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元記事http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/2046956.html
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谷本誠一・呉市議会議員と筆者の高橋清隆が2月6日、ノーマスクで北海道の釧路空港発羽田行きに乗ろうとした際、1時間近くにわたりマスク着用を求められた末、安全阻害行為に当たるとして降機させられた上、釧路警察署で約1時間任意の事情聴取を受けた。
2人は9時50分発の全日空(ANA)とのコードシェア便に搭乗した。空港での搭乗手続きの際、ノーマスクでいる理由を執拗(しつよう)に聞かれ、約1時間足止めされた。「健康上の理由ですか」との質問に対し、「違います。マスクに感染予防効果がないばかりか、体に有害な上、民衆を完全管理化する口実であることを知っているからです」と答えていた。
理不尽な扱いを受ける伏線はあった。4日に羽田発中標津(なかしべつ)行きに乗る際、一緒に搭乗する5人のうち1人が保安検査場でマスクを着用していない理由を詰問され、10分以上足止めされていた。5人ともマスク不着用だったが、詰問要員が付近に1人しかいなかったため4人は何事もなく搭乗口に向かうことができた。足止めされた1人も、「健康上の理由ですか」との質問に「まあ」などと生返事していたため、円滑な運営をしたい係員は健康上の理由と解釈したと思われる。
6日の釧路空港では、長時間質問に付き合わされたために出発時間が迫った。乗るのは谷本氏と筆者の2人だけ。「もう早くしてくれ」と抗議すると、最終的に「乗れるのは確定しておりますので」と手続きカウンターの女性係員が2人、われわれを機内に案内した。
最後尾の2列に案内されたわれわれは、座席に着く。いずれも3人掛けに1人だけの搭乗で、各2座席に荷物を置くことも許された。
5分ほどすると、女性の客室乗務員が1人やって来る。「お客さま、健康上の理由でマスクを着けられないのであれば、フェイスシールドでも結構ですが」。谷本氏は「マスクを着けたら脳に酸素が十分供給されず、ばい菌による感染もしやすくなるという思想・信条から着けません」と答えた。
女性は退散すると、また5分後にやって来た。「お客さま、健康上の理由でなければ着けていただくようお願いしております」。谷本氏が「われわれは健康上でなく、思想信条の自由で着けてない」と応じる。私が「それは強制ですか、お願いですか」と尋ねると、「お願いです」と女性。私は「そうですよね。任意ですよね。お断りします」と返答。
女性はまた一旦消え、5分後に再来する。「お客さま、不安に思うお客さまもいるので、ご協力お願いしたいんですが」と迫る。私が「そういう迷信を解消するため説得に当たるのがあなたの務めでしょう」と返す。
女性はまた消え、戻ってくる。「どうしても着けていただけないと、出発できないんですが」と告げてくる。さらに「マスクを着けていただけない場合、降機していただくかもしれませんが」と責めてくる。谷本氏は「それは刑法223条の強要罪だけでなく、同222条の脅迫罪に該当する」と教えた。私は「マスク不着用を理由に降機させることが可能なら、その法的根拠をお示しください」と求めた。
その場を離れた女性はしばらくして、地上勤務の男性係員と再来した。「着けていただけないと、出発できないんですが」と同じせりふを発する。「強制ですか、お願いですか」。「お願いです」。「そうですよね。マスクは着けません」「着けていただかないと、降機をお願いすることになります」。「ですから、法的根拠をお示しください」。
係員が5人ほどに増え、同じ問答を繰り返す。「公共交通機関におけるマスクの着用が感染症を防止する効果を立証する科学論文または文書」をある市民が情報開示請求した際、国土交通省が「不存在」と回答したことを谷本氏が説明する。私は、単なるマスク不着用は航空法第73条の4が規定する「安全阻害行為」に当たらないとする赤羽一嘉(あかば・かずよし)前国土交通相の記者会見での答弁録をスマホで示した。
