常に危機的」 2023/9/11 17:38 https://www.sankei.com/article/20230911-OMVE7ZOFUBLAJBILI7JA5EUGTU/ 中国の習近平国家主席が2023年8月26日に新疆ウイグル自治区を視察し、 「イスラム教の中国化」 の推進や 「中華民族の共同体意識の増強」 を指示した。 国際社会が中国の民族迫害政策を非難する中、ウイグル人への同化政策を緩めない姿勢を改めて示した形だ。 日本ウイグル協会のレテプ・アフメット会長は2023年9月11日までに産経新聞の取材に応じ、 「『ジェノサイド』(集団殺害)の加速を謳い、非常に危機的なメッセージだ」 と懸念を示した。 ◇ 《習氏のウイグル自治区入りは2014年以来8年ぶりだった2022年から2年連続となる》 《今回、習氏は区都ウルムチ市で開かれた会議に出席し、地元幹部に 「社会の安定維持」 と 「違法な宗教活動」 を押さえ込むよう指示した》 《標準中国語(漢語)教育の徹底、漢人の自治区移住の推奨なども表明した》 ーー習氏のウルムチでの発言をどう受け止めているか ★レテプ・アフメット会長 欧米諸国などからジェノサイドと批判されるウイグル政策の加速を明確に謳った形で、非常に危機的なメッセージだ。 言語も宗教も人口比もウイグルのアイデンティティーを薄めようとしている。 国際社会がどんなに声を上げても、ウイグル民族や文化を滅ぼす意志は固いと受け止めている。 《国際社会はウイグルの人権侵害状況への批判を強めている》 《国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は2022年8月、テロ対策の名目でウイグル人に 「深刻な人権侵害が行われている」 とする報告書を発表》 《米国は2022年6月、ウイグル自治区からの物品輸入を原則禁止するウイグル強制労働防止法を施行し、制裁対象の中国企業を追加するなど、運用も厳格化した》 ーー習氏はウイグル人の収容政策に言及しなかった ★レテプ・アフメット会長 中国共産党は2019年までに(ウイグル人を強制収容したとされる)『職業技能教育訓練センター』を閉鎖したと主張する。 だが、消息不明の人や施設から解放されていない人がいる。 2023年9月も新たな収容者の存在が相次いで報じられた。 私の親戚も12人が収容されたと確認された。 妻の兄弟は勤務先で警察に呼ばれたまま、消息が分からず、裁判も開かれていない状況だ。 ーー中国当局は自治区へのツアーを催し、平穏な暮らしぶりをアピールする ★レテプ・アフメット会長 習氏も今回、ウイグル自治区の良さを伝えるとして、外国人旅行者向けのツアーの拡大を指示した。 ツアーは中国政府がコントロールし、幸せに暮らしているウイグル人を装うプロパガンダ(政治宣伝)に過ぎない。 尾行や行動制限もない旅行は許可されていない。 隠したいことがあるからだ。 日本人がツアーに参加して統制された情報をそのまま発信することは中国の犯罪に加担することだ。 ーー自治区出身者に対する嫌がらせはあるか ★レテプ・アフメット会長 在日ウイグル人は中国当局から現地に残した家族を人質に取られ、ウイグル協会の活動情報などを求められている。 パスポート更新の申請も何カ月も放置され、現地で手続きを求められた人もいる。 ーー2023年10月に「国際ウイグルフォーラム」が開催される。日本で開く意義は ★レテプ・アフメット会長 中国がウイグル問題について欧米が作り上げたデマだと宣伝する中、アジアで唯一中国側の主張に反論している国が日本だ。 国際社会がこれまで以上に連携してウイグル問題に取り組まないと、民族迫害は改善しない。 中国の隣国の日本から 『国際社会は納得していない』 『責任を追及する声がここにある』 と発信してほしい。 主張 国連人権報告書 ウイグル弾圧は許されぬ 2022/9/4 5:00 https://www.sankei.com/article/20220904-P4ZWNCREF5L3LGPK6BPZ2HPSVQ/ 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が中国新疆ウイグル自治区の人権状況に関する報告書を発表した。 報告書は、少数民族ウイグル人に対し、テロ対策名目で 「深刻な人権侵害が行われている」 とした。 差別的で恣意的な身柄拘束などは、 「人道に対する罪に相当する可能性がある」 と指摘し、恣意的な拘束を速やかに解くことを中国政府に勧告した。 ウイグル人弾圧の実態を国連が公式に認めた意味は重い。 