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https://www.asahi.com/articles/ASR4S7DG7R4STZNB00M.html
朝日新聞が、23日の山口2区と4区の衆議院補選の出口調査結果を記事にしている。
私の興味は、出口調査という、投票所に足を運んだ人の政党支持率と当日の投票率の関係から、何が見えてくるのかということについて。
以下記事の抜粋。(私の興味の関連部分のみ。)
岸信夫前防衛相の辞職による衆院山口2区、安倍晋三元首相の死去に伴う山口4区のダブル補選は23日に投開票され、いずれも自民公認で公明推薦の新顔が勝利した。朝日新聞社が実施した出口調査から、それぞれの選挙で「世襲」、「安倍政治」への是非が投票先を決める大きな要因となった構図が浮かび上がった。
信夫氏の長男の岸信千世氏(31)が無所属元職の平岡秀夫氏(69)を破った2区補選。30地点で調査し、計1206人から有効回答を得た。
・・・ 支持政党は自民が54%、立憲民主が10%で、公明4%、日本維新の会3%、共産2%と続き、「支持政党なし」「わからない」と答えた無党派層は24%だった。自民支持層の77%が岸氏に投票した一方、平岡氏が県連の顧問を務める立憲支持層の97%、無党派層の75%が平岡氏に票を投じたと答えた。
4区補選は、安倍氏後継の吉田真次氏(38)が、「安倍政治の検証」を掲げた立憲新顔の有田芳生氏(71)らを破った。選挙区内の30地点で1256人から有効回答を得た。
安倍元首相の実績をめぐり、「大いに」と「ある程度」を合わせて「評価する」と答えた人のうち、72%が吉田氏に投票。「あまり」「全く」を合わせた「評価しない」と回答した人のうち、62%は有田氏に投票し、吉田氏に投票したのは27%だった。
・・・投票に際して、旧統一教会の問題を「考慮した」と答えた人は54%。そのうち、旧統一教会と政治家の関わりを批判した有田氏に投票したのは39%。吉田氏に投票した57%を下回った。
支持政党は自民が61%、立憲12%で、無党派層は16%。自民支持層の89%が吉田氏に、立憲支持層の95%が有田氏に投票した。無党派層の投票先は、45%が有田氏、39%が吉田氏と分かれた。
岸田政権については、2区は63%が「支持する」、32%が「支持しない」と答え、4区では「支持する」が66%、「支持しない」が29%だった。(大室一也)
記事の抜粋は以上。
ちなみに、この日の投票率を以下に示す。
山口2区 42.41%
山口4区 34.71%
まず、補選とはいえ、この投票率の低さに愕然としてしまう。
補選ばかりでなく、4年に一度の統一地方選挙全体を通しても、過去最低を記録し、やはり40%台でしかない。
どこを見ても、過去最低レベルの低さだ。
世界の先進国と言われる国々の中にあって、日本の投票率の低さは突出しており、先進国、民主主義国家を自称することが憚られるような、お寒い状況と言えよう。
日本はどうしてこうなるのか、一体どうなっているのか、このままでは、これからどうなってしまうのか。
そんな投票率の低さが問題にされ、民主主義の危機と言われて既に久しい。
残念ながら、改善の兆しは一向に見えない。
悪化の一途を辿っていると言った方がいい。
官民あげて改善の努力はなされているのだろうか。
と問えば、答えは「NO!」だろう。
何となれば、全体の投票率の低さは、そのまま政府、自民党に、ひいては財界に有利に働くことを知っているからに他ならない。
ここに最大の問題がある。
自民党としては、組織力と「ウヨ」に阿ることで得てきた「鉄板支持者」が、確実に投票所に足を運んでくれればそれで良しなのだ。
自民党にとっては、無党派層は「寝ていてもらって、大いに結構」な人達でしかない。
ここで、今回投票所に足を運んだ人の政党支持の傾向を見るのも、参考になるだろう。
記事によれば、
2区では、
「・・・支持政党は自民が54%、立憲民主が10%で、公明4%、日本維新の会3%、共産2%と続き、「支持政党なし」「わからない」と答えた無党派層は24%だった。・・・」
4区では、
