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※紙面抜粋
※2023年9月15日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
本人は自信満々の第2次岸田内閣(岸田首相)/(C)共同通信社
「あすはきょうより良くなると誰もが感じられるような国を目指し、経済、社会、外交・安全保障の3つの柱で政策を進めていきたい」
再改造から一夜明け、新内閣が本格始動した14日、岸田首相は記者団にこう意気込みを語った。前日の記者会見で使ったフレーズを繰り返したのだが、首相が命名した「変化を力にする内閣」といい、陳腐すぎる。小学生だってもっといい言葉を選ぶだろう。
「『あすはきょうより良くなる……』って、首相就任から2年も経っているのに、今ごろ何を言っているのか。国民生活をより良くするのは、政治の原点であり、当たり前のことです。記者会見もそうでしたが、上っ面の言葉ばかりで、何がやりたいのかよく分からない。内閣改造人事を見ても、ああ、この人は本当に政権維持のためなら、なりふり構わないんだなあ、と呆れました」(政治評論家・野上忠興氏)
岸田は今度の人事を「適材適所」と自画自賛していたが、国民はそう思っていない。共同通信が13、14両日に実施した緊急世論調査で、首相が人事を適材適所で決めたと思うとの回答は15.9%にとどまり、「派閥に配慮して決めた」との見方が76.2%に上った。
いつもは権力迎合の大新聞ですら「適材適所」とは一行も書かず、「総裁選保身改造」と断じる異様さだ。それは14日の各紙の見出しにも表れている。
「『刷新』より『安定』」(読売)
「女性登用 首相が転換 『支持率上げ衆院解散』再選戦略描く」(朝日)
「総裁選意識 守りの岸田」(毎日)
「首相、解散・総裁選両にらみ ライバル封じ徹底」(日経)
「改造 ポスト岸田封じ」(産経)
いつもはバランス重視の識者コメントも、「自民党らしい派閥均衡」「見た目 取り繕っただけ」「有権者より党内恐れる首相」といった辛口が目立った。
「開いた口が塞がらない内閣」
適材適所ではない舞台裏を大新聞は次のように解説している。
次期総裁選のライバルと目される茂木幹事長を、麻生副総裁の助言も得て政権安定のために留任とした。一方で、茂木派の小渕優子衆院議員を党4役の選対委員長に抜擢して茂木を牽制。河野デジタル相や高市経済安保相も留任させ、閣内に取り込んでライバル封じを徹底した。
最大派閥の安倍派は、萩生田政調会長、松野官房長官、西村経産相、高木国対委員長、世耕参院幹事長の「5人衆」が全員、留任。総裁再選を支持してもらうために最大限配慮した形だ。
党内6派閥ごとの閣僚の起用人数も、改造前をほぼ維持した。不満が出ないよう派閥の勢力に即してポストを配分するバランス人事だ。「総裁選の無投票再選もにらむ首相の思惑が見え隠れする」との指摘もある。岸田派ナンバー2の林前外相を閣外に出したのも、閥務に戻して、総裁選や解散総選挙の準備に注力してもらうためらしい。
とにかく、保身だけの内閣改造であり、国民のために政策課題を進めるのは二の次。それが誰の目にもはっきり見えてしまった。世論にもメディアにも、これほどコケにされた内閣改造がかつてあっただろうか。
「秋解散の臆測が出るのも、6月の通常国会終盤の“カラ騒ぎ”と同じです。岸田首相の周辺が求心力維持に使っているからでしょう。首相本人も、小渕さんの選対委員長起用について『選挙の顔として期待』と口にし、思わせぶりでした。岸田首相は権力を守ることしか頭にない。『開いた口が塞がらない内閣』ですよ」(野上忠興氏=前出)
女性閣僚5人登用に“オッサン政治”の本音
総裁再選のための内向き人事の結果、国民愚弄としか言いようがないのが、醜聞まみれで国民から総スカンの面々の起用だ。
派閥推薦の入閣待機組をごっそり受け入れ、初入閣の11人中、実に9人が待機組である。そうしたら驚くことに、関連団体の会合で挨拶するなど、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との接点を認めていた“汚染大臣”が4人も誕生してしまった。鈴木淳司総務相、盛山正仁文科相、伊藤信太郎環境相、木原稔防衛相だ。
中でも盛山は宗教法人を所管する文科省のトップとして、統一教会の解散命令請求の詰めの作業を担う。汚染大臣が厳しい措置に踏み切れるのか。そもそも文科相に就くなんて、常識ではありえないだろう。
もっとも、参院選の候補者を教団施設に連れていくなど、統一教会との蜜月が指摘されてきた萩生田が、党の要職に留任したのだから何をかいわんやだ。岸田は萩生田を、政権の要の官房長官に就けようと検討したというから、頭がクラクラする。
留任の高市、再入閣の上川陽子外相、初入閣の加藤鮎子こども政策相、土屋品子復興相、自見英子地方創生相と、過去最多タイの5人となった女性閣僚にしても、数を増やして、政権浮揚のアピール材料に使いたいだけじゃないのか。
というのも、13日の岸田の記者会見で“オッサン政治”の本音が見えた。女性の登用について、「女性ならではの感性や共感力を十分発揮していただきながら、仕事をしていただくことを期待したい」と発言したことが、違和感を呼んでいる。X(旧ツイッター)で、「女性ならではの感性」がトレンド入りしたほどで、「首相が率先してジェンダーバイアスを強化する発言しないで」「さすがに2023年にそれはない」などと反発が広がった。
派閥研修会でも「あすはきょうより良くなる」
そもそも「ドリル優子」の異名を持つ小渕が人事の目玉という時点でどうかしている。自身の「政治とカネ」の問題から説明不足のまま逃げ、13日の選対委員長就任会見でその件を質問されると涙目に。これで党幹部が務まるのか。在職中に倒れ死去した小渕恵三元首相の娘という世襲のプリンセスだから、党内で大事にされるのだろう。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「総裁再選戦略をむき出しにして内閣改造を行った結果、派閥の順送りで、使えるコマが『スネに傷』の議員ばかりだった。女性は初入閣の3人ともが世襲です。自民党は、女性は世襲じゃないと、なかなか議員になれない政党だという弱点を浮き彫りにしました」
それでも勘違い首相は就任2年で自信満々だ。30年ぶりの高水準の賃上げだとか、エネルギーの安定供給と脱炭素の両立だとか、会見で、ありもしない実績をべらべら並べていた。現実は、賃上げが物価高に追いつかず、実質賃金は16カ月マイナス。庶民は苦しんでいる。エネルギーも、福島の事故を忘れたかのように安易な原発回帰である。
「岸田首相は『変化をチャンスに』などと夢を語っていましたが、現実のリアルな状況を見れば、憲法を足蹴にして大軍拡で、戦争に向かっている。国が貧しくなっているのに大増税を画策している。あすがきょうより良くなると思っている国民が、一体どれだけいるのでしょうか」(五十嵐仁氏=前出)
岸田派が14日、山梨県のホテルで研修会を開き、会長の岸田も懇親会から出席した。そこで岸田は、「宏池会(岸田派)が、あすは必ずきょうより良くなるという時代をリードし、つくっていく」と所属議員に呼びかけたという。
岸田はよほどこの陳腐なフレーズが気に入っているのだろうが、笑うに笑えない。マトモな国民はのけぞっている。
あすとか抽象的なことばかり言ってないで、物価高、円安、人手不足など、今すぐ対策を打ってくれ。
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