http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/248.html
Tweet |
まっとうで優しい社会の実現を目指さない岸田政権「少子化対策」の欺瞞 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/322107
2023/04/25 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
大都市共働き正社員パワーカップルにしか役に立ちそうにない今さらメニュー(岸田首相=代表撮影)
「どうせなら」という考え方が嫌いだ。やらなければならない仕事がある時に、その手間暇カネを己の利益にも流用しちまおうという、卑しい発想が包含されがちだから。
汚職や天下りが典型か。特に政官界の人々に共通する行動原理であるような。最近の岸田政権がやけに熱心な“少子化対策”にも、強烈な「どうせなら」を感じてしまう。
政府による「叩き台」の評判がよくない。「児童手当の所得制限撤廃と支給期間の延長」「出産費用の補助拡大」「男性育休の取得率向上」「保育士の増員」といった今さらのメニューでは、大都市の共働き正社員パワーカップルにしか役に立ちそうもないので、それも当然だ。
政府・自民党の関心は、対策ならぬ財源論にある。医療や介護などの社会保険料の引き上げで賄う方向だと報じられているが、彼らが財界に負担増を求めるだろうか。なんだかんだと世間を混乱させた挙げ句、またぞろ消費税増税のパターンが繰り返されるだけではないのか。
消費税増税の口実でしかありはしない
どこまでも消費税増税の口実でしかありはしない。そもそも岸田氏が“異次元の少子化対策”を言い出した直後から、たとえば元幹事長の甘利明氏が“私見”の体で、シナリオの一端を公言していたではないか。
どだい、この10月にインボイス制度を導入するという政府が、少子化対策に本気であるわけがないのだ。かねて論じてきたように、あの仕組みは零細な個人事業主の存立基盤を根底から奪う。最もダメージを受けるのは、雇用契約にも労働組合にも守ってもらえないまま、安くこき使われている“フリーランス”だ。現状でも出産どころか結婚する気にもなれない若者たちが、ますます悲惨な生活を強いられていくのは明明白白である。
少子化対策に必要なのは、目先の見せガネなどでは断じてない。ほとんど身分社会を推し進める新自由主義イデオロギーや、それで不利な立場に陥った人々を見張り、操るデジタル監視社会、米国の手駒を買って出る戦時体制等々の、未来への不安さらには絶望の元凶を解消し、まっとうで優しい世の中に向けて、少しずつでも舵を切っていく道以外にあり得ないのだ。
あるいは、より徹底した新自由主義で一切合切をAIに任せ、異次元の生産性向上を達成して、誰もが働かずに得られる高収入でラクラク子育て、を実現できるとでもいうのなら、それもまた考え方かもしれない。膨大な下支え労働者が不可欠とされるAIでは、絶対にかなわない夢想だけれども。
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK290掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK290掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。