<■448行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 「トランプ側近の本音」石破首相の評価は? パイプ持つ日本保守党・島田洋一議員が聞いた「世論に迎合する信用できない男」 2024.11/8 15:24 https://www.zakzak.co.jp/article/20241108-RH7XVVVQKJJWFGBDK6T74MESFE/ 石破茂首相は2024年11月7日、米大統領選で勝利した共和党のドナルド・トランプ前大統領と電話会談した。 首相はトランプ氏の印象を 「非常にフレンドリーな感じ」 と述べたが、トランプ氏周辺は実際のところ、石破首相や石破外交をどう見ているのか。 国際政治学者で共和党やトランプ陣営と太いパイプを持つ日本保守党の島田洋一衆院議員に 「トランプ側近の本音」 を聞いた。 石破首相は電話会談でトランプ氏に祝意を伝え、日米同盟をより高い次元に引き上げる考えで一致したと話した。 だが、大統領選直後にトランプ氏側近らとコンタクトを取ったという島田氏は 「衆院選にも敗北して政治力もないとして、トランプ氏周辺で石破首相の評価は高くない」 「マイナスからのスタートというより、スタートできるかも怪しい」 と指摘する。 島田氏によると、 「日米地位協定の見直し」 や 「アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想」 といった石破首相の持論にも、トランプ陣営の反応は冷ややかだという。 「日米地位協定の改定は米軍の機密保護や米兵の身の安全に関わるため、米国は超党派で反発している」 「アジア版NATOについては、石破首相が発信を控えていることが、却って『世論に迎合するような信用できない男』と見られているようだ」 石破首相とトランプ氏は、早期に対面での会談を調整する方針を確認したというが、島田氏はこんな見方を示す。 「会談では米国と同じ路線で取り組む態勢が出来ていると、しっかりプランを示して行動できるかが重要だ」 「例えば岩屋毅外相は中国寄り≠ニ見られていて、防衛相時代の2018年には韓国海軍による自衛隊機へのレーダー照射問題に対応出来なかった」 「『人事は政策』であり、情報発信にもなるので、刷新すべきではないか」 トランプ氏が2016年の大統領選に勝利した際には、安倍晋三元首相がトランプタワーを訪問するなどして蜜月関係を築いた。 「トランプ政権発足直後の朝鮮半島危機や、中国に対する締め付けにも、安倍元首相は真っ先に協力するなど、間髪入れずにサポートする行動が信頼関係を固めた」 と島田氏は分析する。 これまで学者として北朝鮮による日本人拉致問題や日米関係の強化に取り組んできた島田氏だが、衆院選で日本保守党から出馬して当選し、今後は国会議員の立場で臨むことになる。 トランプ陣営の反応について島田氏は 「日本保守党から出馬し当選したことを 『米国で言えばトランプ現象に値するものだと理解している。日本保守党と連携していきたい』 と言われた」 「日本保守党の『日本第一』は、トランプ氏の『米国第一』と通じ、『脱炭素原理主義』に異を唱える基本線も一致する」 と明かした。 トランプ陣営は今、外交路線をどう考えているのか。 島田氏は 「中国を『主敵』と位置付け、軍事利用可能な技術を含む最先端ハイテク分野や知的財産で厳しく締め上げて供給網から外すことを検討している」 「トランプ氏は経済分野の交渉で習近平国家主席が誤魔化そうとしても許さないだろう」 との見方を示した。ロシアと北朝鮮の協力「米も脅かす」 NATOのルッテ事務総長 2024/11/7 22:59 https://www.sankei.com/article/20241107-QTW7IZVC6ZKR7BY733ZVTF3J4Y/ 北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年11月7日、ロシアが北朝鮮による軍事協力の見返りに、北朝鮮に技術提供しているとの見方を示し 「将来的に米本土や欧州を脅かすことになる」 と警告した。 