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河野太郎、加藤勝信、松本剛明…マイナひも付け未了の欠陥知り“放置”した3大臣の大罪
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327830
2023/08/21 日刊ゲンダイ
晴れ舞台で成果を強調、ご満悦(G20デジタル経済相会合で会見する河野太郎デジタル相)/(C)共同通信社
マイナンバーのひも付けトラブルを巡り、岸田政権に対する国民の怒りが収まらない。共同通信の最新の世論調査(19、20日実施)によると、マイナンバーのトラブル対応に岸田首相が指導力を「発揮していない」との回答が79.8%に上った。ところが、国内のデジタル化を満足に進められていないのに、河野デジタル相は国際会議で意気軒高だ。
◇ ◇ ◇
河野氏は19日、インド南部のベンガルールで開かれた主要20カ国・地域(G20)デジタル経済相会合に出席。終了後、記者団に「データの国境を越えた流通なしに経済発展は難しいという認識が広がってきた」と成果を強調した。
河野氏は日本が2019年から提唱している「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」構想の旗振り役。今回のG20デジタル経済相会合でDFFT構想の実現を合意文書に盛り込み、各国に国際的な枠組み作りへの協力を呼びかけた。
一方、国内はマイナンバーのひも付けトラブルなど、データに関する課題が山積。河野氏の「信頼性」は低空飛行だ。
最近では、全国健康保険協会(協会けんぽ)の約36万人分の資格情報がマイナンバーとひも付けされず、マイナ保険証が利用できなくなっている問題が発覚。政府は全国の健保組合などに対し、加入者のうち、ひも付けられていない数などの報告を求める通知(16日付)を出したが、そもそも、ひも付け未了の欠陥を“放置”していた疑いがある。
18日の立憲民主党の国対ヒアリングで、所属議員がひも付け未了問題について政府から聞き取りを実施。
先の通常国会で健康保険証の廃止を盛り込んだ改正マイナンバー法などの関連法案を審議していた際、河野氏や加藤勝信厚労相、松本剛明総務相ら所管大臣がひも付け未了問題を知っていたかどうかを問いただした。
準備不足、拙速とのそしりは免れない
独断とゴリ押しのデジタル化(左から松本総務相、加藤厚労相、河野デジタル相の3大臣)/(C)日刊ゲンダイ
山井和則衆院議員が「(マイナ関連の)法案審議している時に、加藤大臣、松本大臣、河野大臣の3大臣は、約40万人がマイナ保険証を申し込んでいても使えないということをご存じだったのか」と聞くと、厚労省の担当者は「ちょっとにわかに私の方で責任を持ったお答えをすることが難しい」と回答。一方で、「ひも付いていない(マイナ保険証が)未登録の方がおられるということは、(大臣は)ご存じだったというふうに思います」と加えた。
つまり、3大臣は「マイナンバーと保険資格情報がひも付けられておらず、そもそもマイナ保険証を登録できない人」の存在を法案審議中に把握していた可能性が高い。にもかかわらず、マイナポイントをエサにカード取得を促し、マイナ保険証のメリットを強調して利用を呼びかけていたのだから、あまりに不誠実ではないか。
河野氏の記者会見にも出席しているジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「例えば台湾では、デジタル発展担当のオードリー・タン氏が市民参加型の双方向のデジタル化を進めてきたといいます。翻って日本は、河野大臣が独断とゴリ押しによるデジタル化を進めています。河野大臣はデータ流通について海外向けに発信する前に、まずは海外の実情を学んではどうか」
ヒアリングで長妻政調会長は「来秋に保険証を廃止するのに、(ひも付け未了が約40万人いる)この状況は、どう考えても準備不足、拙速とのそしりは免れない」と指摘していたが、その通りだ。
国内で「信頼ガタ落ち」の河野氏に、国際舞台で「信頼性のある自由なデータ流通」を訴える資格はあるのか。
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