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2023年7月10日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/261834?rct=national
北の海に異変が起きた。今年、襟裳岬以西の北海道の太平洋沖で、オオズワイガニが大量発生している。確たる原因は分かっていない。高級品の本ズワイガニと違って販路が未整備の上、カレイ漁の漁具を壊してしまい、漁師にとっては「邪魔者」のようだ。とはいえ、庶民にしてみれば、カニを安く味わえるならありがたい。果たして凶報か、吉報か。(西田直晃)
◆漁網ぼろぼろ…被害数億円?
「網を食いちぎり、穴が開いちゃう。こればっかりはどうしようもない」
北海道様似さまに町の漁師の男性は肩を落とす。太平洋に面するこの日高地方では、通年でカレイの刺し網漁が行われる。しかし、刺し網に絡まるのは、大量のオオズワイガニ。カレイが取れないばかりか、漁網までぼろぼろになる。日高中央漁協によると、操業停止による損失が数億円に達する可能性がある。
様似町から西に約200キロの室蘭市では、近くの内浦湾(噴火湾)での毛ガニかご漁に被害が及ぶ。
室蘭漁協によると、大量のオオズワイガニがかごの中に紛れ込み、毛ガニのほぼ2倍の水揚げがある。成長すると甲羅の幅が15センチほどになるようだが、取れるのは7センチほどと小ぶり。商品価値が低く、卸値は1キロ1万2000円にもなる毛ガニと比べ、10分の1に満たないという。同漁協の後藤裕晶さん(39)は「ありがた迷惑ですよね、正直」と嘆き節だ。
◆気になるお味は…5000匹が1時間で完売
オオズワイガニとは何者なのか。大日本水産会魚食普及推進センター(東京)によると、松葉ガニや越前ガニといった高級ブランドがある本ズワイガニとは種類が異なり、より大ぶりになる。生息域が比較的浅く外敵が多いためか、本ズワイガニと比べ甲羅のトゲが大きく、脚が太く短いのも特徴だ。主に米国やカナダ、ロシアで取れるという。
日本ではなじみが薄く、気になるのはその味。前出の後藤さんは「水っぽさもなく、食べたらおいしい」と語る。
道内では漁業者支援のため、オオズワイガニの直売会が開かれているほか、スーパーでも3匹500円ほどで売られている。これは1匹数千円ほどの本ズワイガニと比べ破格の安さだ。
消費者にとってはコスパがよく、今月1日、室蘭漁協が実施した直売会では、約1時間で5000匹が売り切れた。都内の一部鮮魚店でも、同程度の相場で出回っている。
◆販路拡大に期待…「難しい」との見方も
北海道では1980年代半ばにも、大量のオオズワイガニが取れた年があった。道立総合研究機構栽培水産試験場によると、今回より狭い海域で、86年に2300トン、87年に1400トンが水揚げされ、一部は関西地方に本ズワイガニの代用品として空輸された。このときも原因不明で、88年以降には姿を消した。
現在、日高中央漁協は道から特別採捕許可を得て、オオズワイガニの販路確立に動き始めた。お値打ちなカニとして、全国的に広まるだろうか。
栽培水産試験場の渡野辺雅道研究主幹は「現状はサイズが小さく、売れないものも目立つ。だが、北海道のオオズワイガニは成長のスピードが速く、本ズワイガニの4倍という研究結果が出ている。海外産の同種よりも成長は速い」と説明。「水揚げされていないオオズワイガニが成長すれば、来年以降に商品価値がぐっと向上する可能性はある」と期待を込める。
一方、別の水産流通に詳しい専門家は「今後の安定漁獲が見込めるかは、取りすぎないように管理できるかによる」と指摘しつつ「現状では他の水産物と取り分けもできておらず、地元の漁師にも嫌われている。広範に流通するのは難しい気がする」との見方を示した。
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