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吉村知事はホンマに都合ええなぁ…大阪万博めぐる建設業の残業正当化に「現場の声」を連発
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/330521
2023/10/14 日刊ゲンダイ
「現時点では」って、こっすいなあ(取材に応じる吉村洋文大阪府知事)/(C)共同通信社
会場建設費の上振れや工期遅れなどの課題が山積している大阪・関西万博。2025年4月の開幕が危ぶまれる中、大阪府の吉村知事が“禁じ手”をほのめかしている。来年4月から建設業に適用される残業規制をめぐる「超法規的措置」だ。
10日に開かれた自民党の万博推進本部でパビリオン建設について、時間外労働の上限規制の対象外とするよう求める意見が噴出。政府は上限規制の適用除外に「万博のテーマと相いれない」(自見万博相)、「検討していない」(松野官房長官)などと否定的だが、どうも吉村氏は様子が異なるのだ。
「現時点では」の留保付き
吉村氏は11日の会見で、「(国に)適用除外を求める予定があるか」を問われ、「働き方改革は重要だと思っていますので、『今の段階』で除外を要請するということは、大阪府市として『現時点では』考えているわけではない」などと回答。わざわざ「今の段階で」「現時点では」という留保を付けて含みを持たせた上で、「現場の声も非常に重要かなと思っております」「現場の皆さんがどういう声を出されるのかということも大切」と「現場の声」を繰り返し強調した。
「現場」から適用除外を求める声が上がれば、国に要請することもあり得る──とも受け取れる。何とも“こっすい”ではないか。さらに記者から「『現時点で』ということは、状況が良くない方向に行けば、今後、(適用除外の要請を)検討する可能性がある?」とツッコまれ、吉村氏は「良くない方向というか、現場の声が非常に大切だと思います」と、またしても「現場の声」に言及。こう自説を展開した。
「現場の声を無視して政治の方から『これはやるべきだ』とするのは違うと思っています。(残業の上限規制は)政治が決めたルールですから。政治の方が決めて、政治が違うというのは、ちょっと違うんじゃないかなと思います。現場の声は非常に大切だと思っていますし、もちろん課題があるというのは認識してますけれども、『今の段階』は大阪府市として残業規制の例外を認めてくれという段階ではないと思っています」
残業規制は政治が決めたルールだから、政治の側が適用除外を認めるのは筋が通らないとの主張だが、そもそも政府は適用除外をハナから否定している立場だ。むしろ、「現場の声」を都合よく引き合いに出す吉村氏の言動にこそ、下心が透ける。
知事、そんなんアカンとちゃいます?
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