NATOに批判的で、ウクライナ支援にも消極的なトランプ氏が米大統領選で勝利したことを受け、同氏に欧州との協力の重要性を訴えた。 欧州政治共同体(EPC)首脳会合が開催されたハンガリーの首都ブダペストで記者団に語った。 ルッテ氏は 「ロシアと北朝鮮、イラン、中国による対ウクライナ連携が明らかになってきている」 「これは非常に危険な展開だ」 と指摘。 「この脅威にどう立ち向かい、世界の安全をどう確保するかについてトランプ氏と共に考えていきたい」 と強調した。(共同) <主張>トランプ氏と経済 米国第一への備え万全に 社説 2024/11/8 5:00 https://www.sankei.com/article/20241108-TO2SHDQW3ZLOBPGJT33URQY6WE/ トランプ次期米大統領は、インフレなどで現政権を批判し、経済政策を抜本的に改める姿勢を示してきた。 米国を再び偉大にするには経済を強化するしかないとの思いが強いのだろう。 中国の台頭で世界経済における米国の影響力が相対的に低下する中、国内産業を再興し雇用を守ることは重要だ。 だが、現政権の政策をことごとく否定する言動は危うさも孕む。 自国第一主義の下、中国はおろか西側諸国にも関税などで経済的圧力をかけようとする姿勢も相変わらずである。 日本を含む各国は新政権がもたらしかねない世界経済の混乱や分断に備えねばならない。 石破茂首相は2024年11月7日、トランプ氏と電話会談し、日米同盟を高次元にする考えで一致した。 日米は中国などの専制主義国を念頭に経済安全保障上の連携も深化させなくてはならない。 そのためにも米国が内向きにならぬよう働きかけるべきは当然だが、トランプ氏は同盟の意義以上に経済実利を優先しがちだ。 日本の官民はそれを前提に対策を講じる必要がある。 トランプ氏は法人税や所得税の減税などを掲げている。 中国からの輸入品への高関税だけでなく、その他の国にも10〜20%の関税を課す考えも示した。 ただし、これらがトランプ氏の嫌うインフレや円安ドル高を助長しかねないことを懸念する。 自動車などに軒並み高関税が課されれば日本企業の北米戦略に重大な影響を及ぼそう。 日本は前回のトランプ政権時、安保上の懸念を理由に鉄鋼などに高い関税をかけられた。 トランプ氏は今次の大統領選で、台湾に関し 「米国の半導体ビジネスを盗んだ」 と批判したことが米メディアに報じられた。 こうした動きが強まれば米国と各国の結束を揺るがすことになりかねない。 当面の焦点は日本製鉄によるUSスチールの買収問題だろう。 トランプ氏はこれに反対してきたが、理不尽な買収阻止は問題である。 米国主導で設立したインド太平洋経済枠組み(IPEF)の不支持も撤回してほしい。 トランプ氏はかつて環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から離脱したが、政権に就く度に離脱を繰り返すようでは地域内での米国の信頼は失墜しよう。それがどの国を喜ばせるかをトランプ氏は熟慮すべきだ。 米大統領選、トランプ氏圧勝で石破首相は戦々恐々%本に「憲法改正」要求する可能性、外圧も平和ボケ≠ノ喝を入れるチャンス 2024.11/7 15:30 https://www.zakzak.co.jp/article/20241107-HGZL2XVVOFN7NN5G5P2EP5UZGM/ 米大統領選(2024年11月5日投開票)で、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は地滑り的勝利を収め、2024年11月6日未明、支持者を前に 「米国を再び偉大な国にする」 と宣言した。 民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)は同日、トランプ氏に電話し、敗北を認めた。 トランプ氏は 「米国第一」 を推進し、日本にも様々な要求を突き付けてくる可能性がある。 