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やられっぱなしで存在感が薄すぎ「立憲民主党のヤバイ未来」
https://friday.kodansha.co.jp/article/240490
2022年04月25日 FRIDAYデジタル
昨年11月、立憲民主党は代表選を行なった。国民は新執行部に期待した。野党第1党として地に足のついた、確かな政治を、力強く実現してほしい。その願いに必死に応える姿がみたい 写真:つのだよしお/アフロ
「言葉」が響かない
立憲民主党の存在感は薄れるばかりだ。参院選を前に、泉健太代表は北海道遊説の際にこう言った。
「円安、燃料高によって国民生活はかなり疲弊している。今国会会期中に大規模経済対策の予算編成をしないのなら、この政権は信任に値しない」
岸田文雄内閣は、物価高騰に喘ぐ国民を目の前にして「無策」である。内閣不信任決議案を提出する用意があると強硬姿勢を示した。
一方、ロシアのウクライナ侵攻によって緊迫した安全保障問題については、小川淳也政調会長が会見で、自民党にこう釘を刺した。
「防衛費のGDP比2%への増額、敵基地攻撃能力議論は、挑発的で悪乗りした議論ではないか」
党のツートップが、揃って政権批判を強く訴えた。経済危機と軍拡強行姿勢、自民政権への不満は膨らむはずだ。ここで、野党第一党である立憲への追い風を作り出したいが、内閣不信任決議案、軍拡といった激しいワードを駆使しても国民にはなかなか「響かない」。いったい、どういうことなのか。そして選挙に向け、野党共闘はどうなっているのか。
参院選挙に準備が間に合わない
「維新と国民民主党は、静岡選挙区と京都選挙区で相互推薦を行うなど関係を深めています。一方、立憲は、共産党と参院1人区の候補者調整をするものの、全国でせいぜい2〜4選挙区を取れれば…という極めてきびしい選挙戦が予想されます」(全国紙政治部幹部)
例えば参院茨城選挙区では、候補者の擁立を断念している。
「立憲支持の労組は大小10団体ほどありますが、自治労とJP労組以外は態度を決められなかった。連合茨城の組織内部の事情が大きく影響しました。県連公募をしたにもかかわらず、候補者を立てられないというのは信じがたいことです。県民の信頼を失い、貴重な議席を失いました」(地方議会立憲関係者)
茨城以外でも、立憲の各県連は、岸田政権への高支持率と維新の勢いに圧倒されている。
「維新が先に行われた京都府の府議補選を勝ったことで、京都(定数2)では、立憲の前幹事長·福山哲郎の議席が危ぶまれています。
千葉(定数3)では、政策通で知名度がある小西洋之。維新から候補者が立てば、一気に激戦区となって当落線上の戦いになるでしょう」(立憲代議士)
自民党の高笑い
岸田自民党は「立憲など敵ではない」とばかりに余裕をみせている。その背景には、麻生太郎副総裁が連合の芳野友子会長との関係を強化している動きもあるからだ。
「芳野会長は自民党本部の会合に出席するなど、まるで自民党の友好団体のような振る舞いです。麻生副総裁は、『芳野会長と酒が飲める関係ができた。サラリーマンの給与引き上げは自民党の政策なんだから、連合とすれば自民党と付き合う方が実利的なんじゃねーの』と高笑い。連合は再び分裂し、旧総評と旧同盟という分裂で弱体化するのではないかとも見られている。これは、立憲にとって非常にまずい事態です」(連合関係者)
自民党本部で開かれた会合に出席した連合の芳野会長はこう言った。
「私どもの政策実現のために、ぜひ自民党にもお力を貸して頂きたいというお願いをしました。自民党は、課題解決したいと」
麻生副総理が仕掛けた連合との関係強化。だがじつは、安倍政権の時代から、自民党は盛んに、連合にアプローチをしていた。
菅義偉前首相は、官房長官時代から連合前会長と近しく、今も太いパイプを維持している。労組の票が自民党に流れるケースも少なくないのが現状だ。
立憲が「死に物狂い」の姿をみせるとき
「自民党では何も変わらない。正直、景気もなにも、よい方向に向かう気配はありません。かといって共産党に任せるわけにもいかない。労組頼みの立憲には期待できない。一方、権力にすり寄った国民民主党は論外。こうなると行き場を失った票は、自民党と微妙に距離を置きながら、地方組織を固めてきた維新に向かってしまうという流れになってしまいます。とはいえ、維新は新興の小さい政党で、政策立案能力もまだまだ。参院選は、自民の一人勝ちででしょうね」(岸田首相周辺議員)
国民のために「死に物狂いで党再生」を誓い、泉代表、逢坂誠二代表代行、西村ちなみ幹事長、小川政調会長の新体制となった立憲民主党が、大きく失速している。「自民ひとり勝ち」「よくも悪くもない岸田長期政権」の声が高まるなか、野党第1党は、どう存在感を示していくのか。貧富の差は広がり、経済危機が目前にある今、参院選挙はこの国の行方を決める重要な選択になる。
取材・文:橋本隆
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