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※紙面抜粋
※2022年6月8日 日刊ゲンダイ2面
【選挙で自民を圧勝させたら万事休す】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) June 8, 2022
日銀・黒田大放言に庶民は怒りの鉄槌を
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/iL0tR0RlJp
※文字起こし
「家計の値上げ許容度も高まっている」──日銀の黒田総裁が大放言の釈明に追われている。6日、都内の講演で放った浮世離れ発言にネット上などで批判が集中。7日の参院財政金融委員会で「必ずしも適切な言い方でなかった」と発言を事実上修正した。
夕方の経済財政諮問会議が終わった後も、首相官邸で記者団に「家計が自主的に値上げを受け入れているという趣旨ではない。誤解を招いた表現となり、申し訳ない」と陳謝。しかし、いくら謝ったところで、日銀のトップが国民の生活実感を全く把握していないことは打ち消せない。
黒田が問題発言の根拠として引用したのは、東大の渡辺努教授が4〜5月に国内8383人を対象に実施した家計調査だ。〈馴染みの店で馴染みの商品の値段が10%上がった〉際の行動を聞くと、昨年8月は半数以上を占めた〈他店に移る〉との答えが、今年4月では大きく減ったという。
この結果を「日本の家計が値上げを受け入れている」という発言につなげたのだが、同じ調査で回答者の過半数は1年後も「賃金は変わらない」と予測。賃金が上昇しない中での値上げならば、家計は「許容している」のではなく、「我慢している」だけだ。
そもそも「他店に移る」との回答が減ったのも、値上げラッシュが続けば「どの店でも高いのは同じ」と庶民の諦めの境地を反映している可能性が高い。
黒田発言は我田引水に過ぎない。
4月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率は前年同月比2.1%。2%の大台は消費税率アップの影響を除けば2008年9月以来、13年7カ月ぶり。一方、7日発表された4月の実質賃金は前年同月比1.2%のマイナスだ。
賃金は増えないのに、物価高騰に圧迫される家計の現状など、年収3530万円のセレブ生活を満喫する黒田にはサッパリ理解できないのだろう。
厳しい庶民生活を理解できない上から目線
さらに黒田は講演で値上げ許容度が高まっている理由について、仮説と断りながらコロナ禍で家計の貯蓄が積み上がっていることを挙げた。つくづく、弱者への目配りのできない「上から目線」の人物である。
総務省の労働力調査によると、コロナ禍の影響で仕事を失った状態が1年以上続いている「長期失業者」は、昨年の月平均で66万人に上った。前年より13万人、率にして24.5%増だ。新型コロナの影響が長期化し、再就職先がなかなか見つからない状況を物語る。
長期失業者は貯蓄を積み上げるどころか、取り崩す生活だ。そんな厳しい暮らしを物価上昇が直撃。特に家計を圧迫しているのは電気代の上昇だ。
ウクライナ情勢の緊迫化などで、燃料の液化天然ガスや石炭などの輸入価格が上昇。大手電力10社の電気料金は比較できる過去5年間で最も高い水準だ。最も利用者が多い東京電力管内だと、使用量が平均的な世帯の昨年6月分の電気料金は6913円だったが、今年6月は8565円。1年間で1652円、約24%もアップしている。
庶民がエアコンをつけるのも我慢し、食費を切り詰めざるを得ないのも、元凶は黒田が固執する異次元レベルの金融緩和である。緩和継続により利上げを続ける米国との金利差が拡大。原油・資源・小麦など幅広い輸入物価が上昇する「悪い円安」を招き、家計負担が増しているのだ。
黒田発言もあって、7日の円相場は一時1ドル=133円台まで急落。02年4月以来、約20年2カ月ぶりの円安水準を更新した。黒田には「物価の安定」を最重要課題とする日銀トップの資格ナシだ。