第1次トランプ政権では、安倍晋三首相(当時)がトランプ氏と盟友関係を築き、 「日米同盟を深化」 させたが、安倍氏に後ろから鉄砲を撃ち続け、衆院選で 「国民の信」 を得られなかった石破茂首相で日米関係は大丈夫なのか。 ニューヨークに滞在中のジャーナリスト、長谷川幸洋氏が緊急寄稿した。 ◇ 世界が注目した米大統領選は、トランプ前大統領が圧勝した。 ハリス副大統領の勝利を期待していた日本の政府やメディア、識者たちには、衝撃だろう。 トランプ氏の復活で、石破政権が苦しい立場に立たされるのは必至だ。 トランプ氏は開票直後から優勢を保ち、開票が進むにつれて、ノースカロライナなど激戦州も制した。 接戦が報じられていたが、実際にはトランプ支持でありながら、世論調査にはそう答えない 「隠れトランプ」 層が相当数いた、とみられる。 トランプ氏の勝利は、日本にどんな影響を及ぼすのか。 それを読み解くには、彼が訴えてきた 「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」 というキャッチフレーズを思い起こす必要がある。 裏を返せば、彼の政治活動は 「米国は弱体化した」 という認識が出発点だった。 2016年には、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、 「米国は弱体化した」 「そうであれば、日本は米国の意向に関係なく、いずれ核武装するだろう」 と語っている。 2019年には、大阪で開かれたG20(主要20カ国・地域)首脳会議の直前、 「米国は日本が攻撃されれば、血を流して全力で守るが、日本は米国が攻撃されても、ソニーのテレビで見ているだけだ」 と、日米同盟の片務性に不満を漏らしている。 欧州については、NATO(北大西洋条約機構)からの脱退や、ウクライナ支援から手を引く可能性を示唆してきた。 同じように 「アジアは日本に任せよう」 と言い出しても、おかしくない。 具体的には、岸田文雄前政権が、ジョー・バイデン米政権に約束したGDP(国内総生産)比2%の防衛力強化を1歩進めて、GDP比3%の防衛費を要求してくる可能性もある。 それだけではない。 私は 「憲法改正を言い出すのではないか」 と思っている。 日本が東アジアの平和と安定に一層貢献し、かつ 「日米同盟の片務性」 を解消するには、専守防衛を改めて、集団的自衛権の全面的容認が必要になるからだ。 経済政策では、中国からの輸入品に対して60%、その他の国の輸入品に10〜20%の関税をかける方針を表明している。 だが、日本については、 「防衛力の強化」 や 「在日米軍経費の負担増」 などと引き換えに、関税を減免する可能性もあるのではないか。 トランプ氏は 「もしも中国が台湾に侵攻すれば、中国の輸入品に150%から200%の関税をかける」 と語っている。 彼の頭の中では 「安全保障と関税が取引材料」 になっているからだ。 トランプ氏が交渉相手と認めてきたのは、いずれも 「強い指導者」 たちだった。 安倍元首相はもちろん、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領などの独裁者にも好意的なのは、彼らが強い指導者であるからだ。 それにひきかえ、政権発足直後の衆院選で大敗北を喫した石破政権は、それだけで、トランプ氏からまともに相手にしてもらえないだろう。 石破首相が米保守系シンクタンク「ハドソン研究所」への寄稿で 「アジア版NATOの創設」 や 「日米地位協定の改定」 を唱えたとなれば、尚更だ。 彼から見れば、そもそも 「米国に守ってもらっている自分の立場を分かっているのか」 「それなら、まず憲法を改正しろ」 という話になるのは、当然である。 お花畑で平和ボケした日本に喝を入れるのに、トランプ復活が絶好の外圧になるなら、日本は 「これもチャンス」 と受け止める以外にない。 <産経抄>返り咲くトランプ氏、わが国も主要プレーヤーとしての覚悟を 2024/11/7 5:00 https://www.sankei.com/article/20241107-LCLBWAHAPVKMNCEAR2DH24N7GA/ 言葉を生業とする人々にとって、 「民主主義」 は汲めども尽きぬ警句の泉らしい。 英国の劇作家、トム・ストッパード氏は巧みな言い回しでその本質を突いている。 「投票が民主主義なのではない」 「票の勘定が民主主義なのだ」 と。 ▼『すごい言葉』(晴山陽一著)から拝借した。 多くの前提が必要だろう。 選挙権と被選挙権に不当な制限がなく、投票の秘密や投開票の公正さが担保されていること。 ロシア、中国…。 民主主義を否定する国々を見るにつけ、米国には模範的な存在であってほしいと願う。 ▼大接戦と予想された米大統領選は、激戦州を制したトランプ前大統領が、思いのほか早く勝利宣言にこぎ着けた。 むろん、米国に一息つく暇はない。 我が国もここからは民主主義陣営を構成する国として、世界の課題に向き合わなければならない。 ▼ウクライナ支援の在り方は大きな懸案だ。 トランプ氏の判断次第で、侵略国のロシアだけでなく、台湾への威圧を強める中国をも喜ばせかねない。 混乱する中東情勢や、核・ミサイル戦力の増強を進める北朝鮮など、緊張を高める変数も実に多い。 ▼「投票は弾丸よりも強し」 と述べたリンカーンは、弾丸に命を奪われた。 今回の大統領選で、トランプ氏が銃や暴力の標的になったのも記憶に新しい。 深刻な亀裂が窺える米社会は、一体感を取り戻せるだろうか。 政治の空白を生まぬよう円滑な政権移行を望みたい。 ▼問われているのは米国の、そして民主主義の地力に他ならない。 トランプ氏の掲げる 「米国第一主義」 が、先の見通しづらい世界情勢にどう応じるのか、という懸念はある。 我が国もまた、国際社会の主要プレーヤーとして主体的に振る舞う覚悟を問われている。 <主張>トランプ氏勝利 同盟重視し国際秩序守れ 内向きに終始してはならない 社説 2024/11/7 5:00 https://www.sankei.com/article/20241107-EQUVXD4IZFOJDMKHLBFXNC47EE/ 米大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領が勝利宣言し、 「繁栄した米国を作りたい」 と語った。 2024年12月の選挙人投票を経て来年2025年1月20日に就任する。 2021年1月以来の返り咲きとなる。 「米国を再び偉大に」 「米国第一主義」 などのスローガンを掲げた。 インフレ(物価上昇)や不法移民の問題で民主党候補のハリス副大統領を批判し、有権者の支持を集めた。 暗殺未遂を乗り越えた 「強さ」 も支持されたのだろう。 トランプ氏に注文したい。 公約に沿ってインフレや不法移民など内政の諸政策を推進するのは当然だが、 「内向き」 の政治に終始しないでもらいたい。 ■日本との協力を確実に 前回のトランプ政権は、専制国家中国の脅威をはっきりと指摘し、軍事的、経済的に抑止していくという歴史的決断を下した。 それは民主党のバイデン政権にも引き継がれた。 新たなトランプ政権でも国際秩序を守るために行動することを期待したい。 世界はトランプ前政権当時から大きく変わった。 中国は経済不振に陥りながらも、台湾周辺や南・東シナ海で軍事的威圧を強めている。 ロシアによるウクライナ侵略は3年近くも続いている。 中東での紛争は終息の気配がない。 自由と民主主義、「法の支配」に基づく世界の秩序が、専制国家によって脅かされている。 米国の行動力と民主主義諸国の結束が今ほど試されているときはない。 トランプ氏は、2024年7月の共和党全国大会で訴えたように 「米国の不和と分断」 を修復しなければならない。 トランプ政権が備えるべき相手は、自身を支持しなかった 「内なる敵」 ではなく、米国や民主主義国の存立と繁栄を脅かす専制国家だ。 世界の経済成長の中心地であるインド太平洋地域への関心を高めてほしい。 地域最大の同盟国である日本やオーストラリア、カナダ、韓国などとの協力が欠かせない。 