谷本氏はさらに、4日の羽田空港等で国交省航空局危機管理室に抗議の電話をしたやり取りの録音を聞かせようとした。機内でのマスク着用はお願いであって、強制ではないこと、マスク着用を搭乗の条件にすることは憲法が保障する基本的人権の尊重や移動の自由に抵触するとの見解への同意を確認するとともに、全日空など航空各社にこのことを守らせる行政指導を求めている。
しかし、いずれの係員もわれわれの提示した資料を見聞きしようとしなかった。しばらくすると、警察官が1人機内に入って来た。「降機してもらう」と言った。「なぜ?」と谷本氏が尋ねると、「今、マスクは常識だろう。みんなしてるじゃないか。テレビでもそのように報道している」とふんぞり返る。「みんながどうとか、常識とか関係ない。科学的にどうか、法的にどうかを聞いている」と問う。「ですから、法的根拠をお示しください」と私。
それらを受け、警察官と女性の乗務員は一旦退散し、再度戻って来た際に「命令書」を読み上げた。降機を命じる理由は、航空法第73条の4第5項だとし、「乗務員の職務を妨害し、航空機の安全の保持等に支障を及ぼすおそれのある行為をすること」にチェックが入れてある。「お客さまの行為によって、運航が大幅に遅れました」と言い添えた。
「あんた方がマスクを強要して運航を遅らせたんだろう。人のせいにするな」
われわれが反論すると、巡査は「降りなければ、執行しますよ」と通告した。私は強制執行によって逮捕されることを望んだ。その方がマスク搭乗をめぐる問題をはっきりさせることができるし、刑事告訴されれば、司法判断を仰ぐことができる。しかし、谷本氏に耳打ちして相談すると、議会質問が翌日あり、その日のうちに帰る必要があるという。少しでも時間を短縮するため、自ら降機して警察に事情を説明することを選択した。
空港内の派出所に約1時間、釧路警察署に約1時間いた。警察署に向かうパトカーの中で私は、「これは逮捕か、任意の事情聴取か」と尋ねた。警察官は「任意の事情聴取です」と答えた。私は「そうですよね。われわれは捜査に協力しようとしています。ANA側の乗務員にも当然、事情を聞いているんですよね」とただすと、「ANAの搭乗員は業務のため、今は聞いていません」と答える。「えっ、必ず聞いてくださいね。逮捕してください。法律違反を犯しているんですから」と求めた。警官は無言だった。
1台目のパトカーに乗った谷本氏が先に入り、取調室に向かう。私は玄関ホールで検温と除菌を求められ、拒否する。私が「検温を求める理由は」と尋ねると、「感染症対策です」と答える。「何の感染?」とただすと、「コロナです」と答える。「COVID-19のことですか? それが存在し、怖いものであるというエビデンスをお示しください」と要求する。
警察官が7人ほどに増える。「検温をしていただかないと、事情聴取できないんです」。「検温は強制ですか、お願いですか」。「お願いです」。「ですよね、お断りします」。「とにかく、検温していただかないと……」。機内でのマスク強要と同じやり取りが繰り返される。
玄関ロビーの長いすなら事情聴取に協力してもいいと告げても、検温をして中で話を聞くことを求められる。身分証の提示を求められたので、保険証を出した。複写を要求されたので認めたら、次は免許証の提示を求められる。閲覧だけさせたら、複写をしたいと言われる。私が断ると、今度は写真を撮らせてほしいとカメラを掲げてくる。
「それなら協力できません。捜査への協力をしているのに、強要してくるなら、帰ります」。そう告げると、警察官が出口を塞ぎ、私を取り囲んだ。
「監禁罪ですね。弁護士を呼びます」
スマホを取って電話を掛けると、上官らしい刑事が「空けてやれ」と指示。巡査らが通路を空けた。表に出て3分ほどすると、谷本氏も出て来た。谷本氏によれば、取調室で事情を再度説明していると、課長からの伝令役の警察官が入って来て「早く帰せ」と伝言したという。
航空会社から返金手続きを受けた。私は「会社都合で降ろされたのだから、全額返金は当然だ」と迫っていた。
一連の出来事について谷本氏は、「航空各社が憲法違反を堂々と行っていることへの行政指導を国交省に求める」と抗議する構えだ。
憲法22条で保障された移動の自由を守るためにも、航空会社の違法性を確認させることが必要だ。
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