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ウクライナでロシアに敗北したアメリカは東アジアで軍事的緊張を高めている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308220000/
2023.08.22 櫻井ジャーナル
アメリカ軍は今週、日本の自衛隊とオーストラリア軍を引き連れて南シナ海で洋上演習を、また韓国軍と乙支フリーダム・シールドをそれぞれ実施する。
洋上演習にアメリカ海軍は空母「アメリカ」を、オーストラリア海軍は強襲揚陸艦の「HMASキャンベラ」を、また海上自衛隊はヘリ空母(多目的空母)の「いずも」を派遣しているようだ。乙支フリーダム・シールドはコンピューター・シミュレーションに基づく指揮所訓練、同時進行の実戦訓練など、さまざまな有事訓練が予定されているという。
バラク・オバマ政権はネオ・ナチを使い、2013年11月から14年2月にかけてウクライナでクーデターを実行、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した。そのクーデターをホワイトハウスで指揮していたのは現大統領のジョー・バイデンであり、その下にビクトリア・ヌランド国務次官補と副大統領の国家安全保障担当補佐官を務めていたジェイク・サリバンがいた。
バイデンが大統領に就任した後、このチームはウクライナで対ロシア戦争を推進、アメリカ/NATOはウクライナ軍へ武器弾薬を供給、兵士を訓練、銃砲を提供してきたが、すでに武器は枯渇、兵士は「バンザイ突撃」を強いられ、戦闘の継続は困難になっている。
西側では有力メディアを利用し、「ウクライナ軍は勝っている」とか「ロシア軍はバンザイ突撃」を繰り返しているという作り話を広めてきたが、そうした話は現実を前にして崩れつつある。本ブログでも書いてきたが、そうした西側の有力メディアも事実を認めざるをえなくなってきたようだ。
つまり、アメリカ/NATOに残された道はウクライナを無条件降伏させるか、NATO軍を投入するしかないと言われているが、NATO軍の兵器庫も空だと見られている。
戦闘が終わると人びとには考える余裕ができ、バイデンを含む高専的なネオコン人脈は戦争責任を問われるだけでなく、並行して進められてきた「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」による大量殺戮も問題になる可能性がある。勿論、来年に予定されている大統領選挙でバイデンが勝つことはできない。
彼らはウクライナで戦闘を続け、プロパガンダ機関であるメディアを利用して「われわれは勝っている」というイメージを人びとに植え付けようとしてきたが、それが難しくなっている。新たな戦場が必要だということだ。新たな戦場になる可能性が高い地域は東アジア。実際、アメリカは日本や韓国と合同軍事演習を繰り返している。
ネオコンが世界制覇プロジェクトを始動させたのは1991年12月にソ連が総滅した直後のことだ。アメリカが唯一の超大国になったと認識、国防総省の「DPG草案」という形で世界制覇プランを作成したのだ。作成の中心がポール・ウォルフォウィッツ次官だったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれてきた。
そのドクトリンではドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込み、新たなライバルの出現を防ぐとしている。彼らが警戒していた地域は旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジア、西南アジアなどだ。
戦争マシーンに組み込まれることを嫌がっていた日本に進むべき道筋を示したのが1995年2月にジョセイフ・ナイが発表した「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」だが、当時の日本にはそうした道を歩こうとしない政治家もいたようだ。
そうした中、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布され(地下鉄サリン事件)た。その10日後には警察庁の國松孝次長官が狙撃されている。8月には日本航空123便の墜落に自衛隊が関与していることを示唆する大きな記事がアメリカ軍の準機関紙とみなされているスターズ・アンド・ストライプ紙に掲載された。
結局、日本は戦争への道を歩み始め、自衛隊は2016年に軍事施設を与那国島に建設、19年には奄美大島と宮古島にも作った。2023年には石垣島でも完成させている。
アメリカの国防総省系シンクタンク「RANDコーポレーション」が昨年に発表した報告書によると、アメリカ軍はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようとしているが、配備できそうな国は日本だけ。
その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにする。そしてASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたという。
日本は軍事拠点を作るだけでなく、高性能兵器の開発にも乗り出していると伝えられている。例えばアメリカと共同で音速の5倍以上で侵入してくるHGV(極超音速滑空体)を迎撃するミサイル技術の研究開発を考え、昨年7月24日には宇宙航空研究開発機構(JAXA)が鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所で迎撃ミサイルに必要な速度に到達することが可能だとされるエンジンの飛行試験を初めて実施した。
極超音速で飛行するミサイル自体も研究だと言われ、HGVではなくエンジンによって推進力を得る極超音速巡航ミサイル(HCM)の開発を目指しているという。2026年には九州や北海道の島々へ配備したいようだ。
アメリカ軍は太平洋からインド洋を統括するため、2018年5月に太平洋軍をインド・太平洋軍へ作り替えたほか、オーストラリア、インド、そして日本を引き入れて「クワド」を編成、さらにオーストラリアやイギリスと3カ国で「AUKUS」という軍事同盟も組織した。オーストラリアはアメリカとイギリスの技術で原子力潜水艦を建造すると報道されている。
このうちインドはアメリカに従属する可能性は小さく、この地域でアメリカの手先になりそうな国はオーストラリアと日本。韓国や台湾の国内にはアメリカの属国になることを拒否する勢力が存在している。太平洋へイギリスが出て来なければならない理由はその辺にあるだろう。
2020年6月にNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長はオーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本をメンバーにするプロジェクト「NATO2030」を開始すると宣言、2024年中にNATOの連絡事務所を東京に設置しようという話も出てきた。連絡事務所の計画はフランスの反対にあったようだが、NATOに頼らなければならない状態だということは明らかになった。
こうした動きに対抗するため、ロシアと中国は同盟関係を強化、軍事的な連携を強めている。さらに、中露はアメリカが東アジアを揺さぶる突破口にしようとしてきた朝鮮とも関係の強化をアピールしている。
セルゲイ・ショイグ国防相が率いるロシアの軍事代表団が7月25日から27日まで平壌を訪問したが、その際、中国全国人民代表大会の常務委員会で副委員長を務める李鴻忠が率いる代表団と合流している。両国の代表団は朝鮮戦争の休戦協定締結から70年を記念して行われた行事へ参加、それぞれ金正恩朝鮮労働党委員長と会談した。
その際にロシアのウラジミル・プーチン大統領からは手書きの書簡が、また中国の習近平国家主席からも親書が金正恩委員長へ手渡されたと伝えられている。
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