大統領選の最中には、中国による日本や台湾、フィリピンなどへの軍事的挑発が相次いだ。 2024年10月に台湾を囲む形で行われた中国軍の演習ではロシア軍の艦船が宮古海峡を通過した。 台湾有事を想定した中露連携との見方もある。 北朝鮮は新型と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。 トランプ氏の台湾を巡る認識には不安もある。 共和党の政策綱領から1980年以来初めて 「台湾の自衛を支援する」 という誓約が抜け落ちた。 トランプ氏が 「台湾は防衛費を払うべきだ」 「我々は保険会社と何ら変わらない」 と不満を語ったこともあった。 だが、日米などが共有する 「自由で開かれたインド太平洋」 のためにも台湾海峡の平和と安定は死活的に重要だ。 米軍の近代化を進め対中抑止に努めねばならない。 ■ウクライナ支援続けよ トランプ氏にはウクライナへの支援継続も望みたい。 派兵された北朝鮮軍の部隊がウクライナ軍と交戦したと伝えられる。 ウクライナへの侵略国に北朝鮮が加わった。 ここでもインド太平洋地域と欧州の安全保障問題は繋がった。 トランプ氏は自身が大統領選に勝てば 「すぐに停戦できる」 と述べてきたが、停戦とは露軍の即時全面撤退以外にない。 ロシアや北朝鮮に果実を与えれば、日本周辺での専制国家による侵略を誘発しかねない。 トランプ氏は同盟国に応分の防衛負担を求めるだろう。 米国1国で専制国家を抑止できないため理解できるが、日本や先進7カ国(G7)、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などとの協力も合わせて語るべきだ。民主主義国同士の重層的な同盟・協力関係が国際社会の安定に繋がり、米国の繁栄も支えているからだ。 民主主義諸国の結束の乱れは中露など専制国家を増長させかねない。 トランプ氏は、バイデン政権が打ち出したインド太平洋地域の 「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」 への不支持も表明した。 米国の不在は、中国の地域での影響力を強めることになる。 再考すべきだ。 中東情勢も喫緊の課題だ。 イスラエルとイランの全面衝突が懸念されている。 イスラエルへの影響力を発揮し、事態の安定に努めてほしい。 石破茂政権はトランプ氏側と早期に接触し、信頼関係を築かねばならない。 トランプ氏復帰、世界中が注視 ウクライナへの軍事支援に変化も 中国「不確実性増す」 2024/11/6 21:30 https://www.sankei.com/article/20241106-YY2Q7QAJBZPXVJTOEJXXEK6S5E/?outputType=theme_uspe 米共和党のトランプ前大統領と、民主党のハリス副大統領が対決した2024年11月5日の米大統領選を世界各国は強い関心を持って注視した。 ロシアのウクライナ侵略を巡り、ウクライナへの支援から撤退する可能性のあるトランプ氏が勝利したことを欧州は警戒。 ロシアは歓迎しているとみられる。 トランプ氏の勝利で中国は「不確実性」が増すと予測。 混沌とする中東情勢は同氏の復帰で新たな局面を迎えそうだ。 ■欧州、NATO結束で不安 米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利したことで、欧州では米国がウクライナ支援から撤退し、欧州安全保障に危機をもたらすとの警戒感が出ている。 フランスのマクロン大統領は2024年11月6日にX(旧ツイッター)でトランプ氏の勝利を祝福した上で、 「ドイツのショルツ首相とも話し合った」 「新たな環境の中で、我々は欧州をより強く、結束させるために働く」 と投稿。 独仏で欧州連合(EU)を牽引し、新政権の下で新たな米欧関係の構築を目指す構えを示した。 トランプ氏はこれまで、欧州加盟国が防衛費の負担を増やさなければ、ロシアが将来、欧州を攻撃しても防衛しないと述べている。 