http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/685.html
Tweet |
※紙面抜粋
※2023年9月7日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
世論の忘却を待つ国民愚弄政治(厚顔無恥の木原誠二官房副長官)/(C)日刊ゲンダイ
股肱の臣を切るのか、重用し続けるのか。岸田首相が早ければ来週にも実施する内閣改造・自民党役員人事に向け、驚きの記事が6日の朝日新聞に掲載された。
〈木原氏続投で調整〉
そう小見出しが躍り、〈最側近の木原誠二官房副長官を続投させる方向で調整する〉と報道。〈岸田派に所属する木原氏は、外交・内政の重要問題を首相とともに検討してきた最側近で、政権運営の安定に欠かせないと判断した〉と伝えた。
なぜ、驚きなのか──。木原を巡っては、週刊文春が7月13日号(同月6日発売)以降、妻の元夫の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じ、妻が事件に関与した疑いを連続追及している。木原は2カ月も逃げ回り、すっかり憔悴。与野党問わず「公務に支障を来している」と危惧する声が上がっている。支持率低下に悩む岸田にすれば「切るしかない」が大方の見方だったのに、まさかの続投報道が飛び出したのだ。
木原は確かに、岸田が最も信頼を寄せる腹心の部下だ。2020年の自民党総裁選で菅前首相に敗れ、無役となった岸田を支え、1年がかりで共に「新しい資本主義」などの看板政策を練り上げた。21年に岸田が総理の座を勝ち取ると、木原を抜擢。官邸中枢で岸田がただ一人、心を許すことのできる「総理の精神安定剤」とも言われている。
木原は現政権の主要政策のほぼ全てに関わり、「異次元の少子化対策」を発案し、ネーミングしたのも彼。岸田のスピーチライターとしての役割も担い、昨年5月、英国の金融街シティーで講演した際、「インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」と言わせたのも木原だという。
岸田にとっては余人をもって代えがたいのだろうが、その内情を差し引いても、木原の醜聞はあまりにも、おぞましい。
元捜査官は「自殺ではない」と実名告発
文春の一連の報道は、17年前の前夫の「怪死」に、木原の妻とその関係者が関与していたことを十分にうかがわせる。だからこそ、18年には警視庁も当初は不審死として処理した事件の再捜査に動き、妻を事情聴取。自宅や実家へ家宅捜索に入ったのである。
聴取が始まったのは、2018年10月上旬のこと。その際、木原は同月24日から始まる臨時国会について言及し、「国会の召集日までに取り調べを終わらせろ」と捜査幹部に要求。木原は妻に「俺が手を回しておいたから」「刑事の問いかけに黙っておけ」と語っていたと文春は報じた。
妻の取調官だった元警視庁捜査1課警部補の佐藤誠氏によると、10月下旬、突如として取り調べの中止が言い渡され、間もなく捜査は自然消滅してしまった。文春に証言した佐藤氏は7月下旬に記者会見し、「自殺ではない。事件はありえない形で終わった」と実名告発。異例の経過をたどる「木原事件」だが、木原本人は記者会見など公の場での説明を一切していない。
メディア対応は代理人弁護士を通じて、司法記者クラブ宛てに「想像を絶する著しい人権侵害」などと自身の心情を書き連ね、「速やかに刑事告訴を行う」という文書を送り付けただけ。妻のために捜査に圧力を加え、終結させたとしたら政権を揺るがす大スキャンダルだ。
木原も後ろめたいことがないのなら、堂々と釈明すればいい。ましてや、木原は官房長官に代わって記者会見を担当することもある政権のスポークスマン。自分の身に何が起き、どう考えているのか、説明責任を果たす義務がある。
内閣の一員なら何をやっても許されるのか
文春が妻の疑惑を報じて以来、木原は囲み取材にも応じず、記者を避けるように官邸の裏口から出入りしているという。7月には岸田の中東3カ国歴訪に同行する予定も、突如、磯崎副長官に変更。先月、米ワシントン郊外のキャンプデービッドで行われた日米韓首脳会談には同行したものの、記者団へのブリーフィングは一切なし。
ダンマリを決め込むことで、官房副長官としての本来の職務に支障が出ているのは明らか。木原続投で重用し続けるつもりなら、岸田は国民を完全にナメている。
「自らにかけられた疑惑に責任ある対応を一切せず、ウヤムヤのまま、沈黙を続ける。木原氏とそれを許す岸田政権には『どうせ、国民はすぐに忘れる』というおごりを感じます。疑惑にフタで世論の忘却をひたすら待つのは、安倍政権以降の常套手段。『モリカケ桜』と、政権を揺るがす疑惑が相次いでも、説明を尽くすことなく、ダラダラと続いた安倍長期政権から悪しき教訓を岸田政権も学んでしまった。いくら『聞く力』を標榜しても、逃げ得戦術を踏襲した安倍亜流政権で、国民愚弄政治が常態化しています」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
木原の妻が事情聴取を受けた18年10月は安倍政権下で「官邸ポリス」が暗躍していた時期とも重なる。当時、元警察官僚で官房副長官だった杉田和博氏が内閣人事局長を兼ねて霞が関を牛耳り、「官邸のアイヒマン」と恐れられた大物警察官僚の北村滋氏が内閣情報官として内閣情報室を束ねていた。
2人が影響力を及ぼす警察庁は、長官が栗生俊一氏、官房長が中村格氏という体制。菅官房長官のもと、彼ら官邸ポリスの鶴の一声で、捜査機関は政権に忖度。安倍長期政権を支えたとされる。
後追い報道封印のドーカツに屈し
当時、警察トップの栗生氏は、今や木原とともに官房副長官を務めている。木原事件について警察側は、7月に警察庁の露木康浩長官が「証拠上、事件性が認められない」とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。遺族に対し、警視庁の担当者は「自殺と考えて矛盾はない」などと説明しているという。
文春の報道によると、警視庁の刑事部長に、事件性のない自殺という形で「火消しをしろ」と命じたのは現トップの露木氏であり、彼にそうハッパを掛けたのは元トップの栗生氏。岸田は安倍から国民愚弄だけでなく、官邸ポリスまで引き継いでいるのだろうか。
むろん、警察側の説明は説得力に乏しく、文春も疑義を挟んでいる。それでも木原事件が政権に大ダメージを与えているとは言いがたい。最大の理由はこの2カ月、大新聞・テレビがまったく追撃しないからだ。
「警察側が事件性を認めていない以上、報道するわけにはいかない」と言うのなら、独自取材で権力の不正を暴き出す「調査報道」を否定するのと同じ。刑事告訴をチラつかせる木原の「後追い報道」封印のドーカツに屈すれば、それこそ権力の思うツボだ。
大マスコミは一体、どこを向いて報道しているのか。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言った。
「木原氏続投の政局予想を無批判で報じ、世論の動向を見極めたい政権側の『観測気球』に協力するかのような朝日の報道姿勢には違和感を覚えます。木原氏は、他にも愛人女性と彼女に生ませた娘とのディズニーランド・デートや、愛人運転のベンツで官邸に出勤する様子も写真付きで文春に報じられた。あろうことか、今年6月まで違法デリヘルの常連客だった疑いまで指摘されています。これだけ政治家としての資質が問われる事案が浮上しても、大手メディアが沈黙していれば、政権側はますます思い上がる。『権力の内側にいれば何をやっても許される』と国民に誤ったメッセージを送っているのと一緒です」
ハレンチ木原のウヤムヤ続投を許したら、いよいよ日本のモラルは地に落ちる。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK291掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK291掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。