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※2022年5月2日 日刊ゲンダイ2・3面 紙面クリック拡大
狂気の戦争の絶望的な教訓と今後 日本も必ず戦禍に巻き込まれる予感(下)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/304703
2022/05/03 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
大マスコミは報じない武器商人の高笑い
ロシアを苦しめる対戦車ミサイル「ジャベリン」(右)、東部包囲作戦も難航でプーチン大統領の胸中は…(C)ロイター
徹底抗戦するウクライナに向けた武器供与が加速している。中でも突出しているのがNATO(北大西洋条約機構)を主導する米国だ。軍事支援は総額で34億ドル(約4300億円)を突破。ウクライナの2022年国防費の約7割に相当する。
米国が供与した主な武器は対戦車ミサイル「ジャベリン」5500基超、地対空ミサイル「スティンガー」1400基超、自爆型ドローン「スイッチブレード」700機超、新型ドローン「フェニックスゴースト」121機超。ほかにレーザー砲弾ロケット砲や155ミリ榴弾砲なども送っている。バイデン大統領は「米軍はウクライナでは戦わない」と直接介入を否定し、「第3次大戦は避けなければならない」と繰り返しながら、戦争の長期泥沼化につながりかねない大盤振る舞いを続ける。
「戦争が勃発すると、軍産複合体が儲かると言われてきましたが、明確なエビデンスはなかった。ところが、この戦争では武器供与の流れが詳細に伝えられています。ウクライナへの支援が増すほど、欧州の緊張が高まり各国が軍備増強に動くほど、軍需産業が潤う構図が浮き彫りになった。国防費をGDP比2%超へ引き上げるドイツの軍装備の半分は米国製です。戦争が長引けば軍産複合体は高笑いでしょう」(元外務省国際情報局長・孫崎享氏)
ジャベリンを製造する米ロッキード・マーチンの株価は年初より約26%も上昇。スティンガーを製造する米ジェネラル・ダイナミクスも好調で、約16%も上げている。NYダウ平均の伸び率は5%程度だから、2社の値動きは際立っている。
バイデンが「この戦争がどれだけ続くかは分からない」と言い出したのも意味深だ。
「バイデン政権を支える2本柱は金融資本と軍需産業です。前回の大統領選を約1カ月後に控えた2020年9月、約500人の安全保障関係者がバイデン支持の公開書簡に署名した。国防長官や国務長官、CIA長官を務めた面々のほか、元軍高官も名を連ねた。バイデン政権が停戦に乗り出す気配を見せないのは、長期化が関係者にとって都合が良いからかもしれません」(孫崎享氏=前出)
犠牲者は浮かばれない。
欧米が正義とは限らないのに隷属する愚かさ
「プーチンがジェノサイドを繰り広げている」──と、呼び捨てで批判しているバイデン。確かにプーチンは悪魔のような男だが、欧米の振りかざす“正義”も、欺瞞にまみれているのが実態だ。
そもそも、この戦争を引き起こした責任の一端が、欧米にあるのは間違いない。フランスの歴史人口学者のエマニュエル・トッドは、「文芸春秋」(5月号)のインタビューに答え、次のような趣旨の主張をしている。
「戦争の責任はだれにあるのか? 米国とNATOにある」「ウクライナのNATO入りは絶対に許さない、とロシアは警告を発してきたのに、これを無視したことが戦争の要因」「ロシアの侵攻前から、米英が兵器を大量に送り、ウクライナを武装化してきた」
まさに、その通りだろう。もともと、ウクライナは“中立”を目指していたのに、アメリカが2009年、ウクライナにNATO入りをそそのかしたのが決定的だった。しかも、ウクライナに大量に兵器を送り、外野から「戦え、戦え」とけしかけるだけで、自分たちの参戦はかたくなに拒否している。
すでに、アメリカの政治作家、ダイアナ・ジョンストンは、「アメリカの目的はウクライナを救うことではない。ロシアを破壊することだ」と論文で喝破している。実際、いま欧米がやっていることは、自分の手を汚さず、ロシアを弱体化させているのも同然である。はたして、これを正義と呼べるのか。
「国際政治には必ず裏があります。どの国も国益を最優先しているのが実態です。たとえば、ウクライナ危機も、アメリカにとってはビジネスチャンスになる。エネルギー大国であり、農業大国でもあるロシアからの輸出がストップすれば、アメリカに巨大特需をもたらせますからね。もちろん、軍需産業も潤います」(経済評論家・斎藤満氏)
日本の大手メディアは、アメリカ発の情報を垂れ流し、岸田政権はに派兵しないアメリカに隷従しているが、戦争の実態がまったく見えていない。
案の定でてきた武装強化と改憲論だが、この戦争の教訓は逆
「挑発的で非常に悪のりした議論だ。周辺国を刺激しすぎる。国民を危うい状態に置きかねない」
政府の国家安全保障戦略改定に向け、自民党が5年をめどに防衛費をGDP比2%以上に増額することや「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換えて保有すべしと提言した。冒頭は、これを批判した立憲民主党の小川政調会長の発言。まさにその通りで、ロシアのウクライナ侵攻に乗じた「悪のり」である。
今年度の防衛費は5.4兆円。GDP比2%となると12兆円近い額になる。ますます社会保障費が削られるのは必至だが、自民党は「かつてなく厳しい安全保障環境を踏まえれば、防衛費の抜本的な強化は一刻の猶予も許されない」と訴えれば国民を黙らせられると踏んでいる。
「敵基地攻撃」は憲法9条に基づけば「専守防衛」を逸脱しかねないのだが、安倍が4月下旬のシンポジウムで「今こそ9条の議論を」と発言したように、武装強化と改憲論をセットにした勇ましい議論がどんどん加速している。
しかし、それで国民はより安全になるのか。逆だろう。終わりの見えないウクライナ戦争は、許しがたい残虐死も逃げ惑い難民になるのも市井の人々。むしろ国民を危険にさらしている。
侵攻したロシアに非があるのは言うまでもないが、キッシンジャー元国務長官ら米国外交の重鎮たちが「NATO拡大は戦争に至る」と警告したにもかかわらず、米国がNATO東方拡大を進め、ウクライナもNATO参加を憲法に定めたために、プーチンを刺激したのは間違いない。抑止力の強化は、逆に戦争を近づけることになりかねないのだ。
「防衛費を増額し、米国と連携して抑止力を高めると言いますが、抑止力は破られることがあり、破られれば必ず戦争になる。日本の政治家にその覚悟があるのでしょうか。憲法9条は、日本にプーチンのような首相が出てきても海外で戦争ができない、ということで、周辺国に安心感を与えている。改憲して戦争ができる国となれば、周辺国はこれに反応して軍事力を強化する。東アジアの不安定化を招くだけです」(防衛ジャーナリスト・半田滋氏)
狂気の戦争の教訓を、日本は生かさなければならない。
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