北大西洋条約機構(NATO)の結束に不安が広がる中、ルッテNATO事務総長は2024年11月6日、 「強さによる平和を推進するため、再び協力できることを楽しみにしている」 とXに投稿した。 先月2024年10月の欧州世論調査では、ドイツで64%、フランスでは61%が 「安全保障のためにはハリス副大統領の勝利が望ましい」 と回答していた。 トランプ氏は国内産業保護のため輸入品に高関税をかけると公言しており、米EU間の貿易摩擦は不可避となる見通しが強い。 EUの貿易大国ドイツで特に警戒が強まっている。 トランプ氏は2024年10月末、EUについて 「彼らは我々の車や農作物を買わずに、膨大な量の車を売っている」 「代償を払わせる」 と発言した。 ■露、ウクライナ降伏への圧力期待 ウクライナ侵略を巡って同国の 「降伏」 による早期の戦闘終結を実現させたいロシアは米大統領選で、ウクライナに停戦圧力を加えたり、軍事支援を停止したりする可能性がある米共和党のトランプ前大統領が勝利したことを歓迎しているとみられる。 ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、 「プーチン大統領は一貫して対話に前向きだ」 とトランプ氏との電話会談を排除しなかった。 ウクライナでの停戦に向けて米国が動くかどうかをロシアは注視するとも述べた。 プーチン氏は2024年10月下旬、トランプ氏が停戦の実現に尽力する意向を示しているとし、 「(停戦に関する)そうした発言は誰からのものであろうと歓迎する」 と表明。 また、 「(戦争の)帰結はロシアに有利なものであるべきだ」 「(停戦の内容は)戦場の現実に立脚すべきだという点に関してロシアは譲歩しない」 と述べた一方、ロシアには 「合理的な妥協」 を行う用意があるとも主張した。 プーチン氏は従来、停戦に応じる条件として、ウクライナが南部クリミア半島と東・南部4州全域をロシアに割譲することや、NATO加盟を否定することを提示。 ただ、露軍も疲弊しており、4州全域を軍事的に掌握するのは困難だとの見方が露国内でも出ている。 トランプ氏が今後、ロシアとウクライナ双方に硬軟織り交ぜて停戦を促した場合、プーチン氏が4州全域の割譲要求を取り下げ、現在の前線を停戦ラインとすることを認めるなど一定の 「妥協」 に応じる可能性はゼロではない。 ■韓国、対北で安保体制の維持強調 北朝鮮がウクライナを侵略するロシアへ派兵するなど、安全保障情勢が厳しさを増す中、韓国では、米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受け、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がバイデン米大統領、岸田文雄前首相と築いた日米韓の対北安保協力体制が揺らぎかねないとの不安感が高まっている。 トランプ氏は在任中、 「裕福な国」 である韓国が米国の軍事力に 「ただ乗りしている」 と主張し、在韓米軍の駐留経費を巡り、韓国に大幅な負担増を迫った経緯がある。 このため、韓国は2024年10月、トランプ氏の返り咲きに備え、2026年以降の駐留経費負担を決める協定に早々に合意。 選挙直前の今月2024年11月4日、駆け込むように署名を済ませた。 尹氏は2024年11月6日、Xでトランプ氏への祝意を示した上で、トランプ氏が 「これまで見せてきた強いリーダーシップ」 を評価。 米韓が今後、緊密に協力していくことに期待を表明した。 韓国大統領府高官は同日2024年11月6日、ロシア派兵で北朝鮮の脅威が増している点を指摘。 「韓国政府は安保が一寸も揺るがないよう米国の新政権と完璧な安保体制を築き上げていく」 と述べ、米新政権下でも安保協力を維持していく方針を強調した。 ■中国、関税引き上げ警戒 米大統領選で共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領のどちらが勝利しても、中国では米国の対中圧力は緩和されないとの見方が支配的だった。 