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ボリス・ジョンソンの後釜を狙う二人、イスラエルに忠誠を競う
最近のイスラエルによるガザへの残忍な攻撃後、保守党首相候補の二人がイスラエル支持を申し出て競い合っている
ジョナサン・クック
Middle East Eye
2022年8月9日
先週金曜、ガザに対し、イスラエルが突然相次ぐ空爆を行った後、信用を失ったボリス・ジョンソン首相の後釜を競う二人の保守党政治家は、イスラエルへの忠誠を誓う書簡を公表した。
タイミングは、イギリス二大政党の政治家が、首相の座を競う選挙運動の重要な話題で、今やイスラエル支持誓約をし、アメリカ大統領の立場に加わった度合いを強調する。
イスラエルが、子供16人を含め、45人のパレスチナ人を殺し、更に何百人も負傷させた後、リズ・トラス外務大臣と、リシ・スナック財務大臣は、週末に、イスラエル擁護の資格証明を吹聴した。イスラエルは、狙った標的である数人のイスラム聖戦機構指導者が死者の中にいたと述べた。日曜日の夜遅く、停戦が発効した。
予想通り、この時、ガザから発射されたロケットのためイスラエルが「報復」たという見せかけさえなかったのに、欧米指導者連中は断固イスラエルを支持した。対戦車ミサイルによるパレスチナ抵抗集団イスラム聖戦機構による攻撃とされるものを防ぐことを意図していたと主張して、イスラエルは戦争を始めた。
もしパレスチナの派閥が、将来のイスラエル空爆を抑止したいという理由から、一方的にロケットをイスラエルに発射するのを正当化したら、アメリカとヨーロッパの政治家が、どう反応するか我々は想像できる。だが、いずれにせよ、抑止が本当にイスラエルの目的だったなら、攻撃は、まさに逆効果だった。全く予想通り、イスラム聖戦機構は、イスラエルに何百というロケットを発射して、反撃した。
実際、欧米政治家やメディアは決して言及しないが、パレスチナ人は、イスラエルと異なり、実際に、国際法上、イスラエルに軍事的に抵抗する権利を持っている。それはイスラエルが、何十年も、けんか腰で彼らの土地を占拠しているためだけではない。
イスラエルは更に、誰と何が、ごく小さな、ひどく混雑し過ぎた沿岸の飛び領土ガザの中に入り、出るの許されるかを支配して、15年の封鎖している。ガザは10年以上以上、イスラエル軍が「芝刈り」と呼ぶ、一連のイスラエル攻撃により、廃墟にされた。ガザに閉じ込められた210万人の住民は、食物、浄水、薬や電気の深刻な欠乏を味わっている。栄養失調と貧困は、この地域固有のものだ。
去年アントニオ・グテーレス国連事務総長はこう述べた。「この世に地獄があるなら、ガザの子供の生活だ。」この地獄は完全にイスラエルによる人為的なものだ。
二重基準
多分週末の出来事に関する最も露骨に偽善的な発言は、駐イスラエル・ウクライナ大使イェウヘン・コルニーチュクのものだ。彼は現実を逆転して、イスラエル支持のメッセージをTwitterで書いた。
彼は、イスラエルが、ウクライナのように「隣人による非常に残忍な攻撃」を経験していると示唆し、イスラエル国民に対する「深い同情」を表した。彼は付け加えた。「女性と子供たちに対する攻撃は非難に値する。」
だが、攻撃を始めたのはパレスチナ人ではなく、イスラエルだった。そしてイスラエルの爆弾で死んだのは、イスラエルではなく、ガザの女性と子供たちだった。
コルニーチュク発言は、2月下旬、ウクライナに対するロシアの侵略には憤慨を表現したが、何年もの、ガザに対するイスラエルの頻繁な侵略を最小化したり、支持したりしている欧米政治家の広範な偽善を強調するのに役立った。
二重基準は、ジョンソンの後釜を競う二人の場合、実に明白だった。週末、トラスとスナックは、パレスチナの文民をガザで殺していた、その瞬間に、イスラエルに対する変わらぬ支持を述べた。彼らは彼らの党の主要なイスラエル擁護圧力団体、Conservative Friends of Israel(CFI)でそう発言したのだ。
トラスは断言した。「イギリスは、今も、将来も、イスラエルと共に立つべきだ。首相として、私はこの任務の最前線にいるつもりだ。」賭け屋のお気に入り、トラスの発言は特に攻撃的だった。
外務大臣として、彼女は「違法占拠」と呼んで、ロシア侵略を非難する上で歯に衣を着せない。彼女は、イギリス人がロシアと戦うために行くのを支持した。彼女はウクライナが自国防衛するのを助けるため武器を送ることを大声で支持した。更に、彼女は、イギリスが凍結したロシア国民の資産は、ウクライナに転送されるべきだと提案した。
もちろん、トラスは、ロシア侵略に反対してウクライナ人を支持する道義的とされる立場を、イスラエル侵略に直面しているパレスチナ人に申し出る意図は皆無だ。
彼らがイスラエル攻撃から自身を守ることができるよう、パレスチナ人に兵器を送るのを、いつか彼女が承認するとは想像できない。全く逆だ。イスラエルがガザを窒息させ、西岸と東エルサレムのユダヤ人入植者が、益々パレスチナの土地を盗んでいる中、トラスの政府はイスラエルへの兵器販売を記録的水準に増やしている。
トラスが、イギリス国内のイスラエル資産を凍結するのに同意し、それを辛抱強いガザの再建を支援するために使うことも考えられない。あるいはイスラエルの押しつぶすようなガザ封鎖に対するパレスチナの抵抗で、戦いに行くイギリス人を支持することも。