政権にスリ寄る姿勢は相変わらず
緩和継続による物価上昇で家計は火の車なのに、言うに事欠いて、自分の失政を認めず、庶民は値上げを「受け入れている」とは改めて耳を疑うが、黒田発言こそアベノミクスの異次元緩和の本質を表している。経済アナリストの菊池英博氏がこう指摘する。
「円の価値を半分に切り下げた異次元緩和は庶民切り捨て策です。13年4月の緩和開始当初、黒田総裁は『マネタリーベースを2倍に拡大、2年で2%のインフレ目標を達成する』と豪語したものの、ズルズルと継続。この9年余りで恩恵を受けたのは、円安による為替差益で儲けた輸出大企業と、ETF購入の官製相場による株価維持で潤った金融資産を持つ余裕のある富裕層のみ。その富が庶民にも滴り落ちてくる『トリクルダウン』は一度も実現していません。しかも、輸出大企業の収益改善も見せかけだけで、輸出数量自体は増えていない。だから、企業はコストダウンに走り、生産性向上は妨げられ、日本経済の実力は低下の一途。賃金アップも望めません。黒田日銀が出口戦略も示さず、やみくもに緩和を続けた結果、最悪の形で2%の物価目標を達成するとは、ヒドイ話です」
黒田は物価高騰を何とかして欲しいと望む庶民や年金生活者の切実な願いに背を向け、「揺るぎない姿勢で緩和を続けていく。引き締めを行う状況には全くない」と講演で豪語。テコでも動かない黒田の姿勢と大放言は、今後のさらなる物価高への布石と見るべきだ。
帝国データバンクによれば、7月以降に約4500品目の値上げが決まっており、6月分までの分を含めると今年の値上げ食品数は1万品目を突破。現在のペースでは年2万品目に達する可能性があるというが、緩和を続ける限り、値上げラッシュは止まらない。
緩和見直しは自民のスポンサーに悪影響
前出の菊池英博氏はこう言った。
「黒田総裁が悪辣なのは、時の権力者の政権維持に利用されていると知りながら、緩和を続けていること。株の買い支えも株高を維持し、安倍政権の支持率を支えてきた。政権が代わっても、スリ寄る姿勢は相変わらず。参院選前のタイミングで緩和を見直せば、円安の恩恵であぐらをかいてきた輸出大企業にとって大ダメージ。輸出大企業から多額の政治資金を受け取る自民党にとっても、選挙に悪影響が及ぶ。だから、国民生活は度外視で緩和は続くのです。時の政権にとって緩和は麻薬のようなもの。一度、手を出すと止められないのです」
黒田の発言陳謝も参院選を控えた政権のためだろうが、庶民生活に目もくれないのは岸田首相も同じ。
補正予算の中身は、つかみ金の予備費積み増しと、原油高で潤う石油元売り企業への補助金に消える燃油高騰対策だけ。1万品目以上の値上げに青息吐息の生活者目線に立っていない。
「新しい資本主義」とやらも「分配」は消え去り、アベノミクス路線を堅持。「1億総株主」の「資産所得倍増プラン」で、いよいよ株価維持に庶民の虎の子にまで手を突っ込もうとしている。投資どころか、貯蓄できない家計は置き去りだ。
「これだけ物価が上がっても年金は2年連続減額です。16年に『年金カット法』と呼ばれた法改正を安倍政権が断行。現役世代の賃金下落に年金支給額を連動させる仕組みが適用されたせいです。賃金が上がらず、年金も減れば消費が冷え込み、景気は悪化、また賃金が下落の悪循環です。断ち切るには医療・介護予算を充実させ、将来不安を打ち消し、累進課税を強化したうえで、消費税減税を断行。庶民の可処分所得を増やすしかない。ところが、岸田政権は防衛費増加で国民にさらなる負担を押しつけようとしています。来たる参院選は怒りの鉄槌を下す絶好のチャンス。自らの生活を救うため、庶民は声を上げるべきです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
参院選で自民を圧勝させたら「万事休す」と覚悟した方がいい。
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