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マクロン大統領の「同盟は家臣ではない」、日本国民はどう考えるか 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/328753
2023/09/07 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
同盟は家臣ではない(中国の習近平国家主席と会談するマクロン仏大統領)/(C)ロイター
世界で今、最も深刻な問題はウクライナ問題である。同国の兵士がウクライナで戦い、死者を出し、国土が荒廃しているが、この戦闘は実質、米国を先頭とする西側諸国対ロシアの戦いである。
西側諸国の兵器提供が途絶えれば、明日にでも戦争は終わる。こうした中、NATO諸国、G7諸国は米国に恭順の意を示して隷属してきたが、この構図が今、崩れかけている。
サルコジ元仏大統領は「世界と欧州は火山の縁で踊っている。いつ手に負えなくなるか分からない」と述べて外交での解決を主張した。
米国の政策に異を唱えたのはサルコジ元仏大統領だけではない。
4月に訪中したマクロン仏大統領も記者に対して「最悪の事態は、欧州がこの話題(台湾問題)で追従者となり、米国のリズムや中国の過剰反応に合わせなければならないと考えることだ」と語った。
この発言が非難されると、マクロン大統領は会見で、「(米国の)同盟国であることは米国の家臣になることではない。自分たち自身で考える権利がないことにはならない」と述べていた。
私は8月下旬、新たな本「同盟は家臣ではない 日本独自の安全保障について」(青灯社)を出した。終章「日本のこれからの安全保障について」で、「同盟は家臣ではない。先ず国益から論ずるという姿勢をとろう」と書き、ここでマクロン大統領の発言を引用した。出版社の代表が、この言葉を本のタイトルに選び、私はさすがだと思った。
マクロン大統領の「同盟は家臣ではない」との発言は英BBCやガーディアン、アルジャジーラなどで報じられ、大きな反響を呼んだが、この言葉は日本でこそ論じられるべきである。しかし、ほとんど関心を呼んでいない。
どうしてなのか考えてみると、日本では「家臣」は侮蔑用語ではない。むしろ、あがめられる意味で使われる。
野球の日本代表は「侍ジャパン」である。徳川幕府の江戸時代、侍は殿様の命令で切腹し、他の人を殺害した。そこに自分の意思はない。
そして武士は農民や町人よりも身分が上と言って威張っていた。その流れは今の日本社会にも脈々と受け継がれている。
日本では従順さが美徳であり、企業に入れば上司に黙って従うことが当たり前とされる。おそらく多くの国民は「米国に隷属するのを改めなければならない」とは思っていないのではないか。殿様に仕える侍こそが理想的な生き方なのだろう。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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