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安倍元首相の国葬で「弔問外交」は機能しない 小渕元首相の時よりも格落ちになるだろう 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/311061
2022/09/09 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
2000年に武道館で行われた小渕元首相の合同葬(C)日刊ゲンダイ
安倍元首相の葬儀を国葬にすることについて、政府は「可能なかぎり首脳会談などを行い、いわゆる弔問外交を通じて、各国などと関係強化を図る」との考えを示し、弔問外交を国葬にする理由のひとつに挙げている。
だが、予定される安倍元首相の国葬では有効な弔問外交は展開されない。
「弔問外交」とは、一般にどのような外交を意味するのであろうか。整理すると次の通りになる。
@弔問時に元首クラスが訪れ、2国間関係の緊密さを内外に示すA良好な関係が結ばれていない国の間で、「弔問」を理由に要人が訪れ、関係改善の契機に使うB弔問時に訪れた各国首脳間で公式、非公式の会談を行い、国際関係の改善を図る。
弔問外交で顕著な例は、1980年のチトー・ユーゴスラビア大統領の葬儀であろう。前年、ソ連がアフガニスタンに侵攻し、国際的に緊張があったこともあり、東西両陣営から首脳が押しかけた。
サッチャー英国首相、ソ連のブレジネフ書記長、中国の華国鋒党主席、北朝鮮の金日成主席、アラファトPLO議長らが出席。シュミット西独首相は活発な外交を展開した。
政府はこうした「弔問外交」を行うために国葬が必要だと説明している。
だが、要人が「弔問」に訪れるために「国葬」は必要ではない。
2000年、武道館で行われた小渕元首相に対する政府・自民党の合同葬を振り返る。
この時、米国からクリントン大統領、韓国から金大中大統領、アセアン諸国からはフィリピン、インドネシアから大統領、マレーシア、タイ、ラオス、カンボジアなどから首相が訪れた。
中国からは銭其琛副首相、ロシアは副首相、英国は外務閣外相、ドイツは経済協力相が来ていた。
今回は米国からは大統領は来ず、ハリス副大統領の訪日が予定されている。多分総じて、小渕元首相の時よりも格落ちになるだろう。仮に習近平国家主席やプーチン大統領が訪問すれば、意義のある会談が行われる可能性があるが、それはまずない。
G7(先進国首脳会議)も現役の首脳はカナダ首相のみが予定されている。G7で交流したドイツのメルケル前首相もフランスのマクロン大統領も訪日が予定されていない。
こうした出席者の中で、どのような有効な会談がありうるというのか。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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