中国は報告を真摯に受け入れ、一連の弾圧を直ちにやめるべきだ。 同時に日本を含む国際社会は、状況が改善されるよう、連携して中国に圧力をかけていく必要がある。 報告書は、ウイグル人らを職業訓練の名目で収容した施設について、 「自由に退所できたり、一時帰宅を許されたりした人は1人もいなかった」 とした。 施設が事実上の強制収容所となっていることを示すものだ。 ウイグル人らが同自治区で拷問や性的暴行などを受けたと訴えていることについても 「信憑性がある」 と認めた。 中国政府には、拷問などの人権侵害の疑惑を速やかに調査することや、行方不明者の所在を確認すること、ウイグル人らに対する差別的な政策や法律の撤廃などを求めた。 ただ、欧米諸国が非難するジェノサイド(集団殺害)の認定には踏み込まなかった。 中国側は会見で、報告書について 「海外の反中勢力によるでっち上げだ」 と猛反発した。 だが、報告書は、弾圧されたウイグル人の証言や流出した内部文書などの証拠を基に作成された。 中国の虚言は国際社会に通用しない。 報告書は、中国の圧力で再三延期された。 発表されたのは、バチェレ人権高等弁務官の任期が終了する約10分前の2022年8月31日深夜というタイミングだった。 残念なのは日本政府の歯がゆい反応である。 松野博一官房長官は会見で、報告書を 「評価する」 としつつ、 「自由、基本的人権の尊重、法の支配が中国においても保障されることが重要だ」 と述べるにとどめた。 2022年が日中国交正常化50年であることを意識して抑制したのだとしたら、中国に足元を見られるだけである。 岸田文雄政権は、中国の人権状況について独自の調査を進め、ウイグル人への弾圧を即刻やめさせなければならない。 米報道官「残虐行為の即時停止」要求 国連ウイグル報告書を歓迎 2022/9/2 8:39 https://www.sankei.com/article/20220902-22QFV3HVRBPJFDDTHDVATR2M4U/ 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が2022年8月31日に発表した新疆ウイグル自治区の人権状況に関する報告書について、ジャンピエール米大統領報道官は2022年9月1日、 「中国が関わる継続的なジェノサイド(集団殺害)と人道に対する罪への我々の重大な懸念を深めた」 とし、中国政府に対し 「残虐行為の即時停止を要求する」 と訴えた。 米国は同自治区における人権侵害を 「ジェノサイド」 と認定。 強制労働や人権侵害への関与が疑われる企業への輸出規制や同自治区の産品の輸入禁止などの制裁を講じている。 同報道官は、バイデン政権として同盟諸国や国際社会と連携し 「強制労働とは無関係な世界規模の供給網の確立に引き続き取り組む」 と強調した。 ブリンケン国務長官も2022年9月1日、 「ウイグル人や他の少数民族・宗教グループに対する人権侵害や酷い扱いを記述したこの重要な報告書を米国は歓迎する」 とした声明を発表、 「不当に拘束された人々の解放や行方不明者に関する説明責任を要求する」 と訴えた。 EU、国連ウイグル報告の発表を歓迎 「中国の人権監視を」 2022/9/2 8:24 https://www.sankei.com/article/20220902-QGY7FITH7NNFXLMB3JVJ55AJHU/ 欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は2022年9月1日、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が中国新疆ウイグル自治区の人権侵害について報告書を発表したことを歓迎した。 その上で、中国の人権状況を注意深く監視し、報告すべきだという立場を示した。 ボレル氏は声明で、報告書が 「人道に対する罪」 が行われている可能性に触れたことを強調。 自治区の人権状況について 「中国政府の他、特に人権に関する国連機関、国際社会が緊急に注意を払う必要がある」 と指摘した。 フランス外務省も2022年9月1日に声明を出し、中国が報告書の勧告に沿って、自治区の人権状況を改善するよう求めた。 