「・・・支持政党は自民が61%、立憲12%で、無党派層は16%。自民支持層の89%が吉田氏に、立憲支持層の95%が有田氏に投票した。無党派層の投票先は、45%が有田氏、39%が吉田氏と分かれた。・・・」
となっていて、投票所に足を運んだ人の50%〜60%の人が自民党支持者だと見て取れる。
全国平均では、有権者の半数が無党派と言われていることを考えれば、無党派層の20%前後と言う数字も出口調査(投票所に足を運んだ人が母集団)なるが故の数字だろう。
それにしても、いくら安倍王国と言われた山口2区、4区とはいえ、自民党支持者の率の高さには正直驚かざるを得ない。
ここで、投票率の低さに戻って、考察を加えれば、自民党支持者の投票率に比べて、野党支持者、とりわけ、無党派層ながら、これまでは選挙では野党に投票してきた人たちを含め、無党派層の投票率は、際立って低くなっていると言えるのではないだろうか。
最近では30%台の投票率でも驚かなくなっているが、負のスパイラルに陥っているのではないかとさえ思う。
鉄板の野党支持者といえども、「諦め」の気持ちを抑えかねているのか。
政府、自民党は、「利権」で固まり、支持者もそれなりに「利権」のおこぼれにあずかり、またはあずかりたいと願う者達なのだろう。
「利権」で結ばれた絆は、その「利権」が目に見えている間は、親子の絆よりも固い。
一方「野党」といえば、「理念」を守ろうとするがゆえに分裂し、かたまることができない。
立憲民主党などは、同じ党内で、違う意見に寛容になるどころか、「理念」を押し付け合っている始末だ。
これでは、「野党共闘」など覚束ないだろう。
政権を取れなければ、どんな立派な政策も実現が不可能なことは、自明なのだから・・・、
もう少し、柔軟になれないものだろうか。・・・といつも思うのだが。
今、無党派層と言われる人たちは、日々の暮らしに精一杯で、政治に関心を持つ余裕など無い人のほうが多い。
学校教育のあり様も、政治に無関心な若者を大量生産してきた。
働く者は、正規社員と非正規社員に分断され、
働く者の砦となるべき大企業の労働組合も、「ストライキ」すら化石語になるほど、戦い方を忘れ、戦う気持ちすら持たない、「羊の群れ」化してしまっている。
そんな人たちに、「理念」を説いたところで、振り向いてくれる訳もない。
炊き出しに並び、子供食堂に通う人たちの話を聞いてみるといい。
「理念」で空腹は満たされない。
「利権」には「利権」で対抗する必要があるのだろう。
自民党の「利権」の源泉が「金持ち優遇」だとすれば、野党の掲げる「利権」は「貧しい者優遇」が対立軸となる筈だ。
れいわ新選組の掲げる「消費税廃止」も、「貧しい者優遇」につながる。
そもそも、野党、とりわけ現在は野党第一党の立憲民主党の支持者に「支持の理由」を聞いても、明確な答えが返ってこないのではないかと思う。
政党を支持するということは、その政党が政権を取った暁に作り上げる「日本の姿」を支持するということではないか。
その政党が目指すところの日本の姿を表現するものが「政権構想」だと言えよう。
今の野党に、「政権構想」といったものは無い。
例え、現状の支持率が5%でろうと、1%であろうと、単独では無理と言うなら「連立政権」の形であろうと、目指す日本の姿を有権者に訴える為には、「政権構想」というものが必要不可欠ではないのか、と思う。
政党支持率が1%だから「政権構想」なるものを発表したところで・・・と思う節もあるかもしれないが、有権者が、その「政権構想」を支持するかどうかで、政党支持率が決まるとすれば、、支持率は「政権構想」の後についてくるものだと言える。
今の野党に、「政権構想」といったものが無い。
従って、支持するかと聞かれても、「答えようがない。」・・・というのが答えではないのか。
そういう人たちを「無党派層」と呼ぶのは、政党政治家の「責任転嫁」と言うものではないだろうか。
今、有権者が知りたいと思っているのは、野党の「政権構想」という名の「将来の日本の姿」の設計図。
今、野党に求められているのは、その「政権構想」だ。
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