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マイナ保険証で相次ぐ「窓口負担割合」誤登録 今も起きている過大・過少支払いの驚愕実害
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327897
2023/08/22 日刊ゲンダイ
集中企画・マイナ狂騒(39)
どうするつもりか?(左から松本総務相、河野デジタル相、加藤厚労相)/(C)日刊ゲンダイ
次から次へとトラブルが飛び出すマイナ保険証。今度は医療費の窓口負担をめぐり、看過できない重大欠陥が発覚した。患者がマイナ保険証を使って医療費を支払う際、窓口負担の割合が誤って登録されているケースが続出。過大負担や過少負担といった“実害”が、今も起きている可能性は高いのだ。
◇ ◇ ◇
医療費の窓口負担は複雑だ。6歳未満は2割で、6歳から70歳未満は所得に限らず3割。70〜75歳未満の前期高齢者は2割で、75歳以上の後期高齢者は1割だが、現役並みの所得があれば高齢者でも3割負担となる。
神奈川県保険医協会は7月21〜28日に会員医療機関を対象に窓口負担割合の登録状況について調査を実施。608医療機関から回答を得た。
現行の健康保険証の券面と、マイナ保険証を使ったオンライン資格確認の画面で負担割合に相違があった医療機関は87機関(14.6%)に上った。県内の各自治体でまんべんなく発生しているという。トラブル事例はこうだ。
〈1割表示だが本来は3割だった〉〈2割の前期高齢者の方が3割で表示〉〈70歳未満なのに2割負担と出た〉〈後期高齢者はみんな1割負担で入っていました〉〈オンライン資格確認だと負担割合がわからないことがあり、結局保険証を見せていただき確認するため手間がかかる〉
中には、自己負担に関し、〈後期高齢者がオンライン資格確認で2割負担となり会計した後で後期高齢者医療証で3割負担が判明し、差額を精算した〉とのトラブルもあった。このケースは後で気づいたから差額を精算できたが、他にも表面化していない誤払いが起きているに違いない。
協会の担当者も「14.6%はあくまで誤登録が判明したケースです。知らないまま過大負担や過少負担になっているケースがある可能性はあります」と答えた。
原因や実態は不明
健康保険証廃止は反対!(「改正関連法案の廃案を求める集会」での医師や野党議員ら)/(C)共同通信社
なぜ、誤登録が起きるのか。21日付の朝日新聞によると、厚労省は診療報酬請求を行うレセプトコンピューターと連携する際に、誤って独自の負担割合を算出するミスが一部で生じている可能性を説明しているという。しかし、コトはシステム上の問題だけではなさそうだ。
「マイナ保険証を使うオンライン資格確認システムと、レセプトコンピューターを連携させる過程で不具合が起きたケースがありました。しかし、レセプトコンピューターと連携させていない場合でも、負担割合の誤りは起きており、システム起因に限らず、さまざまな要因が存在するとみられます」(前出の協会担当者)
厚労省に誤登録の原因と実態把握の状況について問い合わせたが、締め切りまでに回答はなかった。
原因も実態もハッキリしない重大トラブル。負担割合の誤登録により、22日もどこかで誤った金額で支払っている患者がいるはずだ。マイナ保険証の運用をいったん、ストップするのが常識ではないのか。
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