http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/553.html
Tweet |
岸田政権の「新しい資本主義」、最大の被害者が「一般国民」になるこれだけの理由
投資家や外国人投資家も日本市場を忌避するようになってきている。そして、この動きは徐々に世界中へ認知され始めている。
ITmedia 2022年02月25日配信
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2202/25/news042.html
これまでの政府は、日本国民の高すぎる現金比率を改善するため、「貯蓄から投資へ」をスローガンに、国民の預金を株式に移転させてきた。
元々は預金になっていたはずのお金が投資に回ったのであれば、岸田文雄首相が検討している金融所得一律増税は、実質的な「預金課税」といって差し支えない。金融所得増税は個人にかかるものであるため、法人の機関投資家には増税の影響がない。
それでも、日本株に個人マネーが流入しにくくなることは、当然法人の機関投資家にとってもネガティブな要素となる。そのため、大きな資金を動かす期間投資家や外国人投資家も日本市場を忌避するようになってきている。そして、この動きは徐々に世界中へ認知され始めている。
2021年には、英・ファイナンシャル・タイムズや米・ウォール・ストリートジャーナル、今年は米・ブルームバーグなどといった世界的メディアが相次いで「Kishida Shock」を見出しとしたニュースを配信している。
‘Kishida Shock’ Hits Japan Markets With Investors Wary of Redistribution Plans
Bloomberg
Japan stocks suffer ‘Kishida shock’ as new leader suggests tax rise
Fnancial Times
Japan Doesn’t Need ‘Kishida Shock’ Therapy
THE WALL STREET JOURNAL
一方で、岸田内閣の支持率は多少下がったとはいえ非常に高い水準で推移している。22年2月のFNN世論調査によれば、岸田内閣の支持率は初めて下落して62.6%だったという。支持すると答えた人の多くは、岸田首相の人柄が信頼できる(18.3%)という点であったり、実行力に期待できる(19.7%)という点であったりがポジティブに映っているようだ。
「新しい資本主義」を掲げ、賃金上昇を阻む「株主」の存在を喧伝する岸田氏。岸田氏を支持すれば、そんな株主を成敗し、賃金が上がると期待する国民も少なくなさそうだ。
しかし、そのような「株主イジメ」による弊害は、回り回って一般庶民に返ってくる可能性が高く、決して他人事ではない。
新しい資本主義で被害にあうのは一般国民
そもそも、運用をやめても一生暮らしていける蓄えがある富裕層にとっては、株式にネガティブな政策変更があったとしても痛くも痒くもない。なぜなら、株式が厳しくなればそのポジションを精算して、商業ビルやアパートといった「不動産所得」や「利子所得」といった「非金融所得」に逃げれば良いだけだからだ。それでも富裕層が金融所得にこだわるのであれば、日本を出ればいいだけだ。
一方で、そんな資金もない一般庶民にとって、預金以外で老後資金を貯めるのなら、低金利の今は「金融所得」しかないのである。このように、金融所得の増税をはじめとした株主いじめの数々は、富裕層いじめとしての効果がないだけでなく、むしろ「一般庶民いじめ」になってしまう可能性が高い。
それでも「自分は株を持ってないから関係ない」とする人もいるだろう。しかしほとんどの場合、自身が直接株を持っていなくても間接的に株を保有していることは、案外知られていないかもしれない。
生命保険や損害保険、銀行預金といった誰しもが利用し得る金融商品は、保険契約者や預金者から預かった資金を運用することでも収益をあげている。マイナス金利政策が長期化していることで債券運用の利ザヤが縮小し、これらの業種にダメージが蓄積している。ただでさえ債券で収益を上げることが難しい今、株式にとってネガティブな政策変更を連発すれば、上記のような金融セクターにとってさらに利ザヤを獲得しにくくなるだろう。それが、「振込手数料の値上げ」や「ATM手数料無料条件の縮小」といった各種の改悪という形で国民生活に転嫁されていく可能性もある。
それだけではない。岸田ショックによって本質よりもさらに日本企業の時価総額がディスカウントされれば、外資に日本の会社が買収されやすくなるし、資金調達の際に外部株式に放出しなければならない議決権割合が増加する。仮にあなたが株式を持っていなかったとしても、関係先に上場企業があれば、そこから悪影響が波及してこない保証はどこにもない。
年金からは100兆円が国内金融市場に投下されている
最大の懸念は「年金」だろう。現在、およそ200兆円の年金積立金がGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)で運用されている。そのうち国内債券と国内株式が占める割合はおよそ50%、約100兆円もの年金資金が国内の金融市場に投下されている。
GPIFの年金運用については、20年のコロナショックや15年のチャイナショックといった短期的な暴落と一時的な運用益の減少がセンセーショナルに報じられやすい。そのため、今回の岸田ショックも「運用益は減ったが、それでも累計の収益はプラスである」という、通り一辺倒の「ずれた擁護」が発生しやすいと考えられる。
しかし、岸田ショックは、コロナウィルスという自然災害やバブル崩壊のような群集心理と違って、コントロール不能な事象ではない首相自身の発言が発端となっている点が異なる。ということは岸田ショックによるGPIFの運用益減少は、「本来コントロールできていた事象で将来の年金積立金に逸失利益を生じさせ、ひいては年金にダメージを与えた」といって差し支えないのではないか。
岸田氏をあらわす言葉として、“聞く姿勢”という特徴がよく挙げられる。しかし、18日に実施された金融審議会作業部会では、「投機を助長している」として岸田文雄首相が掲げた「四半期開示制度の廃止」に有識者は誰も賛成しなかった。部会で審議される前にしっかりと聞いておけば、誰も賛同しない奇抜な提案は上程されなかっただろう。
今岸田氏に必要なのは、まさに自分が得意と自認する「聞くこと」、市場との対話であろう。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK289掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK289掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。