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射程距離400kmの極超音速ミサイルでウクライナに睨みを効かせるロシアの戦闘機
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303090000/
2023.03.09 櫻井ジャーナル
ポーランドはウクライナへ14両のドイツ製の戦車「レオパルト2」を渡すことになっている。そのうち4両はすでに渡した。残りの10両は今週中に引き渡すようだ。ロシア軍の攻撃でウクライナ兵は十数万人から数十万人が戦死、武器弾薬は枯渇している。そこでウォロディミル・ゼレンスキー大統領はアメリカ/NATOに戦車を提供するように求めていたのだ。
早い段階から欧米諸国は射程距離の長い兵器を提供してきた。例えばアメリカはHIMARS(高機動ロケット砲システム)、イギリスはM270 MLRS(M270多連装ロケットシステム)、フランスはカエサル155mm自走榴弾砲といった具合だ。西側の有力メディアはこうした兵器でロシア軍は粉砕されるかのように宣伝していたが、こうした兵器はロシア軍によってほとんどが破壊されたと見られている。
ウクライナに対してロシア軍と戦い続けるよう最も強く求めてきた国はイギリスで、自国の主力戦車である「チャレンジャー2」を提供するといち早く宣言していたが、これはドイツに「レオパルト2」を提供させるための催促だったと推測する人は少なくない。
アメリカも自国の主力戦車「M1エイブラムズ」の提供に消極的だったが、そのひとつの理由は乗員の訓練と補給、そして戦闘の支援体制を懸念していたからだとも言われている。支援体制が整っていない戦車は戦場で敵の餌食になってしまう。
チャレンジャー2、レオパルト2、M1エイブラムズという3種類の戦車を使うとなると、補給が複雑になり、訓練も面倒なことになる。レオパルト2に統一したかっただろうが、それでも半年以上、できれば数年は訓練したいはずだ。
しかもロシア軍の戦車は性能が向上している。西側にはイラク軍が使用していたソ連製のT-72戦車を思い浮かべる人がいるだろうが、現在、ロシア軍が使っているT-72は別物。アメリカは中身が同じでもタグを取り替えて人びとを騙すが、ロシアは中身が変わっていても同じタグを使うことが少なくない。
現在、ロシア軍が使っているT-72には爆発反応装甲がついているだけでなく、暗視装置、熱線暗視装置、射撃統制システムなどが装備されている。勿論、ロシア軍の乗員の熟練度はイラク軍と全く違う。乗員の能力は重要だ。
M1エイブラムズやレオパルト2は砲弾の装填を乗員が手作業で行うのだが、T-72やT-90には自動装填装置がある。そこで乗員の人数はエイブラムズやレオパルトの4人に対し、T-72やT-90は3名。訓練しなければならない兵士の数が違うとも言える。
戦車で戦況を変えることができないことは2006年7月から9月にかけてのレバノンにおける戦闘でもわかる。イスラエルの地上部隊はイスラエルが誇るメルカバ4戦車を使ってレバノンへ軍事侵攻したのだが、メルカバは破壊され、イスラエル軍はヒズボラに敗北した。イスラエルが地上戦を避けるようになったのはそのためだと言われている。
ゼレンスキーは戦車のつぎに戦闘機を欲しがり始めた。アメリカ製のF-16を求めているが、試乗したパイロットは満足できなかったようだ。この戦闘機は2015年1月にカリフォルニア州のエドワード空軍基地の近くでF-35と模擬空中戦を行い、完勝したと伝えられている。そのF-16を操るためには、短くとも半年の訓練が必要だ。
しかし、F-16は決して新しいタイプの戦闘機ではなく、ロシアの戦闘機より勝るとは言えない。ロシアの極超音速ミサイルR-37Mは200キロメートル以上離れた航空機を撃墜したようだが、そのミサイルの最大射程距離は400キロメートルだと言われている。このミサイルを搭載したMigG-31やSu-57がロシア領空を飛行、戦闘に備えているようだ。
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