国連人権理で調査開始を 新疆報告受け、団体訴え 2022/9/1 11:50 https://www.sankei.com/article/20220901-CXZ4U7LKG5OFBH3VDJ75WA4ALI/ 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは2022年8月31日、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が中国の新疆ウイグル自治区を巡る報告書を公表したことを受け 「ウイグル族らを標的にした中国政府の人道に対する罪について、国連人権理事会は包括的な調査を開始すべきだ」 と訴える声明を出した。 報告書は、同自治区での中国政府のイスラム教徒少数民族に対する政策が 「人道に対する罪に相当する可能性がある」 と指摘。 このため、団体は声明で 「なぜ中国が必死になって報告書の公表を阻止しようとしていたかが分かった」 と中国政府の対応を批判。人権理が報告書も利用して調査し、人権侵害を行った者たちに責任を負わせるよう求めた。(共同) 「深刻な人権侵害」指摘 国連人権高等弁務官事務所ウイグル報告書で 2022/9/1 7:41 https://www.sankei.com/article/20220901-I3ZZY44A7ZPYLL5GLTIVMMV4VQ/ 国連人権高等弁務官事務所(スイス・ジュネーブ)は2022年8月31日、中国新疆ウイグル自治区を視察した結果を基に新疆の人権状況をまとめた報告書を発表した。 報告書は同自治区で 「深刻な人権侵害」 が発生していると指摘した。 バチェレ国連人権高等弁務官は同日、任期満了に伴い退任。 新疆の人権問題を否定する中国政府の圧力を受け、報告書の公表が遅れているとみられていたが、退任直前に発表した。 バチェレ氏は2018年9月に国連人権高等弁務官に就任。 2022年5月23〜28日に訪中し、滞在中に新疆の刑務所や多数のウイグル族らを収容した 「職業技能教育訓練センター」 だった施設を視察した。 国連の人権高等弁務官が中国を訪問するのは2005年以来だった。 バチェレ氏は2022年6月13日、1期目の任期が終了する2022年8月末で退任する意向を表明し、報告書を退任までに公表する方針を示していた。 欧州メディアによると、バチェレ氏の報道官は2022年8月31日、 「報告書は同日中に発表される」 と述べた。 ロイター通信によると、中国政府がスイス・ジュネーブにある各国の代表部に2022年6月終わり頃から書簡を送付し、報告書の公表について 「重大な懸念」 を表明。 公表すれば 「人権分野において(問題の)政治化と陣営間の対立を激しくさせ、国連人権高等弁務官事務所の信頼を傷付ける」 と主張した。 バチェレ氏は2022年8月25日、約40カ国から公表に反対する書簡を受け取ったと発言。 中国などから送付されたとみられる。 国連弁務官の新疆視察報告、中国が非公表を働きかけ ロイター報道 2022/7/21 19:24 https://www.sankei.com/article/20220721-WZDAPMCZB5OU3L4Z5K77TL37OU/ 中国政府が、バチェレ国連人権高等弁務官の中国新疆ウイグル自治区視察に関する報告書を公表しないよう各国に働きかけていると、ロイター通信が2022年7月21日までに報じた。 中国側は、米欧が批判する新疆の人権問題を否定しており、報告書を公にしないことで幕引きを図ろうとしている可能性がある。 ロイターによると、中国はスイス・ジュネーブにある各国の代表部に2022年6月終わり頃から書簡を送付した。 2022年5月に現地視察したバチェレ氏による新疆の人権状況に関する報告書が公表されることについて 「重大な懸念」 を表明。 報告書が公表されれば、 「人権分野において(問題の)政治化と陣営間の対立を激しくさせ、国連人権高等弁務官事務所の信頼を傷付ける」 と主張し、視察結果を公表しないよう強く求めた。 中国外務省の汪文斌報道官は2022年7月20日の記者会見で、ロイターの報道について 「一部の国は新疆問題にかこつけて政治的な策略を行おうとしている」 と反発する一方、働き掛けについて否定することはなかった。 汪氏は、バチェレ氏の新疆訪問について 「中国の人権の発展や成果を自分自身の目で確認した」 と述べ、米欧の人権批判を否定する材料として使った。 習近平国家主席は2022年7月中旬に新疆を約8年ぶりに訪問し、 「我々の民族政策は良く、効果的だ」 と強調した。 習氏の長期政権化を目指す2022年秋の共産党大会を控える中、報告書公表で新疆問題に関する海外からの批判が盛り上がることを警戒しているとみられる。
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