トランプにとって、この動きは、アメリカ福音主義信者という彼の選挙基盤に迎合するよう意図されている。彼らは終末の際、キリスト教徒だけが神と共に昇天する時代をもたらすため、ユダヤによるこの地域の支配を支援したいと望んでいるのだ。
今トラスは、トランプを真似る準備ができているように見える。
手紙で、外務大臣は、政府に立案された自由貿易協定を促進することによって、イスラエルとイギリスの結びつきを「強化する」と約束している。トラスは「緊密な貿易」が優先事項だと述べている。
イギリスが、このような協定を性急に交渉すると、「イスラエルのアパルトヘイト体制を奨励し」イスラエルが違法入植地を広げるのを助け、占有したパレスチナの土地を併合するイスラエルの取り組みに承認印を与えかねないと、アムネスティー・インターナショナルのような人権擁護団体は危険を警告している。
占領地での違法行為のかどで、資金を引き上げる「ボイコット、投資撤収、制裁」運動BDSに、地方自治体を含め、公共団体が、参加するのを阻止するため、アメリカ風の法案を支持して、イスラエルから資金を引き上げる国際的ボイコット運動を、更に取り締まるとトラスは誓約している。
彼女は、BDSは「不要な分裂」を起こすと言う。多分彼女を懸念させる分裂は、パレスチナ人や彼らの支援者や人権擁護団体との緊張に拍車をかけることではなく、イギリスでイスラエルの攻撃的ロビイストの反感を買うことなのだ。
欧米政府の怠慢を考えれば、ボイコットで表明される団結は、事実上、個人と団体がイスラエルを罰する唯一の非暴力的方法だ。普通のパレスチナ人に対し継続する犯罪や、彼らの土地を盗んで、植民地化する取り組み、あるいはパレスチナ国家出現を阻止する動きかにかかわらず。
イスラエルの好戦的な占領に対する穏やかな抵抗を違法にし、トラスはパレスチナ人と彼らの支援者に厳しい選択しか残さない。猛烈な抵抗を進めるか、イスラエルが体を少しずつ切り落とし長時間苦痛を与え死に至らす処刑の凌遅刑のように、パレスチナ国家の地位や平和のどんな希望も殺す間、座視するかだ。
グローバルな権力の動的関係
トラスはイスラエルに責任を問うどんな取り組みも「反ユダヤ主義」と烙印を押すと明らかにしている。イスラエルが詳細な調査に直面する、ごく僅かな国際フォーラムの一つ国際連合での、人権侵害のかどでのイスラエル批判を彼女は沈黙させるつもりだ。
そして彼女は、イスラエルの軍事優位に対する中東唯一の拮抗勢力であるイランに対するイギリスの姿勢を強化すると約束している。
スナックのイスラエル擁護における気前の良さも決してひけをとらない。彼は自由貿易協定を称揚し、イスラエルとの対イランに諜報協力強化を主張し、ボイコットを違法にすると約束し、パレスチナを孤立させるため、一部の湾岸諸国に「平和の新時代」として署名されたアブラハム合意を、はなはだしく誤って描写している。
ジョンソンの後釜がトラスか、スナックかにかかわらず、いずれも既にパレスチナに対して、イスラエルを擁護し、国内の不同意を押しつぶすと決心している。
野党労働党党首キア・スターマーは、保守党の足並み揃えたイスラエル支持に対する、いかなる修正策も主張していない。
パレスチナ人のための公正の強い支持者である前任者ジェレミー・コービンは、組織的に反ユダヤ主義の党を監督していると中傷する、容赦ない長年の証拠なしの組織的運動に直面している。スターマーは、その教訓を学んだ。労働党党首としての選挙運動中、彼は自身をシオニストと宣言し、実際、イスラエルがパレスチナの土地を奪い、それを植民地化する権利を持っていると強く主張するイデオロギーを支持した。
その時以来、イスラエルをアパルトヘイト国家と宣言し、パレスチナ人を圧迫するために兵器を与えることを拒否する自身の党会議による投票を彼は無視している。彼は長年受け入れられている反シオニズム、イスラエルによるパレスチナ人圧迫と、反ユダヤ主義、ユダヤ人に対する偏見との違いも曖昧にしている。
トラスやスナック同様、スターマーは、イスラエル軍統治下でパレスチナ人に権利を与えるのを拒否しながら、ロシア侵略へのウクライナ抵抗支援をはっきり支持している。
これら超党派的二重基準で明らかな通り、イギリス政党の幹部連中は誰であれ、何を主張していようと、本物の倫理的原則や博愛主義を基本にした外交政策を見いだす用意がないのが真実だ。
連中のイスラエルに対する条件反射的支持は、グローバルパワー動的関係の認識からして当然だ。石油に富んだ、紛争が起こりがちな中東、化石燃料産業と武器製造業者の超強力な圧力団体が財政的に実に多くを危険にさらしている地域での思惑は、欧米の新植民地権益が設定するのだ。
イギリス政府は、より大きな公益という概念ではなく、狭い身勝手なエリートの権益に奉仕している。それこそが、パレスチナ人がイスラエルの爆弾に直面する以外、何のおとがめもなしに、イスラエルが、いつでも好きな時に、ガザを自由に攻撃できるのを知っている理由だ。
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記事原文のurl:https://www.jonathan-cook.net/2022-08-09/truss-sunak-fealty-israel/
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