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https://www.sankei.com/article/20231015-7CEIB7GT7NLURDBWYTSH2DYZ7A/
最悪の産経新聞の記事を取り上げる。
これが一新聞社の社説「主張」として書かれた記事だと思うと愕然とする。
記事は、わが日本の「処理水」を「核汚染水」と呼ぶ中国政府に対して、根拠の無い、非科学的な暴論と言う。
そして、上から目線で「撤回」しろと。
以下に記事の抜粋を記す。
東京電力福島第1原子力発電所からの処理水海洋放出の安全性への国際的な信頼感の醸成につなぎたい。
国際原子力機関(IAEA)による第1原発周辺海域での科学調査が16日から約1週間実施される。調査項目は海水や海底土、海の生物の放射能レベルなどだ。・・・
・・・第1原発内の多核種除去設備(ALPS)で大半の放射性元素が除去され、極めて微弱な放射線を出すトリチウムだけが残るのが処理水だ。その放出は国際的な安全基準に即しており環境への影響はないとされる。
だが中国政府は「核汚染水」と決めつけ、根拠を欠く中傷を続けている。・・・
放出後初となるIAEAの調査には「分析機関比較」という手法が導入されている点に注目したい。日本との共同作業で採取した魚などの試料をIAEAと日本の分析機関が個別に分析し、その結果を照合するので客観性が担保される仕組みだ。
今回の調査にはIAEA海洋環境研究所のメンバーだけでなく、IAEAから指名されたカナダ、中国、韓国の分析機関の専門家も第1原発沖での試料採取段階から参加する。
1回目の放出時から東電や水産庁などが海水やヒラメなどのトリチウム濃度を測定しているが、検出限界値未満の結果が続いており、中国の反日的で非科学的な批判からはほど遠い。
日本政府のこれまでの対外的な説明で、世界の多くの国々が処理水海洋放出に問題がないことを認めてくれている。IAEAの分析機関比較によって、日本の主張の正しさが裏打ちされるのは間違いない。・・・
24日からは処理水放出に関するIAEAの別の調査団が来日し、関係省庁などと計画の全体評価につながる意見交換が行われる。・・・海洋放出は廃炉の一環として今後30年間ほど続く長丁場の事業なのだ。
記事の抜粋はここまで。
記事は、中国政府が、わが日本の「処理水」を「核汚染水」と呼ぶことを、根拠の無い非科学的な暴論と言う。
そんなことを言っていいのか?・・・日本。
隣の韓国は、今でも「汚染水」と呼ぶのが、政府を含めての正式呼称だ。
そんなことを言わせていいのか?・・・日本。
科学的に論ずれば、日本は、3基もの原発を爆発させ、メルトダウンを起こしてしまった結果、燃料デブリを冷やすための冷却水と、燃料デブリに触れて強烈に汚染してしまった地下水と合わせて、人類の大切な共有財産であるであろう海洋に大量の放射性物質を駄々洩れさせ、放射能で汚染した、世界で唯一の国であることを忘れてはいないか。
日本は、世界の国々から見れば、海洋を放射性物質で汚染させた「加害者」でしかないだろう。
そのことは、世界の人々は忘れないだろうし、日本人も決して忘れてはいけないのではないか。
それなくして、日本の原発事故の再発防止などあり得ないではないか。
そういう認識に立って考えたときに、
「・・・中国政府が、わが日本の「処理水」を「核汚染水」と呼ぶことを、根拠の無い非科学的な暴論と言う。・・・」
そんなことを言えないだろう?・・・日本。
記事に出てくる、科学的、非科学的、そして、根拠という言葉・・・
下調べし、整理することは無駄にはならない。
「科学的根拠」(エビデンス)とは、
「あるテーマに関する試験や調査などの研究結果から導かれた、科学的な「根拠」「裏付け」のこと。」
とある。
次に、「科学的な」とはどういうことか、調べてみた。
理解するには、二つの性格に着目すると分かり易い。
一つには「再現性」
「ある事柄について考えたり調べたりする時、その方法が同じならば、いつ・どこで・誰であったとしても、同じ答えや結果にたどり着くこと。」
もう一つは、「因果関係」
「原因と結果の関係がきちんとあるということ。」
記事で言う。
「・・・第1原発内の多核種除去設備(ALPS)で大半の放射性元素が除去され、極めて微弱な放射線を出すトリチウムだけが残るのが処理水だ。・・・」
「・・・大半の放射性元素が除去され・・・」
「・・・微弱な放射線を出すトリチウムだけが残る・・・」
そのことを示す「科学的根拠」(エビデンス)はどこにもない。
日本が頼る、IAEAですら、ALPSの性能についてこれまで一度たりとも検証していないことは、当のIAEAが告白している。
当然日本でも科学的手順で検証されてはいない。
それどころか、ALPSは未だに試験運転として動かされていると言うではないか。
記事で書かれていることは、東電と日本政府が言っていることを「鵜呑み」にしているに過ぎない。
「鵜呑み」にすることは、「科学に背を向ける」ことに等しい。
しかも、トリチウム以外の核種が残存していることは東電も政府も認めている。
産経新聞が「主張」するなら「科学的根拠」(エビデンス)を示しながら主張すべきだろう。
「・・・その放出は国際的な安全基準に即しており環境への影響はないとされる。・・・」
これなども科学的には正しくない「主張」だ。
「影響はない」と断言できるエビデンスを人類は手にしていない。
「・・・1回目の放出時から東電や水産庁などが海水やヒラメなどのトリチウム濃度を測定しているが、検出限界値未満の結果が続いており・・・」
これも正しくない「主張」だ。
海水のトリチウム濃度は1リットル当たり10ベクレル前後と検出されている箇所が出てきている。しかも検出値は大きくなっている風にも見える。
「・・・日本政府のこれまでの対外的な説明で、世界の多くの国々が処理水海洋放出に問題がないことを認めてくれている。・・・」
と書くに至っては、既に妄想の世界と言えよう。
中国から言われかねない「問題が無いと認めている国があったら上げてみろ」と。
「支持」する国すらあげられなくて赤っ恥をかいた日本だ。
記事が言う。
「・・・海洋放出は廃炉の一環として今後30年間ほど続く長丁場の事業なのだ。」
これも「嘘」に近い。
福一の廃炉が、30年で完了すると考えている人はいないだろう。
「政府ヨイショ」の態度を売りたい人間が、「嘘」と思っていても、30年と言っているに過ぎない。
放射能は何年もかけて人類や生物の細胞を破壊し、その影響がどうなるのか、そのことの全てを人類はまだ解明できていない。
人類が放射能の存在を認識できるようになったのは、地球の歴史、人類の歴史の長さの中では、ごくごく最近だ。
そして、自然由来でない放射能を地球上にまき散らし始めたのは、ここ100年のことと確認すれば、放射能の悪しき影響がどのように現れてきているかなどを人類が知るには、まだまだ時間が必要ではないか。
であれば、「悪しき影響があるかもしれない」との態度で臨むことが「科学的」な姿勢ではないだろうか。
まだまだ「分からないことが多々ある」、という謙虚さが求めれれる。
ここでも、「今だけ、金だけ、自分だけ」の新自由主義との決別が必要なのだろう。
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