浙江外国語学院米国研究センター主任の王冲氏は 「誰が大統領になろうとも中米関係で小春日和が実現するのは難しく、劇的な好転を実現するのは更に難しい」 との見解を選挙前に中国メディアに寄せた。 王氏は、バイデン大統領の対中路線を継続すると見込まれたハリス氏に対し、トランプ氏の路線では 「不確実性と予見不可能性が増す」 と警戒する。 中国側は、トランプ氏が大統領1期目で見せた 「不確実性」 に神経を尖らせる。 トランプ氏は既に中国製品に60%の関税を課す方針を表明しており、実現すれば、景気低迷下にある中国経済には逆風だ。 中国が 「核心的利益」 と位置付ける台湾問題でも、トランプ氏は中国が台湾に侵攻すれば 「150〜200%」 の関税を課すと発言している。 一方で、中国は米政権の圧力継続を見越し、ここ1年ほどは米国を念頭に置いた外交を展開してきた。 まずは米国の同盟国などの切り崩しだ。 日米豪印の枠組み「クアッド」の一角をなすインド、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」とクアッド双方に入るオーストラリアとは、それぞれ悪化していた関係の改善に動いた。 次にグローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)の取り込みにも力を入れ、中国やロシアなど主要新興国で作る「BRICs」の枠組み拡大などを進めた。 日中外交筋は 「中国はこの1年間の取り組みを通じ、誰が米大統領になっても対応可能だと自信を持っているのではないか」 と指摘する。 ■台湾、有事の防衛で懸念残る 台湾当局は、米大統領選の結果が台湾海峡の平和と安定に影響を与えるとみて注視している。 「米国の台湾支持は超党派の共通認識」(米当局者) とはいえ、バイデン米大統領が繰り返し台湾防衛を明言してきたのに対して共和党のトランプ候補の姿勢は曖昧さが増しており、台湾側には懸念も残る。 トランプ氏は 「台湾は(米国に)防衛費を支払うべきだ」 と主張し、域内総生産(GDP)比10%の防衛費支出を台湾に要求。 これは歳出の8割超に当たる非現実的な数字だ。 更に台湾が 「半導体ビジネスを米国から奪った」 とし、台湾製半導体への高関税も示唆した。 世界的な供給網の中核として、中国による台湾侵攻を抑止する役割への期待から 「シリコンの盾」 と呼ばれる台湾の半導体産業に、トランプ氏の存在は大きな影を落とす。 ただトランプ氏に対しては悲観論だけではない。 当局系シンクタンクの安全保障研究者は、大規模な兵器購入を台湾に求める同氏の勝利で 「(最新鋭ステルス戦闘機の)F35などの高度な兵器を買うチャンスでもある」 と指摘する。 また与党、民主進歩党系の政治研究者も 「民進党は前回の米大統領選で、台湾との関係が良好だったトランプ氏の再選を望んでおり、バイデン氏の当選に焦りもあった」 「今回はどちらでも構わない」 と話す。 一方、中国に融和的な最大野党の中国国民党は、米中間の緊張を高める可能性が大きいとみられるトランプ氏をより警戒する。 「米国が中国に対抗するためのコマとして台湾を利用する」(国民党系の政治学者) との懸念を持つためだ。 ■対イラン政策、一変の公算 パレスチナ自治区ガザやレバノンで戦闘を続けるイスラエルと、その宿敵イランに米国がどう対処するのか注目されるだけに、中東諸国は強い関心を持って米大統領選の行方を見つめた。 イスラエルで2024年10月末に公表された世論調査結果で、次期米大統領はトランプ氏が好ましいとの回答が全体の66%を占め、ハリス氏との回答は17%だった。 それも当然の結果と言える。 2017年から4年間の大統領任期中、トランプ氏はそれまでの米外交政策を変更してエルサレムをイスラエルの首都と認定するなど、同国寄りの政策を貫いた。 特に戦闘が続く現在では、激しい攻撃で高まる国際的批判をかわす上でも最大の後ろ盾になるとの期待が大きい。 イスラエルのネタニヤフ首相は2024年11月6日、トランプ氏が勝利したことを受け、 「歴史的に最も偉大な(大統領への)復帰だ」 「米国の新たな始まりとなる」 と祝意を示した。 