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このままでは「岸田おろし」が起こる…菅前首相と「同じ末路」になりそうなワケ 年内解散に踏み切れるのか
https://gendai.media/articles/-/117482
2023.10.10 安積 明子 政治ジャーナリスト 現代ビジネス
「ドリル」の汚名返上なるか
10月22日の衆参補選は岸田政権にとってこれからの政治運営の試金石となるに違いない。同時に9月13日の党人事で任命された小渕優子選対委員長の腕の見せ所だ。失敗すれば「ドリル優子」の汚名に加え、その能力に懐疑が深まる。
9月に選対委員長に就任した小渕優子氏[Photo by gettyimages]
事前の調査では参院高知・徳島選挙区では立憲民主党の元職にリードされているものの、衆院長崎4区では元知事で衆参両院で議員を務めた父親を持つ自民党の「3世」がややリード。しかし自民党にとって「弔い合戦」として有利であるにもかかわらず、昨年2月の県知事選で分裂した禍根が残っている。しかも知事側の出納責任者と選挙コンサルティング会社社長が公職選挙法違反で長崎地検に刑事告発されたのだ。
そもそも長崎4区は総裁派閥である宏池会の牙城といってよい。今年5月に死去した北村誠吾元地方創生・規制改革担当大臣はもちろん、4区補選に自民党から出馬している金子容三氏の父で、農水大臣を務めた原二郎氏も宏池会に所属した。
ただし北村氏と父・岩三氏の代から宏池会の重鎮だった金子氏では、岸田文雄首相に対する距離が異なった。死去する1か月前に北村氏が「山下博史県議を後継に」と党本部に託した“遺言”があっさり却下され、新3区支部長の地位を手に入れた上、4区補選に出馬したのは原二郎氏の長男・容三氏だった。
旧統一教会の行く末
そうした事情を反映してか、長崎4区でも自民党の戦況は良いとは言えなかった。自民党本部が行った9月末の調査では、2021年の衆議院選で北村氏に僅差で敗退し、比例復活した立憲民主党の末次精一氏に2.5ポイント差にまで迫られた。そうした危機を感じたのかもしれない。同じ頃、永田町で吹き始めていた解散風がぴたりと止んだ。
だが岸田首相の頭には、「いつ衆議院を解散すべきか」との問題が消えることはない。9月13日に行われた党人事及び内閣改造では、共同通信や朝日新聞の調査ではやや増加したものの、内閣支持率は大きく上がることはなかった。
だからこそ、臨時国会で大規模な補正予算を成立させて経済のテコ入れを図り、官房副長官を解かれたものの相変わらず側近である木原誠二幹事長代理の口を借りて「減税」をほのめかすなど、岸田首相は国民の意向を取り組むことに専念している。
極めつけは10月の半ばに出されるだろうと言われている旧統一教会の解散命令請求だ。ただし憲法が保障する「信教の自由」という強い制約がある上、解散を命じるのは裁判所であるため、文科省(文化庁)が解散命令を求めても、すぐさま解散効力が発生するわけではない。
実際に地下鉄サリン事件などを起こして日本中を恐怖に陥れたオウム真理教には、1995年6月に東京都知事と東京地検が解散を申し立て、東京地裁は同年10月に解散請求を認定した。翌1996年1月には最高裁が解散命令が確定するまで7か月を要している。また明覚寺事件では文化庁は1999年12月に和歌山地裁に解散命令を請求したが、和歌山地裁が解散命令を出したのは、それから2年以上も後の2002年1月だった。
もっともこれら2つの事例は宗教団体の最高幹部が立件され、「組織的な刑事犯罪」と確定されたものだが、旧統一教会にはそれがなく、教団側が反論する根拠となっている。よって裁判が長引くのは必至で、しかも「解散命令は必ず出る」という確証はない。もし教団解散請求を衆院選挙のための下地作り策とするならば、選挙期間は解散請求から近接する方が望ましいだろう。
年内解散は避けられないか
それでも岸田首相が年内解散総選挙を躊躇するなら、さらに大変な事態が待っている。2024年には東京都知事選が行われ、公明党は現職の小池百合子知事を支援する意向であるため、この時期の解散総選挙に大反対。「知事選では非自民党の小池知事をよろしくと言いながら、衆議院選では自民党の候補の名前を書いてくれとは言えない」と支持母体である創価学会関係者は語る。
だが2025年はさらに大変だ。同年夏には参議院選と東京都議選が行われる予定だが、公明党にとって国政より早く進出した都議会は、いわば“政治の1丁目1番地”といえる存在だ。よってかなりの活動量を注ぎ込まなくてはならず、同時に衆議院選を行うことは止めてほしいと願っている。
公明党の山口那津男代表[Photo by gettyimages]
一方で岸田首相にとっても、解散総選挙の先延ばしはよろしくない。来年の総裁選の後には、レイムダックとなることが目に見えているからだ。
2021年10月の衆議院選は、事実上の任期満了だった。自民党は15議席を減らしたものの、常任委員長のポストを独占する絶対多数の261議席を獲得。その前月に退陣した菅政権の内閣支持率の凋落ぶりが激しかったため、「自民党は救われた」ムードが漂った。
だがこれは、岸田首相の功績ではない。岸田首相は首相就任後わずか10日で衆院を解散したが、その実績を問うものではなかったからだ。ところが次回はこれとは異なる。問題は2025年に衆院選が先送りされた場合だ。
「岸田おろし」が起こる
これには公明党が大反対するだろう。2025年の夏には参議院選と東京都議選が行われるが、国政より都議会への進出が早かった公明党にとって都議選は何より優先すべき「聖戦」で、必ず「完勝」しなくてはならない。これに加えて衆議院選が行われれば、高齢化などで組織力が弱まっている公明党の支持母体に過大な負担を与えかねない。
また内閣支持率が低下すれば、党内で「岸田降ろし」が発生するかもしれない。2021年9月に菅政権が退陣したのは、衆院の任期満了を前にして「菅義偉首相では戦えない」というムードが党内に充満したためだった。
菅義偉前首相[Photo by gettyimages]
故・安倍晋三元首相が持病の悪化で辞任した後、「辣腕官房長官」の名を馳せていた菅前首相は2020年の総裁選を圧倒的な強さで制したが、いかんせん派閥を持たない弱みがあった。たちまちのうちに大派閥の領袖から出口を塞がれ、首相の専権事項である解散権も封じられたのだ。
同じことが岸田首相に起こらないとも限らない。宏池会は党内で4番目の派閥に過ぎず、約100名を擁する清和会や今や唯一の現役“キングメーカー”である麻生太郎副総裁の為公会、虎視眈々とポスト岸田を狙う茂木敏充幹事長の平成研の支持があってこそ、成立している政権だ。
このように考えれば、岸田首相の選択は年内解散しかないことがわかる。岸田首相は10月22日の2つの補選の結果を見て衆院解散に打つかかどうかを決めると思われているが、公明党は10月9日に接戦の衆院長崎4区の金子候補に党の推薦を出すことを決定。この「恩義」は衆院選で返されることになる。
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