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岸田首相が自ら抱え込む「しょぼすぎる減税」リスク…税収還元猛アピールも無い袖は振れない
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/330814
2023/10/19 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
公明党からは「定額減税」を求める声(岸田首相と公明党の山口那津男代表=左)/(C)日刊ゲンダイ
「増税メガネ」が迷走中だ。23日に行われる臨時国会の所信表明演説で、岸田首相が「所得税減税」の方針を打ち出し、与党の税制調査会に具体化を指示する意向だという。
17日に自公両党が岸田首相にそれぞれ提出した経済対策の提言に所得税減税の明記は見送られたのに、よっぽどSNS上で拡散する「増税メガネ」のあだ名を払拭したいのか。あくなき減税意欲を自ら発信することを選択したわけだが、自民党政権にとって減税は鬼門。岸田首相は大きなリスクを抱えることになる。
◇ ◇ ◇
「成長の成果である税収増を国民に還元する」
9月25日、経済対策の取りまとめを表明した会見で、岸田首相がそう豪語して以降、与党内で所得税減税の実施を求める声が拡大。特に公明党は「所得税の定額減税がふさわしい。今の物価高の状況において一定期間、検討したらどうか」(北側一雄副代表)と踏み込んだ発言が目立っていた。
税収増は物価高による要因が大きく、決して「成長の成果」ではないが、直近の報道各社の世論調査で支持率は軒並み過去最低を記録。
岸田首相はなりふり構わず所得税減税にカジを切り、「税収還元セール」を猛アピールすることで、政権浮揚につなげたいのだろう。
問題は減税の実現性だ。そもそも還元する「税収増」とは何を指すのか。実は政権内でも明確になっていない。鈴木財務相は今月6日の会見で「とりあえずは2022年度の税収増だと理解している」と答えたが、「十分な財源的な裏付けがあるとは思っていない」と付け加えた。
それもそのはず。22年度の一般会計税収は前年度より4兆円多い71.1兆円だったが、上振れ分は補正予算の財源などに消え、一般会計決算の最終的な剰余金は2.6兆円。この2.6兆円も、そっくり余っているわけではない。
財政法には剰余金の半分以上を国の借金である国債返済の財源にする規定があり、近年は半分を国債返済、残り半分を経済対策の財源に充ててきた。この慣習を打ち破ったのが、岸田政権だ。22年度決算から剰余金の半分を5年間で43兆円規模とする防衛費増額の財源に充てると計画している。
自民党政権の鬼門、大型減税にならなければ…
1998年7月、橋本龍太郎首相は、減税迷走で退陣表明へ(C)日刊ゲンダイ
いくら岸田首相が「税収還元」と力んだところで、無い袖は振れない。過去には減税が政権を揺るがした例もある。
1998年の参院選で橋本龍太郎首相(当時)は所得税・住民税の特別減税を巡る発言が迷走し、自民は惨敗。退陣に追い込まれた。「ハシリュウ」の二の舞いを避けようと、無理やり踏み切っても、大型減税にならずに尻すぼみに終われば、有権者の失望を招き、さらなる支持率低下は避けられない。
「コロナ禍の20年に一律10万円を配った特別定額給付金の予算規模は12兆8800億円。むろん、それだけの規模の大型減税は望めるわけもなく、2兆〜3兆円規模にとどまるのが関の山でしょう。しかも、所得税や住民税の定額減税は課税最低限以下の低所得層に恩恵が及びません。非課税世帯への給付金とワンセットになれば、その分だけ減税の規模は縮小され、物価高対策の効果は薄れます。結局、何がしたいのか分からない、バカげた政策です」(経済評論家・斎藤満氏)
自ら進んで「しょぼすぎる減税」リスクを抱えるとは、岸田首相は「増税メガネ」のあだ名を気にし過ぎて、完全に自分の立場を見失っているとしか思えない。
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