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安倍派会長争い混沌…候補が軒並みヤラかし、和歌山補選では世耕参院幹事長が“戦犯”扱い
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/322096
2023/04/25 日刊ゲンダイ
和歌山1区が唯一落選…世耕弘成参院幹事長(右)には責任論(C)共同通信社
衆参5補選は自民党が4勝。衆院山口2区、4区と参院大分で勝利した3新人は、最大派閥の安倍派に入会するとみられている。
99人に膨張する安倍派はウハウハかと思ったら、そうでもないらしい。自民候補が唯一、落選した衆院和歌山1区の責任論で、安倍派幹部の世耕参院幹事長が“戦犯”扱いされているのだ。
世耕氏はかねて衆院への鞍替えを公言し、二階元幹事長の和歌山3区を狙って選挙区内に事務所も構えている。
二階は今回の補選で当初、「勝てる候補」として和歌山選出の鶴保参院議員を擁立しようとしていた。これに猛反対したのが世耕氏で、門博文元衆院議員を強く推した。元職といっても、和歌山1区で4連敗している門は比例復活の経験しかない。
「もし補選に鶴保さんが出てきてたら、うちは候補を立てられへんかった。鶴保さんには勝てへんやろし、万博の恩義もあるからね」(日本維新の会幹部)
鶴保氏は維新が力を入れる大阪万博の議員連盟で事務局長を務めている。鶴保氏が補選に出ていれば、保守王国の和歌山で自民は楽勝だっただろう。
「世耕さんは自分が衆院に鞍替えしたいし、二階さんへの対抗心もあって、鶴保さんの鞍替えを阻止した。個人的な邪心によって確実に勝てた選挙区を落としたのだから、責任を問う声が上がるのは当然でしょう。派内での影響力も弱まりそうです」(安倍派関係者)
安倍元首相が死去して以降、元会長として実質的に安倍派を取り仕切っている森喜朗元首相は「次の会長候補」に世耕氏、西村経産相、萩生田政調会長、松野官房長官、高木国対委員長の5人を挙げているが、派閥会長レースから世耕氏は脱落か。
もっとも、ミソをつけたのは世耕氏だけではない。西村氏と萩生田氏も注力した選挙で惨敗してしまった。
地元の明石市で、暴言問題で引退表明した泉房穂前市長と対立関係にある西村氏は、市長選に明石市議を引っ張り出し、全力支援したが泉の後継に完敗。「全責任は私にある」と敗戦の弁を述べた。
東京都連会長の萩生田氏も、前区長が急逝した江東区長選に世襲の子飼い候補を担いだものの、当選させられなかった。
お膝元で負けるようでは、最大派閥の会長はおぼつかない。会長選びはますます混沌とし、会員増でも安倍派は手放しでは喜べない状況だ。
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