一方、イランはトランプ氏復帰に警戒を強めている。 イランが2024年10月初めにミサイル約180発でイスラエルを攻撃した際、トランプ氏は 「(イスラエルは)イランの核施設を攻撃すべきだ」 と述べた。 今後、中国などとの原油のヤミ取引の監視を強化するなど、イランに対する 「最大限の圧力」 政策が復活する公算が大きい。 イラン政府のモハジェラニ報道官は2024年11月6日、 「米国の選挙はイラン人の暮らしに影響しない」 と述べた。 ロイター通信がイランの通信社の報道として伝えた。 米大統領選 有権者最大の関心は「民主主義」 出口調査 トランプ氏不正主張など影響か 2024/11/6 14:09 https://www.sankei.com/article/20241106-DNASW5AXFFJETCGA3CE2DJNMAQ/?outputType=theme_uspe 2024年11月5日投開票の米大統領選で米メディア各社が実施した出口調査では、最も関心のある争点として 「民主主義の在り方」 を挙げた人が 「経済」 を上回った。 有権者層の分析では、共和党のトランプ前大統領(78)が過去の選挙戦より黒人やヒスパニック(中南米系)からの支持を増やした半面、民主党のハリス副大統領(60)はトランプ氏から白人の支持を奪っているもようだ。 NBCテレビの出口調査によると、最も重視する争点は 「民主主義」だと答えた人は34% で、 「経済」の31% を上回ってトップとなった。 続いて 「人工妊娠中絶の是非」が14%、 「移民問題」が11%、 「外交問題」が4% だった。 CNNテレビの調査でも近似した結果となった。 選挙戦での世論調査では、ほぼ一貫して経済が最重要争点と見做されてきたが、ここにきて民主的制度が脅かされているとの懸念が有権者に広がっていることが示された格好だ。 米紙ワシントン・ポストによると、有権者の約7割が、米国の民主主義への脅威が 「とてもある」 あるいは 「ある程度ある」 と回答した。 背景には、トランプ氏が2020年の前回大統領選で十分な根拠を示さず主張したのと同様に、今回も投票日前から 「不正が行われている」 と繰り返していることなどが影響したとみられる。 前回選では、トランプ氏が敗北を認めずに不正主張を拡散させたことが、2021年1月のトランプ支持者による連邦議会襲撃事件に繋がったとされる。 一方、NBCによれば、有権者の45%がトランプ政権時の4年前より 「生活が苦しくなった」 と回答。 経済運営ではハリス氏よりもトランプ氏に期待する傾向があらわれている。 人種による支持傾向にも変化があった。 トランプ氏を 「好ましい」 と考える人の割合は白人で49%で、前回選の57%から8ポイント減少。 ヒスパニックは42%、黒人は14%で、前回選よりそれぞれ4ポイント増加した。 「男らしさ」 といった価値観を重視する黒人やヒスパニックの男性有権者には、女性初の大統領を目指すハリス氏への反感がある一方、白人女性の間では 「トランプ離れ」 が進んでいると指摘される。 重要課題は「民主主義」「経済」 移民、中絶も判断要因に 米大統領選 2024/11/6 13:02 https://www.sankei.com/article/20241106-RCP7KKV2OBJOBEWXAWVVU7TJM4/?outputType=theme_uspe 2024年11月5日投開票の米大統領選で、CNNテレビやABCテレビなどが共同実施した出口調査の結果によると、有権者が重要課題に挙げたのは民主主義の行方が35%で最も多く、経済が31%、人工妊娠中絶の権利が14%、不法移民問題が11%で続いた。 AP通信とFOXニュースの共同出口調査では、半数近くが民主主義を最も重要な争点だと答え、39%が経済だと回答。 移民問題は20%、中絶は11%だった。(共同)
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