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ウクライナでロシアが勝利する日 日本は5年後、10年後に今の行動を後悔するだろう 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319808
2023/03/09 日刊ゲンダイ
米国世論は大きく変化している。ロシア・ウクライナ紛争に関して「どちら側にもつくべきではない」が47%(C)ロイター
日本国民は正義よりも強い者につくことを優先する。正義が強い者の利益と一致する時、声高に正義を主張する。だが強い者が正義に反する時は沈黙する。
米国が「イラクは核兵器開発を行い、世界を脅かす」と虚偽の主張をしてイラク戦争を始めた時、多くの日本国民はその不当性には沈黙した。
そして今、ウクライナ戦争が行われている。ウクライナ戦争は実質、米国を中心とするNATO諸国が提供する兵器とロシア軍の戦いだ。
多くの国民は「米国が提供する兵器は圧倒的に優秀で、ロシア軍が敗れる」と思っている。だから、森元首相が@ロシアが負けるということは、まず考えられないA(日本政府の支援に)「こんなに力入れちゃっていいのか」と発言した時、国民は冷たく反応した。
立憲民主党の蓮舫氏が森元首相の発言に「もう、黙っていてください」とツイートした時、3700の「いいね」を得た。
だが、情勢は変化している。一番大きいのは米国世論の変化だ。特に共和党支持者に顕著だ。まず、次期大統領選の有力候補であるトランプはウクライナ支援に反対だ。
これに引きずられ、同じく有力候補のデサンティスもウクライナ支援に慎重な立場を表明した。
共和党支持者の大半は「ウクライナへの軍事支援は多すぎる」と言い始めた。更に2月末の「OPINION TODAY」の世論調査では、「ロシア・ウクライナ紛争でどの立場をとるべきか」との問いで「ウクライナ側につくべき」が45%、「どちら側にもつくべきでない」が47%である。
米国は変わってきた。米国のウクライナへの軍事支援は8月以降、急減する。これにより戦況が一段とウクライナ側に厳しくなる。「ロシアが負けるということは考えられない」が明確になる。
欧州諸国はこの動きに敏感に反応している。多くの欧州諸国はドイツ製戦車「レオパルト2」をウクライナに送ると宣言したが、今、躊躇している。春の決戦に投入されるべき戦車が届いていない。
欧州諸国では「(支援に)こんなに力入れちゃっていいのか」を考え、行動を始めた。ウクライナ戦争後、ロシアの敵になることは危険すぎる。
情勢の変化を把握しない日本では依然として「1億総ロシア糾弾、ロシア制裁」が響き渡っている。5年後、10年後、日本は今の行動を後悔しているだろう。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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