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ウクライナでクーデターを実行、戦乱へと導いた米政府のチームが孤立しつつある
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308200000/
2023.08.21 櫻井ジャーナル
アメリカ軍のトップ、マーク・ミリー統合参謀本部議長は昨年11月、ニューヨークの経済クラブで、ウクライナ軍がロシア軍に勝利する可能性は小さく、この冬はロシアと交渉を始める機会だと語ったが、ウクライナ軍がロシア軍に勝っているというイメージを広めてきたジョー・バイデン政権はミリーの発言を打ち消そうとしていた。
しかし、ロシア軍が勝っているという現実の前にバイデン政権の宣伝は崩れ、アメリカ政府高官や内部関係者の一部はミリーの言うことを聞いておくべきだったと囁いている という。
ウクライナ軍はアメリカ/NATOの命令で玉砕攻撃を繰り返したものの、ロシア軍の防衛ラインを突破できていない。西側が提供した戦闘車両の残骸が増え、死傷者が膨らんだだけだ。
当初の計画では玉砕攻撃で突破口を開いた後で投入する予定だったという精鋭部隊の第82空挺旅団を中心とする最後の戦略予備軍を送り込まざるをえなくなり、その精鋭部隊はロシア軍に殲滅されてしまった。
ロシア軍は昨年秋に部分的動員で約30万人を集め、訓練は終わったとはずだが、戦線に投入されたのは数万人だと言われている。しかもウクライナ軍とは違い、十分な装備がある。
こうした中、NATOのスティアン・イェンセン事務総長秘書室長は8月15日、ノルウェーで開かれた討論会において、ウクライナでの戦闘を終わらせるため、ウクライナが領土を放棄し、その見返りにNATO加盟させることもありえると話したが、ロシアはウクライナのNATO加盟を認めないだろう。それは「新バルバロッサ作戦」を認め、ロシアの存続を危うくするからだ。ロシアが攻撃を始めた理由のひとつはNATO加盟を阻止することにあった。
それに対し、イェンス・ストルテンベルグ事務総長はクリミアやドンバスを含む地域からロシア軍を追い出すまでウクライナを支援すると主張している。こうしたことが実現できる可能性はほとんどなく、ストルテンベルグはネオコンの妄想の中から抜け出せないでいる。
しかも、ミンスク合意がウクライナの戦力を増強するための時間稼ぎに過ぎなかったことが明確になった現在、ロシア政府が停戦交渉に応じる可能性は小さい。実際、セルゲイ・ラブロフ露外相は戦闘終結に関して西側諸国と交渉することを拒否している。
現在ウクライナで繰り広げられている戦闘は、バラク・オバマ政権が2013年11月から14年2月にかけてネオ・ナチを使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除したところから始まった。そのヤヌコビッチ大統領を支持していた東部や南部の住民はクーデターを拒否、クリミアはロシアと一体化し、ドンバスでは内戦になるのだ。
このクーデターをホワイトハウスで指揮していたのが現大統領のジョー・バイデンであり、その下にいたのがビクトリア・ヌランド国務次官補と副大統領の国家安全保障担当補佐官を務めていたジェイク・サリバンだ。このチームの下、バイデンは大統領に就任した直後からロシアに対する挑発を繰り返していた。
バイデン政権でこのチームに加わったトニー・ブリンケン国務長官はウクライナでロシアに勝てないことを理解しているが、バイデン、ヌランド、サリバンは認めようとしていないようだ。ルビコンを渡った彼らは敗北するわけにはいかないのだろう。
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